この誤植図鑑における「画像編」は、「不適切な画像が使われてしまった誤植」という分類だが、
このミスはその不適切ぶりにおいて頂点に立ちかねない。
過去に
日記 2018/11/24~12/12のログ でも触れた内容だが、改めてここにまとめておく。
問題は、巻末の「デジモンペンデュラム開発者インタビュー」に添えられた、「デジモンペンデュラムver.20th企画書」にあった。
右のドラコモンが映った画面のに下に映っているデジモンのフィギュアは、なんと公式の商品ではなく
個人製作によるシャウトモンX4Kのガレージキットで、しかも
ブログにあげられた写真を掲載しているのが発見されツイッター上で話題となった。
(何故かそのままではなく、「尻尾が消される」「マントが描き足される」などの加工が加えられている)
ブログの筆者でもあるガレージキットのディーラー本人に話を聞いてみると、掲載にあたっての連絡は案の定何もなく、
公式による無断使用と確定。
ガレージキットは、イベントで販売する際に一時的な版権を正式に版権元から得ているモノなので、同人誌や同人グッズとはまたワケが違う。
つまりは、「権利的に問題のある画像を使用したまま販売されてしまった」のだ。
しかも、その下には黒塗りされているが「ねんどろいど キャプテンアメリカ」のシルエットも映っていてこれもマズい。
わざわざインタビュー内でルドモンに関して
田岡:やはり、「キャプテン・アメリカ」を意識されましたか?
渡辺:あまり考えてはいませんでしたが(笑)。
…という件があったため商品の特定は非常にたやすく、誰がこの企画書をつくったのかも窺えてしまう。
実際のところ、単に企画書に使うだけというか、商売に絡まない・一般の人にバレない範囲でならヨソの画像を好きに使ったって問題はないのだろうが、商用本なんだよなぁ…。
なまじ「キャプテンアメリカは黒く塗り潰されている=掲載にあたって配慮する行程はあった」のが分かる分、
「なぜわざわざキャップのシルエットを残す詰めの甘さを見せたのか」「X4Kが個人製作のガレキだとは夢にも思っていない浅ましさ」が露呈してしまった。
流石にこれは問題だろうと思い、自分も含め、周囲の友人も何人か公式に問い合わせてみたものの、
バンダイからは「該当の部署と情報を共有いたしました」というだけのテンプレ回答が返ってきただけで、結局具体的な返答は得られなかった。
マジな話、問題があったのなら当然、企業として何らかの対応を取るべきであり、
逆に問題がないのなら、せめて問い合わせた相手には「調査の結果問題ありませんでした」という身の潔白を証明する必要があったはずだ。
しかしこの問題が発覚してからというもの、それまでは毎日のように何かしら呟いていた
デジモンウェブ公式ツイッターが急に何も発言しなくなる、
ギア展開に関して情報を公開していた
モンモンメモの展開が止まるなど、露骨なまでのヒットマークが観測され、
都合が悪くなったため地蔵になるという、ネット上の炎上案件では度々目にするダンマリ現象がデジモンでも見られた。
その後、11月末から12月末にかけて、一ヶ月ほどの身勝手な自粛・保身期間を経たあと
(この間にも、別のクライアントから図鑑の自動更新などのお漏らしはあった)、現在デジモンウェブは普通に活動を再開している。別にほとぼりは冷めていないし
罪が消えたワケでもないのだが、結局、無断使用されたディーラーにも、問い合わせた者に対しても、なんの対応もないまま、公式的にはウヤムヤにされてしまった。
ただ、ビッグドリーマー田岡氏および、彼が担当していたモンモンメモの動向は未だに掴めずにいる。
キット写真の無断使用に目がいきがちだが、そも「何故シャウトモンX4Kの画像を使う必要があったのか」が分からないのも不気味だ。
ただでさえX4Kはバンダイ発ではなく東映発の亜種形態だし、なにより
ペンデュラム20thには登場しておらず、デジクロス体であるこのデジモンには添えられた「進化」というワードも合致しない。
企画書自体も全体的に意味不明…というか、なんでこんなにも「やりたいコトは色々あったけどできませんでした」という敗北宣言ばかりの妄想ノートをファンに見せてきたのかも、まったく意味が分からない。
商用本に不適切な画像を使ってしまう、版権物を取り扱うプロとしての意識の低さ。
デジモンの知識がなく、公式・非公式の区別もつかない製作スタッフとしての情けなさ。
そして、犯した罪に向き合おうとせず、ファンに対してもただひたすら沈黙を貫くだけの不誠実さ。
デジモンスタッフに対して不信感が募っていたのは今に始まった話でもないが、
「デジタルモンスターの開発者」以前に、純粋に「人間」としても問題のある人物によって今のデジモンがつくられているのが裏付けされてしまう、
あまりにも悲しい事件となってしまった。
俺の個人的な視点では、「発見者が友人」「ガレキを無断使用されたのも友人」「一緒にメール送ったのも友人」「消費者センターに問い合わせたのも友人」というかなりの参加型アトラクションだったのは
ちょっと面白かったが、内容が内容なので喜べない。