デジモンクロスウォーズ デジモンクロスフィギュアシリーズ
07 スカルナイトモン&デッドリーアックスモンセット
ダークナイトモン)
デッドリー(deadly):致命的な,致死の,命取りの

2010年11月20日発売
定価5040円
公式サイト

 3つ同時発売されたクロスフィギュアレビューも今回で最後。
スパロウモンはクロスハート名義で商品化していたので、
このスカルナイトモン&デッドリーアックスモンセットが天野ネネ率いるチーム「トワイライト」初のクロスフィギュアとなる。

 スカル、デッドリーの2体が合体した姿であるダークナイトモンは、
アニメ、漫画などの劇中においても「デジクロスしているのが基本状態」という変わったポジションのキャラであり、
だからか玩具のクロスフィギュアもこうして合体セットで発売されることになった。

 テイルモンのデジメモリ説明書が付属。…なんでテイルモンなんだろ。キャラ的にネコ被ってたから?

 尚、2体セットな上にパーツが多いため、今回に限ってトレーは2つに分けて梱包されている。
上の画像は収納時のようにトレー2つが重なった状態だが、なんとも男の子でカッコイイ。
ついでに箱の前面が透明で中身が見えるパッケージならもっとカッコよかったのにな。

 折角なのでバラでも紹介しておくと、こっちは上の方になるトレー。
デッドリーアックスモン本体の他、小物類やデジメモリがまとめられている。
…2枚重なってる画像を見た時も思ったけど、やっぱ浮いてるよなぁ、テイルモン。

 こちらは下段トレー。
スカルナイトモン本体とスピア、足パーツが梱包されている。



クロスフィギュアシリーズ07
スカルナイトモン

 箱に書いてある紹介を引用。箱だと少し省略されているので、公式図鑑もどうぞ。
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 スカルナイトモン アンデッド型

 必殺技:スピアニードル ブレストアイ・ウィンク

 デッドリーアックスモンと義兄弟の杯を交わした兄貴分。悪知恵に長けた騎士で、とにかく勝利という結果
 を重要視している。身体のサイズを活かした戦いを得意とし、相手の懐に飛び込んで「スピアニードル」を
 振るう様は、とても誇りを忘れた騎士とは思えない活躍を見せる。

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 「スカル系」であり「ナイトモン系」であるという、なんだか受け入れやすい新種デジモン。
「デフォルメされた騎士デジモン」はグラディモンと被っているが、先に忘れ去られるのは間違いなくあちらの方だろう。

 しかし「スカル~」という名前の割には胸の髑髏以外は骨的な意匠はなく、
スカルグレイモンやスカルマンモンといった他のスカル系のデジモンとは雰囲気が違う。

 合体玩具的には「素体」にあたるので、同シリーズのグレイモンと似たようなポジションだ。


 なにはともあれ、
こんなに出来が良いなんて俺の知ってるクロスフィギュアじゃない!!

 デザインが玩具向き(この場合、特に「目が簡単なデザインであること」を指す)とはいえ、
全体的な造形バランスも申し分なく、仮に合体機構がなかったとしてもスカルナイトモンの造形物として文句ない出来だ。

 頭部だけでなく胸ドクロの目もしっかり塗装されていて、「やっぱり他のクロスフィギュアがおかしかった」と再認識できる。 
強いて言えば、骸骨の下顎=スカルナイトモンの股間が銀塗装されていないのが気になるところだが、
これぐらい他のクロスフィギュアを見てりゃ(主にサイバードラモンとかスパロウモンとかスパロウモンとか)なんてことないぜ!

 軟質素材で作られているマントは、一ヶ所の分割線でめくるように動かせられる。
45度、90度あたりで多少固定されるが保持力は弱く、あまりマントらしい表情をつけるには至らない。

 マントに隠れた背中には、武器の一部となるダンベルのようなパーツが保持されている。

 特徴的な武器である「スピアニードル」は2本付属し、玩具では腕だけでなく肩にも装着が可能。
スピアの接続は腕、肩ともにはめ込み式で、同シリーズベルゼブモンのベレンヘーナSDXと同じ機構。
「カチッ」とはめこまれて、しっかりと保持される。

 ダンベルパーツやその他の武器も軟質素材で作られていて、持たせるときは直接手に押し込んで持たせる。
指がもげないかどうかは少し不安だが、こちらも保持力は十分。

 合体ギミックのおかげで頭部が外れるので、首なし騎士ごっこもできる。
スピアを肩にも腕にもつけられるのが、玩具的なプレイバリューの向上に繋がっていて良い感じ。

 ダンベルとスピアニードルを組み合わせることで、合体後の武器である「ツインスピア」の完成。
スピアをダンベルにはめ込む時は、ちゃんとした角度で力を入れないと変にグニャってなって怖いので注意。


 可動はぼちぼち。

・頭部が360度横回転(前後はナシ) 

・肩が体の付け根から前後に360度回転
・肩アーマーから伸びる二の腕が、気を付け状態から外側に45度ぐらいまで開く
・肘が前後ともに90度ほど可動
・手首が横にロール回転

・足が根元から横、前後に45度ほどクリック可動
・膝が直立状態から120度ほどクリックで曲がる
・爪先が前後に可動(クリックではない)


 悪くはないが、肘ロールがないのと足首が横に開かないのが残念。
自立性は普通だが、短足な上に足はそれほど動かないのであまり派手なポーズは付けられない。

 まとめついでに大きさ比較。
決して「スカルナイトはこんなに出来が良いのに両隣ときたら」という当てつけではない。

 スカルナイトモンはおよそ10センチ程度の高さ。
ダークナイトモンセットは5040円なので、単純計算でスカルナイト単体が半分の2520円だと考えると、
右にいるグレイモン(3150円)と同じぐらいのボリュームはある。
単体でも武器の付け替え遊びが楽しめる上に、造形や塗装も優れているため、
クロスフィギュアシリーズの中では異常なぐらいの優等生だと言えるだろう。


 しかし、このページに記すべくスカルナイトモンの可動範囲を調べようといじっていたら、
片足を前に70度ほど動かした時点で、突然足根元からの前後クリックが破損という悲劇に見舞われた。
これは俺のスカルナイトがたまたまダメな子だった可能性が高いが、何にせよ扱いは乱暴にしないことをオススメする。

 そして、悲しいことに本当に足が悪いのは「こいつ」ではなかったのだった…。



クロスフィギュアシリーズ07
デッドリーアックスモン

 こちらも箱から引用。
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 デッドリーアックスモン 魔獣型

 必殺技:エアスライサー アクアレジア

 スカルナイトモンと義兄弟の杯を交わした弟分で。素早い動きと無限の体力に満ちた屈強の闘士。義兄であるス
 カルナイトモンに忠実に従っており、勝利を得るために義兄を信じて戦っている。必殺技は光速で敵の間を駆け抜
 け、斬られたことすら気付かせない「エアスライサー」と、強力な溶解液を吐き出し全てを溶かす「アクアレイジ」

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 分かりやすい兄貴に対し、どういう生き物なのかすらよく分からない弟。
パッケージの説明文中で技名を間違えているあたりトホホな感じだが、
既に同シリーズのドルルモンが通った道(「ドリルバスター」を「ドルルバスター」と大文字で誤植)だ。

 …と思ったら、後に追加された公式図鑑のページにて、

--- 
 必殺技は光速で敵の間を駆け抜け、斬られたことすら気付かせない「エアスライサー」と、
強力な溶解液を吐き出し全てを溶かす「アクアレイジ」。
さらに強力で自らが溶けて周りのものすべてを巻き込む技「アクアレジア」がある。

---

 と記述があり、実は「アクアレイジ」「アクアレジア」の両方が存在したことが分かった。
…ってこんなの普通誤植だとしか思わねェよ!
最初からレイジもレジアも箱に載せておくか、省略の仕方をもっと考えれば済んだ話だ。
ていうか、最後のレジアに関する文章が妙に後付け臭いくて怪しい気もする。
アクアレジアは「王水」という意味のある言葉だし、となるとレイジの方がミスかな。

 
 それは置いといて、未だに冗談としか思えないほどに名前の語呂が悪い。
悪すぎて、ファンだけならまだしも公式もしょっちゅう名前を間違えるのだから相当だ。

 よく合体ロボモノでは「合体用パーツの塊」と呼べるイビツな奴が登場したりするが、こいつもそれに当たる。

 しかしこいつはちゃんと「一体のモンスター」のデザインとして成立していて、よく考えられてると思う。
メイルバードラモンもそうだったように、「玩具のために全力で体を張っている」と分かるのも良い。

 良い意味で「玩具化前提デザイン」のおかげで公式に近いプロポーションに仕上がっているし、
むしろいくらか過剰にメリハリが利いているおかげで、体積の割にでかく感じるため見栄えも良い
(前後、左右の幅は両方16センチ程度。高さはスカルナイトモンと同じく10センチぐらい)。

 また、スカルナイトモンと同じく程よく塗装されていて、使われている色もオリジナルに近い。

 パーツお化けの割にまとまりが良い代償か、可動はほとんどしない。

・首が伸縮
・口が開閉(上の画像は閉じた状態)

・両前足が根元から45度ずつ360度回転
・前足の関節(=ダークナイトモンの膝)が大きく可動
・爪先が15度×2回ほど上側に可動(上の画像の左前脚が通常、右前脚が限界まで上げた状態)
・後ろ足が根元から少し前後回転(両足とも固定)


 どれも合体ギミックの副産物でしかなく、カッコイイポーズを決めるのは難しい。
飾っておくなら、そのまま素立ちさせておくのが一番キマってくれるだろう。

 頭飾りに隠れて良く見えない頭部はこんな感じ。
画像では分かりにくいが、上アゴにある変な窪みのようなディテールも細かくちゃんと作られている。

 この画像は「口を開いた状態」。つまり、あまり大きくは開くことができない。
口とは別に喉元からえらく伸びているモノは、合体用の接続ジョイント。

 そしてこいつもシリーズお馴染みの「クロスフィギュアアイズ」だが、元々瞳がないのでそう変には感じない。
…が、目の色が違うのが惜しい。こいつは黄色が正解。
そういえばスカルナイトモンも発売前の画像では目が緑色だったりしたが、何か関係あるのだろうか?

 買った人なら誰もが試すであろう、スカルナイトモン騎馬モード

 しかしこの形態での遊びは考慮されていなかったようで、全く安定しない。
三角木馬どころか「座席部分が斧」という斬新な設計には、流石のスカルナイトモンも冷静ではいられないだろう。

 デッドリーアックスモンの後ろ足部分はダンベルに差し換えることも可能。
ツインスピアを接続すれば、なんだか戦闘用馬車のような形態にできるぞ。




 そんな感じで中々遊びがいがあって申し分ないデキだと思っていたデッドリーアックスモンだが、
まったくもって悲しいことに、こいつは足を接続するジョイントが非常に割れやすい

 上の画像で分かるとおり、俺のは買ってすぐにパックリと割れ目が入ってしまった。
この状態はまだ辛うじて「割れた」だけだが、パーツを接続したりする度に割れ目は大きく拡がってしまうし、
いずれパーツが欠けて取り返しがつかないことになるのも時間の問題だ。


 この部分は足パーツを頻繁に抜き差しする大事な場所なのに、
ジョイント部分が他のパーツによる補強なしの野ざらし状態というあまりにも挑戦的な設計のせいだ。

 「ジョイントのみ」が飛び出ているせいで、接続の度にムダな負担がかかりやすく、とても危険な状態。
スペース的に補強はいくらでもできたはずなのに、なんでこんなやっつけ臭い設計にしたのだろう。
造形が糞だったり塗装が手抜きなのはまだ我慢できるが、欠陥品を売られるのは困る。

 このジョイントは同シリーズのグレイモンなどにも使われている、ムゲンバインの「ムゲンジョイント」と同一のモノのはずだが、
こんなにすぐ死ぬ糞みたいなジョイントがあのムゲンジョイントと同じだとは思いたくない。
なのでこいつは便宜上、死のジョイント「デッドリージョイント」とでも呼ぶことにする。



 デッドリージョイントのことを除けば、単品でも中々イケてただけにとても残念だ。
勿論丁寧に扱えばその分破損はしにくいだろうが、それでも触るたびにビクビクしなくてはならないのはキツい。
ただ、このジョイントは「デッドリーアックスモン」以外の状態では使わないで済むのが有難い。



デジクロス
07
武装モード ビッグアックスモード

 スカルナイトモンにデッドリーアックスモンを武装合体。

 合体準備。
デッドリーアックスモンを「本体」「アーマー」「足×2」「ブレード×2」「弓」にバラす。


 尚、それぞれのパーツはデッドリーアックスモン状態では本体に対して

アーマー:頭部の穴に四角い凸ジョイントを差し込む  足:デッドリージョイント
ブレード:本体上部の穴に丸い凸ジョイントを差し込む  弓:本体後部に押し込む

 という風に接続され、どのパーツもしっかりと保持される。

 ダンベルにブレードを装着すれば「スカルナイトモンナギナタモード」、
弓を持たせれば「スカルナイトモンアローモード」の武装形態にデジクロス。
…これぐらいでいちいち「○○モード」なんて名前つけんでもいいじゃない。公式絵もないし。

 前座はさておき、ビッグアックスモードの準備。

 デッドリー足の赤いジョイントを伸ばし、お互いに膝部分のジョイントへ(弓パーツを挟みつつ)接続。
さらに「上側」となる足裏のジョイントに本体を接続したらデッドリー側は完了。

 説明書では「左足」を上にしてビッグアックスを作るように書かれているが、別にどちらでも問題ない。
一応左右の足で赤い接続パーツの窪み(=弓パーツを挟む部分)が違っているものの、他のパーツの向きが正しければ大差はない。

 一方スカルナイトモン。
頭部にデッドリーアックスモンのアーマーを、両肩にはスピアを接続。
(アーマーを接続する頭部の穴は、目立たないようスリットを模したデザインになっていて芸が細かい)

 ダンベルにデッドリーアックスモンのブレードパーツを装着し、それを背中に取り付ける。
そして弓のグリップを両腕に持たせることで…

 デジクロス! スカルナイトモンビッグアックスモード!!

 ダークナイトモンとはまた別の、2体のデジクロスによりできあがる武装形態。
「ビッグ」アックスと名乗るだけあってかなりデカく、小柄なスカルナイトとの対比がさらに迫力をアップさせている。
余剰パーツが出ない配慮も嬉しい。

 箱に解説は乗ってないので、公式図鑑を見よう。

 ちなみに、公式絵やアニメではブレードパーツをスカルナイトモンの背中に付けているが、
玩具ではデッドリーアックスモンにつけたままの状態に指定されている。
わざわざ公式と変える必要はない場所だし、単に玩具スタッフのミスだろうか。お好みでどうぞ。

 横から。
当然ながら本編のようにこのデカブツをヒョイヒョイ支えることはできないので、基本的に置き物。
ビッグアックス単体でも一応自立は可能だが、危なっかしいので持たせておいた方が良い。

 さっきも言ったがビッグアックスモードは(このシリーズにしては)大きく、高さは22㎝もある。
これはX4(19㎝)やメタルグレイモン(18㎝)を超えるほどで、ダークナイトモン(16㎝)よりもデカい。

 大したポージングはできないが、置いておくだけでも中々威圧感があるのが素敵。
ビッグアックスモードがアニメ本編に登場したのはほんの少しの時間だけだったが、
アホみたいに強く描写されていたおかげで印象深く覚えている人も多いだろう。



 武装まとめ。

 ダークナイトモンへの合体だけでなく、こうしてスカルに武装する形でデッドリーと合体できるのはとても面白い。
他のクロスハートやブルーフレアのデジモン達より数ランク上の設計だと言っていいだろう。

 特に、見た目的にもハッタリが効いているビッグアックスモードは玩具的にも完成度が高い。
「ダークナイトモンより大きい」というのがまた良い味を出していて、なんとも組み換えがいがある。



デジクロス
07
ダークナイトモン

 スカルナイトモンの準備。

 首をカポッともいで、胸パーツを開く。
中のブロックを回してスカル首跡とダークナイトモン用頭部を入れ換え、胸を閉じる。

 また、爪先をスネに沿わせるように動かし、カカトのジョイントを下に向かせる(右足の状態)。
さらに背中からダンベルパーツを外し、スピアと合体させツインスピアを作っておく。

 デッドリーアックスモンはブレード以外のパーツをバラす。
アゴを押し込み、喉のジョイントを下に向かせる(上の画像はまだ押し込んでいない状態)。
さらに、両足の赤いパーツは背面に折り畳む。

 スカルナイトモンのスピアなどを取り付ける肩ジョイントの中央にはムゲンジョイントもあるので、
そこに左肩にデッドリーアックスモン本体を喉から合体させ、接続後は首を縮める。

 そしてスカルナイトモンに靴を履かせるように両足を接続。
 

 胸ドクロの鼻部分が穴になっているので、ここにアーマーをセット(左)。
ダンベルパーツを付けていた場所に弓パーツを取り付け(右)。

 最後に右手にツインスピアを持たせて…

 スカルナイトモン!デッドリーアックスモン!デジクロス! ダークナイトモン!!

 それではみなさんご一緒に

 例によって箱から設定引用。
箱が大きくてスペースがあるおかげで、ちゃんと合体後のこいつにも説明文が入っている。
(どうせならビッグアックスも載せてくれりゃいいのに)

---
 ダークナイトモン 暗黒騎士型

 必殺技:ツインスピア ショルダーブレード

 義兄弟の杯を交わしたスカルナイトモンとデッドリーアックスモンが融合した姿がダークナイトモンであ
 る。突く・斬る・払う・投げると状況に応じた使い分けができる「ツインスピア」を扱うダークナイトモンの腕
 前は非常に高く、正面から堂々と闘ってダークナイトモンを倒せる実力者は少ないと言われている。

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 これまた例によって箱の設定は一部省略されているので、公式図鑑もどうぞ。

 色々あって今ではネタキャラ的な印象が強く残ってしまった感はあるが、
最終的にはクロスウォーズ中でもオイシイポジションにいたキャラだ。強かったし、見た目はイケメンだし。


 見た目といい武器といい、クレニアムモンとやたら被っている印象があるが、こいつは数少ない暗黒騎士型。
こいつ以前にはカオスデュークモンぐらいしかいなかったんじゃないだろうか。仲間ができて良かったね。

 頭部アップ。
カッコ悪いとは言わないが、あまり公式絵やアニメには似ていない。
目やマスクの形が違ったり、瞳(?)部分が省略されているのが主な原因だろう。


 ちなみに公式絵では頭頂部がパチンコ玉のように丸いが、アニメ版や玩具だと角ばった感じになっている。
X2の時は公式絵準拠だったのに今回はアニメ版準拠ということになるが、
これは玩具が悪いとかそういう話じゃなくて、クロスウォーズという作品がいかにゴタゴタの中で作られていたかが分かる。
他にもグレイモン背中のジョイントの色とか、公式絵と他メディアとの相違が色々あったものなあ。

 両肩に合体前の頭が並んでいるので、地味にシャウトモンX3とお揃いのデザイン。
公式デザインでは合体後にはスカル頭部のバイザー部分が下りて目は隠れ、
デッドリー頭部もなんかウヤムヤな状態になるが、玩具だとどちらもそのまま。

 合体後もプロポーションは良好。
アニメのダークナイトモンは油断するとすぐキャプテン翼のキャラみたいな頭身になっていた気がするが、
玩具はちょうど公式絵ぐらいのほどよいバランスにまとまっている。
マントは合体後も変化がないので短く感じられるが、長すぎてもジャマになるしこれはこれで良かったかも。

 また、スカルナイトモンの時はそう気にならなかったが、
ダークナイトモンになって足が伸びると股間からマントの刻印が見えるのは少し気になる。黒字はいいけど、白は目立つなぁ…。

 装備パーツを取り払った軽装形態。思いのほか印象は変わらない。


 ちなみに可動はスカルナイトモン時と大差なく、

・首が横にロール
・肩のスカルナイトモン頭部が回転
・肩のデッドリーアックスモン本体(=ショルダーブレード)が45度ずつ回転
・スカルナイトモン同様の腕可動
・スカルナイトモン同様の足可動
・デッドリーアックスモン同様の爪先可動

 大体こんな感じ。
腕にロールが無いため、合体後もあまり多彩なポージングが取れないのが残念。
また、大きすぎるツインスピアやショルダーブレード、その他色んな装備のせいでパーツが干渉しやすい

 また、ショルダーブレードのせいで重心が偏りがちなことに加え、
足が急に伸びた割に相変わらず足首が横に動かないコトも手伝って自立性がかなり悪い
 足の根元にクリックが入っているせいで、
気を付け状態から一段階足を広げると一気に開きすぎてしまうのも残念。足がクリックで動く玩具ににありがちな難点だ。
足首に横可動を入れられる余裕は充分あったと思うし、ここは頑張ってほしかった。


 そんなダークナイトモンの抱える一番の問題は、胸アーマーがすぐポロリすること。
他所でも報告があるので、これは個体差ではなく仕様らしい。
イベントで展示されていたダークナイトモンなんか、胸アーマーが無い状態で展示されていたぐらいだから相当だ。

 接続のユルさ自体はメタルグレイモンのメットほどではないが、
こっちは「横向きに取り付けるパーツ」なので、上からかぶせるメタグレメット以上にポロポロポロポロと外れる
どのぐらい外れるかというと、正面から指が当たるとそのままポトリと落ちるぐらい。
このせいで、レビュー用の写真撮影にはかなりのストレスが溜まってしまった。

 スカルやデッドリーの頭部にはしっかり接続されるのに、どうして合体後だけこんなコトになってしまったのか。
いっそ接着でもしてやりたいぐらいだが、変形合体玩具なのでそういうワケにもいかない。
対策としては、ダークナイトモンの胸の穴を瞬着だのビニールだので補強するとかだろうか。やるときは自己責任でね。

 全身にジョイントが多いため、合体後でも組み換え遊びの幅広さは健在。
スカルナイトモンとデッドリーアックスモンの頭を左右逆にセットするなんてこともできる。
また、見た目を気にしないなら、ポロリしまくる胸アーマーは肩のスカルかデッドリーの頭に挿しておくのが一番手っ取り早い。

 ちなみに弓パーツは合体時は背中にセットするよう指定があったが、公式デザインだと合体後には消えている。
つまり背中の弓は単なる余剰対策であり、あからさまに邪魔そうな見た目通りに可動の妨げになってしまう。
余剰が嫌ならつけっぱなしでもいいし、公式にならって弓を外すこともできるし、武器として持たせることもできる。

 いつどこで使ったかは覚えていないが「スピア2本差し」は、ジョイントの都合で再現できない。まぁどうでもいいか。

 幅広い組み替えのおかげでダークナイトモンビッグアックスモード!!なんてのもでっち上げるコトができる。
アックスを作るためには見ての通り短足の貴族にせざるを得ないが、セットを2つ買えばもっと完全なモノにできるだろう。

 ちなみに手前のはフィギュアコレクション(食玩)のX3と、アクションクロスウォーズ(ガチャ)のメタルグレイモン。

 クロスフィギュアとクロスアクション(食玩)のX3と比較。
ビッグアックスモードの項目でさらっと触れたとおり、ダークナイトモンは16㎝とあまり大きくないが、
その分ツインスピアとショルダーブレードが大きいので、ボリュームがないというワケでもない。
人型だからそれほど大きくなくてもいいし、むしろ置き場所に困らないと考えることもできるだろう。

 続いてアクションクロスウォーズ版、ソフビ版と比較。

 トワイライトは他のチームに比べて立体物が少なく、ダークナイトモンのフィギュアは上の画像ので全てだ。
劇中では合体した姿が基本とはいえ、
合体前のスカルとデッドリーに至ってはクロスフィギュア以外では全く発売されなかったのが悲しい。
食玩のクロスアクションが続いてくれればなぁ…。

 ちなみにトワイライトが「出損ねた」シリーズは、
フィギュアコレクション、クロスアクション、ハッピーセットの3つ。
「デジモンストラップ」にはモニタモンのみ一応ラインナップされているが、微妙なラインだ。

 折角なので2つをアップで撮影。
 左のアクションクロスウォーズ版は、上手くデフォルメされていて良い感じ。
ツインスピアこそ省略されているが、チビの割にはなかなか精悍な顔立ちだ。強いて言えば漫画版に似てるっぽい。
 「アクション~」というシリーズ名どおり、首と両手両足を少し動かすことができる。

 ソフビ版もクロスフィギュアシリーズのソフビではカッコイイ方。
こちらもツインスピアがないのは惜しいが、体型と顔はアニメ版に一番近いかもしれない。
 こちらは両肩、左腕根元、ショルダースライサー基部のみ動かすことができるが、
両肩は胸アーマーと干渉するので大した動きはつけられない。まあソフビだしね。

 背面。分離合体がないおかげで、マントがちゃんと長いのは嬉しい。
写真では少し分かり辛いが、アクションクロスウォーズ版のマントは紫色で成型されている。

 ソフビ版の後ろ姿は中々サマになっていて貴族のくせにカッコイイが、
「ソフビ」ということもあり胴体とマントがくっついて風船のようになっているので少し角度を選ぶ。

  
 立体化の機会こそ少なかったものの、ダークナイトモンの立体物はどれも中々よくできているのが救いだ。
主役なのに高確率で大惨事のクロスハートを見ていると、「良より質」が大事なのだなと思わされる。


 
 クロスフィギュア貴族のまとめ。

 合体後もプロポーションは良いし、取り外し可能なパーツが多いのでプレイバリューも十分。
胸のポロリとイマイチな自立性は残念だが、ちゃんと「触っていて楽しい」レベルの玩具なのが感動だ。

 何故このレベルのクオリティを他のチームにも分けてやれなかったのか不思議でならない。
もしこのダークナイトモンセットがなければ、クロスフィギュアは本当に救いのないシリーズになっていた所だったと思う。




まとめ

スカルナイトモン≫ オススメ度:

・プロポーションが非常に良く、公式絵やアニメにも見劣りしない
・可動範囲がそこそこ
・スピアニードルやデッドリーアックスモンとの合体による、武器遊びのプレイバリューがとても高い
・ビッグアックスモードは合体ギミックも面白く、さらにダークナイトモン時より大きい
×
・足の角度の調節が難しく、ポーズをつけて立たせるのは難しい(合体後も同様)
・基本的によく動く分、肘にロール可動がないのが残念
・個体差の可能性もあるが、足のクリックがモロい?

デッドリーアックスモン≫ オススメ度:- (もし破損がなければ

・独特なプロポーションが再現されている(当然といえば当然か)
・サイズはそれほどでもない割に、ケレン味の利いた迫力ある造形
×
・可動が皆無に等しく、単体ではろくに遊べない
破損の危険が高いデッドリージョイントのせいでとても扱い辛い

ダークナイトモン≫ オススメ度:

・合体後も優れたプロポーション
・(公式ではないものの)合体後も組み替え遊びが充実している
×
・胸アーマーがすぐに外れる
・ショルダーブレードが妙に大きくてバランスが悪い上に、足首の可動が微妙なのも相まって自立性が悪い
・パーツがごちゃごちゃしている上に可動範囲が狭く、ポージングがキマらなかったり、干渉したりする



総評

 デキはクロスフィギュアの中では間違いなく断トツで良い
あまり褒め言葉になってない気がするが、とにかく良い。

 スカルナイトモン、デッドリーアックスモンそれぞれの形態でも破たんなく良く出来ていて、
合体後もカッコイイ上に、さらには様々な武器遊びも出来てプレイバリューもバッチリだ。
例によってサイズは控えめだが、こいつの場合は小ささが逆に高級感を生んでいるとすら感じられる。

 値段も定価が5040円、つまり実売だと3600~4000円程度と考えるとそう悪くない。
さらに今回は、しっかりと合体セット販売なのも嬉しいところだ。
「劇中では合体形態がデフォだから」という理由だろうが、X4とメタグレもマジでまとめて売ってくれればよかったのに。


 ただ、本当に破損が残念。
スカルはいいとして、デッドリージョイントはマジで危険なレベル。

 しかし、デッドリーアックスモン以外の状態ではあのジョイントを使わない設計で本当に良かった。
「デッドリーアックスモンマジ最高!このセット買ったらデッドリーだけ箱から出して遊ぶわ!」
とかそういう人でない限り、デッドリー状態を避ければこの最大の欠陥は回避できるだろう。


 それにしても、全体的によくできてるのに、
デッドリージョイントや胸ポロリなど、単純な所で欠陥があるのが妙に不自然に思える。
まるで「クロスフィギュアの割に完成度が高すぎるからあえてブッ壊した」みたいな悪意すら感じるぞ。
改修しようと思えばいくらでもできたようなレベルの欠陥が、何で残ったまま発売されてしまったのか…。
せっかく手放しに褒められそうな傑作が出られるチャンスだったのに、クロスフィギュアシリーズは呪われている



2011/03/02
追記

 修理に出してた我が家の貴族が帰ってきた。

 修理依頼の内容は「スカルナイトモンの左足クリックの故障」と「デッドリージョイント」の2つ。
で、「修理は不可能でしたので新品と交換させていただきました」とのことで、代替の新品パーツが送られてきた。 

 新品なのはいいけど、デッドリージョイントが何の対策もなくそのままだってのは、予想通りとはいえショックだ。
買った人全員がブッ壊してクレームの嵐になったレベルじゃないと、金型の改修とまではいかないんだろうな。
まあ修理にお金はかからなかったし、壊れたらまた送ればいい。…って問題でもないよなあ…。 

 修理には破損と無関係なパーツは外して送ったが、帰ってきたスカルナイトモンには頭がついてきた。
「どうせならスピアとかもくれればよかったのに…」と思わんでもないけど、まあ一応は儲けものかな。



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