デジモンコラム番外編
第5回 諦めろ!オメガモン商法


 公開日:2017/04/18
 
 登場人物

パートナーはオメガモンの力を受け継いだ割にパッとしないパラディンモードの見習いテイマー。贅沢言わないからザウラーキングフィニッシュぐらいにカッチョイイ演出のオメガブレードが見たい。
昇子
パートナーは「オメガモンのパクリ」でお馴染みカオスモンの熟練テイマー。いい加減そろそろバンチョーレオとダークドラにドラマを描いた上でカオスモンに合体する話があってもいいじゃない…と待つコト早幾年。
あすな
パートナーはオメガモンと縁がある用でないようなメタルグレイモン青な低血圧テイマー。今回、グレイモン系がパートナーと言うだけで呼び出された。

パートナーはオメガモンと間接的に関連のあるメタルガルルモンX抗体な新入りテイマー。先日、昇子に借りたDVDでゼヴォを見たが、返し際に「これ途中で話飛びましたけど、ディスクの不具合っすかね?」と尋ねずにはいられなかった。
タヌキチ
パートナーがオメガモンと接点がないキウイモンなので紹介が最下段に追いやられた部長テイマー。しかしオメガモンと同じタイトルのアニメに出演、同じくペンデュラムシリーズに登場、文字数が同じなどの観点から、オメガモンとキウイモンの関連性の高さを見直す声もある。


これがオメガモン
ウォーグレイモンとメタルガルルモンが合体したヤツっすね。
オメガモンX抗体。 オメガモンがX抗体を取り込んだ姿よ。
あ、せんぱいから借りた映画に出てきたヤツだ。オメガモンがパワーアップしたヤツ。
そういえばオメガモンX抗体ってゼヴォだとオメガモンから進化してたけど、
本当はウォーグレイモンX抗体とメタルガルルモンX抗体の合体した姿ってコトでいいの?
X進化ってそこらへん大雑把…というかちゃんと定義されてないんで、
原種からXデジモンに進化したり、Xデジモンから原種になったりと自由自在みたいですよ。
グレイモンXはグレイモンからも、アグモンからも、アグモンXからもなれる~って具合に。
都合よすぎない…?
この黒いのはブラックオメガモン…ではなくて、オメガモンズワルト
ウォーグレイモンとメタルガルルモンがオメガモンへ合体する時に
「ブラックデジトロン」が混入した姿だけど、別にダークサイド版じゃなくワクチン種のままよ。
元設定があまりにもアレだから、今ではBウォーグレイモン・Bメタルガルルモンの合体として落ち着いてるわね。
(ズワルトって何だ…?)  ※オランダ語で「黒」です。
この堕ちる所まで堕ちた感があるのは、オメガモンズワルトディフィート
世界を守護する存在が暴走した気の毒なデジモンで、「執行者」とも呼ばれているわ。
オメガモンズワルトが何者かにウィルスっぽいものを組み込まれてこうなったらしいデジモンよ。
(ズワルトの進化系…? でもオメガモンって既に究極体が合体してるんだよな…?)
で、これが執行者がさらに進化したオメガモンAlter-B
両腕のグレイヘッドとガルルヘッドの剣と銃が逆転してるのが特徴ね。
………?
そしてコレが、つい最近出てきた新顔のオメガモンAlter-S
闇堕ちしてないAlter-B…とみせかけてこの段階でウィルス種で、
こいつ自体が、同じく最近出てきたブリッツグレイモンクーレスガルルモンの融合体よ。
ははぁ、要するに最新モデルの超強化版オメガモンってワケだ。
公式設定を読む限り、普通のオメガモンと差はないらしいよ?
なんでだよっ!?
この2体の名前は(たぶん)「アルタービー」「アルターエス」と読むんだけど、由来はよく分かってないのよね。
私としては、カッコつけてひねったネーミングの割に、
語感がカッコよくもなんともないってコトの方がどーなのよって感じだけど…。
私はネットで見た「"Black"と"Shiro"説」推しです。 …たぶん正解ではないですけどね。
しっかし改めて聞くと、本当に複雑というか、煩雑な設定が多いな。
これじゃ考えてる方も何が何だか分かってないんじゃないか?
ここまでのはオメガモンの直系のバリエーションだけですけど、
他にもオメガモンと関連性がありそうなデジモンはいますから、まだややこしくなりますよ。
オメガモン族から離れて、これはスサノオモンよ。
カイゼルグレイモンとマグナガルルモンがエンシェントスピリットエボリューションした神人型デジモンね。
グレイとガルルが合体して頭が腕にくっつくのはオメガモンまんまだけど、
名前は全然関係ないのか…。 よく知らないけど、和風っすね。
さてお待ちかね、この流れで忘れちゃいけないのがカオスモンよ! 私のパートナーだし、颯も知ってるわよね。
これはバンチョーレオモンとダークドラモンが融合した基本フォームのような形態で、
合体素材によって腕のデジモンも変化して、ヴァロドゥルモンによるヴァロドゥルアームになったりするのが特徴ね。
ハハ、せんぱいには悪いっすけど、
オメガモンを何回も見せられた後にコイツを見ちゃうと、完全にパチモン丸出しっすね。
あ、怒らないんだ。えらいえらい。
…慣れてるからね。 デジモンファンが「デジモンはポケモンのパクリ」と言われるのと同じぐらいには。
つーかハタから見ても認めざるを得ない事実だし、堪えるしかないわな。
これはシャウトモンX4
シャウトモン、バリスタモン、ドルルモン、スターモンズがデジクロスした合成型デジモンよ。
合体メンバーが増えて腕の頭も肩に移ってるけど、この顔、完全にオメガモンじゃん!
オメガモンと無縁のくせに、図々しいヤツもいたモンだなぁ。
シャウトモンにはX4以外にも沢山の合体形態がありますけど、
オメガモンから直々に力を受け継いで進化したオメガシャウトモンってコもいますよ。
へぇー…って、なんでこっちはオメガモン要素がまるで無いんだよ!!


違うアプローチからのそっくりさんとして、オメカモンも紹介しておきましょう。
自分の正体が分からないパペット型デジモンが、とりあえず有名なオメガモンの姿をマネた、って設定よ。
他のデジモンが「別に俺オメガモンのパクリじゃないし!」ってスタンスの中、分かりやすいセルフパロディね。
バカっぽいけど、こういうワルノリは嫌いじゃねーな。

しっかしまぁ、こんなにもいたんスね、オメガモンの親戚みたいなの。
これだけ色んなキャラがつくられるってコトは、それだけオメガモンが人気ってコトなんだろーな。
その通り。デジモンの中でも屈指の知名度と人気を持つオメガモンには、多くの亜種が存在するわ。

…で、そのほとんどが無駄だしいらねーキャラだわ、ってのが今回のテーマよ。
あ、そういう…。
なんだ、「こいつらは重要キャラだから抑えとけ」みたいな、せんぱいからの知恵伝授かと思ったのに…。

 
 勇気と友情 力合わせたその時 Gater Way
マジな話、あたしちょっとギモンだったんすよね。
「オメガモンが一番人気!」…って言われても、それがあんまピンとこなくって。
と言いますと?
いや、だってオメガモン…別にカッコよくなくないすか?
本体はヒョロいし、両腕がデジモンの頭だってのも悪いロボットぽいっつーか、腹話術師みたいっつーか…。
オメガモンよりカッコイイデジモンはいくらでもいるのに、断トツで人気らしいってのがどーも…?
いやいや、あのアンバランスな異形さがただものではないオーラを醸し出すし、
両腕がそのままデジモンの頭だってのが、合体キャラだってのを分かりやすく表現しててイイのよ。

…と個人的には反論したいけど、確かにオメガモンのデザインはイロモノ系かもね。
オメガモンが現在にまで至るほどの人気キャラになったのは、
なんといっても映画「デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!」があってこそですからね。
汀良さんは、この映画をまだ見てないのでは?
あー、ハイ。
まだテレビの方のアドベンチャーをちびちび見てるトコなんで、映画は後回しでいっかなって。
私はけっこう早い段階で昇ちゃんに見せてもらったから、オメガモン人気にはすぐ納得できたな。
颯ちゃんにも、映画見せてあげればイッパツなんじゃない?
その方が話は早いでしょうけど…あんま、無理強いするカタチで見てほしくはないかな?
「オメガモン人気がまだわかってないデジモンファン」ってのも貴重な観点だし、
見るのは本人の気が向いた時にしてもらいましょう。 実際、本編を見てからの方がいいしね。
映画と言やぁ地味に気になってたんすけど、
オメガモンって公式絵とアニメとで、だいぶ見た目が違うんすね。
そうですね。アニメは動かすために何枚も描かなきゃいけませんから、
アニメ用デザインとして線が簡略化されたり、体型が調整されたりするのは他のデジモンも同じなんですけど、
頭のイナズマ模様とか右肩のトゲとか、オメガモンはいろんな部分の配色も変わってるんですよね。
オメガモン自体がアニメ用の新デジモンだから、公式絵とどっちが正解ってモノでもないとは思いますが。
オメガモンのデザイン違いは気にしだすとしんどいから、
無暗に追及するのはやめといた方がいいよ、うん。
なら話を戻して、映画の中身についてね。
オメガモンがウォーゲームで大人気になった要因はいくらかあって、
まず映画自体がとても面白く、人気があった――つまり、「多くの人に見られている」って所ね。
興行収入は21.6億円と、デジモン映画の2作目にして、デジモン歴代映画でも2番目の売り上げを誇るわ。
なんにせよ、人に知られなきゃ始まりませんものね。
丁度デジモンアドベンチャーをやってた頃がデジモンの「世間的知名度のピーク」だったらしいので、
そんな時期に登場・活躍できたデジモンたちは、今でもかなりのアドバンテージを持ってますし。
…アドベンチャーって20年近く前のヤツなのに、そこがピークなんすか?
それ以上はみんなが笑顔じゃいられなくなるから、触れないであげて。
映画の内容は「デジモンアドベンチャー」最終回後の時系列にあたるから、
当然デジモンアドベンチャーを最後まで見ていた方が楽しめるハナシではあるんだけれど、
特にデジモンの知識がなくても、「ヤバいコトが起きてそれを止める話」って本筋は分かるのが優れた所ね。
40分と限られた尺の中で、ちゃんと1作の映画としてまとまってる密度には感服するばかりよ。
現実世界のリアルな描写が多いので事態のやばさを身近に感じられるし、
「デジモンを知らない人」がモブとして多く登場するのも、視聴者を置いてけぼりにしない配慮になってますよね。
時々挟まれるギャグも分かりやすく「ダメだこりゃ!」って伝わるし、とにかく視聴者に優しいんです。
この映画、あの「ワンピースと同時上映だった」ってコト自体が今の目で見るとスゴいんですが、
当時はこのウォーゲームの完成度の高さに、
ワンピース目当てで見に来たけど、デジアドのファンになった」って人がかなりいた、なんて逸話もあるんですよ。
はぇー、海賊からファンを奪っていったたぁ、シビれる話っすね。
現実世界のコンピューターにハックして核ミサイルを放った「ディアボロモン」を止めるため、
ウォーグレイモンとメタルガルルモンが立ち向かっていくのだけど、
子供たちにとって最強かつ最後の戦力である2体が完膚なきまでに叩きのめされてしまい、
このままでは現実世界が大ピンチ!って状況にまで追いつめられるの。
ちなみにこの作品、
コンピューターのハッキングが核ミサイル発射につながってしまう映画「ウォー・ゲーム」をリスペクトしているので、
「ぼくらのウォーゲーム!」ってタイトルなんですよ。 …私はオリジナルの方は見たコトないですけどね。
そこからまた紆余屈折あって、
ウォーグレイモン、メタルガルルモン、そして人々の意志が融合して合体究極体「オメガモン」が誕生!
無数に増殖したディアボロモン相手に圧倒的な反撃を見せて、世界は救われたました、ってハナシよ。
…結果的にだいぶネタバレしちゃってるけど、ゴメンなさいね。
そこはしゃーないっすよ。
なるほど、有名で面白い映画でカッケー活躍をすれば、そりゃ人気も出るワケだ。
映画だから、作画も気合入ってるのがまた特別感あっていいんだよ。
オメガモン以外も、ディアボロモンがシュバーッ!ってやるのとか、ウォーグレイモンがボガーッ!って殴ったりとか。
(なるほど、見なきゃわかんねーわ)
両腕の「グレイソード」「ガルルキャノン」を武器に無双するオメガモンの活躍は圧巻だし、
「オメガモンの両腕がああなってるコト」に関しては、演出で魅力的に描かれてるわよ。
「両腕がただの拳ではなく、完全に武器」ってのは確かに正統なヒロイックさには欠けるけど、
強さを追い求めたデジタルモンスターの究極系って感じで、私としてはかなりポイント高いわ。ギミックも面白いしね。
オメガモンのデザインやネーミングに関しては
ボルケーノチャンネルさんも触れてましたから、これも見ておくと面白いですよ。
それと、オメガモンのいわゆる「中央の人」のデザインは、エヴァンゲリオンの初号機から来てるとか。
さて次のポイントは、オメガモンが「ウォーグレイモンとメタルガルルモンの合体した姿」であるコトよ。
デジモンの進化は究極体までのはずが、合体してさらにパワーアップを遂げるというイレギュラー感。
しかも合体元となる2体がそれぞれアニメで大人気のデジモンだったんだから、これはもうスゴいコトね。
前にも言ってましたね。
大人気のウォーグレイモンとメタルガルルモンの合体強化形態というコトでオメガモンの株が上がり、
大人気のオメガモンへ合体できるというコトでウォーグレイモンとメタルガルルモンの株も上がる。
この3体は、お互いを引き立てあう理想的で素晴らしい関係を築けているんです。
合体してパワーアップ!ってのも分かりやすくていいよね。
1号ロボと2号ロボが合体して最強になるグレート合体みたいで。
デジモンアドベンチャーはキャラの描写が丁寧な作品だったから、
意志をもったデジモン同士が合体して強化されるという展開も上手く処理されてたわね。
まぁウォーゲームの段階だとオメガモンは全く喋らないんだけど、それも逆に、良さだわ。
ん~、見てない作品を目の前でホメられ続けるってのがこうも歯がゆいとは。

…さっきから黙ってるけど公住、オマエは見たコトあんのかよ?
ん? ああ、なかったからヒマ潰しに今ちょうど見終わったとこ。
…なぁ、メタルグレイモンさ、あれほとんど進化終わってたっぽいし
もうちょい気合入れてれば不意打ちくらわずに済んだように見えねぇ?
いつのまに! しかも早速見てないとわからないネタを言われた!くやしい!
核ミサイルをなんとか止める話だったけど、
メタグレの必殺技も核弾頭に匹敵する~って設定は劇中でどういう扱いだったんだろうな。
これ見よがしにちゃんとデジモン知識は持ってるんだぜアピールまで!

…ていうか、せっかくだし「一緒に見よう」とか声かけてくれてもいいだろ。

 
 究極合体デジモンへの便乗!!
という訳で、「アドベンチャー最強の主役デジモン」となったオメガモンは、
その人気は現在にまで至り、後のデジモンへの影響力も計り知れない存在となりました。
続編「デジモンアドベンチャー02」においても、オメガモンの存在は認知されていたわ。
まぁ、テレビ本編だとパイルドラモン登場時に「ジョグレス進化の前例として出た」ぐらいだけど。
オメガモンが02本編でまで大暴れしちゃってたら、新キャラの立場がなくなるもんね。
ウォーグレイモンの存在だけでも
後輩の不遇にかなり拍車をかけてた気がしますが、確かにオメガモンまで出てこなくて助かりましたね。
オメガモンの安売りにならず、あくまで「切り札」のイメージが損なわれず良かったと思います。
オメガモンは02の春映画、「ディアボロモンの逆襲!!」にて再登場を果たすわ。
こちらも前作同様に02の最終回後…じゃ御幣が出るか、ラスボスを倒して少し経った頃の話ね。
タイトルからも分かる通り「ぼくらのウォーゲーム!」の続編と言える内容で、
前作の期待を受けて興行収入は30億と、デジモン映画ではナンバーワンの売り上げとなった作品よ。
オメガモンに敗れたディアボロモンがかなりマジな対策を練ってきて、
「アーマゲモン」へと強化を遂げ、オメガモンの攻撃を物ともせずに倒しちゃうんですよね。
オメガモンが敗北して両腕が外れ落ちるシーンはかなりショッキングですが、
戦闘シーンは前作よりもさらに見ごたえがあり、オメガモンファンなら尚更見逃せない内容ですよ。
「前作の続きなので単体での完成度は劣る」って点を踏まえても良い作品ではあるんだけど、
前よりキャラが増えてるのに、尺がさらに減って30分しかないってのがネックね…。

画面作りの豪華さや無駄なシーンの無さなどは流石だし、所々に挟まれる小ネタも良いんだけど、
尺がこれだけじゃ、どうしても犠牲になってしまう部分が出てきちゃったわ。
オメガモンはしっかり活躍したってんなら、何がダメだったんすか?
キャラ同士の会話とか?
そこもそうなんだけどね~…。
いやぁ、この映画で新主役のインペくんがオメガモン先輩の力を受け継いで
「インペリアルドラモンパラディンモード」にパワーアップするんだけど…こっちの出番がね~…。
誇張抜きに、剣刺しておわりですからね…。
…画像だけでもショボさが伝わってくるっすね。
尺がないから一瞬でカタをつけたにしても、演出がしょっぱいのよねぇ…。
時間に余裕さえあればどうにかなったのかしら?
折角だし、インペファイターとオメガモンの共闘シーンなんかかも見てみたかったわ。
バンクを繋げて連続進化する「ブイ・ワームからインペ」への流れとか、
オメガモンを倒した敵に果敢に立ち向かってく所とか、短いけど良いシーンは多かったんだけどね。
…パラディンモード以外は。
恐らくは、「オメガモンを超える新デジモンを出したい」
「なのでオメガモンを負かせたいけど、オメガモンの人気は無視できない」
「じゃあオメガモンの活躍を多めにしよう」って流れがあったんでしょうけど、
その配慮も結局は、オメガ優遇インペ不遇を加速させるアダになっちゃった感じがしますね。
せっかくオメガモンに尺を割いたのに、
「オメガモンが負けてショック!!」って印象ばかりの人もけっこういるみたいだからね…。
ほんと、こういうのってさじ加減が難しいわ。
…この剣、オメガモン胴体のデザインほぼそのままなのに
わざわざオメガモンのデータからホーリーリングを介して剣になるって流れ、必要あったのか?
ああ! またいつのまに映画見終わってる!
さて、ここで起きた問題は、パラディンモードの活躍が不完全燃焼だったばかりに、
オメガモンに替わるニューヒーローをうみだせなかった」所にあるわ。
せっかく「オメガモンの力を継ぐ」なんて反則じみた設定をつけられたのに、
そんなパラディンくんの人気はディア逆以降もパッとしてないし、
実際の人気はたぶん、同じブイ系でもパイルドラとかインペドラゴンの方が上だよね~。
(いつの間にか私の親友も、
 いかに自分の推しデジが不遇かって話題で饒舌になるタイプになってしまった…)
…で、問題ってのは、アレだろ?
オメガモンが人気になりすぎてパラディンがダメだったから、
次に3作目をやる時に「パラディンよりオメガモンを出した方がいい状況になってしまった」と。
そう、「オメガモン一強」という状況を崩すコトができなかったのよ。
「前作の人気キャラ」を繰り返し出していける形なら、健全な流れになっていたんだけど…。
この際パラディンじゃなくても、
誰かしら02世代から「オメガモンに匹敵する人気主役」が出てきてくれると良かったんですけどね。
無印の人気が高すぎて、世界観が地続きなのもあって、02組はあまり伸びきれませんでした。
そうは言っても、02にも人気が全くなかったワケじゃないでしょ?
だったら次はムリヤリにでも、02から誰か出しときゃ良かったんじゃねーんすか?
それも一つの手段ではあったでしょうね。
ただ、デジモンはアニメだけの作品じゃなくて、ゲームやカードなどあらゆる展開を同時に進めていた。
デジモンは登場キャラの選択プールに制限がないから、人気のあるデジモンは何度も登場したし、
その度に「オメガモン」という存在は大きくなり、もはや無視できる存在ではなくなっていたわ。
デジモンペンデュラムに、
まさにオメガモンを出すために最終バージョンの「ZERO」が用意されたりもしましたね。
ウォーグレイモンとメタルガルルモンも出さなきゃいけない都合で、
登場デジモンの半数ぐらいが過去バージョンと被ってる、ちょっと物足りない仕様でした。
そこまでして出す価値があると公式から認められているデジモンが、オメガモンだからね。
まぁ、「人気キャラクターを生み出すコトができた」というのは功績だわ。
だから「オメガモン」の存在を得たのはデジモンにとっても大きなプラス…だったんだけど、
「成功例に踊らされすぎる」のがなんというか、デジモンというシリーズなのよね。
02は「アーマー進化」「ジョグレス進化」など特殊な進化を多用したせいで、
アニメやその他メディアでも汎用性がイマイチ悪く、そこも不遇に繋がった気がします。
その点でも、シンプルに使いやすい無印組との差が広がったのは否めませんし。
…あ、02って主役デジモンがみんなジョグレスするけど、
これもオメガモンが合体して人気が出たって部分を参考にしたからなのかな?
制作時期的に直接的には関係ない気もするけど、どうかしらね?
02は前作キャラも登場してキャラの数が膨大だから合体で頭数を減らしたかったとか、
キャラの絆を描くためとか、ジョグレス超進化パイルドラモンを売るためとかじゃないかしら。
結果的には、オメガモンと同様の効果を狙ったとは言えるけどね。
02キャラにオメガモンが明確に与えた影響と思われるのは、
パイルドラモンやファイターモードの顔のデザインかしら。
ツノや髪の毛の装飾で差別化は図られてるけど、記号的には大体同じだからね。
オメガモンの顔で、デジモンにとっての「騎士系マスク」が確立されましたね。
ロボットのようでその限りではなく、色んな種族にカッコよく使える汎用性が魅力でしょうか。
今「デジモンっぽい顔」と言われれば、オメガモンのような顔を浮かべる人も多いと思います。
確かにカッコイイけど…なんか、みんな似たようなイメージになっちゃうな。
こうしてみると、カオスモンの顔はオメガモン系の中じゃ全然違って特徴的っすね。
でしょ?
前倣えしかできない無個性軍団の中で、カオスモンの挑戦的なデザインは魅力的よね。
や、無個性でもオメガモン顔の方がカッコいいすよ?
……ま、初心者にカオスモンはまだ早いわよね、うんうん。
ところでさ、スラッとした人型デジモンが増えて、
強いデジモンのイメージも怪物っぽいドッシリからスマートなのになったのもオメガモンの影響?
「オメガモンの影響」というよりは、「オメガモンが皮切り」だと思います。
スタイリッシュな人型がヒロイックでウケがいいのは、デジモンに限りませんからね。
アニメで動かしやすいとか、フィギュアが出しやすいとかの好都合も多いみたいですし。
オメガモンの影響と言えば、後に多くのデジモンが付ける「マント」はそうでしょうね。
さて、02が終わり、デジモンは新アニメ「テイマーズ」の放映を迎えた。
テイマーズはそれまでのアドベンチャー2作とは世界観が異なる完全な別作品なんだけど、
この頃のオメガモンは「ロイヤルナイツ」という新たな肩書を得て、
テイマーズの夏映画に少しだけ現れたりとまだまだ現役の威光を感じさせていたわ。
テイマーズは劇中でデジモンカードが流通したり現実世界に近い世界観が特徴で、、
この世界ではアドベンチャーもテレビ番組として放映されてたって設定もあったんですよ。

…なのに、映画でデジアドのオメガモンご本人が出てきて喋っちゃいましたけど。
自分のコトをデジアドのオメガモンだと思い込んでる
サイスルやネクオダのオメガモンとかだったんじゃない?
まぁテイマーズは、ロイヤルナイツ設定が出てきた時期なのに
ナイツ設定を全く活かさなかった甲斐があって、オメガモンの介入はごく僅かで済んだわ。
むしろテイマーズの主役デジモンは、今尚かなり人気が高いデジモンが揃っているの。
その後の作品も「オメガモン」じゃなくて「テイマーズ」を見習ってくれたらよかったのに。
進化方法もヘンに捻ってないし、
過去の非主役デジモンをサブレギュラーとして登場させたり、
テイマーが戦闘をサポートしたりと、良い要素が多かったですね。
テイマの主役はちゃんと人気が出たおかげで、
デュークモンは次のフロンティアにゲスト登場したしね。
それはもういいから。
テイマの主役「デュークモン」はオメガモンと同じくナイツ所属の騎士デジモンだから、
オメガとのデザイン的類似点は多少あるけど、別にオメガモンがどうこうってモノでもないわね。
むしろオメガやマグナモンがあまり騎士っぽくなかった中、ちゃんと騎士全開なのは好印象よ。
頭に進化前のギルモンのデザインが残ってるのがオシャレだし、
暗黒進化としてモンスター感バリバリのメギドラモンがいたりと、
テイマーズ単体でしっかりと「ギルモン系」の雰囲気をつくれてるよね。
恐竜→巨大化→半機械化→人型化 って流れはアグモン系と同じですけど、
ここは別に「伝統」で片づけても特に問題ないぐらいに、気になりませんね。
あまり何度も乱発されると飽きるかもしれませんが、正統なデジモンっぽさがあります。
ただ、それ以降はまた暫くオメガモン要素を持つ主役が続くわ。
フロンティアのスサノオモンやクロスウォーズのシャウトモンは紹介したとおり。
セイバーズも合体こそしないけど、主役系がグレイ系とガルルに代わるガオガ系だったりね。
流れから察するに、その最近のヤツはどれもパッとしないカンジっすけど、
…なんで人気キャラのオメガモンにあやかってるのに、全然人気が出てないんすか?
その答えは、あなたなら既に分かってるんじゃないかしら。
最初にあなたがオメガモンについて思った感想を思い出してみて。
え?

…もしかして、別にカッコよくないから?
はい正解。
マジすか。 …つーか、せんぱいのカオスモンにも飛び火してますがいいんすか?
カオスモンはどっちかというとオメカモンと同じような「パロディ枠」だから、
販促の使命を帯びて世に放たれたスサノオモンたちとは少し毛色が違うから、まぁいいのよ。
説得力あるんだかないんだか。
「テイマ~フロンティア」あたりからデジモンの人気が斜陽に入って
一般的な知名度がここでガクリと落ちてしまったのもありますけどね。
そこで再び、人気のあったオメガモンにあやかろうとしたんだと思います。
スサノオたちの何がいけないかって、「オメガモン」という存在を「デザイン」でしか見てないのよ。
オメガモンは然るべき流れであのデザインになったけど、後続がそれを真似るなら、
「何故オメガモンに似ているのか」まで設定や演出まで含めて考えて、納得させる必要がある。
それを怠るから、ハンパに姿が似てるだけのコラ画像みたいな公式パチモンにしかならないのよ。
今更だが、色んなファンにケンカ売ってるけど大丈夫か。
フロンティア以降の熱心なファンなら心が強いだろうし、たぶん大丈夫じゃないですかね?
同じファンからの意見なんかより、公式からの扱いの面で苦しい戦いに今も臨んでますから。
オメガモンが何故人気になったのかを顧みれば、
「合体元が既に人気」「強くて大活躍した」という2点は絶対にはずすコトはできないわ。
逆に言えば、これらの要素さえ満たせば単純に人気が出るから、別にオメガモンに似せる必要はないのよ。
そりゃまぁ、そうだろうな。
「合体元が既に人気」ってハードルがいささか高い気がするが…。
汀良さんも言ってましたけど、確かにオメガモン以外にもデザインの優れたデジモンはたくさんいます。
それなのに、「オメガモンっぽいデジモン」をひたすら出し続けるというのは、
「オメガモンに及ばないデジモンを出し続ける」という、勿体ないコトでもあるんです。
先駆者とは別路線で勝負した方が、「オメガモンになかったモノ」を多く得られますからね。
デジモンは別にガンダムや仮面ライダーのようなシリーズじゃないから、
「主役デジモンのデザインに統一感があるコト」が美徳にならないのもポイントね。
ましてや、デジモンはゲームなどで共演の機会が多いし、似てるとそれだけパチモン感が際立つわ。
主役子供のゴーグルに拘る人はいても、主役がオメガモンっぽくなきゃ嫌なんてファン、見たコトないわ。
言われてみれば、シャウトモンX4なんか
「オメガモンっぽくてカッコイイ!」なんて声はなくて、「何このパチモン」ばっかりだったな。
せっかく注目を浴びようと人気キャラのマネをしたのに、なんだか逆効果な感じ?

「オメガモンそのものを主役にしろ!」って人はボチボチ見かけたけど。
シャウトモンX4と言えば、クロスウォーズ放映開始時に
「デジモンで合体って」とか「これもうロボじゃん」とか「こんなのデジモンじゃない」とか、
オメガモンにもそのまま刺さる否定意見がかなり多かったのはある意味面白かったわよ。
んー、確かに、
ホンモノがいる横にそっくりさんとかモノマネ芸人が沢山いてもそれは気まずいかも…?
元々オメガモン自体の知名度が高いからっていうのもありますけど、
オメガモンのデザインは全身が「特徴的な記号のカタマリ」なんで、
少しでもオメガモンっぽくしちゃうと、すぐ二番煎じみたいになっちゃうんですよね。
フロンティアとか、カイゼルグレイモンとマグナガルルモンはけっこう人気あるのに
スサノオモンになるとすぐに「オメガモンのパクリ」「武器が余剰パーツ」
「爆闘宣言ダイガンダー」「初代デジストでコロシアムを観戦してるだけの男」とか言われるもんね。
まぁ、「オメガモン要素を廃していればどれほど人気だったか」は
並行世界に行かなきゃわかんないけど、「オメガモンにあやかるのがヘタ」なのは間違いないわ。
オメガモンに次ぐ人気の主役が、オメガ要素のないデュークモンってのがそれを物語ってるもの。
ヘタにマネしてパクリだと思われるぐらいなら、
個性を発揮した方がついてきてくれる人も多いかもしれない、ってコトか。
クロスウォーズは合体が進むにつれてオメガモン顔から離れていきましたし、
その後のガムドラモンやガッチモンは本当にオメガモンとは無縁のデジモンになりましたから、
このまま、オメガモンに縛られない新主役がのびのびと育っていくといいですね。

 
 違う僕がいる 世界中にあふれてる
さっきああは言ったけど、実はスサノオやX4なんかは別に大した問題じゃないのよ。
彼らはちゃんとアニメの主役としての職務を全うして、作品を彩るキャラとしてファンも抱えてるからね。
「オメガモンなんて知らないから気にならない」って新規ファンもいたでしょうし。
てのひらがよくまわりますね…。

ん? じゃあせんぱいが最初に言ってた「要らない」ってのは?
ズワルトとディフィートとAlter-BとAlter-Sが要らない。
名指しはかわいそうなんでやめたってくださいよ。

…あれ、X抗体はいいんすか? あいつも似たようなオメガモンのバリエーションじゃ?
オメガモンXはカッコいいからもっと出してほしい。
あの…経験豊富なファンからの論理的な話だと思って聞いてたのに、
急に個人のシュミ全開に走られるとあたしもどうしたもんか困るんすけど…。
素人の意見なんてそんなモンだ。
あんま深く考えず話半分で聞いとけってコトだろ。 大体、カオスモンを推すような奴だぞ、こいつ。
本音はさておき、X抗体も他のオメガモン亜種と同じように問題点を抱えたキャラではあるわね。

こいつらが何故要らないかというと、使い道がないからよ。
昇ちゃんイグドラシル説。
これらの亜種オメガモンはアニメでメインをはる主役デジモンではなく、
他のゲームなどのメディアで「オメガモンにあやかる形」で出てきたキャラにすぎないわ。
そういうイミだと、ゼヴォに出演していたX抗体はまだ救いがあると言えるわね。
アニメ以外だと、なんか都合が悪いんすか?
デジモンは商品展開が主にアニメメインですからね。
アニメ以外の新デジモンとなると、せいぜいゲームの主役かラスボスぐらいしか必要ないんです。
昔ならともかく、今はあふれるぐらい出番に飢えたデジモンがいて、人材には事欠かないんで…。
でも腐ってもオメガモンなんだろ?
オメガモンのダークサイド版とか、ボスとしては使い道あるんじゃないのか?
ところがどっこい、オメガモンは既に
正義のオメガモンの姿そのままで、敵ポジションを何度も経験済みなデジモンなのよ。
「悪いかもしれないヤツの悪い版」なんてアホなコンセプト、どうしようもないじゃない。
これがスサノオモンとかだったら、
「オメガモンのそっくりさん」でしかないから、またそれぞれに違った役割があるわ。
でも「オメガモンの亜種」には、オメガモンを名乗る以上「オメガモンらしい何か」が求められる。
でもそんなの、人気なオメガモン本人がやれば済む話でしょ? 何のために出したのよこいつら。
BウォーグレイモンやBメタルガルルモンはけっこうすぐ出たのに、
ブラックオメガモンは中々出てこないなと思ってる内にオメガモンが普通に敵をこなしてて、
やっと出てきたら既に役目がなくなっていたズワルトは、ある意味可哀そうなデジモンでした。
…それにしても、本当になんでズワルトはワクチン種なんでしょう…?
オメガモンのリカラーとしてフィギュアも出ないし、かわいそうだよね。
あ、そのヘンの話はこっちのコラムでも触れてたね。クッソ長いけど。
そこなのよね。結局、オメガモンにあやかって「商売」をしてないのよ。
オメガモンのフィギュアは今も昔もけっこうな頻度で出てくるのに、そのリカラーは全くない。
強いて言えば、「リブート版オメガモン」は成形色を変えてクリア版なんてのを出してたわね…。
よりによって、注目を集めていた「D-Artsオメガモン」の発売間近に出たプラモデルで、
そのデザインも公式絵・アニメ・X抗体とも違う独自のアレンジで、色々と謎の多いシリーズでしたね…。
実際に受注発売されたクリアカラーの他、イベントではゴールドなどのメッキ版も展示されてたそうですが、
何故かデジモン的にもバンダイ的にも定番の「ブラックカラー」はなかったようです。
これはさっきのスサノオモンたちにも言えるんだけど、
例えば、スサノオモンやズワルトが何かしらの商品化で大人気になったなら
「よし、もっとオメガモンの亜種を増やそう」って流れになるのも分かる。超分かるわ。
でもキャラクターとして売れてねーし、売り出せてねーだろ!!ってのばかりなのよ。
出てねーんだ…。
てっきり、色変えでラクに色々出せて便利だからこんなに亜種がいるのかと。
一応、ゲームとかに出すのも商売の一環ではあると思いますけどね。
ズワルトや執行者は「あのオメガモンがこんな姿に!」って宣伝はしてましたから。
ンなの、明確に商品価値があると分かってるアニメ主役ぐらい揃えてからやりゃいいのよ!
ズワルト、執行者、アルターなんとか!
こいつらがタバになってもどうせ需要はヴォルフモン以下に決まってるわ!!
む、むずかしいラインだな~っ…。
執行者なんか、デザインこそ良い感じに壊れたオメガモンだけど、
ネクオダでの扱いは「オメガモンである必要が全くない、なんちゃってオメガモン」だし、
それの進化したAlter-Bも、敵の正体を知ってしまえば
「ムゲンドラモン族で出せよ」としか言いようのない、完全にダメな子だったわ。
一応、ネクオダはプレイヤーの初期デジモンがオメガモンなんで
ムリヤリにでも「敵との因縁」をつくったってコトだと思います。
でも初期デジモンがオメガモン固定でムービーまでつくられるってのはちょっと…ですね。
アニメファンを集めたかったんでしょうけど、芳しい結果は得られませんでしたし。
クリア後の、ショーマくんと仲良くしてるノワールはけっこう好きだけど、
オメガモン族である必要があるかって言われちゃったら、まぁ、ないね。
「オメガモンである必要がない」…か。
オメガモンであるコトに囚われすぎて、なんだか呪いみたいだな。
…そうよ! 呪われて、とり憑かれてるのよ!
執行者は過労死寸前のオメガモン、そしてスタッフから盲目的に崇められる姿の体現そのものだわ!!
知ってるかな…オメガモンってのは呪いと同じなんだ…。
呪いを解くには、オメガモン以外で高いセールスを見せなければ…。
世代交代に失敗したデジモンは、ずっと呪われたまま…らしい。
オメガモンの……罪は重い…!
今は亜種の話なんでちょっと話が逸れますけど、
アプモンのカードにオメガモンたちが参戦と聞いた時、まさにそんな気分でした。
「オメガモンが人気だから亜種を出す」って所までは分かるんですけど、
やはり「オメガモン」という原種そのものにパワーがありすぎて、扱い辛いんでしょうね。
「あの人気のオメガモンにあやかれる」というメリットと
「オメガモンらしい働きが求められる」デメリットがかみ合ってないというかなんというか…。
うーん…。
でも、ゲームキャラとして素材までつくったんだし、その後の活躍に期待したらいいんじゃ?
まぁつくってしまった以上、少しでも活躍して、
一人でも多くのプレイヤーに愛されるコトを願うばかりではあるわ。

ただこいつら、なんといっても「デジモン」としての使い勝手が最悪なのよね。
次から次の全否定に、擁護しきれる気がしねぇ。
思い出してほしいのが、まずオメガモン自体、
「ウォーグレイモンとメタルガルルモンの合体した超究極体」という、特殊な立ち位置なコト。
合体究極体って概念自体は今じゃ珍しくもないけど、
「究極体を超える究極体」という最上級に、そんな軽々しく新キャラはいらないわ。
究極体は増える一方な現在でも、超究極体の枠はそれほど増えていないの。
そんな「選び抜かれた最強の座」に、オメガモン族ばかりが増えるのはよくない傾向でしょ?
ちなみにサイスルだと超究極体の2/6、ネクオダは4/13がオメガモンです。
他に超究極体で色違いはインペリアルドラモンのファイター・パラディンぐらいしかいませんし、
ゲーム未登場デジモンを踏まえても、超究極体のオメガモン率は異常に高いと言えますね。
使い勝手の点で最悪なのが、オメガモンは
ウォーグレイモンとメタルガルルモンの合体した姿であるイメージしかないところね。
つまり、ゲームキャラとして使うには、進化形態として汎用性がなさすぎるのよ。
みんながみんな「グレイ系とガルル系の合体」ってデザインだもんね。
最初のオメガモンは良いにしても、
ただでさえグレイ系とガルル系は進化前後が同族だけで埋まってるのに、これ以上はねぇ。
なのでネクオダだと、プレイヤーが育てられる執行者とAlter-Bは
グレイもガルルも関係なく色んなデジモンから合体って扱いでしたけど、余り物感が強くて…。
ジジモンとプラチナヌメモンの合体で執行者になるのは、流石にないと思いました。
しかもこいつら、デザインが似通ってるせいで
「キャラクターとして出来るコト」までが元のオメガモンそのままなのがどうしようもないわ。
結局「両腕から剣と大砲を出して戦う」コンセプトが全く同じだから、亜種として機能してないのよ。
もっと武器が斧とか鎌とか弓とかで差別化されてればよかったね。
万能キャラの亜種として出てきたのに、無能扱いになるのは悲しいなぁ。
最悪なのが、そんな亜種を立て続けに出した所ね。
せめて、ズワルトだけなら「黒いオメガモン」のポジションとして機能していたでしょう。
でも、ズワルトディフィートが出てきたせいでズワルトは「手抜き色違い」扱いになり、
さらにその進化のAlter-Bが出てきたから、ズワルトディフィートも「型落ち」扱いよ。
遅れて出てきたAlter-SはウィルスなせいでAlter-Bとキャラを食い合うし、
ブリッツグレイモンとクーレスガルルモンはまだ何の活躍もしていないのに、
「こいつに合体します」と可能性を殺されたせいで、既に「途中経過」でしかなくなったわ。
これだけ多くの亜種を犠牲にしたAlte-Sが結局「オメガモンと同等の強さ」って…バカじゃないの?
さっきも言ったけど、オメガモンは進化前と共に「お互いを高め合う」合体だった。
でもこいつらは違う。ロクに人気が出る努力もしないで、ただ成功者の見た目をマネただけ。
しかもお互いに足を引っ張り合うばかりって…、これじゃ救いようのないクズよ。
オメガモンにはあやかりたいけどオメガモンを超える気概がないから、
デザイン的にも設定的にもオメガモンと決別できないハンパものばかりを揃えて、
そのくせオメガモンに何一つ勝てないんだからセワないわ。 いる?いらない?超いらない!!
なまじ「オメガモン」の地位が確立されすぎていたのが敗因か。、
オメガモンはバリエーションを増やすキャラとしてはイレギュラーすぎたんだな。

汀良颯、どうやらお前の負けみたいだぞ。
ぐぬぬ…。 えっ、これあたしの責任とかなの?
さぁ、あなたもこれで分かったでしょう?
バンチョーレオモンやダークドラモンだけでなく、ヴァロドゥルモンやスレイプモン、
他にも設定的には数多の究極体デジモンの最終形態たりえる、カオスモンの素晴らしさが!
あ、それが言いたかったんだ?

 
 まとめズワルトディフィートAlter-BSX抗体リブート(黒)
改めて要点をまとめると、

・オメガモンがいくら人気でも、他のデジモンまで無理に似せる必要はない
・オメガモンは設定が独特すぎるので、亜種をしっかりつくり辛い
・ヘンな亜種を出すぐらいなら、オメガモンそのものを出した方がいい
・亜種を出すなら出すで、ちゃんと商品化やマトモな出番をあげて

…って所かしら。
まだやりようはあると言えばあるのかもしれないけど、
この先オメガモンを超えるオメガ亜種なんて出るワケないし、これ以上ムダなのが増えないコトを祈るのみね。
とりあえずはAlter-Sがこの先どう扱われるかで、亜種の未来や可能性は決まるんじゃないかしら。
いくらオメガモンが人気でも、
バリエーションを増やすにはオメガモンってのは特殊な立ち位置すぎるんすね…。
せめて合体前のウォーグレイやメタルガルルの亜種を増やせば…
って、こっちはこっちでけっこういるんでしたっけ。
そうだね。X抗体以外にも、ブラックとかビクトリーとか、こっちはこっちで多いよ。
ねぇ昇ちゃん、オメガモンと一緒に増えがちな
「新グレイモン」「新ガルルモン」の方はどうなの? こっちもあまりよくない?
種族バランスが偏るのはアレだけど、オメガモン族が増えるよりはよほどマシね。
最近増えたブリッツグレイやクーレスガルルにしたって、
一応あいつらは「ただの究極体」として扱えるから、オメガモンほど進化前にも困らないもの。
そっか。ただの究極体なら色んなデジモンから進化してもいいもんね。
私、なんで「シャイングレイ⇔ミラージュガオガ」や
「ビクトリーグレイ⇔ズィードガルル」は合体しなかったんだろうって思ってたけど、
改めて聞くと合体究極体は安易に増やすモンじゃないんだなー。
ビクトリーとズィードに関しては、
「グレイソード」と「ガルルキャノン」を合体元に与えたのがコンセプトって説もありますし、
最初から合体は想定してなかったんでしょうけどね。
汀良、さっきから難しい顔をしてるがどうした? …いや、今日はずっとそんな調子だけど。
……うーん、色々聞けたけどタメになったようなならなかったような。
今回の話で、まだ新参のあたしは何を教訓にするべきなんすかね?
簡単なコトよ。
「こんなデジモン出すヒマあったら、◯◯(自分の出してほしいヤツ)を出せ!」
…と言えばいいってのを覚えればいいのよ。
それに何かイミが? …まぁいいか、えーと…

メガネモンがなんだ!こんなの出すヒマがあったら、メタルガルルモンX抗体を新作に出せ!!
うんうん、これで颯ちゃんもヒネたデジモンファンへの道を歩んでいけるね。
私だって、ヒポグリフォモンもいいけど
同じ鳥系でアニメにも出演した実績を持つキウイモンを出してほしいんです!
あとコカトリモンとトーカンモンとデラモンとグリフォモンとケレスモンだけでもいいんで…!
オメガモンの親戚を増やすヒマがあったら
オメガモンそのものが武器になったオメガブレードの演出を超カッコよくするのが先だよね。
カッコイイパラディンモードが出てきさえすればたぶんきっと絶対売れるし。
とりあえず壮大なスケールでパラディン超銀河フィニッシュとかそんな感じがいいな!
そうそう、あんなの出すヒマがあれば
カオスモンヴァロドゥルアームとか、未だに漫画版クロウォぐらいでしか出番がなかった
アルティメットカオスモンにスポットを当てて、新たな路線を切り開くべきなのよ!
もはや出涸らしのオメガモンにはない開拓の余地が、カオスモンにはあるのよ!!
え?なになに? わたしの考えたメガドラモン究極体を出してくれるって流れ?
プロデューサーのハブさんへ

さいきんのさくひんにシェルモンがでていないのと、
そのしんかけいがいないコトが、そろそろきになってきませんか?
(なるほど。こうもファンがバラバラに好き勝手に言うようじゃ、
 公式は無難なオメガモンに頼りたくもなるワケだな)



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