デジモンコラム
メタルグレイモン(青)は腐っている?


 19/08/17

 デジタルモンスター始まりの地、「デジタルモンスターVer.1」。
そこで登場した3体の隠しキャラ、進化の頂点である完全体の一角がメタルグレイモンだ。

 怪獣のような恐竜の体に大きな翼が生え、鋼鉄の頭部やミサイルを内蔵した胸部装甲、左腕の強化アームが目を引く。
不気味さすら漂う肉体と機械が融合したそのデザインは、まさしく「デジタルモンスターのカッコ良さ」を体現する。

 アニメ「デジモンアドベンチャー」においては、
グレイモンのカラーリングをそのまま引き継いだ亜種が登場し、以降はそちらの露出がメインになっているが、
今なお、初期の青いメタルグレイモンの持つダークな魅力に惹かれるファンは多い。


 …さて、そんなメタルグレイモンだが、この青い体が「腐っている」のをご存知だろうか。
俺はご存知だったのでサイトでも度々そう言及してきたが、先日これがツイッターで話題になり、
改めて考えると、「これが目に入らぬか!」と一発でソレを納得させられるソースがないコトに気付いてしまった。

 果たして、メタルグレイモン青の体は本当は腐っているのか、いないのか。
それによって話は大きく変わってくる。
本当は腐っていなかったのだとしたら、メタルグレイモン青だって気を悪くしてふて腐れていたかもしれない。
俺とてメタグレ青が好きな一人なのに、そんなデジモンを理不尽に腐していた恐れがある。改めて調べねばなるまい。

 「ちょっと緑色っぽい気がするけど、まあ大丈夫だろ」…と、
冷蔵庫から発掘したパックの肉を食べてお腹を痛めた過去に思いを馳せながら、できる限りの調査に当たった。

◇ブルーブルー ブルー・フィクサー

 メタルグレイモン青の体色がグレイモンから変化しているのは見れば一発で分かるコトだが、
実はその「変色」に関しては、初期は設定面でまったく触れられていない
初代デジタルモンスターの攻略本や昔の図鑑本など、10冊ほどチェックしてみたが完全な空振りに終わった。

 書いてあるコトと言えば、揃って「戦いで傷ついた体を機械化で補修した」という旨だけで、
これは現在デジモンウェブで閲覧できる公式図鑑と同じ内容だ。
(それにしてもメタルグレイモンのこの設定、日本語と言うかなんというか、言及の仕方が根本的におかしい気がする…)

 では、メタルグレイモン青の体に問題があるという設定はどこから出てきたのかというと、
遅れて出てきたメタルグレイモン黄の設定に書いてある。つまり、後付設定なのだ。

 公式図鑑はいつ無駄なリニューアルでまたアドレスが変更になるか分からないので、重要な部分は引用しておこう。

---
ファイル島のメタルグレイモンは改造によって生命活動を大幅に長くすることができたが、
肉体部分が耐え切れず青色に変色していた。
しかし、完全なメタルグレイモンはグレイモンからの進化に成功しており、
より強力なパワーを引き出しているサイボーグ型デジモンである。
---


 とある。
…こっちはアニメの主役だし、強力なパワーアップ版だって言いたいのは分かるけど、いささかやり方が陰湿では…。
「後から出てきたエクスブイモンの方が原種で、前からいたブイドラモンは亜種だぜ」って設定と似たようなモノを感じる。

 ここで初めて、メタグレ青のボディに「機械化手術による異常が発生していた」と分かるワケだが、
公式設定では「肉体部分が耐え切れず青色に変色」…とあるだけで、「腐っている」と直接的な記述はない
「肉体にダメージがあって青く変色」なんて言われたら「腐ってる」と見ていいと思うけど…直接的ではないもんな。
「テキストで書いてないので対象外」とかいう、カードゲームじみた話になってきてしまう。


 一応の補足。

 今となってはピンと来ない人も多いだろうが、初代デジモンは「ファイル島に生息するデジモン」、
次世代シリーズであるペンデュラムは「フォルダ大陸に生息するデジモン」を育てるというギアだ。
アニメ用につくられたメタルグレイモン黄は、ペンデュラムの5とZEROに登場している。

 (メタグレ黄はアニメ用の新キャラなのに、
  デビュー作であるアドベンチャーではファイル島は登場したがフォルダ大陸は出ず仕舞いで、
  「メタルグレイモン黄=フォルダ大陸」という公式設定が早くも死んでいて、こういう所は昔からほんとダメだな…)



 今や死に設定だが、「フォルダ大陸のデジモンはファイル島のそれよりも強い」という設定があった。
例えば同じカブテリモンやシードラモンでも、フォルダ大陸産の方が巨体で、能力も高いらしい。

 そんな中、メタルグレイモンだけはアニメの影響で、「同種ではなく亜種が登場」のカタチになっていた。
そのせいで、旧種には分かりやすく「劣化版」のレッテルを貼られるコトになってしまった。
(もっとも、ペンデュラム以降は青が露骨に下位互換とされた作品はそうそうないのだが)
 

 さて、アニメで主役を担当するにあたって、何故メタルグレイモンのデザインは変更されたのか。
それは以前、別のコラムでも触れているが、
恐らくは「グレイモンのヒロイックなイメージを引き継ぐため」「変形玩具を売るため」なのだろう。

 むしろ逆に、「何故初代メタルグレイモンは体色が青く変化していたのか」の方が不思議かもしれない。
こちらの理由は、「当時はまだ◯◯モン系譜という括りが重要視されていなかった」のと、
グレイモンだけでなく、デビモンとエアドラモンからも進化するキャラであるコト」が大きいと思う。

 事実、メタルグレイモンのデザインは単なるグレイモンの発展系ではなく、
「グレイモンの体」「エアドラモンの兜・髪・羽」「デビモンの羽・爪」と、
Ver.1における進化前デジモンの要素を組み合わせたデザインで構成されている
この時、体色がグレイモンのままだと、見るからにグレイモン前提のデザインになってしまう
なので、グレイモンから大きく体色を変えるコトで3体からのバランスをとったのだと思われる。


初期はこんな風に、羽がデビ・エアドラっぽいイラストもあった(「バンダイ公認デジモンずかん」より)。



 また、公式設定においても「青は、進化前デジモンを限定していない」のに対して、
「黄は、グレイモンを改造進化した姿だと指定している」のも大きな違いだ。
アニメの描写を踏まえればそりゃそうなのだが、ペンデュラムのリボルモンやレオモンがかわいそう

 結果的に、「黄=グレイモンからの正統強化」という設定には説得力がうまれているが、
この時、青の体色について「改造が失敗していた」とマイナスの意味が後付されたのは、
うまい落としどころであるような、劣化版扱いはやめてほしかったような…ちょっと複雑な感じだ。

 とはいえ、メタグレ青は元々普遍的なヒロイックさではなく、
力を追及するダークヒーロー的なイメージで人気を博していたので、
「改造に失敗していた」という悲劇的な設定は、これはこれでいい味付けなのではないかと思う。


 なお、ワクチンやデータなどの「属性」は初代の頃にはなかったので、
ワクチン種のメタルグレイモン黄に対し、青ちゃんは「ウィルス種」だと後から分類されている。

 見た目的にも何かヤバい病気にかかってそうだしそこは妥当なのだが、
意外と「メタルグレイモン青は凶暴な性格である」…といった類の設定は、何も追加されなかった。
「02」でデジモンカイザーが従えたメタルグレイモン青も、イービルスパイラルの洗脳あってのものだ。

 つまり、公式的に「メタルグレイモン青は決して悪の存在ではない」というメッセージが読み取れる。
公式設定があえて「腐っている」と直接的な表現を避けているのは、
「流石にそこまで言ってしまったら印象が悪すぎる」とかの配慮あってのコトなのかもしれない。


◇これはゾンビですか?

 公式設定ではあえてボカされているのに、「メタグレ青=腐っている」という認識のファンがいたのは何故か。
別にファンどもの脳味噌が腐っているワケではなく、その理由は公式側のイラストにある。



 これはメタグレ黄の登場するペンデュラム5に合わせて描かれたイラストで、木下ともたけ氏が担当した。
「いわゆる"公式絵"ではない公式のコミカルな一枚絵」…というコトで、なんとも呼称に困っていたが、
ここ数年で公式が「アラカルト」と呼び始めたので、ありがたくそれに倣うコトにする。

 既に見ているだろうが、見てほしい。

青「いいな~ 俺なんかゾンビだぜ」
黄「えっ 腐ってたの?」

 なんと、青が「ゾンビ」かつ「腐っている」と、ダイレクトに言及されているではないか。
ネタイラストとはいえ、公式スタッフが描いた、バンダイ公認の公式イラストだ。
ネタの性質的に、もし青の言うコトがウソだとギャグとして成り立たないし、
「公式的にもメタルグレイモン青は本当にゾンビで、体が腐っている認識ではある」と見るべきだろう。

 この絵から、「メタグレ青は腐っている」認識は自分の中で当然のモノになっていたワケだが、
これは「イラスト」であって、「公式設定」だと言える所にまでもっていけるかは疑わしいのは否めない。


 それはそうと、「メタルグレイモン青はゾンビなのか?」という新たな疑問もうまれてしまった。
思うさま脱線なのでなるたけ手短にすませるが、「ゾンビ」の定義にもたくさんあるため、そこから考えなくてはならない。

 一般的なゾンビのイメージと言えば「何らかの要因で動き出した死体」となるだろう。
メタルグレイモン青も機械化手術によって体を補修・延命してはいるが、「死」には至っていない。
あくまでアンデッドではなくサイボーグのデジモンなのだし、「ゾンビ」とは少し違うのでは?と思う。


「Vテイマー01」に登場するメタルグレイモンは、珍しく「死亡→復活→機械化」という流れを汲んでいる。
ちなみに、よく誤解されるがこのメタルグレイモンはワクチン種の黄色い方なので注意。



◇恥知らずのパープル・ヘイズ

 そもそも、「腐る」とは何なのだろう。ガッチと検索してみると、

細菌の作用で植物性・動物性のものが分解して変質する。食物などがいたむ。腐敗する。

 …というコトらしい。けっこう意味が広い。
どうも「腐った体」と言われると、肉がグジュグジュになり、
目玉は飛び出て骨が露出…といったグロテスクなレべルにまでいかないとパッと合格点が出せない印象だったが、
こうして「腐る」の定義を見直すと、思ったよりもかなり軽度なレベルで認定できそうな気がする。


 デジモンの世界にも、「腐る」という概念はある。
ドクグモンは触れるだけで全てを腐食させるコンピューターウィルスに感染しているし、
カオスデュークモンのジュデッカプリズン、リリスモンのナザルネイル、マッドレオモンの腐毒爪など、
「腐敗」を攻撃手段として用いるタチの悪いデジモンは意外といる。
また、アイテムとして「くさった肉」なんてのもある。
 
 ただ、デジタルワールドにおける「腐る」という概念がどういったモノなのかまでは分からない
現実世界同様に「ウィルス」という概念こそあるものの、
それはやはり「コンピューターウィルス」を基盤とした「悪性のプログラム」としての存在だろうし、
生物や物質に作用する細菌のはたらきにしたって、「プログラム」としてまとめて処理されている気がする。

 一ファンの考察でしかないこのページで、「デジモンにとっての腐敗とは」を定義づけるコトは叶わない。
しかし、「外的要因によって肉体が悪い方向に変質する」という条件さえ満たしていれば、
それはもう「腐った」とみなして問題ないのではないだろうか。

 メタルグレイモン青の体は、「肉体部分が耐え切れず青色に変色していた」とある。
細菌由来の作用ではないものの、明確に「外的要因で肉がいたむ」条件は、あっけなく満たしているのだ。


「最新版デジタルモンスター大集合!(ケイブンシャ)」では、「改造中に失敗してウィルスに感染して~」とある。
ケイブンシャの本なので微妙に公式ソースとしては扱い辛いが、体色変化に「ウィルス」という原因が付加された一例だ。
改造手術が外科的なモノ、あるいはプログラム的なモノのどちらであったとしても分かりやすい設定だろう。


 今回の論点は、メタルグレイモン青が「設定的に腐っているかどうか」であって、
「見た目的に納得できるほど腐っているかどうか」は考慮する必要がない点に、今一度留意してもらいたい。

 ここで注目したいのが、レアモンとマッドレオモン。
メタルグレイモン青と同様に自ら改造を施した上で、「体が腐っている」と設定で断言されている2体だ。
レアモンの体はまさに早すぎたんだ腐ってやがると悲惨なものだが、
一方でマッドレオモンの肉体は損傷が少なく、「体が腐敗」のハードルを下げてくれている。
3体とも「改造手術を経験」、「実験の弊害で体色が青くなっている」点が共通している。
そして、その内の2体の体が「腐っている」とあれば、
メタルグレイモン青の体色も、「腐敗による影響」と認識しても構わないだけの間接証拠は揃っていると言えるはずだ。
 

◇蒼の軍が大地を揺るがす

 近縁種にも注目してみよう。
メタルグレイモン黄の登場により「グレイモン系の正統完全体」の座は奪われてしまった青だが、
代わりに「アグモン系暗黒ルート」としての、あまり嬉しくはない疑似家族を手に入れた。

 とは言え、成長期のアグモンと究極体のウォーグレイモンは「ブラック」であり、青くないし、腐ってもいない。
そも、ブラックアグモンとブラックウォーグレイモンは
「超進化シリーズ・ウォーグレイモンのリペイント商品」の副産物としてうまれたようなデジモンなので、
「メタルグレイモン青の進化前後として用意された」のではなく、
「ブラックアグとブラックウォーグレイの空白を埋める形で青が呼ばれた」と言った方が正確だ。養子かな?

 一方、同ルートの成熟期であるグレイモン。 
媒体によっては「ブラックグレイモン」とされるコトもあるが、その体色は青く、
現在の公式図鑑でもグレイモン(青)として登録されている。

 わざわざメタグレ青に合わせてきたからには、何か体色に関する設定が……なかった
メタグレ青は改造に伴い体色が青く変化した以上、当然、「その進化前は体色が青くない」コトになる。
そこに同じ体色の進化前を新規で追加するのなら、「青肌にどんな特性があるのか」の説明は必須だったはずだ。
「メタグレ青の進化前」として登場しておきながら、その役割に必要な一番の説明がない。なんなんだこいつ。


 青いグレイモンの話題となれば、もちろんクロスウォーズもほっとけない。
青沼キリハ率いるライバルチーム「ブルーフレア」のエースこそがグレイモンXWであり、
恐竜の学説が更新された前傾姿勢や、グレイモンというよりアロモンに近いカラーリングが特徴的だ。
グレイモンXWは、メイルバードラモンとデジクロスしてメタルグレイモン(XW)になるほか、
ブルーフレアには一般兵として、ミニグレイモンとでもいったデザインのガオスモンが存在する。
(露骨に進化前を意識したようなデザインだが、進化の概念が異なる世界観なので、別に系譜はつながっていない)

 …が、彼らの体色は「青いチームだから」というユニフォーム的な意匠でしかなく、どうやら体に不調はない。
代わりに(?)、チームを束ねるキリハさんが豆"腐"メンタルだとか、ファンからよく言われていたくらいだ。


 メタルグレイモンと言えば、つい先日「メタルグレイモン(ウィルス種)(X抗体)」が新たに登場した。
数学の展開のようなあまりにも雑にカッコ付けな名前は正気を疑うが、
今なおメタルグレイモン青が独立した一つの種として認められ、
ついにというか、今更というか、独自のX進化を獲得したコトに涙を流すファンもいないコトはないだろう。

 個人的にはデザインの良さと公式図鑑の解像度の酷さに目がいく所だが、このコラムで注目すべきは公式設定にある。

---
必殺技は限界速度で飛行し、ブリッツモードで敵を貫く『エネルギアブリッツ』と、
ブラストモードでウィルス性のエネルギーを撃ち放つ『パンデミックデストロイヤー』。
この技のウィルスは災害指定される程の感染力と毒性を持っており、
かすっただけでもデジコアの構造データを腐らせてしまうという。
---


 そう、「ウィルスによる腐敗」がついにメタルグレイモン青の設定に盛り込まれているのだ。
結局ご本人の体はどうなのかは不明瞭だが、「メタグレ青が明確に、腐敗の設定を得た」のは、
メタグレ青腐ってる腐ってない学会を揺るがす、決して見逃すコトのできないビッグニュース。
 また、元のメタルグレイモンは腐っていようがいなかろうが
「腐敗」および「ウィルス」を武器として扱う能力はなかったのを思うと、その点でも大きい進歩だ。

 メタ視点での読みではあるが、
通常のメタルグレイモンXにはなかった「敵を腐らせてしまう攻撃」が青Xに追加されたというコトは、
「原種たるメタルグレイモン青には腐敗に関する設定がある」のが暗に肯定されたも等しいはず。
ぶっちゃけこの設定考えた人もハッキリとは分かってない気もするが、
メタルグレイモン青腐ってる派の主張を盤石のモノにするには、大きな助力となってくれるだろう。



 ところで、俺がこのページの中でもずっと「メタルグレイモン青」と呼び、
「ウィルス」と属性で呼称しないのは、色で呼んだ方がデジモンを分類する上で正確だからだ。

 「ワクチン」や「Vi」と属性で呼んだ方が色よりもずっとマシなのは分かっている。
しかしデジモンの属性は不変ではなく、なんらかの手段で変更されたり、急に増えたりする
そうなってしまう土壌がある以上、属性は「分類」として適切な要素ではない
「属性」よりはまだ「デザイン」の方が不変の要素として信頼がある。つまりは、色だ。
なので、心底ダッサイとは思っているが、「◯◯モン(色)」の方が間違いはないのだ。


 ついでの余談だが、メタルグレイモン青とメタルグレイモン黄は、一応デザインも所々違っている。
分かりやすい所だと、「体に縞模様が残っているか」や、メットにスリットがあるかなどだ。
しかしこれらの差異はあまり重要視されておらず、
アニメでの設定画がただの色違いで済まされていた影響もあり、むしろ「本当にただの色違い」な時の方が多い。
現に、上の「俺なんかゾンビだぜ」のアラカルトもただの色違いとして描かれていると、今回のコラムで初めて気付いた。

 「所詮、元はカラバリなんだから色以外を無暗に変えるべきではない」と見るべきか。
「それぞれデジモンの一時代を背負った看板キャラなのだし、できる所は積極的に差別化するべきだ」と見るべきか…。
君は、どう思う?

◇青ざめた空 滲んだ陽の光

 まとめ。

・メタルグレイモン青の体色についての設定は、黄の登場時に追加された
・公式設定として、青の体が腐っているという直接的な表記はない
・しかし「肉体部分が耐え切れず青色に変色していた」設定はあるので、「腐る」の条件は満たしている
・メタルグレイモン青が腐っているとする公式イラストも存在する
・他の「改造により体が腐った」と公式設定で明言されているデジモンたちが、青系の体色をしている
・メタルグレイモン青Xが「腐敗」の能力を持つ

 あれこれピースは見つかっているものの、
残念ながら「メタルグレイモン青は腐っている!」と、一発でケリをつけられる文献は見つけられなかった。
あと一歩の所までは確実に来ている手ごたえがあるので、なおさらもどかしい思いだ。

 一応は、「何故メタルグレイモン青は腐っていると認識している人がいるのか」、
「腐っていると判断していいのではないか」の判断材料はまとめておいたので、納得はしてもらえると思いたい。

 ここ最近で、急にメタルグレイモン青Xで腐敗設定に進展があったりしたし、
もし今後も公式側がこの点に言及するコトもあるかもしれないし、その時はすぐに追記するつもりだ。


 そして今更ながら、知っての通りデジモンの公式設定は絶対的なモノではない
仮に「メタルグレイモン青の体は腐っている」と公式設定にハッキリあったとしても、
全てのメタグレ青が腐っているワケではなく、「そんな設定活かす気ないので、ただの青肌」という個体も出てくるだろう。

 実際、メタルグレイモンなんて特に機能してない設定の宝庫で、
別に改造手術なんて受けなくても進化できるし、進化前もグレイモンに限らないし、攻撃力も核弾頭レベルなんて全然ない
しかし、「機能していない」とは言っても、やはり設定はそのキャラクターを彩る大事なエッセンスでもある。


 少し考え方を変えてみよう。
「メタルグレイモン青は、〔腐敗〕属性を持っている」と解釈すればどうだろう。

 「設定」とは本来守るべき、尊重されるべきものだが、
「属性」程度なら、もっと自由に、都合よく柔軟に捉えるコトができる。
…この解釈、メタグレ青に限らずデジモン全般に使えるんじゃないか? いや、既に皆が無意識に使っているか。
 

 せっかく設定がボカされているのなら、逆にある程度自由にその設定を活かすコトもできるだろう。
「体が腐っている」でも「性根が腐っている」でもなんでもいい。
新たに登場したメタグレ青Xのように、「敵を腐らせる」のも一つの答えだ。
キャラクターを味付けしていくにあたって、無理に設定に囚われるコトはなく、
「そういう側面もあるんだ」と広くユルく解釈していくのが、一番いい落とし所なのかもしれない。




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