デジモンクロスウォーズ デジモンクロスフィギュアシリーズ
10 デッカードラモン デッカーグレイモン)
愛!伝説!最強!下駄!

2011年1月15日発売
定価2940円
公式サイト

 ブルーフレアに第4のデジモンが登場。
正確に言えば他にも有象無象がいるからこのワニも4番目じゃないんだけど、どうでもいいので忘れておこう。
 
 ウォーグレイモンのデジメモリ説明書が付属する。
 
デッカードラモン

 クロスフィギュアもついに第10弾。
いつまたセイバーズのように商品発売がキャンセルされるかと冷や冷やしているが、なんとかこいつは無事に発売された。

 リヴァイアモンに続き2体目のワニ型デジモン。
ブルーフレア合体要員なので当然のように機械タイプで、全身に1人ではあまり活かせそうにないキャタピラを持つ。

 とりあえず、例によって箱から紹介文を引用。

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 デッカードラモン サイボーグ型

 必殺技:デッカードランチャー スモーキーファング ヘビーテイルフック

 背中に搭載された「デッカードランチャー」から放たれる複数種類の対空ミサイルはい
 かなる飛行型デジモンを撃墜する能力を秘めている。障害物が少ない地形では、煙を出
 す牙「スモーキーファング」から煙幕を張って攻撃に備える。対空攻撃にばかり特化して
 いる訳ではなく、対地戦闘では「ヘビーテイルフック」の強烈な一撃が敵を粉砕する。

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 不自然なまでに空のデジモンを殺す気マンマンで、パッケージにも「大地に潜む最強の対空兵器!!」とある。
むしろブルーフレアこそメイルやメタグレで飛んでるイメージがあるので、同士撃ちの伏線かもしれない。


 アニメ本編では「伝説のデジモン」「最強のデジモン」だのとすげぇ持ち上げられた末に登場し、
しかもこのナリで「愛の守護神」などと、酔っぱらった時でも思いつかなさそうなキャラ付けがなされた。

 「この少年は最も深い愛を持っている」など言ってキリハをジェネラルとして選んだが、
序盤のキリハに殺されたゴーレモンは「ハハハ何言ってんだこのワニ」と苦笑いしていることだろう。

 ブルーフレア加入直後にチームごと仲良くダークナイトモンに洗脳されるという醜態を晒し、
早くもメイルバードラモン達同様日本語を忘れ、吠え要員と化した。ねぇスティングモン、今どんな気分?

 名前の通り青いのばっかなブルーフレアの合体要員でありながら、基本カラーは茶色。
(相変わらずこのレビューは画像が汚くてアレですが、実際はもうちょっと明るい色です。公式とか見て下さい)

 ベースの茶色はともかく、他の色は残念気味。
本当はグレイモンの肌と同じぐらいに青いはずの生身部分や爪が妙に白っぽいし、
尻尾(=砲身)やキャタピラは青っぽいはずなのに、何故かご丁寧に本体とは別の茶色で作られている。

 でもクロスフィギュアとしてはかなりマシな部類。
デッカードランチャーに使われている青はイカスし(つーかキャタピラと尻尾も本来はこの色なんだけど…)、
(省略されててもおかしくなかった)頭部や尻尾の先ににある緑の細かい塗装が、良い感じのアクセントになっている。

 例によってこいつもクロスフィギュアアイズではあるけど、
アニメが妙に円らな瞳で描かれてただけで、公式絵も大体クロスフィギュアに近い雰囲気なので特に問題なし。
 塗装の省略は頭部ラインや牙、後ろ脚から伸びる機械パーツぐらいで、意外と少ない。


 というか、見た目はかなり良い感じ。
ヒョロ長く平べったいのは元のデザインからしてそうだし、足がちっこくて可愛い感じのプロポーション。
キャタピラ部分をはじめとしてディテールは細かく作られているし、生身部分にデジモン的なシワがあるのも良い。
初めてこいつの画像を見た時も「え?出来良くね?」ってのが正直な感想だった。

 足が4本とも体の前半分から生えてるけども、ちゃんと安定する。
ただ頭を外すとたちまちコテンと尻側に傾くので、バランスが良いのか悪いのか。

 どうせなので裏側からも。

 尻尾以外はクロスフィギュアお馴染みのドギツい肉抜きは見当たらないし、
上や横から見る分にはネジ穴が全くと言っていいほど目立たないのも地味に作りこまれている。
(ほとんどのネジ穴は本体内側にあり、外からは見えない。外から普通に見える留め具はアゴの小さいヤツぐらい)

 真正面から。
高さはランチャーまで入れて4.5cm、横幅はせいぜい5cm弱なのに、前後幅は大体21cm弱もある。


 ところでこいつ、なんと箱の大きさがシャウトモンセットと全く一緒
「2940円なんて高額な商品なのにコレは…もしやスパロウよりヤベぇ奴のお出ましなのか!?」
…と身構えたものの、実際のボリュームは流石にスパロウモンよりはあったので一安心。
(ちなみにスパロウモンの箱はシャウトモンセットより厚みだけ少し上回っている)

 まあこいつも値段とボリュームが釣り合ってないのは確かだけど、
「クロスフィギュアなんだからそんなの当たり前じゃないか!」って感じなのがもう色々とアレだ。

 デッカードラが「ワニ」で「下駄要員」ということで、ゴーオンジャーの炎神キャリゲーターを連想する。
でも残念ながら俺は玩具を持ってないので、代わりに「ムゲンバイン」のインパクトダイルと比較。
同じバンダイの玩具だからか、なんとなく似ている。

 ムゲンバインなので、当然ながら組み換えが可能。単体でロボットにもなるぞ。
塗装は綺麗だしパーツを組み替えて遊べるしで、中々楽しい玩具だ。そんなインパクトダイルは定価2310円。

 さあデッカードラモン!ここは負けじと2940円であるお前のプレイバリューを見せてやれ!!

 足が動く!デッカードランチャーが動く! 以上!!


 流石クロスフィギュアだ!
徹底的に無駄を省き、その無駄を省いた分のコストを値段に加算するというスタイルが全くブレてないぜ!!

 足とランチャーが動くっつーのも、合体ギミックの副産物に過ぎない。
(普通の玩具ならこの程度の可動は標準装備されるので、「副産物」などという高級な言葉は使えない)

 しかも足の動く向きは合体用のそれのみで前後の足とも、前方向に、90度動くだけな上に、
そもそも可動する軸が足の「付け根」ではないので、正に「合体ギミックの副産物」と言うにふさわしい副産物っぷりだ。
(通常の素立ち、合体時の折り畳み状態のそれぞれで足がカッチリする点は褒めたい)

 さらにデッカードランチャーは、普通に動かそうとすると後ろ足の突起と干渉するため、
ランチャーを動かしたい時は、いちいち後ろ足も一旦どかさなくてはならない。
(こちらも45度ずつカッチリと可動はするのは褒めたいが…)


 「体を捻る」なんて贅沢は言わないが、せめて「口を開く」ぐらいの最低限のアクションは欲しかったところ。
(ちなみにインパクトダイルも口が開けず、不評だった)



 いや、実はデッカードラモンは口を開くことができる。
何を隠そう、この口も「合体ギミックの副産物」で動いてくれるのだ。
 

 ただし、口が開くのは本体から頭を外した時だけ。なんじゃそりゃ。
というのも、頭が本体についている状態だと下顎と体が干渉して動かないわけだ。


これが限界

 そっかー、なら仕方な…くねぇよ!!
下顎の可動軸をもっと前にもってきたり、干渉しないよう下顎を削れば済むだけの話じゃないか。
もうシリーズが始まって10弾だぞ!?いつまで素人に監修を任せっぱなしなんだよ!!

 ブルーフレア4体集合。
左から定価が2625円、2940円、3150円、3675円となる。
(値段の高さはおいといても、クロスフィギュアはもう少し値段を揃えるべきではないだろうか)

 上の画像だとアングルがアレでデッカードラの大きさが伝わりにくいだろうけど、
デッカードラは単純にパーツのボリュームで考えればサイバー以上グレイ以下で、値段通りと言えば値段通り。
しかしこいつは単体でのプレイバリューがスパロウモン以下と言ってもいいレベルなのが問題。


 単体ではコレといったギミックも可動もないし、ボリュームもない。
見た目が良いとはいっても、「遊べない」というのは玩具としてキツい。
グレイモンやメタルグレイモンを持っていないのにこいつだけ買ったところで、ほぼ無意味だろう。
 


デッカータンクドラモン(仮)
それっぽくパーツを並べただけで、頭部のキャノン以外は固定されていない
何個か簡単なジョイントを設けてくれればこんな風に単体でも遊べたのに…勿体ない




デッカーグレイモン

 例によって合体要員はバラされる運命。
「頭部」「左半身」「右半身」「砲身(=尻尾)に分離する。

 尚、デッカードラモン状態の時は、頭部と尻尾は本体の穴に上から押しこみ装着し、
左半身と右半身はジョイントでパチンと合わせるようになっている。
どのパーツも問題なくちゃんとくっつく。

 頭部の口を180度開き、鼻筋あたりの穴に砲身をはめこむと「キャノン砲」の完成。
(パーツのはまり具合を見せたかったので画像だと上下逆さまなのはご了承ください)

 砲身は本体に装着する時はなんてことないけど、
キャノン砲を作る時にはツメをひっかけて保持するので、少し耐久性が心配かも。
他の玩具ならともかく、クロスフィギュアだし…。
 なんにせよ、この部分をバラす時は注意して扱うことをお勧め。


   それぞれの半身を折り畳んでパチンととめ、足とランチャーの角度を調整して「キャタピラ」の完成。
パチンと止めるジョイントは、デッカードラモン状態にする時のと同じもの。
(つまり、左右でジョイントの凸凹は逆)

 「キャノン砲」と「キャタピラ」とでデッカードラモンの合体準備は完了。

 キャノン砲はトライデントアーム同様、バンド状のパーツをグレイモンの腕にパチンとはめ込んで保持。

 キャタピラは閉じ切る前に、グレイモンの足を内側に収納しておく。

 キャタピラを装着するとこんな風に。

 キャタピラには足だけでなく、太腿のアーマーも先っちょが一緒に収納・固定される。
(なので履いている状態から直接太腿アーマーを取り外しはできず、面倒)
それに加えてキャタピラ自体もジョイントでとまっているし、装着の信頼は高い。

 キャタピラ装着のための グレイ足収納→パチン という作業は中々クセになる感覚で楽しいし、 
合体玩具的にもフィット感が素晴らしいものの、足首可動だけでなく膝可動まで一緒に死ぬ

 グレイモンとデッカードラモンだけでデジクロスするとこんな感じ。
デッカーパーツは「メタルグレイモンへの追加パーツ」として考えられてるからか、これでは少し物足りない。

 キャタピラ装着の時に腿アーマーをつけてなければ膝可動は復活する…と思いきや、
どちらにせよ膝の爪みたいなパーツとキャタピラが干渉するので大差ナシ。


恐竜戦車と似てる気がしたが、別に似てなかった




 では改めて、

 グレイモン!メイルバードラモン!デッカードラモン!デジ…クロス!! デッカーグレイモン!!!

 というわけでブルーフレア3体合体のデッカーグレイモン。
またアニメ本編には出てないし、俺にとっては「クロスローダーでとてもお世話になった」という認識のデジモン。

 残念ながら箱に合体後の紹介は載ってない。公式サイトのデジモン図鑑にページが追加されたのでそこから引用しよう。

--- 
 デッカーグレイモン 強化型

 必殺技:プラズマデッカードランチャー メイルバードランチャー テラデストロイヤー ファイナルスパーク

 メタルグレイモンのパワーにデッカードラモンの攻撃力と突進性能が加わった『強襲突撃形態』は、
 高い次元で攻撃力・防御力・移動力のバランスが取れた形態である。デッカーグレイモンの総合戦闘力は
 324体の戦闘型デジモンで構成された一個大隊に匹敵し、例え敵集団が待ち構えていようとも
 大火力と強靱な防御力、そしてどんな悪路もものとしない走破性によって敵陣を強襲し蹂躙する。
 特筆すべきは“複数の必殺技を複数の敵に対して同時に使用する”ことができ、この能力のおかげで
 デッカーグレイモンは1体でも軍団と戦う事が出来る。また、体内で極限まで高められたエネルギーは
 デッカーグレイモンに最後の大技を与えている。もし、デッカーグレイモンを倒すことができたとしても
 それは終わりではない。デッカーグレイモンの身体から一気に解放された高エネルギーは
 凄まじい衝撃波となって周囲10キロ四方を焦土としてしまうだろう。

---

 …へぇ。

 青系ばかりだったメタルグレイモンに茶色いパーツが追加。
統一感はなくなったけど、デッカーパーツまで青ければ変になってただろうし、これはこれで。

 ただ、なんで今になって「キャタピラ」と「キャノン砲」を追加したのかは疑問。
グレイモン→メタルグレイモン で飛行能力を得て、
メタルグレイモン+サイバーランチャー で強力な射撃武器をゲットしたというのに、
なんでこう両方をフイにするような追加パーツをつけたのやら。

 かといってこんなデカいキャタピラをぶら下げつつホイホイ飛ばれても嫌だし、
「デッカーキャノンはサイバーランチャーより強い」なんてされたらサイバードラモンが家出しちゃうし…。
メイル羽は射撃武器でもあるから完全無駄ってわけじゃないけど、どうも腑に落ちない。


 パーツが増えた割に、目を引く頭や胸に変化がなく、身長も伸びてないのでメタグレからの変化に乏しい。
そしてハッキリ言って、メタルグレイモンの頃よりプロポーションが悪化している。
メタグレの足腰は確かに貧弱だったし右腕も寂しかったから、パーツが増えたのは嬉しいけど、
両腕ともに武器がついたせいでケレン味は薄れ、やたらデカい下駄はずんぐりとした印象がついてしまう。
根本的な問題貧弱すぎる体格が全く改善されていないし、むしろ強調されてしまった
 
 あと、キャノン砲のデザインはカッコイイと思ったけど、キャタピラはもう少し頑張ってほしかった。
横からはキャタピラと分かるけど、前からだと何か分からないただのカタマリなのでどうも見栄えが悪い。
個人的に、キャタピラ前面に大きな爪があれば足のようにも見えてカッコよかったのではないかと思う。

 横から見ると追加パーツそれなりに大きいのが分かる(キャノン砲は長さ13cm、キャタピラは8cm程度)。

 言うまでもないけど、デッカーグレイモンの可動はメタグレと大差ない。
ただ右腕キャノンがでかいので、動かし辛かったり、パーツや地面と干渉してしまったりはする。

 自立性は良好。これも言うまでもないか。

 ところで「"デッカー"ってなんやねん」とお思いの方も多いでしょうが、
デッカー(decker)に「装飾する者」だの「~層の(ダブルデッカー=2階建ての,2層の)」などの意味があったり、
デッキ(deck)には「板」「甲板」だのと言った意味があるらしいので、
そこから推測して許せない現在を全て噛み砕いて言うと「装甲が増えたグレイモン」とかそんな感じになるんじゃないかと。
 なんにせよ、ブレードランナーや勇者警察は無関係と思われます。

 でも、メタグレから大きな変化がない点では「メタルグレイモン+サイバーランチャー」も同じなのに、
なんでデッカーグレイモンだけは急に合体前の「デッカー」という名前を引っ張ってきたのやら。
それならそれで最初から、

グレイモン×メイルバードラモン → メイルグレイモン
グレイモン×メイルバードラモン×サイバードラモン → サイバーグレイモン
グレイモン×メイルバードラモン×デッカードラモン → デッカーグレイモン

 と変化してくれた方が分かりやすかったなあ。

 メタグレのレビューで「足裏に未使用ジョイントが~」と触れてた通り、いずれ下駄がくるのは分かってた。
…が、実際は足裏ジョイントは使わなかった(てかこれは単に穴で、ジョイントですらないかも)。

 右みたいに、キャタピラ上が凹んでてそこに乗せる~とかのオーソドックスな合体を予想してたぞ。

 キャタピラのせいで足首と膝の可動は爆発したが、股可動はそのまま生きている。
しかし(元より足首は横に開かないが)キャタピラを付けたまま股を開くと、盛大なハの字立ちになってしまう。
そこで、上の画像のようにデッカードラモンの足を使うと、上手い具合にアウトリガー的な支えになってくれる。

 それはそうと、取扱説明書のこの図は間違いで、良く見るとキャノン砲のアゴを閉じてしまっている。

 いや、別にアゴを閉じながらでも装着はできるんだけど、
直前まで開いてたくせに最後でいきなり閉じてるせいで、「アレ?俺何か間違ってるのか?」と2分ほど悩まされた。
なので晒す。

 デッカー頭はアゴを閉じてから装着すれば、干渉しない限りの口パクギミックを堪能できる。
デッカードラモン状態の鬱憤晴らしもかねて、盛大にパクパクさせておこう。

 折角腕用に銃の追加パーツがきたことだし、ライズグレイモンごっこ。
トライデントアームがそうだったように、デッカーキャノンもどちらの腕にも装着可能。

 こう並べてみるとクロスフィギュアも悪くない気がしてくるが、
右のライズグレイモンは単体で2625円で、左のライズもどきは再現に9765円かかっているのを忘れてはならない。
(あと、「別にライズグレイモンが超進化の中で飛びぬけて良い出来であるわけではない」ことも)


 大したポーズがとれないのでアレだが、必殺技っぽく。
右腕キャノンに加え足にデッカードランチャーがあるので、全弾発射はメタグレのそれよりもスゴいことになりそうだ。
ただデッカードランチャーは対空ミサイルらしいから、空中で使うと自分も危ない。



 というわけで、デッカーグレイモン。

 「デッカードラモンの真価は合体にある!」…と思ったけど、合体後も別に良くなかった。

 パーツが増えても見違えるほどカッコよくなるかと言われればそうでもないし、
むしろ印象変わらないし、背伸びないし、可動減るし、プロポーション変になるしと、「微妙」という言葉がよく似合う。
「長所を伸ばす」ような合体を期待してたのに、「短所を誤魔化す」ような合体を見せられた気分。

 そうヒドいわけではないんだけど、「コレだ!」という魅力に欠けてるように思う。
ゴテゴテさとか、翼キャタピラ同時装備のヘンテコっぷりとかは、ハマる人ならハマるかもしれない。

 まぁデッカーグレイモンそのものが微妙であっても、
デッカードラモンによる追加パーツのおかげで組み換え遊びの幅が広がるので、これは楽しい。


オマケ 愛と伝説と最強のデッカーロマンス劇場

サイバードラモン
「ついに俺を残して、皆がデッカーグレイモンにデジクロスしてしまった…。
 あのデジクロスに混ざれない俺は、このまま忘れ去られるのか…? 俺はまだ、ロクに出番もセリフもないってのに…」

サイバードラモン
「デッカーグレイモン…! 何か用か…? 尺的に漫画版で登場するか怪しい雰囲気が漂いつつあるこの俺に…。
 実は上の羽を支えてるパーツが破損しやすいと噂の、この俺に…!」
 
デッカーグレイモン(メイルバードラモン)
「サイバードラモン。グレイモンの足を見てみろ」

サイバードラモン
「…足?……片足のキャタピラを外し……はっ!?」

デッカーグレイモン(デッカードラモン)
「あなたは、私のキャタピラにより合体後の背が伸び、ランチャーが接続不能になったとお考えになったのでしょう。
 ですが実際はこのように、数mmほどの差しか生まれません。つまり…」

サイバードラモン
「じゃあ俺も…皆と一緒にデジクロスできるのか? レギュラー全員登場回で、1人だけハブられずに済むんだな…!?
 ……すまない、デッカードラモン…! 俺は勝手な思い込みで、心ない嫌がらせをしてしまった…!」

デッカーグレイモン(グレイモン)
「グハハハ! 男がそんなコトいちいち気にすんじゃねぇよ!」

デッカーグレイモン(デッカードラモン)
「左様でございます。それに私とてあなたと同じ、漫画版に出られるか怪しい身。
 故にこの、キャラが漫画版準拠の流れで私とあなたの2人だけキャラが掴めてなくて滑稽でしょう。それに…」

サイバードラモン
「…それに?」

デッカーグレイモン(デッカードラモン)
どうせオフィシャルではやりませんし

サイバードラモン
くそァ!!!!

 つーわけで、深夜のテンションで書いた茶番が挟まれましたが、4体合体は玩具的に可能でした。


 ブルーフレア4体のドラゴン系デジモンが集合!
サイズやモチーフに統一感があって、並べると見栄えが良いのがこいつらの良い所。
改めて見てみると、「恐竜型」「翼竜型」「人型」「四足歩行型」、そして合体後が「怪獣型」と、スタイルが綺麗に分かれてるのだなあ。

 グレイモン!メイルバードラモン!サイバードラモン!デッカードラモン! デジ…クロォース!

 デッカーグレイモン+サイバーランチャー(仮)!!!!

 普通に合体完了。
ただ槍を咥えさせるのは厄介だと判断して前の方によけたり、地味な調整はいくらかしてある。


 さて、この形態になると、デッカードラモンの追加パーツが一気に見栄えするようになる
キャノン砲は一斉射撃感のアップにつながっているし(角度がビシッとキマらないのが惜しい)、
デカすぎたキャタピラもこの形態なら、一斉発射に備えるためのスタンドとして視覚的にも受け入れやすい。

 サイズは相変わらず大したことはないが、この情報量の多さは魅力的だ。



 シャウトモンX5B(仮)もそうだったけど、クロスフィギュアの非公式全乗せ合体は妙にキマってカッコいい。
どちらも本編その他に出る気配は一向にないけど、出してくんないかなあ、マジで。


 ちなみにX5Bは(11760円+延長食玩ソード630円)12390円で、偶然にも右のデッカーランチャーも同額となる。
つまり上の画像は合計で24780円………えぇ――ッ!?



まとめ

デッカードラモン≫ オススメ度:

・造形や塗装は悪くなく、見栄えが良い
・プロポーションやディテールも良く、ネジ穴や肉抜き穴が目立たない
×
・ギミックも可動もなく、単体でのプレイバリューが皆無に近い
・サイズがやはり小さめ
・これで2940円は高い 2310円ラインとまではいかなくても、せめて2625円ラインであるべき

デッカーグレイモン≫ オススメ度:

・パーツが増え、組み換え遊びの幅が広がる
・合体ギミックは余剰もなくしっかりしている
×
・メタルグレイモンから印象が変わらず、さほど大きくもならない
・プロポーションが微妙
・大きな欠点があるわけでもないが、魅力に欠ける
・9765円


総評

 予想よりも若干期待外れだった。
なまじデッカードラモンは見た目が良い分、ギミック面での手抜きが目立つ。
マジで、ワニ形態で口が開かないのはガックリきた。クロスフィギュアはダメ玩具のツボを心得すぎだ。
食玩版ならどうなるだろう?しかしそれ以前の問題で、食玩第二弾の出る気配がゼロすぎる。

 なんというか、合体前後ともに褒めどころを見つけるのが難しい。
見た目は良いし目立った欠点もないけれど、メタグレだけで充分な気もする。
それに「高額」という欠点は残っているので人には勧め辛い。

 デッカーグレイモンには本当にモヤモヤさせられる。
個人的はにクロスローダーで本当にお世話になってたし、
このサイトへの検索ワードを見る限りでも、コイツに期待してた人は多かったように思う。

 デッカーパーツのおかげでグレイモンの全身強化感がアップしたのは嬉しいが、
なんつーかこう…「もうちょっとなんとかできたんじゃ?」の化身のようだ。
ブルーフレア最強のデジモン(のはず)がコレって、ちょっとどうなんだと思うし、
正直言ってメタルグレイモン+サイバーランチャーの方がよほど強そうだ。

 デッカードラ → メイルバードラ → サイバードラ
って順で戦力・デジクロスが増えて、強さもそれに準じた方がスッキリしたような。

 まあ、デッカーグレイはアニメでまた印象が変わる可能性もあるし、
合体バンクには期待したい……けど、初サイバーランチャーがあんな扱いではなぁ…。


 ただ、クロスフィギュアのブルーフレアを揃えていると並べた姿は壮観だし、
合体させてデッカーグレイ+ランチャー状態にまでできるとかなり楽しくなってくる。

 なので分かりやすく断言すると、
デッカードラモンはブルーフレアを全員揃えようという人だけ買えばいい
もし先にワニだけ買ったところで、メタルグレイモン達が欲しくなるはずだ。

 クロスフィギュアはブルーフレアが総合的に一番出来がいい(と思う)ので、
ブルーフレアが好きかつ2~3割引きで買えるのなら、そう悪くない買い物だろう。



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