デジモンコラム 色違いデジモン、無限に広がってゆくColors Tweet 2016/04/16 その中には色違い、あるいは細部のデザインのみが違う亜種デジモンがそれなりに多く存在する。 そのデジモンたちを便宜上「色違いデジモン」と呼ぶコトにして、今回はそんな色違いデジモンたちについてのお話。 色以外にもデザインが変わっている奴も少なくないし、「亜種デジモン」の方が聞こえも良いのだけど、 「ガオモンはガジモンの亜種」などの面倒な死に設定と干渉してしまったりするので仕方がない。 ◇色違いデジモンの起源 色違いのデジモンの歴史は古く、初めて登場したのは、1999年発売のPSソフト「デジモンワールド」。 このゲームは住民が離れてしまった「はじまりの街」にデジモンを呼び戻し、街を復興するのが目的だ。 街から出て「迷わずの森」に入ると、すぐにアグモンがバトルを挑んでくる。 返り討ちにしてやるとアグモンは正気を取り戻し、はじまりの街に「預かり屋」として参加してくれる。 街から再び同じ森のマップへ戻ると、次に現れるのはベタモン…ではなく、よく似ているが少し色が薄いモドキベタモン。 「ここはオイラのナワバリだ!」と有無を言わさず勝負をしかけてくるが、勝ってもこいつらは仲間にならない。 つまり、アグモンなどの「原種デジモン」が仲間になるイベントキャラ(一部例外はある)で、 モドキベタモンなどの「色違いデジモン」は仲間にならず、何度も再生するモブのザコキャラ扱いになっているワケだ。 「そもそもなんで色違いデジモンなんか出したの?」と疑問が浮かぶかもしれないが、 この「原種」「色違い」の区別があるおかげで、「仲間になる・ならない」の区別がプレイヤーに分かりやすくなる。 アルラウモンやドクネモンはダメだが、パルモンやクネモンを見つけた時に「おっ、仲間になる奴じゃん!」と伝わる。 おかげで原種デジモンは「見つけたい存在」となり、価値のあるデジモンだと印象がつくのだ。 「何故ザコとして新規のデジモンをつくらなかったのか」と言えば、そこはまぁコストや手間の問題だろう。 当時には当時の都合があるワケで、結果論で「あの時色違いを出さなければ!」なんて言う気にはならないし、言ってもムダだ。 それにすべてが「原種からの色違い」というワケではなく、 ゴツモンやゴブリモン、フレアリザモンなど、原種も色違いもモブに徹していたデジモンたちもいる。 なによりこの色違いデジモン達は決して、「ただ色が違うだけの適当につくられたザコキャラ」ではない。 当たり前だが、生物は水中や草原、暗い所や湿った所など「自分に適した環境」で過ごす。 それは「弱肉強食の自然界」を根底のテーマに置いていたデジモンに置いても勿論同じ。 炎系のデジモンは火山にいるだろうし、水系は水辺にいて、虫デジモンは森にいて暮らしているのが自然だろう。 デジモンワールドは、初代育成ギアのVer.1~4(+α)がプレイアブルとして登場するゲームだが、 1~4のメンツだけではそれほど属性や生態系にバリエーションがなく、多様な環境に対応できず、世界観を広げ辛い。 増してや、「原種デジモンは野生モブに使えない」という縛りがあれば尚更のコト。 そこで色違いデジモンたちの出番だ。 草原や工場、氷雪地帯といった多くの環境が存在する舞台、「ファイル島の原住デジモン」としての側面も持つのだ。 例えばファイル島北部にある極寒の雪原「フリーズランド」。 Ver.1~4のデジモンでは、そんな寒い所に住めそうなのはガルルモンやユキダルモン、モジャモンぐらいで、とても地域として成り立たない。 だがそこにはアグモンの色違いユキアグモンや、アイスデビモン、オーガモンの亜種ヒョーガモンたちが生息している。 名前で雪だのアイスだの氷河だのと言っているのだし、そりゃあ寒い所にいて当然だ。 「寒い所に、寒さに適した生物が~」なんて当たり前のようだが、こういう所に拘ってこそ世界観は成立する。
ヒョーガモンは氷の1本ヅノだったり棍棒の代わりに氷柱を持っていたりと、デザインが細かく変更されている。 他にも、ギアサバンナに生息する、羽の代わりに白黒の縞模様が特徴のシマユニモンや、 ドリモゲモン…と見せかけてヒゲが怪しいニセドリモゲモンなど、ユニークな亜種デジモンが多く登場する。
そんな縁の下の力持ちである色違いデジモン達は、初代デジモンワールドでは育成対象ですらない。 仲間になって街に参加するのも、プレイヤーが育成できるのも、原種デジモンだけだ。 だがそれがいい。 先述の通り、原種と色違いがハッキリ区別されるコトで「分かりやすさ」にも繋がるワケだし、 育てられない、つまりは手が届かないコトで人はそこに「価値」を覚える。「高級品」や「限定品」のように感じられるのだ。 「折角だから育てられればいいのに」と思わされて、そこで止まるのが大事なのだと思う。 育てられないからこそ、「敵として専用のデジモンを用意してる!手が込んでる!」となるワケで、 もし実際に色違いデジモンを育てられても、「嬉しい」よりも先に「手抜きじゃん」が来るのは近年の作品で明らかとなった。 こんな風に「世界観を広げるためにつくられた色違いデジモン」を、「環境型」と呼ぶコトにする。 (ちなみに、スペシャルディスクや裏技を使えば、 パンジャモン、ギガドラモン、メタルエテモンといった色違いデジモンに進化可能なアイテムが手に入る。 こいつらの価値のつくり方はまさに「限定品のレアカラー」。 この時点での3体は、色やデザインが少し違うだけで必殺技すら原種と同じで今よりも差別化が薄く、早い話が手抜きキャラなのに、 現在のゲームで育成可能な同3体よりも、遥かに希少さ、ありがたみがあるのは間違いない) デジモンワールドのパラレル世界「デジタルカードバトル」にも、色違いデジモンたちは登場する。 そしてこのゲームでは早くも、全てではないが色違いデジモンも普通に使える。 さっきの「使えないからこそのプレミアム感」を早速否定するようだが、しっかり役割を持たされているので心配ない。 このゲームで用いられるデジモンカードはリアルに発売されたカードダスとは根本的に異なり、 赤・青・緑・黒・黄の5色の属性と、レベルⅢ(成長期)、レベルⅣ(成熟期)、レベル完(完全体)の世代による分類がある。 アグモン→グレイモン のような特定の進化ルートがない代わりに、 進化ポイントを溜めれば「同じ色のデジモン同士」ならどのルートでも進化できるようになっている。 この「色が同じなら進化可能」なユルさのおかげで、デジモンゲームが今も抱える「進化ルート構築問題」はあっさり解決済。 こだわりたい人はこだわればいいし、そうでもない人はテキトーにやればいい。大は小を兼ねるのだ。 このゲームの色違いデジモンは、他のデジモンと分け隔てなく「違う色」や「違う能力」を持っている。 そもそも「色違いデジモンだからダメ」といった垣根すらないので、ここは正に色違いデジモンにとっての理想郷(アルカディア)。 …まぁ、色違い云々とは無関係に「単純にカードとしてダメ」なヤツがあったりはするが、それは別のハナシ。 当然、中には原種よりも強力な色違いデジモンもいて、 例えばベタモンは、青のレベルⅢとしてはなかなか良い性能をしているが、 その色違いであるモドキベタモンは、トリッキーな攻撃バランスや強力な援護能力を持つ有用な黄色のレベルⅢカードとして登場している。 色だけでなくHP、攻撃力、援護能力など「カードを彩る要素」が多いので、個性豊かなカードが揃っているワケだ。 カードバトルと言えば勿論、ポリゴンバトルも外せない。 各デジモンごとに3つの必殺技を持っていて、バトルフェイズではポリゴンによるカッコイイ攻撃演出が見るコトができる。 この頃のモーションの作りこみは物凄く、エフェクト含めバリエーションが豊富で、「色違いだから手抜き」なんてコトは全然ない。 カードバトルと同じゲームシステムの「デジタルカードアリーナ」でも、色違いデジモンの活躍は健在。 初代デジモンワールドを含めたこの3作品だけが、色違いデジモンを真っ当に活かせたゲームだったと断言してもいいだろう。 ◇アニメ展開と「種族型色違い」 デジモンワールドに少し遅れて、アニメ「デジモンアドベンチャー」の放映がスタートする。 敵としての色違いデジモンは目立たなかったが、デジモンアドベンチャーではもっと大きな所に色違いデジモンが登場した。 既に育成ギアで登場済みの、主役デジモンであるメタルグレイモンとアトラーカブテリモンの色が変わったのだ。
何故こうなったのかは、2つほど理由が思い当たる。 ・2体元々の設定が主役レギュラーとして使い辛かったから 青いメタルグレイモンは体が腐ったゾンビなので、設定が暗いし、アニメの進化事情だとわざわざ腐っている必要もない。 間違った進化として「スカルグレイモン」を挟むイベントまで入れた以上、正規進化の姿でも腐っていてはアレだろう。 幸い、青メタグレにしっかり「改造に体が耐えきれなかった」という「改造成功バージョン登場への余地」があったので、 アニメ版メタルグレイモンは「改造に成功した、より強いメタルグレイモン!」として確立された。 (この点に関しては、アニメだけでなくペンデュラム5以降の公式設定でもフォローされている) 一方アトラーカブテリモンは根幹の設定は青も赤もそう変わらないものの、 「飛行能力を持たない」「必殺技はダッシュ角攻撃」などと、作画で手間がかかってしまう枷が多かった。 なので赤いアトラーカブテリモンには「ジェット噴射で飛行可能」「必殺技は角ビーム」に改められている。 そもそも何で色を変えたかと言えば、青いカブトムシが青いカブトムシになっても地味だからだと思われる。 ・成熟期から完全体に変形する玩具「超進化シリーズ」で再現できないから 流石に生身のグレイモンにメタルパーツを換装させた上で、体色まで変えるのは流石にムリだ。 アトラーは青から青のままの方がラクだったろうが、変化に乏しいため、それでは変形玩具の醍醐味が欠けてしまう。 実際、超進化シリーズのアトラーカブテリモンは青いカブトムシから赤いカブトムシに変形する魅力的な玩具になっている。 総合的に言えば早い話、「見栄え重視」というコトだろう。 スタッフが「青という色が嫌いだった」説も否定しきれないが、 青メタグレと青アトラーより、黄メタグレと赤アトラーの方が真っ当にヒロイックなのは確かだ。 アニメをより良いモノにしようとした工夫であり、実際にその変更が定着したのだから間違いではなかった。と思う。 ---≪追記 2020/09/26≫ 公式デザイナーの渡辺けんじ氏からアトラーカブテリモンの色変更についての言及がありました。 実際にはこれ以前にもどこかで言及があったかもしれませんが、とにかく、予想は大体あっていたようです。 --- …しかしこうなると、青アトラーは何のために出したキャラなのだろうと疑問が浮かんでくる。 本来ならアトラーが使えるべきメガブラスターの強化版「ハイメガブラスター」はヘラクルカブテリのサブウェポンにされてしまうし、 「飛行不能」という設定も進化ルート中における変化をつけたかったのは分かるが、 正直、飛べないよりは赤アトラーのようにジェット噴射で飛べる方が本来のツノ攻撃「ホーンバスター」にも活かされて面白い。 何と言っても、青メタグレと違って青アトラーには大してファンもいない。 赤アトラーと属性による差別化もできておらず完全に劣化扱いを受けてしまった彼には、 「デジモン史上初の無駄な色違いデジモン」の称号を送ろう。 さて、メタグレとアトラーの新色が出てきたのはいいとして、この時大きな難点が残されてしまった。 設定や色を変えたくせに、名前は変えなかったコトだ。 アニメ主役として鮮烈なデビューを果たした黄メタグレと赤アトラーだが、 別に青メタグレと青アトラーの存在が抹消されたワケではない。 となると「同じ名前のモンスターがいてややこしい!」事態を避けられなくなり、現在も絶賛衝突事故中だ。 「デジタルモンスター」はキャラクターを共有する作品なので、 こうして名前が被った種族が出てくると、その後ずっと「◯◯モン(△△版)」みたいな注釈が必要になり、非常に煩わしい。 この点に関しては、まだ展開に不慣れだった初代アドベンチャーだけの過ち…なら良かったものの、 その後も「セイバーズ」、「クロスウォーズ」と何度も同じ過ちを繰り返してくるのだからたまらない。 しかもその意図は「人気キャラクターだから同じ名前の方がウケると思った」だという。 うるせェーッ! 当時ガキでも今になっても「なんで名前は同じなのにデザイン違うの?」って感想が真っ先に出るわ!! 離れてしまった層に有名なキャラの名前をチラつかせてアピールしたい? ならもっぺん同じキャラ出せばいいだけの話だろうが! 余計な亜種を増やすな!! …で、名前がどうなったかというと、「メタルグレイモン(青)」「メタルグレイモン(黄)」など、 「◯◯モン(色)」とかいうデジタルワールドが滅んだ方がマシレベルにダサい名称がまかり通るようになってしまった。 とても公式のネーミングとは思えない。ファン同士の会話や、初心者向けの仮称のようなノリだ。 それまでの色違いデジモンはちゃんと名前を変えてきたし、 まずデザインと設定があって、そこにしっかりと適した「名前」をつけられるからキャラクターが成立したのに、 ここにきて都合よく基本デザインと名前だけを流用するハンパなやり方をしたせいで、現在にまで波及している。 技の設定は変えたのに、必殺技名は変わっていないのも実に中途半端だ。 大体アトラー!てめぇ角の形全然アトラスオオカブトと似てないくせに2回もアトラーを名乗ってんじゃねぇよ! 「デジモンには属性があるんだから、そっちを区別に使えばいいのでは?」と思う人もいるだろう。 確かに公式図鑑ではメタグレを「ワクチン」「ウィルス」と記述しているし、そちらの方が見栄えは良い。 でもアトラーは両方ともワクチンなのでそれが使えない。 それに、属性は絶対不変のモノではなく、作品によっては属性を変えるコトができたりして、分類にはあまり適さない。 字面の印象は最悪だが、属性で分けるよりはデザインに直結する「色」で分けた方がデジモン全体での統一もできて、間違いがないワケだ。 …じゃあなんで公式図鑑は属性なのかって? こんな2016年4月現在で未だに普通のアグモンすら載せてない図鑑の考えてるコトなんて知るかよ。 ちなみにメタルグレイモンは、「デジタルカードバトル」だと同じメタルグレイモン名義で青と黄の両方が登場していたが、 「カードアリーナ」にて青が「メタルグレイモン」、黄色の方が「真メタルグレイモン」と呼称されていた。 カードバトルの頃から真メタルグレイモンは必殺技も 「テラデストロイヤー」「メタルスラッシュ改」「オーヴァフレイム」と、原種との差別化が図られていたのもグッド。 まぁ、全く定着しなかったんすけどね。 …アトラー? カードバトルの頃には両方いないし、アリーナはアニメ準拠で赤い方だけだったよ…。 (ついでに言っておくと、タッグテイマー~ブレイブテイマーでのメタグレ青は、 デジモンカイザーが太一のアグモンを暗黒進化させた個体にあやかって「メタルグレイモンER(イービルリング)」と呼ばれていた) さておき、こんな風に「環境依存」ではなく、 特定のデジモンにあやかる形でつくられた色違いデジモンを「種族型」と呼ぶコトにする。
種族型色違いの話なら、「デジモンアドベンチャー02」に登場するブラックウォーグレイモンを避けては通れまい。 ブラックウォーグレイモンは名前の通り黒いウォーグレイモン。 原種と違いダークサイドにまわったウィルス種であり、02本編でもウォーグレイモンと激突した人気キャラクターだ。 アドベンチャーの映画「ぼくらのウォーゲーム!」の来場者プレゼントの「黒いウォーグレイモンカード」だったりした(上がそれ)。 つまりは、商品ありきの色違いデジモンだったのだ。 これに関して文句を付ける気は一切ないし、むしろ称賛したい。 人気キャラクターがいて、その商品の色違いバージョンを出すのは玩具界隈では当たり前のコトだ。 バンダイならスーパーロボットを大体黒くしたり謎カラーにしたりするし、トランスフォーマーなんかでも色違いキャラクターが多数登場する。 マジな話、「商品を出す」というのは本当に大切な部分だと思う。 商品を出すと言うコトは、勿論売る側としては売れてくれないと困る。つまりリスクと責任を負うコトになる。 ならば商品がよく売れるように工夫が図られて、その結果として、良いキャラクターになってくれる可能性は飛躍的に上がる。 売る側は儲けられるし、買う側は好きなキャラクターの商品を手に入れられて、win-winの優しい世界、正しい販促のあるべき姿だ。 全デジタルワールドの視点から見ても、「人気を博したデジモン」が増えるメリットはとても大きい。 その中でもとりわけ、フィギュアのような「立体物」は特に良い商品であり、良いリスクだ。 データだけでも堪能できてしまうイラストや、1体1体でバラ売りされるワケではない「グラフィック」よりも、遥かに1体分の重みがある。 ファン視点で言っても、持ってて満足度の高いキャラクターグッズは「立体物」が一番人気だろう。 つまり、フィギュア化には覚悟がある。 仮に販促がヘタでキャラとしてダメでも、フィギュア化してしまえば購買者はそれなりの満足感が得られるし、 しっかり商品展開として機能するので、「無駄なデジモン」などとは言えないほどの価値が生まれる。 …ちなみに知っての通り、色違いデジモンのフィギュア化率は相当低い。 まず前述のメタグレ青とアトラー青にしたって、ブラックウォーグレイのような超進化シリーズのリカラー版は出なかった。 アトラー青はともかく、メタグレぐらいは出しても良かったんじゃねーかな…。 最近になってS.H.Figurtsのカオスデュークモンや、小物系でブラックアグモンなどが出てくれたりはしているが、 まだアルラウモンやサイケモンがホイホイと商品化されるほどにはなっていない。 まぁ今更出してもそうそう売れるワケないし、わざわざ活躍させる気もないだろうから、賢明ながらも悲しい悪循環だ。 アニメ発の色違いデジモンと言えば、テリアモンとロップモンも有名どころだ。 02夏映画で初登場したところ反響が大きかったらしく、別人がテイマーズの本編にも主役と準主役として再登場し、ガッツリ絡んできた。
双子ならそりゃあ似ているのも当然だし、ストーリーも広げやすい。 しかもデザインが似てるのは幼年期から成長期までで、その後は進化につれて全然別の姿へ変わっていくのも面白いし、 それが「道を違えてしまった双子」という演出にもなっている。 …ていうか、立派に一デジモンとしてキャラが立っているので、あまり「色違いデジモンだから~」と言うコトもないな。 余談だが、ロップモンとテリアモンは名前を合わせると「ロッテリア」になるコトから この2体がコラボキャラだと言われるコトがよくあるが、ソースはない。 「02の頃ロッテリアがスポンサーだったから」というのが定説で、それが事実ならすぐに済む話だが、今確認するのは少し難しい。 もっとも、テイマーズの頃には車メーカー「マツダ」がスポンサーだったので 主人公であるタカトの苗字がそのまんま「松田」になった、なんて逸話もあるし、 実際、ロッテリアはテイマーズ以降に正式にコラボをし、グッズ展開や、バーガモンなどのコラボデジモンが登場している。 「つなげればロッテリアになる」のは偶然にしては出来すぎていると思うし、明確なソースが出てハッキリするコトを期待したい。 ---追記--- ボルケーノ太田氏の発言により、ロップモン・テリアモン→ロッテリアは偶然のネーミングとのコト。 つまり、ロッテリアコラボありきのキャラクターではないとハッキリしたので、覚えておきたい。 ---------- 顔、耳、カラーリングだけで極端な差別化が図られていて秀逸なデジモンだが、 個人的には悪の方が映画やフロの活躍があって好きなのに、三大天使設定のためか善の方がゲームに出がちなのが惜しい。てか両方出してよ。 チェスモチーフなので白黒の2体がいて、アニメではそれぞれ「白川」「黒崎」と分かりやすいパートナーもついている。 アニメ放映時に小さいフィギュアが発売されたりもしたが、現状ではあまり扱いはよろしくない。 どちらかに突出した人気があるワケでもない場合、出なくなる時も一緒なのが悲しい。 ◇続出!無駄な色違いデジモン 02でブラックウォーグレイモンが好評を博したせいか、彼もまた恐ろしい悪習を残してしまった。 「主人公デジモンの色違い」、および「ダークサイドバージョン」の種族型色違いをつくる土壌ができてしまった。 …毎度のコトだけど、悪いのは「先駆者」じゃなくて「解釈・マネの仕方がヘタな後追い」なんだけどね。 メタルグレイモン青はその性質上、ブラックウォーグレイモンへと進化が繋げられるようになり、 ブラックウォーグレイモンが出てきた時点で超進化シリーズの変形前、つまり「ブラックアグモン」も存在していた。 そこで、ブラックアグモン系譜の穴を埋めるようについでのノリで出てきたのがこのグレイモンの色違いだが…。 思い出してみてほしい。 メタルグレイモン青は、普通のグレイモンや他のデジモンが、改造に失敗して体が腐ったのが設定の肝だ。 つまり、この設定を引き立たせるためにも、「進化前が正常体である」のは大事な要素だ。 だのに、進化前の時点からダークサイドに落としてどうする! こんなデジモンいらねぇよ!! 「メタルグレイモン青」と「ブラックウォーグレイモン」のルートにあてがわれたデジモンだからか、 公式名称が「グレイモン青」と「ブラックグレイモン」とでフラフラしているのもまた印象が悪い。 02の翌年には「デジモンテイマーズ」がスタート。 この作品にはギルモン、レナモン、テリアモンの3体がメインの主役デジモンとして登場するが、 その3つの進化系譜全てにダークサイドバージョンを用意するという暴挙に出た。 しかもアニメや当時のゲームに出てこないし、ロクに商品化もされないというやる気の無さ。 テイマーズ版のデジヴァイスである「ディーアーク」の隠し進化として登場したワケだが、 その進化条件は、各世代で進化条件を満たした時に「通常進化よりも勝率が低い」コト。 …ただの落ちこぼれじゃねーか!! しかもしっかり通常進化より能力も低い。 しかも属性が原種から変わらないため、ダークサイド版どころか、ただのカラーバリエーションに等しい。 ブラックグラウ、同メガロ、カオスデュークはいずれも「ウィルス種の本能が目覚めた~」などと、存在価値を得ようとする苦し紛れの設定が涙ぐましい。 こいつらなんかよりアニメに登場したメギドラモンの方が遥かに魅力的…てかメギドラいるならカオスデュークいらねぇだろ。 そのくせゲームにはカオスデュークモンばかりが登場し、メギドラモンは滅多に出てこない。 さらに「一説によるとメギドラモンとカオスデュークモンは同一の存在であり、 その恐怖の波動が見るものによっては暗黒騎士であったり、暗黒竜として映るのではないかとまで言われている」…とのクソ設定が後付され、 メギドラモンファンの神経を逆撫でするコトにおいては頂点に立つデジモンとなっている。 レナモン系譜は、ヨウコ、ドウ、クズハと何故かオリジナルの名前がつけられていて、少しはマシに見える。 しかし「破滅を呼ぶ」「闇属性」などの設定がついている割には元のレナモン系と同じくデータ種で、自らの価値を下げている。 最終形態のクズハモンに至っては、サクヤモンなら4体持っている管狐を1体しか持っていないガチの劣化版。 公式設定も全体的に劣等生描写ばかりで気の毒だ。名前が屑で破門なだけはある。 海外のゲーム「DMO」では何故かクズハモンがサクヤモンより上だったり、 最近出た「ネクストオーダー」でナマイキにも幹部キャラをやっていたりするが、キャラの印象が良くなったとは言い難い。 残るブラックガルゴ系は「夜戦型」という地味設定があるだけで劣化版ではないが、レナ系同様、何故この設定で原種と属性が同じなのか…。 またカオスデュークやクズハと違い、セントガルゴモンが登場するゲームでも何故か全然出てこない公式イジメが多発している。
究極体だけならまだしも、成熟期や完全体も合わせて計9体もの無駄デジモンが登場したのは無意味どころかダメージだ。 テイマーズの頃はD-Realなどフィギュア展開も盛んだったのにリカラー商品は全くと言っていいほど無かったため、ますます出した意味が分からない。 テイマーズほど駄悪サイドの色違いデジモンを乱発する作品は珍しかったが、 それでもブラックマッハガオガモンや、オメガモンズワルトなど、デジモンの「黒く塗りたい病」は未だ治っていないし、治るコトもないだろう。 ブラックバージョンを連発するのはまぁバンダイの十八番みたいなモンだから良いとしても、 ブラックウォーグレイモンの上辺だけをマネて、肝心のキャラ描写がおざなりどころか皆無なのがよろしくない。 ブラックウォーグレイモンが何故優れていたのかと言えば、 まずウォーグレイモンという「大人気キャラに便乗」した確かな着眼点と、 「一人のキャラクターとしてドラマが描かれた」点、そして原種である「ウォーグレイモンと対決した」ところだ。 これほどまでに理想的な活躍をした色違いデジモンは他にいないし、声優さんの熱演も素晴らしく、そりゃ人気も出る。 まぁ、二大ウォーグレイモンが激突したせいで02主役勢が空気化という弊害もあったが、それは置いておこう。 ただカッコイイ人気キャラのリカラーを出せば、それだけで人気がでるワケではない。 ウォーグレイモンと同じぐらい人気のあるメタルガルルモンの色違い、ブラックメタルガルルモンの人気を考えてみれば分かるはずだ。 …ていうかブラックメタルガルルモン、未だにキャラクターとしての描写があったのが「カードアリーナ」ぐらいだぞ! そも、安易に色違いを出されるとその原種のありがたみが減るという無視できないデメリットがある。 しかも「色違いデジモンは出しても出さなくても同じ」なのではなく、 「無駄デジモンを出したその分だけ、別のデジモンの登場・活躍する機会を奪っている」のだから、一方的な自爆でしかない。 1体、また1体とデジモンが増えていく度に「全デジモンの競演」に手間がかかり、遠のいていくのも見過ごせない。 育てる気がないなら産むな!! ならば出したキャラにはしっかり意味を持たせてもらうのがスジってモンだが、 デジモンが割と気軽に出してくる主役デジモンのダークサイド版、こいつらの使い勝手はハッキリ言って最悪だ。 まず、デジモンの世界は、主役に限らずモンスターの脅威に溢れている。 主役以上にヤバい奴がゴロゴロしているのに、わざわざ「主人公のダークサイドバージョン」に着目する必要性が薄い。 主人公のダークサイド版が出ただけで「これは強敵だ!」と伝わるヒーローモノやロボットモノとは話が違う。 それでもあえて出すのなら、色違いの色違い、つまり原種との因縁の対決が望ましい。02はこれをやった。 しかしそれは「対戦相手が制限される」ワケで、ほぼ全てのダークサイドデジモンにとってはもう後の祭り。 カオスデュークモンの場合、ギルモンが正義の主役デジモンとして描かれたテイマーズ、 あるいはデュークモンがロイヤルナイツとして活躍している何らかの作品でもうぶつかっておかなければいけなかった。 何故なら、ゲームなどでフツーにデジタルワールドにいるギルモンたちは、別に絶対正義でもないので、 ダークサイドデジモンの設定だけが虚しい一人相撲になってしまうからだ。
色違いデジモンは「原種の設定ありき」な面が強く、「なんでダークサイド版なんて出したの?」と言われ続けるだろう。 結局、単に悪いデジモンを出したいなら他のデジモンで事足りるのがいけない。 デジタルワールドは別にカオスデュークモンやズワルトなどの色違いデジモンに頼るまでもなく、ヤバいデジモンが沢山いる。 ていうか、オメガモンがそのまま敵としてまわるコトもザラなので、ダークサイドデジモンの全否定が既に公式で行われている。 悪い奴が悪いコトをするより、良い奴が悪いコトをした方がインパクトもあるのだ。敵オメガモンはもう珍しくもなんともないけど! まぁ「同族対決」を繰り返すのも芸がないと思いあえてカオスデュークたちは活躍させなかったのかもしれないが、じゃあ出すなよ。 セイバーズの暗黒進化「シャイングレイモンルインモード」は、それまでの無駄なダーク主役デジモンを反省したデジモンとも言える。 勿論、何かのデジモンを出す上で種族設定は必ず守らなければいけないものではないし、別に守られてもいない。 ただ、設定を無視すればするほど「そのデジモンをわざわざ選んだ理由」が弱くなり、その分魅力的に魅せるのは難しくなっていく。 長々と綴ったが、何が悪いのかと言えば、商品が出ないのが悪い。 フツー、「主役デジモンのリペで商品出そう!」→「じゃあ色違いのヤツにも設定をつけよう!」って流れじゃあないのかなぁ。 商品化するメドすら立たない主役色違いって、それ公式が最初からクソキャラって認めてるのと同じなんじゃ…。
何かとブラックバージョンが目立ち始めた色違い界隈だが、勿論それ以外の色違いデジモンも続々と登場している。 「カードアリーナ」では新たに色違いデジモンが4体登場。 一応、ゲーム中ではちゃんとカードとして役割があるっちゃあるのだが、 炎属性となった赤い「オタマモンD」と、何故か悪堕ちした紫色の「エレキモンVi」は、 名前が原種デジモンと被っていて、アニメでやらかしたミスを逆輸入しているのがいただけない。 名前の後ろのは「データ種」と「ウィルス種」という分類なのだが、この分類はアトラーのせいで既にあまり機能しなくなっている。 炎属性の赤いハグルモン「ソーラーモン」と、爆弾と化した「ボンバーナニモン」もここで初登場。 こいつらは名前も問題ないし、デザインも細部がいじられてるし、現在もゲームに出演していたりとエリート色違いデジモンの道を歩んでいる。 アリーナより少し前にカードで登場した、氷魔法を操るウィザーモンの亜種「ソーサリモン」も登場の機会に恵まれている。 フロンティアにも出演し、セラフィモンが弱すぎたせいで死んだ可哀そうなデジモンの印象がついたが、原種も以前死んでるから本望だろう。 さらに、カードのスターター6やブースター13から更なる刺客が襲来。 グラウモン(橙)、メガログラウモン(橙)、キュウビモン(銀)、タオモン(銀)とどうしようもない4体が登場。
勿論、当時アニメやゲームには出なかったし、リペイント商品もない。公式はテイマーズの主役デジモンをどうしたいんだ。 しかも、成熟期と完全体は種族型色違いの中でも特に需要が無い世代だ。 どうせ出すのなら、様々な進化分岐の可能性がある「成長期」と、 とりあえず出てくれば戦力となり、最終形態だけあってゲームなどで愛着をもってもらいやすい「究極体」の方が良いのになぁ。 今回の奴らは申し訳程度にグラウ系がデータ種、キュウビ系がワクチン種と属性が変わっているが、 これより前に出たブラックバージョンの属性が原種と同じなので、何のコンプリートも成し遂げられない。 同時にガルゴモン(青)とかの謎デジモンが出てこなかったのはせめてもの救いだが、やはりテリア系はよくハブられる。 既にテリアモン系には双子のロップモン系が存在していたから、その分をカウントして出さなかったのだろうか。ありがとうロップモン。 02からテイマーズにかけては、セールス的にデジモンの全盛期と言われているが、 テイマ後編からガクリと斜陽を見せ始めたのは、こういうしょうもないデジモンを出しすぎたのも一因なのでは…。 カードはこの直後のスターター7でも、ミケモンやイガモンの亜種「コウガモン」など、 なんでわざわざ出したのかよく分からないし、出番もろくに与えられない種族型色違いが続出している。 今更だが、カードダスではブラックウォーグレイモンなど、色違いデジモンの名前が原種と変わらない。 初の色違いカードであるブラックウォーグレイモンが普通に「ウォーグレイモン」名義だったので、それに倣っていたのだろう。 (ブラックウォーグレイモンがただのウォーグレイ名義だったのは、 当時はまだ種族型色違いデジモンが確立されておらず、単なる「限定カラー」的な意味合いが強かったのだと思われる) そのせいで、「こいつ、色違いデジモンとしてカウントしていいのか?」というラインすら曖昧なデジモンも少なくない。
「属性が違ってれば別種でいいんじゃない?」とシンプルに考えたいところだが、 カードダスはしょっちゅう属性を間違えるので信頼できないし、明らかに色違いでないがこんなのもいたりしてお手上げだ。 そのくせ、上に貼ったゴールドブイドラモンや、ブラックグラウモン、ブラックガルゴモンなど 「普通に名前に色がついている」カードもある統一感のなさであり、なんともデジモンらしく、なんともうっとうしい。
疑問なのが、何故カード媒体でここまで無駄に色違いデジモンを増やす必要があったのかだ。 別にわざわざ出さなくても原種デジモンを出していれば事足りたはず。 ていうかデジモンカードは進化ルートや特殊能力で差別化されて同じデジモンに色々なタイプがいてくれる方がデック作りが捗る。 つまり必要性に迫られてないし、間違っても目玉アイテムにもなっていない。 人気デジモンに便乗して弾数を増やそうとするなら、何故素直に人気デジモンをそのまま使えないのか。 スカモンが1種類しかないぐらいには収録バランスも悪いので、「他に出せるデジモンがいなかったから」なんて理由も考えにくい。 無駄デジモンを増やしたカードは「デジモンジントリックス」もそうだ。 まずはブラックガオガモン、ブラックマッハガオガモンと、セイバーズから5年越しに無駄な色違いが登場。 こんなモン描き下ろされるなら、ミラージュガオガモンルインモードとかの方がずっと嬉しい。 また、ジントリックスは急にピーターパンや西遊記などをモチーフにした新デジモンを繰り出してきて、 サンゾモンの従えるゴクウモン、チョ・ハッカイモンに加えて、サゴモンというシャウジンモンの色違いを出してきた。
ここでゴクウ、チョ・ハッカイにシャウジンを並べていたなら「お、前からいた奴が活かされたな」と感心できたのに、なぜ無駄に増やすのか。
ジントリックスと言えばあのオメガモンズワルトを生み出したカードでもあるが…もういいか。 「ディーワンテイマーズ」から登場するカラーブイドラモンもほっとけない。 デジモンがVジャンプと提携しているのは今も昔も変わらないが、「Vテイマー01」連載中は今よりもブイドラモンが推されていた。 そしてディーワンには、レッドブイドラモン、ゴールドブイドラモン、マスターブイドラモンのブイドラ戦隊が登場。 ディーワンは未プレイなので攻略本だけの知識で申し訳ないが、 それぞれが「より強力なブイドラモン」と位置付けられているようで、色と能力以外は進化ルートもブイドラモンと同じだ。 エアロになって、その先がゴッドドラモンなのが時代を感じさせる。 なまじハードがカラー対応になったせいでこんなデジモンが生まれてしまったのかと思うと、技術は進歩するばかりが良いとも言えない。
まぁ、当時は今ほど無駄デジモン増加問題も表面化していなかったし、 まさかカードを作っていた「レイアップ」やミレニアモンシリーズを作った「シムス」も、 当時テキトーに作った色違いがその後ポリゴンで再登場し問題視されるだなんて思わなかっただろう。 実際の所、決してスタッフに悪意があったのではなく、その動機は「遊び心」だったと思う。 無駄な種族型色違いとしては、知名度こそ低いがグラウモン橙たちよりもヤバいヤツがいる。 それは「クロスウォーズ」の頃に関連の色んな作品から送り出されてきた色違いデジモン軍団たちだ。 クロスウォーズ版デジヴァイスである「クロスローダー」、 AR機能がどうこうでお店で遊べるゲーム「クロスアリーナ」、そしてデジスト「超クロスウォーズ」など、 様々なメディアからクソデジモンの絨毯爆撃が仕掛けられた。これが軍団バトル、クロスウォーズたる所以か! どういうコンセプトなのか分からないメタルガルルモン(赤)や、 ズワルトよりもいち早く登場しつつも本当に全てが謎のオメガモン(黒)など、おぞましい色違いデジモンが続々登場! (幸か不幸か、この頃の奴はネットに画像があまり転がっていない。撮る手段も乏しい。 オメガモン黒はこちらのブログに掲載されているのを見つけたので、リンクを貼らせていただく) 他にも、アニメに出てこないシャウトモン(黒)や、 青いクロスウォーズ版グレイモンを元のグレイモンカラーに塗り直したグレイモン(橙)、 スカルナイトモン(黒赤)など、バグラモンでなくとも現世に絶望しそうな色違いデジモンも勢揃い! 超クロスウォーズでは生意気にも「ソウルアーバレスト」「メガロフレイム」など専用の必殺技が付けられたりしている。 他のメタルシードラモンやディアボロモンなどの魅力的な使用不可能デジモンの枠を潰してまでプレイアブルになっているので、印象もド最悪だ! 折角なので実機のクロスローダーの画面を撮ろうと久々に電池を入れたものの、壊れて点きませんでしたとさ。 クロスウォーズは意外とデジモンでは初の「アニメ本編にも無駄な色違いが出てくるデジモンアニメ」でもあり、 モブとして黒いシュリモンや赤いレディーデビモンがしれっと混ざったり、 体調が悪そうな紫カラーの「ギガブレイクドラモン」、珍しい色違いというポケモンじみた設定の「ブロッサモン」など、 確実に不必要な上に他のクロウォ商品では別に登場していない色違いデジモンが新たに多数登場。 どうせ色違いを出すなら、ロボットアニメじみたコンセプトがウリだったんだから、 デジカ大戦で出てきた「ブラックシャウトモンX7とのライバル対決!」とかやってくれればよかったのに…。 ◇強い色違いデジモン 色違いは単にパチモンだけでなく、「通常種よりも強い」とされるコトもある。 ドラクエでスライムよりもメタルスライムの方が強かったりするアレだ。 初代デジワーで登場したブルーメラモンやパンジャモンは元々成熟期だったが、その後の作品で完全体となった。 「世代が違う」のは格が違うのを簡潔に表現する、デジモンならではの手法だ。 おかげで メラ→ブルーメラ など進化ルートも組みやすいのが魅力だが、時として ゴツモン(成長期)→アイスモン(成熟期)→インセキモン(完全体)のようなハイパーガッカリエボリューションを生み出してしまう。
メガドラモンに対するギガドラモンのように、「同じ世代だけどこっちのが強い!」設定がつく場合もあるが、大体は死に設定となる。 ブラックウォーグレイモンなどのダークサイドバージョンも 「原種よりも悪く、強い!」というコンセプトでなければ成り立たないはずだが、設定の時点で原種と同等、ヘタすれば劣るケースの方が多い。 色違いデジモンは、ボスキャラとして登場するコトもある。 色違いがボスデジモンとなったのは、「デジモンワールド2」のカオス三将軍とその親玉、カオスロードが初。 (初代デジワーでおもちゃの街の奥にいるワルもんざえモンも十分「色違い中ボス」な気もするが、 ワルもんざえモンは既に色違いから独立したデジモンっぽいので今回は割愛) ちなみにデジモンワールド2のOPムービーにはブラックウォーグレイモンが登場するが、 ゲーム自体にはブラックウォーグレイモンは登場せず、代わりに敵としてこのパチモン臭いカラーリングのカオスグレイモンが出てくる。 個人的にカオスシードラモンの配色がお気に入りというぐらいで、 ボスとしても全然強くないし必殺技も属性も原種と同じで、特筆するコトもない。以前セリフはまとめたので、気になる人はどうぞ。 知名度の無さが物語るようにデジワー2だけの一発屋だったが、近年、海外のゲーム「DMO」にカオスピエモンだけは再登場し、少し話題になった。 「ファイル島最強のデジモン」として恐れられているが、実際に戦うとゲボ弱いのはいただけない。 今ではカオスドラモンとしてリファインされているが、デザインは大分異なる。 その後も、デジワー3でブラックセラフィモン(フロンティア版とは異なり本当に黒いだけ)や 「デジモンストーリーサンバースト・ムーンライト」でオファニモン・コア、カオスデュークモン・コアなどが登場。 「リ:デジタイズ」でも中ボスとしてブラックウォーグレイモンやカオスデュークモンが出てきたし、 主役究極体のダークサイドバージョンはこういう所でよく使用されている。
…とはいえ、「グラフィックが流用で作れたから」という目的が見え見えなので、あまり印象は良くならない。 そしていずれも中ボスどまりで、決してラスボスにはなれないあたりに、色違いデジモンの限界を感じる。 何と言っても相手スロットのオプションカード全てを破壊する能力が強烈で、 当時の援護能力などが登場していなかった頃では戦術を全て封じられるにも等しいし、 3枚もオプションを破壊されたらその攻撃Aは800という、オメガモンすら上回る凶悪な能力値となる。 進化条件も無視できるし、バトルタイプもBだから安定していて、オマケにロストポイントも普通でスキがない。 こいつより先に出ていた普通のインペリアルドラモンは割とフツーな能力だったコトもあり、より記憶に残る色違いデジモンとなった。 (余談だが、当時のVジャンプだったかデジモンコンプリートガイドだったかで新デジモンカード一覧のようなものがあり、 そこに掲載されていた段階ではこのブースター7のブラックインペはノーマルカラーで、何故か属性欄が空白となっていた。 ちなみに、ブースター8で出てきた原種インペリアルドラモンも相当強い) テイマーズ期には俺…というか俺の周りがカードをやめてしまったので個人的には体感していないが、 相手のプログラムカードを無効化するブラックグラウモンやブラックメガログラウモンも中々暴れまわっていたらしい。 なるほど、色んな展開があるからこそこういう場面で意外なデジモンが活躍するのは面白いし、嬉しいコトだ。 ただ残念ながら、その最終形態であるカオスデュークモンはカード界でも目覚ましい活躍は成し遂げられなかったようで…。 ◇目立つ色違いデジモン 上の項目と同じような観点。 色違いデジモンは如何せん「原種ありき」なので、あまり目立つコトはないが、予想外の活躍を見せたりするコトもある。 例えば「デジモンストーリーロストエボリューション」にはナニモンがいないのにボンバーナニモンは登場していたり、 「超クロスウォーズ」にはモノクロモンがいないのにヴァーミリモンは登場していたりする。 …なんでだよ!! 真っ当に目立つ色違いと言えば、やはり初代デジモンワールドのメンツが多く思い浮かぶ。 モノクロ店のアルバイト中にやってくる気難しい客の赤いペンモン、ムーチョモンなんかは、多くのプレイヤーの印象に残ったコトだろう。 (逆に、フィールド上に敵として出てくるムーチョモンは相当空気なのではないだろうか) 「全身のワイヤーフレームが剥き出し」という特異なデザインは未だ他のデジモンには採用されていない。 ここまで個性が出るのなら、色違いという枠を超えた一つのデザインとして認めざるを得ない。 ちなみにこいつは、ユキダルモンの色違いデジモンだったりする。 ゴーレモンには同名の土人形タイプもいるが、名前以外は設定も出路も何から何まで違うレアなケースとなっている。 アニメ部門からピックアップしておきたいのはアイスデビモン。 「テイマーズ10話」「フロンティア36話」とアニメ2連出演をキメたこの色違いデジモンは、妙に印象に残るキャラだ。 別に同一人物というワケでもないのだが、テイマーズ版は小杉十郎太、フロンティア版は若本規夫とヤケに声優が豪華。 前者はルキをパートナーにすべくつけ狙う変態で、後者はケルビモンに匹敵すると恐れられるほど強い変態だ。
ちなみにアイスデビモンは「クロスウォーズ」の10~11話にも登場しているが、そっちはまぁ…色違いデジモンの分相応というか…。 こちらの声を担当してるのはデジモンアドベンチャーでエレキモンをやっていた高戸靖広さんだ。 クロスウォーズと言えば、3期「時を駆ける少年ハンターたち」にて、まさかのサイケモンがレギュラー化を果たした。 最上リョーマのパートナーとして登場し、超進化してアスタモンになる。 正統派ルートガン無視の進化にファスコモンはテレビの前でご立腹だろうが、意外と合ってると中々好評だった。
パートナーを持ちレギュラーキャラとなった色違いデジモンとして、「名誉色違いデジモン賞・アニメ部門」をあげたいぐらいだ。 …まぁ、3期のラストであーなっちゃうんだけどね……。 少し時を遡り、「フロンティア」28話に登場したブラックセラフィモンもピックアップしておこう。 悪の闘士メルキューレモンがセラフィモンのデータを吸収して進化した姿で、拓也をピンチにまで追い詰めた強敵だ。 実は切り替える前に全身が映るカットで既に×の字になっているが、気付かないフリをしておこう。 全体的に「メルキュ―レモンと融合した」のが分かるデザインとなっていて、「ブラック~」という割に黒くはない。 だが、「悪の手に堕ちた」コトを「ブラック」の一言で表現しているのがカッコよく、イカしたネーミングだ。 教会が戦いの舞台だったので進化時にはパイプオルガンが鳴り響いたり、 戦闘シーンでは「ぼくらのウォーゲーム!」でオメガモンに合体した時の曲が流れるというやりたい放題感も魅力。 また、色違いデジモンとはまたジャンルが少し違う気もするが、 「セイバーズ」の中盤からは、倉田の配下の3人が人間から融合進化するバイオハイブリッド体デジモンが登場した。 ナナミのバイオクアトルモン、バイオロトスモン、イワンのバイオステゴモン、バイオスピノモンの計6体だ。 1段階目はアーマー体がベース。 頭に園芸用品みたいなカプセルが刺さっているのが特徴で、顔色が悪く、全身にもチューブなど人為的改造の痕跡が見られる。 ハイパーバイオエクストラエボリューションした2段階目は究極体がベースで、技術が進歩したのか頭部の色以外は原種と変わらない。 素体となったのは全体的に通好みというか尖ったチョイスで、しかも6体とも原種の方がアニメ未登場。 ダークドラモンはその後クロスウォーズにデジメモリとして登場したが、残る5体は未登場のまま沈黙を保っている。 ちなみにロトスモンに至ってはバイオ版が原種より先に登場。 その登場タイミングの異質さなどから、 ヨシノのパートナーであるララモンは本来ロゼモンでなくロトスモンになる予定だったのでは? とファンの間で囁かれているが、定かではない。
ちなみにセイバーズ終盤では主人公デジモンたちが究極体を超える「バーストモード」を会得するが、 シャイングレイモン、ミラージュガオガモン、レイヴモンが専用のデザインをもらったのに対し、 ロゼモンだけはティファレトが増えてビットと化した以外は、色が違うだけのデザインになっている。
◇種族として不成立の色違いデジモン 色違いデジモン一番の難点は、「手抜きくさいのに一つの種族としてみなされる」点だろう。 しかしその一方で、本当にただ色が違うだけなので、一つの種族としてみなされていないデジモンもいる。 例えば、PSソフト「バトルエボリューション」。 これは対戦アクション、つまり格ゲーなので、同キャラ対戦用にいわゆる2Pカラーの色違いが用意されている。 個人的には金色のラインが水色になって清涼感あふれる、インペリアルドラモンパラディンモードがお気に入り。 なおこのゲームにはウォーグレイモンとブラックウォーグレイモンが両方いるので、合計4色のウォーグレイモンが登場する。 ちなみに使用キャラとしては、ブラックウォーグレイモンはウォーグレイモンとエフェクトやモーション、能力がしっかり差別化されている。 何と言ってもアニメ通りに檜山修之ボイスで喋ってくれるのがファンとしては嬉しいところ。キャラゲーとして文句ない出来だ。 ちなみに「バトルスピリット」でも、成長期(及びフロンティアのハイブリッド体)だけは2Pカラーがある。 ゲームのシステム上、バトル中に進化できるのはどちらか一方だけなので進化先のカラーは通常のみだ。 (同じく格闘ゲームの「バトルクロニクル」はキャラのカラーバリエーションがなく、そもそも同キャラ対戦ができない。 そのくせブラックアグモン、ブラックガブモン、ブラックギルモンと色違いで3枠も使っている上、声優さんは原種と同じ…。 海外で発売された「オールスターランブル」では、同キャラ対戦こそできるが、キャラ頭上に「2P」とアイコンが出るだけの手抜き) また、「デジモンワールド3」の色違い軍団も特徴的だ。 このゲームは敵デジモンの強化版やバリエーションとして色違いデジモンも登場するのだが、 ブルーメラモンやヒョーガモンなどお馴染みの色違いデジモンとは別に、本当にただ色が違うだけのザコが多数登場する。 謎なのが、ゴブリモンの色違いは登場するのにシャーマモンは出てこない、 ヤンマモンの色違いは登場するのにサンドヤンマモンは出てこない…などと、元々いる色違いデジモンを全然使っていない所だ。 それがいいコトなのか悪いコトなのかは、よく分からなさすぎて、よく分からない。
◇色違いデジモンの抱える問題 「環境型色違いは良いけど種族型色違いは安易すぎてダメ」な論調の箇所が多かったかもしれないが、 現在ではむしろ、環境型の方が存在意義が危ぶまれる。 デジモンの種族が充実するコトで、デジワー当時でこそ存在意義のあった「環境型色違い」に頼る必要性が失われるためだ。 所詮色違いは色違いに過ぎず、もし同じベクトルの新規デジモンがいれば、自然とそちらが代替キャラ、上位互換になってしまう。 同じ登場枠を1つ使うのなら、ブルーメラモンよりデスメラモンの方が良い。 逆に「種族型」は最初から「原種にあやかった色違い」なので、 よほど原種デジモンの人気が地に落ちでもしない限りは、ある程度の人気が見込める。 基本的に人気デジモンからの派生なので登場機会も多く、新規ファンに顔を覚えてもらうコトもできる。 そんな感じの違いはあるが、結局のところ環境型も種族型も、抱えている根本的な問題は同じだと言ってもいい。 色違いデジモンの扱いに懸念が抱かれ始めたのは、DSソフト「デジモンストーリー」からと見ていいだろう。 発売されたのはセイバーズと同時期、2006年のコトだが、この頃には既に約700体ものデジモンがいた。 それに対し、ゲームに登場できたデジモンはわずか200体強。全体から見れば、決して多いとは言えない数字だ。 しかしその「200体チョイ」の中に、色違いデジモンが20体ほど混ざっていた。 そう、ただでさえ限られる登場デジモンの中に、色違いデジモンの割合が増えてきたのだ。 この傾向は今尚勢いを増していて、 最新作「デジモンワールドネクストオーダー」に至っては、登場デジモンのほぼ1/4が色違いの地獄と化した。 なぜ色違いデジモンの割合が増えるのか、それは勿論「原種のベースがあって作りやすいから」に他ならない。 近年のゲーム界隈は、昔ほど売れなくなっていくのにかかるコストは上がっていくという辛い状況が続いているし、 残念ながらデジモンはその膨大な数をカバーできるほどの売上・予算にも恵まれていない。 つまり、少ない手間でボリュームを少しでも増やそうとする、努力の結果なのだ。 「手を抜いている」のではなく、「折角出せる奴がいるのだから出しておこう」と、枯れ木も山の賑わい精神で出してくれているのだろう。
「そんなん知るか!もっと別のデジモン出せ!」という意見はごもっともだし俺も全面的に同意するが、 これは今までデジモンを増やしすぎた無計画さが撒いた種であり、今の状況もコストや納期の都合だ。 別に色違いデジモンを減らしたからといって、他のデジモンが増えるワケではないのは肝に銘じておきたい。 …それはそうとしても、出し方がヘタクソすぎる。 「せっかく出せる奴がいるから出す」という親切心など大きなお世話でしかなく 「どうせ揃ってないんだから余計な奴は出すな」と反論が浮かぶ程度には、出し方がヘタクソだ。 ゲームの新作が出る度に登場デジモン数の少なさも勿論嘆かれているが、 それと同時にかなりの確率で「色違いで水増しすんな」と言われてしまうのは、出し方が悪いからに他ならない。 近年の色違いデジモンは何がいけないのだろうか? それはやはり、全体の数が限られている中、色違いデジモンが1つの枠を使って出ているのがよくないのだと思う。 色違いが許される割合は、初代デジストの「1割程度」までが限界だと思う。2割を超えるネクオダは越えてはいけないラインを越えてしまった。 色違いデジモンは水増し要員ではあるが、「出せるだけ出す」のではなく「削れるだけ削る」方を優先するべきだ。 例えばネクストオーダーの育成可能デジモンは217体だが、 ギリ「200体以上のデジモンを育成可能!」と宣伝できるラインを守りつつ、16体ほど色違いはバニシングしておいた方がよかったと強く思う。 初代デジワーの頃とは違い、水増し要員として出している以上、何体かを使用キャラとして採用するのは避けられない。 ならばカードバトルのように別の役割を持たせればいい話なのだが、その持たせ方が酷い。 デジモンには他のゲームにない特徴として「進化ルート」がある。 ポケモンのように固定されているワケではなく、「こいつからこいつになったりならなかったり」と、作品ごとにさじ加減が異なる。 この進化ルートでの扱いが毎度メタクソすぎる。 例えば初代デジスト。アルラウモンやツカイモンなどの色違い成長期の進化が、成長期で止まる。 デジストはひたすら進化・退化を繰り返すゲームなので一度退化して別の進化ルートを選べばゲーム的には良いが、 この時アルラウモンとツカイモンの印象は成長期止まりのゴミクズでしかなくなってしまう。 当然ながら、デジモンは上位世代に進化して強くなってくれた方が良い。 その上で進化先が強いか弱いか、好きか嫌いかの違いも出てくるのに、まず進化先がないというのは問題外だ。 「進化先」という未来があるからこそ「途中経由」として進化先に選ばれ、 その過程で「こいつも中々いいな」とプレイヤーに気に入ってもらえてる機会を得て、はじめて意味のある登場、意味のある進化ルートだ。 これに関しては、「リ:デジタイズ」のブルーメラモンが記憶に新しい。 リ:デジタイズは初代デジワー以来超久々に「デジモンワールドの育成システムを踏襲」した期待作だったが、 育成可能デジモン数は84体と全・色違いデジモン以下の数となってしまった。 そんな選ばれし84体の中でブルーメラモンは、ただ一人究極体へ進化できない完全体として登場。 デジワーシステムはデジストと違い、その世代が死ぬまで進化のやり直しがきかないので、勿論地雷デジモン扱いをされた。 一応進化アイテムを使えばいいとは言え、他の完全体が普通にできるコトをできない奴の印象を回復するのはムリだ。 リ:デジタイズの完全版「デコード」ではめでたく進化先を2つももらったのだが、未だにリデジのハズレ印象を拭えない人も多い。 まぁ、デコード自体がリデジの半分以下しか売れなかったしね…。 こんな風にシンプルに「進化が止まる=クソ」というパターンもあるし、ルートが構築されていてもルート自体がダメなパターンも多い。 分かりやすいのが、ブラックアグ→グレイ青→メタルグレイ青→ブラックウォーグレイ …と、色違いだけで固まってしまうタイプ。 色違いに限らず原種デジモンでも多いパターンだが、色違いだと尚更「じゃあわざわざ出てくんなよ」感が溢れだす。 みんながワイワイしてるところで身内グループばかりで固まってしまっていては、可能性を殺してしまう。 ならば他のデジモンの進化ルートに積極的に混ざっていけばいい…のだが、このさじ加減が難しい。 例えば最新作「ネクストオーダー」のギルモンは、 進化先がグラウモン、ティラノモン、レッドブイドラモン、グラウモン(橙)と、未来の半分が色違いデジモンに浸食されている。 しかもどれも恐竜タイプというつまらなさ! レッドブイドラとグラウ橙を外してメラやレッドベジーにできたらどれほどいいか! 「クソ色違いのせいでギルモンの進化先がひどくなった!」と、無駄に色違いデジモンのイメージを下げてしまうマズいやり方だ。
グラウモンはギルモン系なのだから大前提としても、 ティラノとレッドブイドラは「赤い竜」つながりなのは分かるが両方ギルモンに任せるコトはないし、シャウトモンあたりと分け合えばいい。 それはグラウモン橙も然りで、こんな段階で既に持て余すぐらいならそもそも出さなくていい。 それとは別に、単純に進化先をもっと増やす方法だってある。今のやり方では印象的な損をするばかりだ。 まぁ進化ルートは個人の好みが出る所なので、 万人が納得いくようなのはできない…というか、まずゲーム未登場のデジモンを出すところから始めなきゃいけないので、難しい所ではある。 だが別に、色違いデジモンに進化ルート構築において価値が全くないワケではない。 「色が違う=本来のルートとは違うカラーリングでつなげる」なんてコトもできるし、 ワーガルルモン黒→ドゥフトモン という中々ハマった進化は、ネクオダやネクオダ以前でもよく採用されている。 レディーデビモンの進化前にブラックテイルモンが完全に収まってしまったのは個人的にはあまり嬉しくない処置だが、 別に属性や設定で矛盾はないし、エンジェウーモンと対を成す存在として説得力は持たせてあるし、悪くはない。 だからすべてはさじ加減…さじ加減だが…… 如何せんデジモンはスタッフがコロコロ入れ替わるので、スタッフの反省・成長に全く期待できない。 引き継ぎぐらいちゃんとしてよ! いっそ「色違いの進化ルートは進化前後共に原種と完全リンクさせる」ぐらいの方が間違いがないのでは、ってほどに、未来への希望が持てない。 そして進化ルートを見ていると…いや、正直言ってもっと前の段階からだが気になってくる所がある。 種族型色違いデジモンの名前の統一感のなさだ。 酷い時には、ブラックグレイモン系列で 黒アグモン→グレイモン青→メタルグレイモン(Vi)→ブラックウォーグレイモン→オメガモンズワルト と形容詞が毎回異なるルートすら作れる。 何度も、何度でも言うが、○○モン(色)は本当にダサすぎるのでマジでやめてほしい。 恐らく公式は「便宜上こう呼んでるだけだしそんな気にするコトないよ」ってノリなのだろうが、ダサいわ!気にするわ!! リスト化した時にまとまって見やすいし、「ブラック~」とかの英語で統一でいいだろうに。 ていうか「ブラック◯◯」って普通にカッコいいのに、なんでよりによって逆の「◯◯モン(黒)」を主流にしちゃうかなぁ…。 「ブラックウォーグレイモンとメタルガルルモン(黒)でジョグレス」とか、 一体どれほどの無神経さをしていればこんな並びにできるのか、本当に分からない。 「名前」はキャラクターを彩る超重要な要素なのに、こんな大事な所を手抜き、いや手抜き以下の糞にされたのは我慢ならない。 しかし時すでに遅し。既に定着していまっているので、しっかりケチをつけるには過去にさかのぼる必要があるのが辛い。 また、色違いデジモンだけの問題ではないが、 最近のデジモンゲームは「1体1体の個性が薄い」作品が多い。 シナリオ進行中はまだしも、終盤やクリア後では究極体以外は無価値なんてのもザラで、 こういう状況になると種族としての初期パワーが低い色違いデジモンのようなヤツほど、「いらない奴」という印象が強まってしまう。 カードバトルやアリーナのように、「色んなデジモンに役割がある作品」が望まれるところだ。 最近流行りのソーシャルゲームなんかは、やりようによっては十分色違いデジモンを活用できそうに思うが、 残念ながら現在稼働中の「デジモンリンクス」は、あまりそれに期待できるゲームではなかった。 そしてこれが色違いデジモン一番の問題だと思われるが、 「手抜きキャラのイメージが根付いているので、ファンに魅力的に見てもらうのが難しい」所だろう。 例えばゲームで「グレイモンとは完全に違うモーションのすごく凝ったグレイモン(青)」と、 「グレイモンと外見が違うだけでモーションは完全に同じジオグレイモン」、どちらか選べと言われたらグレイモン青を泣かせるコトになる。 実際、「デコード」ではメガドラモンとギガドラモンが全く異なるモーションとなっていて驚いたが、人と感動を分かち合いにくい。 「そんな所に労力をかけるぐらいなら」と、反感すら買ってしまうかもしれない。 「色違い20体」と「新規1体」を天秤にかけても、新規をとる人は多いだろう。 ボリュームの水増し要員として登場している現在の色違いデジモンたちだが、そもそもそんな空虚のボリューム感に価値はない。 ていうかそれ以前に、ボリューム感自体が求められていないのではないだろうか。 結局、デジモンファンが求めているものは「自分の好きなデジモンが出てくるコト」であり、 それは決して、「好きでもない奴が沢山出ているコト」ではない。 何を隠そう、今回のコラムを書くに至ったのはネクストオーダーの色違いの扱いが本当に酷かったからだった。 ならネクオダはどうすればよかったのか考えたが、やっぱり色違いは使用不可の方が良かったと思う。 初代デジモンワールドは育成可能デジモンが60体ほどしかいないが、それでも全てのデジモンを育成するのには相当ホネが折れる。 デコードでは160体ものデジモンが育成可能で、俺はなんとか全てのデジモンを育て切ったが、か~な~り、キツかった。 ファンの年齢層もマーケティング対象もどんどん上がってきているし、そうなるとゲームのプレイ時間は減る傾向にある。 そうなるとガッツリやりこまなければいけないタイプより、サクッと色々味わえるゲームの方が満足度は高いのだ。 となると、色違いデジモンに頼ってまでプレイアブル枠を増やす必要はない。 使える色違いはブラックウォーグレイモンのような人気者や、ワーガルルモン黒などの進化ルートに役立つヤツに限定して、 あとは初代リスペクトで野生のモブなどに徹してもらった方が、原種・色違い共に印象がよくなるだろう。 ていうかネクオダ、「自分は色違いに進化できるけど色違いは街に参加しない」ってなっちゃってるけど、 デジワーやデコードの悪いとこどりで、色違いデジモン視点で見ればかなり最悪な仕様だ。 これでは自分の育てる色違いが「ハズレのパチモン扱い」でしかない。 しかもガードロモン(金)なんて色違いを新たに増やしてくるのだから驚いた。 まさか色違い問題が激化する今になって、「◯◯モン(色)」「必殺技名も同じ」「進化ルートが原種の劣化」と、 色違いデジモンとしてダメな要素を全て兼ね備えたパーフェクト型が後付けで追加されるとは。 もし色違いデジモンが育成可能であっても、プレイアブル枠としてカウントしないのもテだったと思う。 言ってしまえば印象操作のようなモンだが、 A:「150体のデジモンが育成可能!」と宣伝しておいて、後から「実はあと50体色違いも使える」 と判明するのと、 B:「200体のデジモンが育成可能!」と宣伝しておいて、後から「実はその内50体は色違いでした」 と判明するのは、けっこう違ってくる。 というのも、まず色違いデジモン自体が歓迎されていないので、 「まだ誰が出てくるのか分からない状態」だと、ファンは自然とより良い状況、つまり色違いデジモンがいない未来を夢見るコトになる。 パターンAの場合、最初に「こんなモンか」と目星をつけた上で、後から「オマケ要素」が見つかる形なので、さほど悪い印象は受けない。 しかしパターンB、つまり現実の場合、どうしても「水増し感」「ガッカリ感」を拭えなくなる。 最初に提示した「150」「200」の数が違うが、どうせどっちも悲惨な数字なので、 デジモンの知識があるファンなら最初から諦めがついている部分だし、84ぐらいでもない限りはそうそうダメージにならないだろう。 ◇総括と色違いデジモンのこれから 今更フォローを入れるような形になるが、 色違いデジモンは「魅力が伝わりにくい」というだけで、決して無価値というワケではない。無価値に等しいのはいる。 ただシンプルに「こっちの色の方が好き!」と人に好いてもらえるコトもあるし、 「原種とは違うアナザーカラー」という特殊性から、二次創作などで使い勝手が良い面もある。 コラム中ではずいぶんと酷いコトをいってしまったが、個人的にはカオスデュークモンの配色はかなり好みだ。 本来なら、今現在でも色違いデジモンは初代デジワーの時ぐらいには歓迎されて然るべきデジモンのはずだ。 それが叶わないのはゲームの登場デジモンが少なく、「みんなの好きなデジモン」が中々揃わないからという部分が大きい。 こうして世に出てきている以上、 色違いデジモンだからといって差別するコトなく、どんなデジモンも好きになれた方が皆も笑顔になれる。 最近になってゲームに登場の機会が増えてきたというコトは、 以前よりもプレイヤーによって愛着を持ってもらえる機会が増えたワケでもあると思いたい。 せっかく色違いデジモンを出すのなら、 「色違いデジモンで誤魔化す」のではなく、「色違いデジモンを活かす」方向に進んでいってもらいたいものだと思う。 気分よく終わりたいし、好きな色違いデジモンの話でシメるとしよう。 個人的に一番好きなのは、カードアリーナで散々お世話になったダークリザモンだろうか。 黒のレベルⅣカードとしては異様なほどの使いやすさで、 HPも高く、◯より△の方が強いトリッキーさ、◯を0にできる×攻撃、双方の攻撃を強制的に◯にする豪快な援護能力とスキがない。 全身が黒く燃えるデザインなのもカッコイイし、「ドレッドファイア」「スナイプファング」など技名もイカしている。
こう続けると中二病でも患っているようなチョイスだが、黒く燃えるバードラモンの色違い、セーバードラモンも好きだ。 こちらも「ブラックセーバー」「マッハシャドウ」など技名も実にCOOL。 また、初代デジモンワールドでは貴重な「会話イベントが発生するモブ」でもあり、 戦闘ではプロミネンスビームを使ってきてくれるので、単純にその姿がカッコいいし、ラーニング要員としてもありがたかった。 どこにお住まいのセーバードラモンさんだったかは覚えていないが「お前アレだろ…へっへっへ…」という戦闘前ゼリフのインパクトも強烈だった。 カードアリーナでも「お互いの攻撃を×にする」という援護能力を持ち、 適当にムーチョモンなどの×カウンターを持っているデジモンに使えば、ラスボスのアポカリモンすら一撃で殺せる頼もしさも素晴らしい。 ネクオダではプレイアブル枠として登場し、進化先にはこれまた個人的に好きなメガドラモンに繋がっているのも嬉しい。 (ただ、シードラモンやガードロモンといったもっとそれっぽい奴らを差し置いてセーバードラが正統扱いになってるのはちょっと…) 他にもデジモンワールド2で「ジョグレスのみで誕生し、どのデジモンからも進化せず、どのデジモンにも進化しない」 個性的過ぎるポジションに収まった上、全能力の伸びがよく、ポテンシャルが隠しキャラのキメラモンに次ぐサンドヤンマモンも捨てがたい。 結局のところ、個性とインパクトさえあればどうとでもなるのだ。 スタート地点での存在意義がなかろうと、他のデジモンとキャラが被っていようと、出番と商品化にさえ恵まれればチャンスはある。 これからのデジタルワールドが、色違いデジモンにとっても住みやすく、皆が笑顔で迎えられる世界になりますように。 コラムトップに戻る サイトトップに戻る |