デジモンクロスウォーズ デジモンクロスフィギュアシリーズ
01 シャウトモン&スターモンズセット 
02 バリスタモン
 (スターソード、シャウトモンX2)

見切り発射デジクロス!

2010年8月7日発売
01 シャウトモン&スターモンズセット:1890円
02 バリスタモン:2310円
公式サイト

 ファンですら「え?今?」というタイミングで2010年に始まった新作アニメ、デジモンクロスウォーズ

 このアニメは今までとは設定が大きく変わり、「進化」というドラえもんでいえば4次元ポケット並に重要な要素をかなぐり捨て、
デジクロスという別にジョグレスでよくね?って感じの新たな合体要素を前面に押し出す路線となった。


 その合体を再現するオモチャがこのデジモンクロスフィギュアシリーズであり、
今までのデジモンアニメでの「超進化シリーズ」などに当たるデジモングッズとなる。

 というわけで、今回からはデジモンの新しい玩具「デジモンクロスフィギュアシリーズ」のレビュー。 
ちなみにこのクロスフィギュアはいわゆる「DX級」の玩具で、「クロスアクション」という食玩版も展開されていた。


 このシリーズは共通して、箱を開けると透明のトレーに「デジモンのフィギュア」と「デジメモリ」が入っている。
デジメモリは別売りのデジモンクロスローダーにセットして使うアイテムであり、クロスフィギュアと直接連動はしない。
このレビューはクロスフィギュアのレビューなので、クロスローダー中でのメモリの効果は割愛。

 今回紹介する「シャウトモン&スターモンズ」にはアグモン、「バリスタモン」にはギルモンのメモリが付属。


 また、このシリーズはモノによっては「説明書」が入っておらず、その場合は遊び方や組み替え方が箱裏に直接書かれている。
(シャウトモンセット、バリスタモンの場合は両方とも箱裏に記載)



クロスフィギュアシリーズ01
シャウトモン

 クロスウォーズ1期、2期の主人公デジモンで、チーム・クロスハートのリーダー格。
どう見ても成長期のデジモンだが、クロスウォーズデジモンは世代・属性がないので設定は不明。おいおい。
 
 声がアグモンと被ってて、「Vの字」の意匠がブイモンと被ってて、赤い竜なのがギルモンと被ってて、
オメガモンもどきに進化するのがアグニモンと被っている
という、歴代主役の要素を兼ね備えたスゴいヤツ。

 残念ながら箱には種族設定や劇中のキャラ紹介などは書かれてないので、 公式サイトの図鑑を参考に。

 公式デザインは小竜型にしてはかなりカッコ良い部類のシャウトモンだが、
玩具では見ての通りのアタマデカチモンで、「カッコ良さ」とはほど遠い造形。

 デジクロスの中心となる都合もあってか、サイズもかなり小さくて高さは5.5cm程度。

 小ささのせいか関節や可動範囲も少なく、

・口が開く(と同時に、中の人とコンニチワ)
・肩が前後にロール
・手首が横にロール
・足首がボールジョイントで微妙に動く(せいぜい「向きが変わる」というレベル) …といった具合。

 合体前提とは言え、主人公デジモンのくせにこれは正直かなり厳しい。

 シャウトモンのトレードマークとも言えるマイクが付属。
マイクは、 マイク先 棒 スタンド メット の4パーツに分割できる。

 このマイクは合体後には武器や頭部になる玩具的都合のカタマリだが、面白い発想だと思う。
シャウトモン自身がヘッドホンをつけているデザインであることも加え、
他のクロスウォーズデジモンからはあまり感じられないために忘れがちなデザインテーマ、「音楽」を上手く活かしている。

 ちなみに公式設定だとこのマイクは「マクフィルド社製マイク」とのことだけど、ブランド名より先に「マイクの名前」を下さい。

 マイクはシャウトモンに持たせることが可能。
シャウトモンの指が「C」状に開いているので、ここに棒を押し込むことで保持させる。

 ただ、このやり方では妙にカタい上にシャウトモンの手首がヒョイヒョイ動いてストレスが溜まるので、
「マイク先かスタンドを一旦外してから手に通す」といった手順の方が、少し手間はかかるものの安定かも。


 シャウトモンに対してマイクはアンバランスなほどに大きく(7.5cm)、
これのせいで重心が崩れ、持たせると自立性が悪くなるのが難点。

 シャウトモンは肩が左右に開かない上にスタンド部分が大きく邪魔で、
マイクのせいで顔が隠れるわパーツが干渉しまくるわそもそも持たせ辛いわと大惨事。

 「マイクを持っていないシャウトモンはシャウトモンではない」
…という世迷言じみた公式設定も相まって、なんともイライラとさせてくれる。
(ちなみに食玩版ではマイクが付属するもシャウトモン状態では持つことができなかったり、
 ソフビやガチャポンのシャウトモンにはそもそもマイクが付属すらしない、なんてのもザラ)


 まとめると、主役デジモンのはずなに玩具に全く気合が入ってないという、デジモン史上でも稀に見るダメなケース。
何が辛いって褒めるところが何もなく、「シャウトモンの玩具である」というだけで終わってしまっている。

 「幸先が悪い」とは正にこのことで、
特にこのシャウトモンのチーム「クロスハート」は、後々まで残念さを引き摺ることに…。
 

クロスフィギュアシリーズ01
スターモンズ

 俺の知ってるスターモンと違うのフレーズでファンを騒がせた新デジモン。

 昔からお馴染みのスターモンは星に手足が生えたデジモンだったが、
クロスウォーズ版、すなわち新スターモンはまんま星のヒトデみたいなデザインになった。

 新スターモンはピックモンという小型デジモンを引き連れ、まとめてスターモンズと呼ばれる。
劇中ではシャウトモンの弟分かつ背景キャラで、漫画版の終盤で活躍してやっと救われたような空気キャラ。

 ピックモンは3種類4体が付属し、左から ピックモン(×2) チビックモン レアピックモン。

 それはいいとして、全員がスターモンと同じ黄色一色成型ってお前。
本来ならピックモンは銀、チビックモンはクリーム色、レアピックモンは赤色なのに、
なんとどれ一つとしてかすってもいないという悲しすぎる糞仕様でリリースされた。

 「他のラインナップとの兼ね合いで本来の色とは違う色で成型されてしまった」
というのは食玩なら結構よくあることですが、まさかDX玩具でこんなコトになるだなんて…。


 色分けができないなら、なんでわざわざピックモンを3種類も混ぜたのか。
こんな黄色いゴミのデコボコが多少違っているぐらいで「バリエーションを持たせた」気になられているかと思うと寒気がする。
どうせ合体後にはピックモンしか使わないのが正解なんだし、変な所で気を利かせなくていいのに。


 ちなみに大きさは、スターモンが4.5cmで、ピックモンは1.5cm。
言うまでもない気がするけど、体がペラッペラなので自立性がかなり悪く、ドミノのごとく倒れる

 背面から見るとスターモンの肉抜きがえらいことに。ヒトデというより海綿みたいだ。

 ちなみにスターモンズは全員が軟質素材で成型されていて、不必要に重い
一見ガリガリなスターモンもかなりの重さがあり、この重さが合体後にアダとなる。 

01
デジクロス
シャウトモン+スターソード

 セット内容だけでできるデジクロスで、ここからが色んな意味でスターモンズの見せ場。

 スターモンの上にピックモンを繋げ(順番は自由)、巨大な剣スターソードに合体させる(長さ9.5cm)。
そしてスターソードをシャウトモンに持たせれば、シャウトモン+スターソードにデジクロス!

 ピックモンが黄色いせいで何もかっこよくないし、マイクと同じくスターソードもやはり持たせ辛い。
右のようにマイクも同時に持たせた状態となると、いよいよ罰ゲームじみた状態になる。
普通の玩具なら、「両手に武器をフル装備!」なんてカッコよくならないはずがないのに…

 スターモンズ同士の結合力が弱く、すぐに合体がユルくなってしまうのもマイナス。
軟質素材であるが故に「重い」、そして「フニャフニャしててガッチリくっつかない」せいだ。
他の玩具を触っていても「軟質素材同士を組み合わせる玩具」は少ないだろう。何故かと言うと、こうなるからだ。


 こんなクソみたいな合体のせいで、スターモンにはダッチワイフか何かのごとくぽっかり穴が開いてしまった。
当然スターモン単体の状態ではこんな風穴は開いてないし、さらに合体したX4以降の形態でも穴はない。
つまり、信じ難いがこの玩具はさほど重要性のないこの形態のためだけにスターモンに穴を開けたのだ。

 大体、シャウトモンがスターソードを使ってる時はマイクを持っていないんだから、
そんなら最初から「スターソード=マイクのパーツを使う武器」としておけばスターモンの開いた口も塞がっただろうに…。

 マイクからメットを外し、そこにスターソードを接続することでDXスターソード(長さ12.5cm)に強化。
これはシャウトモン用の武器ではなく、さらに他のデジモンと合体したシャウトモンX4他のための武器だ。
持ち手はマイクと同じなのでシャウトモンに持たせることもできるが、バランスはさらに崩れる。

 公式では「シャウトモンがDXスターソードを持つ」状況は想定されていないので、この時のメットは余る。
しかしシャウトモンの背中からパーツを引き出せばそこにセットしておけるので、一応の余剰対策になる。

 残念なことに、スターモンとマイクパーツの接続部分がアホで、一番肝心な武器なのに一番不安定
フザけたことに穴を1ヶ所挿すだけという接続方法で、コレといった固定はされない。
 ポロポロ外れるレベルではないものの、向きが定まらず、何かに当たる度にすぐズレてしまう。
ピックモンの接続はちゃんと横にはズレないようになってたのに、重要なところで抜けているなぁ。


 尚、本来のスターソードはピックモンが5体、
本来のDXスターソードにいたってはピックモンが12体必要だが、玩具では4体どまり

 ピックモンさえ調達できればスターソードはいくらでも伸ばすことができる設計ではあるが、
ピックモンのさらなる調達には「このセットをまた買う」以外の選択肢はない
ガチャポンや食玩で出るとか、他のデジモンに付くとかの救済があれば良かったが、すべて夢に終わった
まぁ揃えたところで、ユルさと重さのせいですぐにクロスオープンするのがオチだろうし、どうせ全部黄色いしな。


 ちなみに、定価1890円もするDX玩具がこのザマな一方で、
300円程度の安価で買える食玩ではピックモンが8体な上に赤色成型という、
クロスフィギュア版とどこかで何かを間違えたとしか思えない優等生っぷりを発揮しているのが余計に辛い
(食玩版ソードの紹介は「ドルルモン」のレビューにて)

 スターモンやピックモンは、裏面にある凸凹を使って組み替えることができる。
ソード以外に公式合体例はないので「玩具オリジナル遊びができる」といった意味合いだろうけど、さほど嬉しくもない。


 このセットのまとめ。

 何と言ってもこの内容で1890円はかなり厳しい。
内容量や質で考えれば、冗談抜きで500円ぐらいが妥当なんじゃないかと思う。

 シャウトモンはまだしも、
スターモンズ及びスターソードは本当にどうしようもないゴミクズ
風穴開いてるし、塗装されてないし、重いし、ピックモン足りてないし、合体させ辛いし、持たせにくいし、
シリーズの大事な大事な第一弾なのに、もう泣きたくなるぐらい
 唯一の救いは「食玩版で代用できる」という点しかなく、
クロスフィギュア版のスターソードには本当に何の価値もないと断言できる

 こんなモンのために設定・デザインをブチ壊されたスターモンが可哀そう



クロスフィギュアシリーズ02
バリスタモン

 気は優しくて力持ちなメカカブテリモン。シャウトモンの女房役を務める。
ブリッツモンやボルグモンと似ているが、公式設定では特に関係ないようだ。

 元のデザインがオモチャ的なこともあり、プロポーションや雰囲気がバッチリ再現されている。
塗装・塗り分けもしっかりしていて、単純に「バリスタモンのフィギュア」としても完成度は高い。

 横から。頭部が若干浮いてるが、特に破綻もなくまとまっている。

 可動はぼちぼち。

・肩が45度ずつクリックで前後に回転
・肩が外側に、「気を付け」状態から90度、4段階のクリックで広がる
・肘が まっすぐ 45度曲がり 90度曲がり に3段階でクリック可動
・肘が45度ずつ横にクリック回転
・手首が横ロール
・足が 前に90度 直立 後ろに90度 の3段階にクリック可動  

 合体後は上半身を担当するだけあって、腕の可動は中々優秀。
足は短足な上に関節がなく、前後にしか動かないので大したポージングは取れない。
頭部にいたっては全く動かないが、ここはアニメや漫画でもそう動いてない箇所なのでそう気にならないかと。

 手首は最初、固定されてる部分かと思っていたら、
ちょいと力を入れると中で何かが剥がれたような音がして、その後は普通に回転できるようになった。
未だに良く分かってないが、組み立て時に内部で接着剤か何かが癒着してしまっているような状態だったのかもしれない。
余所でもこのような報告はいくつか見かけているので、個体差でなく仕様らしい。

 もし所持しているバリスタモンの手首回転が封印されていた場合は、
別に手首がモゲるようなモンでもないので封印を解除しておくのをオススメ。
回転が可能になる代わりに多少保持力は弱るが、固定のままではポージングが結構限られてしまう。


 また、合体ギミックの都合で胸のブロックを引き出すことができる。
この部分は玩具的には「合体ジョイント」だが、アニメや漫画では「小物入れ」として描写されている。
残念ながら玩具ではほとんど埋まっているため、何かを収納する余裕はない。

 公式サイトやパッケージでは「腕が伸びる」というギミックをやたらプッシュしているが、
実際は上の画像のように、ちょろっと1cmほど伸びるだけというションボリっぷり。
スプリング展開するわけでもないし、ていうかコレ変形の副産物だし、なんであんなにアピールしてるのやら。
…いや、「他にコレと言って書くことがないから」だというのは分かっちゃいるけど…。

 しかもバリスタモンは基本的に頭のツノや腹部のスピーカーで攻撃するため、
腕にギミックを仕込まれたところで単体では劇中の何かを再現できるというワケでもない
 でも一応、合体後には活かされる。…のかなぁ?

 シャウトモンと大きさ比較。対比は劇中でも大体これぐらいなので良い感じ。

 バリスタモンの高さは12cmほどで、2310円という定価を考えると中々キツいけども
幸か不幸か同時に出た赤いのと黄色いのに感覚をマヒさせられたおかげで、結構ボリュームを感じられる。

 

 バリスタまとめ。

 値段に対しての割高感は否めないものの、それでも(このシリーズでは)かなり良い出来。
単体でのプレイバリューはほぼ無いが、腕はそれなりに動くし、見た目が良いので特に文句なし。

 合体要員としてはある意味シャウトモン以上に重要なキーアイテムだし、
シリーズを全部揃えるつもりはないバリスタモン好きにもそこそこオススメできる良アイテムだろう。



01+02
デジクロス
シャウトモンX2

 シャウトモンとバリスタモンがデジクロス。

 まずはバリスタモンを一旦バラす。
本体から首をもぎ、さらに右半身をひきちぎり(外れるのは右半身のみ)、腹部のブロックを引き出す。
ブロックを引き出すのは右半身を分離させる前でもいつでもOK。

 バリスタモンの内部スペースに棒立ちのシャウトモンをセットし、右半身パーツを元に戻す。
さらに、引き出したブロックの溝に合わせ、バリスタモンのヘッダーを天装合体させることで

 シャウトモン!バリスタモン!デジクロース!! シャウトモンX2!! V(^^)v 三 v(^^)V

 見たまんま、バリスタモンの中にシャウトモンが入っただけの合体。
しかし公式設定を見ると、中々どうしてパワーアップしているようだ。
必殺技が妙に多いのはデジクロスしたデジモンの特徴の一つ。
正直どんな技だったか覚えていないが、「アームバンカー」はバリスタモンの腕伸ばしギミックを活かせるかもしれない。

 X2は、バリスタモンから変わり映えのしない見た目が示しているように、
飽くまで「通過点」に過ぎない合体形態であり、各作品でもあまり扱いはよくない形態の一つ。
漫画版で初合体した際のアカリの台詞「え゙っ!?え…!?微妙じゃないアレ…!?」が総てを物語っている。
しかし個人的には、変にカッコをつけてないヘンテコデザインのおかげで、親しみやすい形態でもあると思う。


 玩具的な話に戻すと、いわゆる「収納合体」なのでバリスタモンと大きさは変わらず、
むしろ角で稼いでいた分の高さが下がり、10cmほどに縮まってしまう。
勿論、全体的なボリュームや重さは増えているので、実際に手に取ってみればそう見劣りすることはない。

 横から。
腹のブロックが小さすぎるせいか、またもやバリスタモンの頭部が浮いてしまっている。やたら浮くね、こいつの頭。

 この頭部は溝に合わせてスライドさせただけの割に保持性は良く、逆さまにしても落ちないぐらい。
(付け外しも簡単だが、変な方向に力を入れるとポッキリと逝きそうなのは少し怖いかも)
シャウトモンを収納している本体のロックもカッチリしていて、合体機構はかなり堅実で好印象。

 X2の頭部は、公式絵や玩具では「黄色いシャッターが降りている」状態だが、
アニメや漫画では「シャッター部分にシャウトモンの目が見える」という違いがある。

 どうせバリスタモン時にこの部分は隠れているし、それならX2用の目を描いててくれても良かったと思うが、
見ての通りシャウトモン頭部があまり綺麗に収まってないので、ワケの分からない状態になるのを避けたのかもしれない。

 個人的には、この黄色い部分をクリアパーツにして、
「中のシャウトモンが透けて見える」という形にしておくのがカッコ良くてベターだったと思う。

 X2にDXスターソードを装備。

 X2、というかバリスタモンの腕に武器を持たせる時は、マイクかスタンドを一旦外してから棒を通す。
通常のスターソードを持たせることは不可能になったが、ま…どうでもいいことだろう。
前から見たDXスターソードが、スターモンに開いたポッカリ穴のせいでブサイクなことの方が問題だ。

 バリスタモンの腕でもスターソードが持たせ辛いのもネック。
ツバの部分であるスターモンの形の都合で持ち手が狭くなっているし、ソードの重みに手首や腕が負けることもしばしば。

 シャウトモンのみならずバリスタモン、それどころか合体後まで武器の扱いに困るとは。
もしかすると、スターソードのデキが酷いと知ってるから、玩具であるこいつら自身が持ちたくないのかもしれない。

 尚、X2の可動は当然ながらバリスタモンとほぼ同じ。

 本来ならX2はスターソードでなく、ソードと同じくスターモンズが合体した「スターアックス」が武器。
しかし玩具では再現されていないので、適当にピックモンを組み替えてそれっぽくするのが精いっぱい。

 しかしスターアックスは今のところアニメ限定の武器で、玩具以外でもゲームや漫画には登場しない。
クロスウォーズも販促アニメである以上、玩具ありきでキャラの展開が決まっているとは思うんだけど、
なんでまた玩具で再現できない形態を増やすのかはイマイチよく分からない。

 X2に武器を持たせると、シャウトモンセットの時と同じようにメットのみ余ってしまうが、
今回もシャウトモンの背面からパーツを引き出して(画像左)セットしておけば余剰対策になる。
 その状態を上から見ると(画像右)、次の合体のネタバレができあがっているぞ。

  バリスタ頭を左肩に移して肩や足の角度を調整すれば、第一話に登場した「下半身のないX3モドキ」へ合体可能。
一応この状態でも、両腕と胴体のブロックを使うことでなんとか自立できる。
これにあと下半身がつけばもうX3やX4となるのだから、このシリーズの合体機構はやはりシンプルだ。



 X2のまとめといきたいが、公式で「通過点に過ぎないキャラ」扱いすぎて、正直X2について書けることはあまりない。
合体はしっかりしてるし、「シャウトモンセットとバリスタモンを一つの形にまとめられる」のは良いけれど、どうも地味だ。
X2で遊ぶ意味を強調するためにも、スターアックスは是非とも欲しかったところ。

 まさかいないとは思うが、「X2までだけ買う」というのはオススメしない。
どうせ買うならX4まで買ってしまおう。毒を食らわば皿までってヤツだ。



オマケ

 なんとなく似てる気がして、2004~2007年にバンダイが発売していた「キーボッツ」シリーズの2体とバリスタモンを比較。
左が「アーマコング」で、右が「「メタゾードン(を変形させたメタルデビル)」。

 ちなみに2310円のバリスタモンに対し、横のキーボッツ2体はそれぞれが1680円
物価が上がっているのも勿論あるんだろうけど、やっぱクロスフィギュアってクッソ高ェな!

 キーボッツは、胴体「ロックコア」の鍵穴にブ・キーを挿してひねることで、
頭、両腕、足の4パーツが勢いよくはじけ飛ぶ「ロックブレイク」というギミックが特徴。

 ブロック玩具なのでジョイントには互換性があり、パーツを色々組み替えて遊ぶこともできる。
デザインは見てのとおり、同社の「ムゲンバイン」よりもさらに幼児向けといった感じだが、
ギミックの面白さや玩具のつくりの丁寧さは中々侮れないものがある。

 というわけで、アーマコングとメタルデビルの2体を使って、
クロスウォーズ40・41話に登場したバリスタモン本来の姿、ダークボリューモンっぽく組み上げてみた。

 えぇ、これがやりたかっただけです。
一番の特徴である「クワガタっぽい角」は残念ながら再現できなかったものの、顔が似てるのでぼちぼち雰囲気は出てるかな。
パッと見で似ていた2体を使っただけの合体だから、探せばもっと良いパーツがあるかもしれない。


 余談だが、キーボッツシリーズの主人公メカは「ジーク」と言う名前の竜人タイプで、
クロスウォーズのジークグレイモンとなんとなく関連性を感じさせる。
同じバンダイの玩具だし、名前や竜モチーフだけでなく胴体が箱なのがまたそれっぽい。大して似てはないけどね。




まとめ

シャウトモン&スターモンズ≫ オススメ度:

・武器の持ち換え遊びができる …ぐらい
×
・高い割に、食玩なんじゃないかってぐらいにショボく小さい
・(合体の中心とはいえ)プロポーションがひどく、ロクに可動もしない
・武器を持つのが唯一のギミックなのに、持たせにくい
・スターモンに穴があいていて不細工 ・ピックモンがまさかの黄色一色の無塗装
・軟質素材のため重くて扱い辛い ・結合力が弱く、バラけたりズレたりしやすい ・ピックモンが足りない


バリスタモン≫ オススメ度:

・プロポーション・塗装ともに良く、劇中どおりのイメージで立体化されている
・腕がかなり自由に動く
・全体的にカッチリしていて安定感がある
×
・単体だと地味
・やっぱり割高

シャウトモンX2≫ オススメ度:

・シャウトモンセットとバリスタモンを一つにまとめることができる
・合体ギミックがしっかりとしている
・武器を持つことで遊びの幅が広がる
×
・バリスタモンから変化に乏しく、やっぱり地味
・スターアックスが再現されていない
・バイザー部分の解釈がアニメや漫画と異なる


総評

 こうして始まったクロスフィギュアシリーズは、ある意味飛ばしすぎなスタートを見せてくれた。

 デジモンの変形合体玩具にはどちらかというとプラスの印象を持っていた人が多いだろうが、
まさか2010年にもなってこんなタワけたボッタクリ玩具があのバンダイから発売されるなんて、ウソみたいな話だ。


 まず、俺はデジモンの「合体路線」はアリだと思っている。
「複数の主人公がいて、戦闘時には一つとなって戦う」というのはスーパー戦隊なんかでもおなじみのスタイルだし、
「デジモンとパートナー」に焦点を当ててみれば、今までのデジモンシリーズにも当てはまるとも言える。
実際、ウォーゲームのオメガモンに始まり、パイルドラモン、スサノオモンなど玩具が絡んだ合体デジモンは既にいた。

 デザインがオモチャオモチャしているのも構わない。
合体オモチャを出す以上、変に凝ったデザインでゴチャゴチャされるよりは、
分かりやすいデザインで分かりやすいオモチャを出してくれる方が小さい子にもウケるだろう。
 今となってはデジモンのデザインラインは良くも悪くもかなり自由度が高いし、
合体する気マンマンなオモチャっぽいデジモンがいるのもそれはそれで良いと思う。

 でも、肝心の玩具がダメだったらどうしようもねーだろうが!!

 造形はショボいし、デザインは似てないし、塗装は省きまくりだし、パーツ足りてないし、可動も大したことはない。
合体はさせやすい…かと思ったが、しょっぱなからスターソードみたいなゴミがいる時点で手放しには褒められない。

 「サイズが小さい」のは、収集性や遊びやすさは上がるし、密度や高級感が上がったりもするからまぁいいとしても、
ここまでの糞要素を兼ね備えているくせに値段だけが一人前のビッグサイズなのはタチが悪い。

 「高い」と「ショボい」という相容れてはならない2つの要素をデジクロスさせてしまったのが運の尽き。
色々と大人の事情はあるのだろうけど、「消費者の元にヒドい商品が届いた」という事実を覆せる事情はないだろう。


 玩具の質や値段だけでなく、販売形態にも問題がある。

 まず主張したいのが、なんでX2セットとして販売しなかったのか
「単体でもプレイバリューが高い」とか「単体に分けると安く見える」などのウリがあるなら分かるが、
合体しても大して遊べない上にクソ高いこいつらを分ける必要がどこにあったのか、皆目見当が付かない。

 後続の追加アイテムはまだしも、大事なロンチアイテムで「合体遊びができるような内容」にしないでどうすんだよ。
(シャウトモンにスターソードを持たせられるからいいだろうって?ハハハそれは冗談がキツい)

 バラ売りにすることで「とりあえず好きなキャラから買ってもらおう」という経営戦略もあったのかもしれないが、
じゃあ同時に展開してたソフビシリーズは何だったんだという話になってくる。
例えバラ売りと全く同じ値段だとしても、「シャウトモンX2合体セット 定価4200円」で出してくれた方がずっと良かった。
むしろ、ドルルモンまでまとめて「X4セット」を出してくれてもいいぐらいだった。

 
 最後に一つ言っておくと、このシリーズは揃えるならいっそチーム単位で揃え切ってしまった方がいい。
ただ、主人公チームたるクロスハートは一番割高かつデキが悪いので注意してほしい。
追加要員ならまだしも、合体の中核となるリーダーがこのザマとあってはなんとも先が思いやられる…。



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