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■デジモン格付けレビュー・ギア編■

 デジモン作品のギアに対する(比較的)簡易な格付けレビューです。
更新情報などはレビュートップを参照してください。

Aランク
 傑作 手にする機会があれば是非
Bランク
 中々イイ感じ 気になる人には無難にオススメできる
Cランク
 難があり、人を選ぶかも ここらから定価分の価値があるかも怪しくなってくる
Dランク
 「俺はデジモンのためなら金も時間もドブに捨てられる!」という人向け
Eランク
 草

 上記の他、評価点や問題点によって「+」や「-」がついたりしますが、雰囲気程度に受け止めてください。
また、育成ギアは内容が似通っているために、評価には「発売時期」や「価格」は勿論、
後発であればあるほど「これくらいはできていてほしい」という期待値なども踏まえた評価になっています。




ランク【
デジタルモンスター 公式サイト跡地  ◆本レビュー ◆攻略ページ
◆Ver.1:1997年6月26日発売  ■1980円+税 ■Ver.1~5(全5種)
 記念すべきデジモンシリーズの原点。当時大流行していた携帯育成ゲーム「たまごっち」の派生作品であり、男子向けに舵を切るためにキャラクターはモンスターメインとなっている。 基本設計はたまごっちと同様。時計機能を搭載していて、お腹が減ればエサを与え、筋力が衰えればトレーニングのミニゲームをこなし、ウンチを流したり電気を消してやったりしてお世話をする。 そして時間が経つと、育て方によって様々な姿へと「進化」していく。  さらに、たまごっちにはなかった要素として、本体同士を接続しての「対戦機能」が追加された。これにより、強く鍛えるためのお世話や、より強い姿への進化を目指す意味が補強され、ゲームとしての完成度がさらに高まっている。  後続の商品と比較すると、初代は機能的に物足りない面があるのも事実だが、本体デザインの秀逸さ、ドットのユニークさや外見で判断できないパワーバランスなど、原点でありながら既に完成度が高い。  なお、本作も大ヒット商品となったため本体カラーのバリエーションが豊富で、中には海外限定バージョンなんてのも存在する。

 ・アプリ版(配信停止中)
 一時期はバンダイコレクションから有料のケータイアプリとしても配信されていた。 内容は基本的にギア版と同様で、サウンドはやたらプキュプキュしているが、図鑑モードや一人対戦機能など、最低限の欲しい機能が追加された優良な移植だった。



ランク【


ペンデュラムリバイブ
デジモンペンデュラム 公式サイト跡地  ◆攻略ページ
◆1.0:1998年10月24日発売  ■2200円+税
■1.0~5.0、ZERO(基本の全6種に加え、「〇.5」の特別バージョンが5種類)
 初代デジモンのヒットを受けて登場した新シリーズ。「ペンデュラム」とは振り子を意味し、本体を振ると内臓センサーからカチカチと音がして、このカウントでコマンド入力される「ペンデュラム機能」が搭載された。  登場デジモンはバージョンごとにテーマが統一され、例えば「2.0 ディープセイバーズ」は海のデジモン、「5.0 メタルエンパイヤ」は機械系のデジモンなどがまとめられており、進化ルートの充実感が補強されている。  さらに、完全体を超えたさらなる進化「究極体」や、合体進化「ジョグレス」が初登場。各バージョンの登場デジモンも初代の14体から20体に増加し、デジモンごとのドットのアクションもより表情豊かに進化している。 攻撃時にデジモンが飛ばす技ドットも、ほぼ全員が設定に沿った固有のものを用意されているのも嬉しい。  おおよそは初代デジモンの正当進化版だと言えるのだが、完全体以降の進化確率が下がっていたり、一部のジョグレス進化のハードルが高すぎだったり、究極体まで進化できないデジモンに格差がうまれたり、 代名詞とも言えるペンデュラム機能が経年劣化で認識しなくなる傾向が強かったりと、新たな懸念点も抱えてしまった。

 なお、一部店舗やイベント、通信販売による限定品「〇.5」シリーズが登場。これは1.5、2.5などの数字を持つ特別版で、本体カラーがクリアとなり、3体のデジモンが通常版と差し替えられたものになっている。 2002年の4月には「デジモンリターンズ」と称して、ペンデュラム1.5、4.5、5.5、ZEROの4バージョンが新パッケージで一般発売・再販されている。

 ・アプリ版「ペンデュラムリバイブ」「ペンデュラムサバイブ」(配信停止中)  ◆攻略ページ
 こちらもバンダイコレクションから有料配信されていたアプリ。 前作はバージョンごとの買い切りだったが、こちらは「1・3・5」を収録した「リバイブ」と、「2・4・ZERO」を収録した「サバイブ」の2つのアプリに分割。 ただの移植ではなく、ケータイらしく通信対戦やオンライン対戦の実装、さらに育成可能な追加デジモンや妙に多い敵限定デジモンなどが目玉。 しかしケータイと時間が連動しているせいでお世話ミスが起こりがち(フリーズ機能はあるがそうすると進化時間が進まない)、 何故か全バージョンの進化条件・ルートがペンデュラム1仕様、「.5」シリーズのデジモンは全員敵限定、 ペンデュラムコマンドは対応機種に限られるため、通常はボタン連打に差し替えられているものの一部デジモンのメガヒットコマンドが多すぎてケータイの認識が追いつかなくて実質不可能…などなど、色々な問題点も…。



ランク【B+
ペンデュラムプログレス  ◆本レビュー ◆攻略ページ
◆1.0:2002年7月27日発売  ■2500円+税 ■1.0~3.0(全3種)
 「進歩、発展」の名を持つペンデュラムの新シリーズ。育成ギアとしては初めて、ドットが従来の16×16ではなく、デジヴァイスシリーズに用いられている24×32規格のものが採用された。 デジモンの姿がより鮮明で大迫力にはなったが、アクションパターンの豊富さではペンデュラムに劣ってしまったり、デジモンごとの技ドットが共通になってしまったりと一長一短。  しかしゲームとしては「省電力機能」が初めて搭載され、放置していると画面が消えるようにエコ進化。さらに「バトルトレーニング」機能によって、待望の単独によるバトル数・勝率稼ぎが可能となったのが嬉しい。 また、プログレス独自の要素としてデジモンごとに「体力・攻撃力・回避力」の能力値が設定され、よりゲーム的にトレーニングやバトルを楽しむコトができるようになった。  登場デジモンはバージョンごとに23体と微増し、人気キャラクターを多めに収録。ペンデュラムコマンドの入力後にはカウント数が表示されるなど、細かいところも進化している。 …のだが、当時は何故か公式ページすら作られなかったりと、何かと不遇気味な感じ。



Ver.1.0・Ver.2.0
ランク【

デジモンミニ  ◆本レビュー ◆攻略ページ
◆Ver.1.0:2005年11月23日発売 ■1200円+税 ■Ver.1.0~Ver.3.0(全3種)
 名前の通り小さな本体が特徴で、「初代シリーズの約2/3」サイズに縮小されている。本体についているボールチェーンのおかげでケータイストラップなんかにもピッタリだが、気付けばモゲてそうなのでやめておいた方がいいだろう。 さらに価格もリーズナブルで、玩具店だけでなくコンビニのセブンイレブンなどでも気軽に買うコトができた。 長らく育成ギアシリーズはヴァイスドット展開が続いていたが、今作では小さな本体に合わせて久々に16×16ドットが採用。小さいながらも従来のギアと同様の育成が楽しめ、さらにアグモン系やテントモン系など、アニメに合わせた人気デジモンが収録されている。 新規ドットはあまりなく、ほとんどが再録デジモンではあるものの、初代組にはペンデュラム組と同等になるようアクションが追加されているのも地味に嬉しいポイント。

 値段の安さを思うとけっこう頑張っている…のは確かだが、色々と削られてしまった要素から見劣りしてしまう点も少なくはない。 例えば、今作では画面の上下に「メニューアイコン」がなく、食事やトレーニングなどのコマンドは状況に応じてボタンの割り当てが変更される仕様で対応しているが、これまでお馴染みだった「ステータス」の確認画面がまるまるオミットされている。これにより、デジモンに呼び出されるまでは空腹などの具合が一切分からず、年齢や体重までもがゲーム内でマスクデータとして動いているという不便な印象になっている(これに関して攻略本では「本物のペットのように小まめにお世話しよう!」と、調子のいいコトを言ってたりする)。 デジモンのアクションは豊富な一方で、技ドットは全キャラ共通にされてしまったのも残念だが、一番の難点は「バトルトレーニング」「クエスト」などで定番になっていた「本体一つでバトル回数や勝率を稼ぐ手段が失われた」コトだろう。プレイバリューの大幅ダウンもそうだし、本体の安さが魅力なのに、進化のために結局さらにお金を払って他のギアも用意しなくてはならないのはちょっと本末転倒に思う。 また、登場デジモンは究極体や超究極体がいるのに対して、各バージョンの登場デジモンは僅か13体で、非常に細長い進化図となっている。登場枠が限られているのに「なんでこいつを出した?」と浮いているのが混ざっていたり、メインに据えられた系譜ばかりが得をして、2体いる完全体は片方がそこで進化が終了扱いだったりと、とにかく進化ルートが格差的で歪なのも印象を損ねている。

 「デジタルモンスター25thアニバーサリーブック」のスタッフインタビューによると、今作は「低価格で販売できる育成ギア」「コンビニでの販路を確保」というのが大前提であり、そのためには泣く泣く登場デジモンの数を削ったり、ちゃんと考案していた単体バトルモードも没になったりした裏事情が語られている。とにかく容量不足に悩まされた今作だが、スタッフの尽力によりVer.3.0は登場デジモンが5体増加した全18体となり、ついでにやたらと格差がヒドかった進化ルートも改善されたりして、お値段も据え置きでかなり満足度の高いギアとなった。その努力には今改めて感謝する他ないが、どうしてもうまれる「Ver.1.0の頃から18体いてくれたらなぁ…」という思いが残念でならない。

 なお、「ユニクロ」とのコラボでけっこうなバリエーションの限定カラーが発売されたのも特徴だが、どれも内容はVer.1だったり、付属するアパレルがどれもチビッ子サイズで既に高校生~大学生になっていた古参勢には無駄になったりと、あまり喜べる展開ではなかった。限定カラー自体はクリアだったりクールだったりでイカスのが多かったのが余計に…。


Ver.3.0
ランク【B+



ランク【D+
デジモンミニ(クロスウォーズ版)  ◆攻略ページ
◆2010年11月6日発売  ■1650円(税込)
■シャウトモンレッド・グレイモンブルー・ダークナイトモンブラック(全3種)
 アニメ「デジモンクロスウォーズ」の展開中に発売されたデジモンミニ。メイン商品の「クロスローダー」以外にも何かギアを出そうという流れで、まだ使える金型としてデジモンミニが候補に挙がって出た商品らしい。パッケージにはタイトルが「デジモンミニ」としか書かれておらず、公式サイトでも「クロスウォーズ デジモンミニ」だったり「クロスウォーズミニ」だったりと呼称が安定しない。

 ガワこそデジモンミニと同じでもその内容は大きく異なる。ゲームを始めると各バージョンごとにシャウトモン、グレイモン、スカルナイトモンの育成がいきなり始まり、そこから「Xバトル」というバトルモードによって現れた敵を倒し、倒したデジモンによってデジクロスで姿を変えていく…というものになっている。 食事やトレーニング、ウンチや睡眠といったお馴染みの育成要素はあるものの、今作には「死」の概念がなく、ペナルティを重ねていくとデジクロスが解除されて初期の姿に戻る…という仕様になっている。 強いデジクロスを行うには強い敵を倒す必要があり、トレーニングで鍛えたり徐々に合体レベルを上げていく遊びはあるものの、敵を倒した瞬間に合体、そして放っておいても合体が解けるだけで死にはしない。つまり長期的に遊べるような設計にはなっておらず、別に最強形態になったからってご褒美や追加要素もない虚無が待っているだけで、一瞬で飽きてしまう。 バージョンごとに登場デジモンがほぼ全て異なるのは良いが、その内半数は敵限定枠なため、育成枠は各バージョン僅か9体とかなり厳しいボリューム。 新規ドットは(クオリティの差はともかく)豊富にあったり、意外なデジモンを久々に拝めるという点で僅かに価値は感じられるが、それは別に育成ギアとしての魅力ではない。 「進化」が異端とされ、「デジクロス」で戦う原作の世界観を再現する努力はうかがえるものの、結果的につまらなくなっちゃあダメだろう。デジクロス時にはアニメで印象的な「X」の演出が入ったり、与えるエサが肉ではなく「デジノワ」になっていたりと、細かい所に好きなポイントはあるんだが…。

 本家デジモンミニが「育成ギアの基本は抑えているが進化ルートが閉鎖的だったり単体バトルモードがないのが欠点」だったのに対し、こちらは「バトルモードが主軸となっていて自由に姿を変えられるが育成ギアとして根本的にダメ」なので、奇しくも真逆の内容となっている。



ランク【C-


オメガモンカラー
デジタルモンスターver.20th 公式サイト  ◆攻略ページ
★プレミアムバンダイ限定 ◆2017年6月発送(ニューカラー:2017年11月20日発送) ■3500円+税
■オリジナルブラウン・グレー/ニューカラーアルファモン・ズバモン・オメガモン(全5種)
 デジタルモンスター20周年を記念して、新規金型を起こして初代ギアを再現したアニバーサリーグッズ。情報特番で読み方を問われた時に出た「にじゅっす」が呼称として便利。 仕様電池がLR44×2からCR2032×1になったため電池ブタの形状は少し変わったが、全体的には本家とほぼ変わらない外観。  しかしその内容は大幅パワーアップを果たしており、なんと初代デジモンVer.1~5の全デジモンを同時収録。さらに一部は究極体進化も追加され、 さらにさらに新たなデジタマとして人気デジモンや20周年記念デジモンのズバモン系譜なども登場し、1つの本体だけで100体以上ものデジモンが育成可能!  これだけ数が多いと網羅するのも大変だが、育成ギア史上初の「2体同時育成」が可能となり、色んなデジモンをより素早く育てられる上に、画面上に2体が並ぶ姿も堪能できる。  2体育成のためのタッグ機能や描写も追加されているし、もちろん単独でのバトルモードも搭載。アクションドットも追加されているし、デジモンごとの技ドットがツイン以来の2つずつ仕様。おまけに疑似的なオンライン対戦モードまで用意されている。 これだけ新要素モリモリでありながらお値段は3500円とそこそこ安く、まさに20周年の歴史を彩る素晴らしいギアとなった。

 …はずだった。史上最高のギアになるポテンシャルは十分に秘めていながらも、上記の素晴らしい追加要素を補ってあまりあるクソ仕様によって、一気にダメギアへと成り果ててしまった。 例えば、今作の代表的なダメ仕様の一つが「ウンチ」。排便ペースが異様に早く、しかも今作は「2体同時育成」かつ「最大数は8でなく4」になっている仕様上、一瞬でウンチが最大数まで溜まり、デジモンがケガをしてしまう。 しかも初代ではウンチをした時に鳴っていた効果音がなくなっているため、ずっと部屋にいたのに気付けば目の前でデジモンが死んだなんてコトもザラ。  また、公式サイトでは「当時品より進化スピードがアップ」と謡っているのだが、今作はデジモンが睡眠中は進化時間がカウントされないため、普通に育てていると余裕で当時のデジモンより進化が遅れる。 しかも起きていなければならないというコトは先述のウンチ問題と直面し、負のコンボとなっている(解決策として、ウンチを常に最大数ストックしたまま育成する糞まみれ育成が推奨される)。  しかもこの時点では育成ストップ機能すらなく、インタビューでわざわざ触れている「忙しい大人になったファン向けへの調整」が全くなされていない。  何故か進化条件やトレーニング方法が単調なものに劣化統一されたり、新規ドットは多いもののドットのクオリティが露骨に低かったり、あまつさえ当時のドットにミスが多数あったりと、モヤモヤするミスが多い。 個人的に最も正気を疑ったのが、初代はメタルグレイモン系よりもんざえモン系の方がバトルでは強く設定されていて、当時はファン側だったという今作の開発スタッフも「この仕様は面白いのでリスペクトする」とわざわざ言った結果、 メタルグレイモンだけはもんざえモンより弱いが、別バージョン、例えばVer.2のスカルグレイモンは普通にベーダモンより強かったりと、意味不明な調整がなされている点。マジでなんなんだ。

 また、育成可能デジモンの数は立派だが、「大量の共通デジモン+少数の各カラー限定デジモン」という構成であるためにあまり複数買いはしたくないのに、 それでいて一部の隠しには別の本体5種類と通信しないと解放されないデジタマがあるなど、恐ろしく凶悪な仕様も仕込まれていた (本体に設定した「名前」でIDを認識しているので、リセットして名前を変更すれば別本体扱いはできるのだが、例えば2つしかもっていない場合は片方が同時解放できない)

 それでも、出た当初はこの圧倒的ボリューム感や育成ギア復興の流れが嬉しくて、旧・簡易格付けレビューではB評価、当時の簡易レビューではS評価までつけていたのだが、 時間経過とともに問題点がより浮彫になったり、もっとデキの良い後続のギアが出てきたコトもあって、相対的に「ver.20thの価値」は下がり続ける印象にある。  ところで初代は表記が「Ver.」なのに、なんでこっちは「ver.」なんだろう。



ランク【
デジモンペンデュラムver.20th 公式サイト  ◆攻略ページ
★プレミアムバンダイ限定 ◆2018年6月21日発送(ニューカラー:2018年12月25日発送) ■3996円+税
■オリジナルシルバーブラック・シルバーブルー/ニューカラーデュークモン・ベルゼブモン(全4種)
 前作の流れからやっぱり出てきたペンデュラム版20th。俺は勝手に「にじゅっぺ」と呼んでいる。 今作は本家の全バージョンを基本収録とはならず、リバイブ・サバイブのように「1・3・5」「2・4・ZERO」をそれぞれ収録した2種類に分けられた仕様 (そのくせ最初に出た本体カラーはどちらもペンデュラム1準拠なのはどうかと思うが…)。  もちろん追加デジモンは多数登場。前作の不満点の一つに「追加デジタマの進化が1本道」である点が改善され、しっかりと枝分かれする進化ツリー持ちのデジタマも追加された(1本道のもまぁまぁある)

 基本的な仕様はにじゅっす準拠ではあるものの、前作の問題点はあらかたクリアされた。ウンチ速度は普通に戻り、進化スピードはちゃんと睡眠中もカウントされるようになり、念願の「コールド機能」も追加。 ドットミスもなくなったし、心なしか新規ドットのクオリティも向上している気がする。  全体的にようやく無難にブラッシュアップされていて安心感がある…はずなのだが、プレイ中はどうにもそれほど楽しくなかった覚えがある。 如何せん前作からの改善が「元々おかしくなかった所を改悪されて、それを戻しただけ」で、 ずっと追っている身としてはその都度に支払いが発生しているのも一因だろう。 本家ペンデュラムと比較すると、ちゃんと「.5」デジモンも一緒に育成可能になったり、本家では大体究極体になれなかったワクチンのジョグレス完全体も救済されたりと色々細かい改善もありはするが…。  その一方で進化ルートが謎改悪を受けたり、全てのデジモンが「世代ごとにDPやパラメータサイクルが固定される」など、デジモン1体1体の個性が軽視されているのが気になってしまった。  特殊デジタマも分岐持ちやツリー持ちが増えたとはいえ、育成を否定するかのごとき固定進化がメインなのは相変わらずで、これが育成に不慣れな初心者救済というのならまだしも、条件により後から解放される隠し要素なのがよく分からない。 また、追加された上位デジモンも結局は「特定のデジモンがジョグレスするだけ」で、どうにも面白みに欠けるし、進化の格差が広まってしまう。 追加要素の「コピモン」も、小さくてかわいいっちゃかわいいが、2体同時育成が可能になった後につける要素でもない。結局は、「育成の面白さを強化する」方面には全然意識が向かっていなかったのが残念。 「動くドットが見られるだけ」なら別に育成ギアである必要もないので、まだ育成ギア路線を続けるなら、次回作以降はここを課題にしてほしいところ。

 なお、本体への名前設定としれっとオンライン対戦モードが削除されたが、前作がどうにもグダグダだったので想定の範囲内。



X1
ランク【

デジタルモンスターX クロニクルエックス公式サイト  ◆攻略ページ
★プレミアムバンダイ限定 ◆2019年3月14日発送(X2:2019年11月16日 X3:2020年3月16日) ■3850円+税
■X1ブラック・ホワイト/X2レッド・パープル/X3イエロー・ブルー(全6種)
 X抗体15周年に合わせて発売された、久々のXデジモンギア。本体は初代デジモン(正確に言えば20th)の流用で、画面横に大きくペイントされた「X」のデザインが特徴的。 ガワは流用でも内容や収録デジモンは改めて作り直されており、久々にちゃんとした「完全新規の育成ギア」として楽しむコトができる。 なお、「ペンデュラムエックス」の続編が「デジタルモンスターX」なため、本体は前時代に戻っているので少し混乱する。

 基本システムは変わらないが、今作のトレーニング・バトルコマンドはゲージ内を高速移動するカーソルを所定の位置でうまく止めるミニゲームとなった。 また、進化条件における「トレーニング回数」が「どりょく」として目視できるようになったり、 バトルに応じて経験値で強くなっていくレベル制度も導入された。クエストバトルやイベントではアイテムを入手するコトが可能で、これによって戦闘や冒険を有利に進めるコトができる。 攻撃コマンドがベストな状態では画面いっぱいにカットインが表示されるようになり、復刻路線以降はどうにも希薄になりがちだった「各デジモンの個性」が再び強調され始めたのが嬉しい。 機能面でもコールド、バックアップ、アルバムなど便利なものが充実し、より遊びやすくなっている。

 なお登場デジモンは「ツイン」のように、共通デジモンとカラー限定のデジモンがいる仕様(同バージョンの別カラーと通信で解禁される隠しデジモンも少数いる)。 本体ひとつごとの育成可能デジモンはX1だと30体、X2は44体、X3は50体と、後のバージョンほど豪華。 収録数だけで言えばにじゅっす、にじゅっぺよりも見劣りするが、新デジモンや新規ドットが大量である目新しさと、整った育成環境のおかげで満足感はXの方が勝る。 何より、無駄にデジタマが細分化されず、一つのデジタマに多くのデジモンが詰め込まれて進化ツリーを形成してくれているのがありがたい。  個人的には、七大魔王Xをベースにしつつ、かつてのペンデュラムエックス2、3から多くのデジモンを採用し、さらに闇の闘士やバグラ軍要素も加えたX2の完成度が特に素晴らしいものだと思う。

 欠点は、進化条件がいやに煩雑な面があるコトと、クエストが無駄に細分化されていて選択が面倒なコトだろうか。また、X1のみ収録デジモンが少ないのは先述したとおりだが、さらにX1、より具体的に言えば国内版のX1は画面がやたらと暗くて見辛いという欠点を抱えている。国内版でもX2からは改善されている他、海外版だとX1でも普通に見やすくなっているので、今から買うのであれば海外版をオススメしたい(画面の比較は攻略ページの海外版ギア項目を参照)。  あと強いて言えば、X抗体を持ってないデジモンがやたら多いのが気になったり、ここで今更追加された大量のXデジモンがどうせすぐ路頭に迷いそうなのと、公式サイトのクロニクルエックスが矛盾だらけな上にゲボつまらないのも気になるが、その点はギアの方に罪はないので… (余談だが、デジモンX関連のイラストをまとめた「ART BOOK VER.X」に収録されている「THE LAST EPISODE」は、公式サイトの怪文書とはライターも違うため真っ当に面白く仕上がっている)


X2・X3
ランク【A-




ランク【A-
デジモンペンデュラムZ
デジモンペンデュラムZⅡ
 公式サイト  ◆攻略ページ
★プレミアムバンダイ限定 ◆2020年11月16日発送(ZⅡ:2021年3月17日発送) ■4070円+税
■Z:1.0・3.0・5.0/ZⅡ:2.0・4.0(全3種×2)
 初代→ペンデュラム→初代→と流れが来ているのでやっぱり来たペンデュラム本体の新作ギア。画面周りのモザイク模様が特徴。 今作は簡単に言えば「本家ペンデュラムのテーマに沿って、再びデジモンを集めたギア」といった趣。 少しややこしいが、「Z」名義で本家の1、3、5の内容に合わせた3種類が、「ZⅡ」と名義を分けられて2、4、ZEROに対応したものが発売された。

 内容は完成度の高かったデジモンXをベースにさらに発展させたもの。 トレーニングは当然ペンデュラム式だが、画面内に目標がアイコンの数で表示され、それに合わせて振るという分かりやすいものに。 さらに前作ではどうにも入り乱れていて煩雑だった進化先問題も、「ジョグレス」の再導入により通常進化とジョグレス進化が分けられ、かなりスッキリと整理された。  技ドット2つやカットイン要素はそのままに、初代デジモンからの再登場組はアクションが追加されたりといった点も抜かりがない。  久々に育成が可能となったデジモン、ようやく育成可能となったデジモンも多く、さらにはここで初登場となるデジモンたちも非常に魅力的なものばかりで、 登場デジモンがテーマごとに分類されているペンデュラムの良さが存分に発揮され、とても充実感に満たされるラインナップとなっている。

 欠点を挙げるとするならば、通信限定デジモンの解放を目指すとほぼ全種買いが前提になる点(受注限定でコレは中々厳しい)や、 上位デジモンが共通デジモンや主役デジモンばかりで、せっかくの「各バージョンのテーマ」が活かされきれなかったコトだろうか。 自分の理想では、各バージョンに「こいつこそがネイチャースピリッツの王者!」的な最強デジモンがそれぞれドンと用意されていてほしかった。  また、「ペンデュラム」なのにサウンド周りがペンデュラムでなく初代準拠な手抜き仕様も残念。 今作はイベントで何故かヌメモンXが襲来したりするので、恐らくデジモンXからプログラムを流用で済ませた部分が多いんじゃないだろうか。  あと言っちゃうと本体のモザイク模様がダサい。



ランク【B++
デジタルモンスターCOLOR 通販サイト  ◆攻略ページ
★プレミアムバンダイ限定 ◆2023年2月17日発送(Ver3~5:2023年9月発送) ■6930円+税
■Ver.1・2/Ver.3~5(全5種)
 25周年を記念して、初代「デジタルモンスター」に追加要素を加えつつ、「フルカラー液晶」と「USB充電」を搭載したギア。 単に「画面がカラーになった」とだけ聞くとあまりピンとこないかもしれないが、バックライトもしっかり備わっているので、要は携帯電話やゲーム機さながらの美麗で見やすい画面に仕上がっている。16ドットのデジモンに色が付けられるのは過去にもゲームなどで何度かあったが、それらと比べても今作の塗り方は秀逸で、新たな魅力を付加して引き立ててくれている。 画面全体がカラー液晶となった仕様を活かして「背景の切り替え」が可能となったのも面白い。 USB充電のおかげでボタン電池購入の手間もなくなり、プレイの仕方にもよるが1週間くらいは全く充電しなくても動いたりと、経済的かつ機能的。音量や画面の明るさも数段階で調節できて親切。サウンド関連の再現度も、プープーしていたアプリ版よりは本家に近い。

 ゲーム内容としては、元々完成度の高い「初代」を下地として、単体での対戦が可能な「クエスト」や、育成を一時停止にできる「コールド」、控えのデジモンと交代で育成ができる「イレカエ」など、近年のギアではお馴染みの便利機能が追加されていて、遊びやすさそのものはバッチリ。進化スピードはかなり早めになっているが、 特に不満を覚えるコトなく遊べるテンポ。20thのように「すぐ糞まみれになって死ぬ」などの理不尽な欠陥もないし、初代とは良くも悪くも変わらないプレイ感覚でまとまっている。

 総じて手堅い優等生……ではあるのだが、個人的にはどうも物足りなかった印象も強い。 まず一番に、「デジモンの数が少なすぎる」点。今作は「デジタルモンスターver.20th」で採用されていた「初代各バージョンのデジモン+追加究極体」を基に、追加キャラも僅かにいるものの、それでも「各バージョンに19体(Ver.3のみ20体)」しか登場しない。 20thは単体で「Ver.1~5+α」を収録し、通信限定枠を除いても実に100体以上ものデジモンが育成可能だったし、その後のギアでも新規ドットを多く新造しながらも40体前後は育成できたのを思うと、今作はどうしても見劣りしてしまう。値段で言えば約7000円もする今作が断トツで高いのに、登場デジモンは断トツで少ない落差は無視できない。 勿論、近年のコスト事情や今作の豪華仕様を踏まえれば値段が高くなるのは当然だし、デジモンの数をそうそう増やせない事情もあったのかもしれないが、それならそれで数は少ないにしても、「各デジモンごとの満足度を極める」方向性に行ってほしかった。 これが俺の感じた2つ目の不満で、本当にほぼ全ての仕様が「初代準拠」に先祖返りしてしまっていて、ここ最近のギアで積み重ねてきた「ほぼ全デジモンが技ドット2個持ち」「アクション追加」「カットイン」などの追加ノウハウがリセットされ、各デジモンごとの個性が薄まってしまった点。特に初代なんて、登場デジモンの進化系譜はバラバラだし、技ドットも枠ありきで適切なものがチョイスされてないしで「各デジモンが活きにくい」環境なので、そこは「初代準拠」をヘンに守らなくても良かったんじゃないかなぁ…と思う。 近年の豪華仕様をそのままに、さらにそこからフルカラー化してくれていれば文句なしの完全進化だったのに、わざわざ大昔の未発達な所から別の方向へと掘り下げられてしまい、どうにも迷走感でモヤモヤしてしまう。  また、究極体の追加自体はもちろんプラスでも、完全体以降は1本道だったりで分岐も少ないせいで育成が単調になりがち。 色がついたとは言っても大半のデジモンは見慣れたメンツのドットだし、内容も薄くぶっちゃけ「飽きるのが早い」ギアだとも感じた。

 まとめると「基本設計は素晴らしいが内容が薄っぺらい」。25周年記念だからと原点回帰したのが裏目に出たように感じるので、個人的にはデジモンXやペンデュラムZのようにせめて「ガワが同じなだけの新シリーズ」であってほしかった。  不満の大半は「ずっとギアを買ってきたから」出たものなので、逆に「久々に買ってみるか」くらいの人の方が、進歩だけを感じられて満足できるかもしれない。 色々と言いはしたものの、初代とほぼ同じ本体に最新技術があれこれ盛り込まれているのは感動的だし、ギアに興味のあるデジモンファンなら適当に1個くらいつまんでみて欲しいのも本心。 …ただ、そういう面からも「1個7000円」という価格設定と、「プレバン限定」という敷居の高さでなんとも歯痒い思いをさせられる。