デジモンワールド2
皆泣いて喜べ!あのデジモンワールドの続編だぞ!

2000年7月27日発売
価格:5800円(税別)
公式サイト

 クソ長いのでページを分割しています。

■1ページ目:前書き 導入篇 操作編 探索編 戦闘編 育成編

■2ページ目:シナリオ編 攻略本編 まとめ


≪前書き≫

 デジモンファンに一番人気なゲームといえば、やはりPSの「デジモンワールド」だろう。
このゲームは今から10年以上前の1999年に発売されたが、未だ根強い人気を持つ。

 デジモンの住む世界、「デジモンワールド」へ召還された主人公が、「ファイル島」のピンチを救うため、
パートナーデジモンを育てて、敵と戦い、ファイル島を冒険する―といった内容の育成RPGで、
携帯ギアのデジモンの要素を、上手く昇華しつつ、尚且つ斬新で奥深いゲーム内容が好評を呼んだ。
 
 「デジモンワールド」は、「デジモン」ができてまだ初期の頃に発売されたゲームだ。
当時はまだデジモンの数も少なく、ほとんどの種族がこのゲームに登場している。
逆に言えば、開発期間などの都合で残念ながら登場しなかったデジモンも存在する。
具体的には例によってVer.5の連中や、セガサターンソフト「Ver.S」の新デジモン、
そして「デジモンペンデュラム」のバージョン1・2のデジモン(ゴツモンなど一部は登場した)だ。

 デジモンワールドの舞台は「ファイル島」という島で、ここにはVer.1~5のデジモンが生息する設定。
その設定もあり、ペンデュラムはまだしも、Ver.5の連中が登場できなかったのは非常に残念だった。


 初代デジモンに次ぐ新シリーズ「デジモンペンデュラム」は、デジモンワールドより少し早く発売されていた。
ペンデュラムは、ファイル島の近くに発見された巨大な「フォルダ大陸」が新たな舞台となった。
ここには初代のデジモンも生息するが、メインとなる新しいデジモンも数多く登場する。
さらに、ここで初めて「完全体」を超える「究極体」という新世代も登場し、デジモンの世界に大きな変化が訪れた。


 つまり、「デジモンワールド」には大きな弱点があった。
既にペンデュラムがファンの手に渡っていたため、デジワーは「発売時点でもう世界観が古かった」というコトだ。

 ゲームとして面白くても、やはり「あのデジモンが育てたい」「究極体を育てたい」などという願望がどうしても出てくる。
しかし無いものは仕方が無いので、それらの要望はデジワーの「続編」に希望を託すのが、当然の流れだろう。

 それにこの「フォルダ大陸」という舞台、まさに続編に使うはおあつらえ向きじゃあないか。
広大な大陸による世界観!多数の新デジモン!究極体の登場でさらに白熱するバトル!!
あのデジモンワールドが、さらにパワーアップして帰ってきた!!……と、続編の発売を待ち望んだテイマーは多かったコトだろう。



 …さて、逆にデジモンファンに一番不評なゲームの話をしよう。

そろそろもったいぶるのも面倒になってきたので言い切るが、その「デジモンファンから最も忌み嫌われているゲーム」こそが、
その後実際にデジモンワールドの続編として発売された、デジモンワールド2なのだった。

 デジモンワールド2が発売されたのは、2000年の7月27日。
アニメ「デジモンアドベンチャー02」が放映され、ちょうどその夏映画が上映されていた頃だ。
当時はデジモンブームの真っただ中で、ギアや初代デジワーにアニメの力が加わってデジモン人気に火がついていた、良い時代だった。

 「デジモン」がキャラクターブランドとして急成長したことでゲームの分野は広がり、
「初代デジワー」と「2」発売の間には、
デジタルカードバトルVer.WSアノード・カソードテイマーなど、他のゲームも発売されていた。
どれも悪くはないゲームだったが、やはり皆が一番求めていたモノは「デジモンワールドの続編」に他ならなかった。
 そんな子供たちの願いが届いたのか、神様は思っていたよりも早くそれを叶えてくれた…のだが…。

 満を持して発売されたデジモンワールド2。それに対する評価は、一言で片付く。


なんで育成RPGの続編が
ダンジョンRPGなんだよ!!!!


 この理解しがたい大幅な路線変更がダメだった。そりゃあもう、ダメだった
そして「あのデジモンワールドの続編」だと期待に胸を躍らせゲーム屋に走る子供達…。かなりの数の被害者が出た

(データによると、初代デジモンワールドは大体24万本、さらにベスト版が15万本ほど売れが売れた。
 一方デジモンワールド2は14万本ほどのセールス。この売上本数は、まさに少ないが、多いと形容するにふさわしい)


 デジモンワールド2は、この「路線変更の凄まじさ」と、
期待を裏切られたファンの多さ」によって、今日まで至る絶不評を築きあげたのだった。

 
 さて、そんなデジモンワールド2とはどんなゲームなのか、簡単に説明しておこう。

 …その前に、「ドラゴンクエストモンスターズ~テリーのワンダーランド~」の話をしよう
これは1998年9月25日に発売したゲームボーイソフトで、かなりのヒットを見せたゲームだ。

 主人公は「モンスターマスター」となり、3体のモンスターでチームを組み、指示を与えてバトルするというRPGだ。
冒険の舞台は「旅の扉」と呼ばれるダンジョンで、入る度に地形が変わる。
主人公の拠点となる場所から、複数ある旅の扉を選んで探索し、また拠点に帰ってくるというスタイル。
ダンジョンで出てくるモンスターに肉を与えて仲間にしたり、一番奥の階層にいるボスを倒すのが主な目的だ。

 ダンジョンでのバトルだけでなく、他のモンスターマスターとのバトルもある。
モンスターにはレベル制が導入されているが、ただレベルを上げるだけではなく、
モンスター同士を配合し、親の能力や技を引き継いだ、さらに強いモンスターを育てていくのも重要な要素だ。

 このソフトはドラゴンクエストシリーズでありながら、
いわゆる「ポケモンフォロワー」の一つとなるワケだが、歴代ドラクエモンスター(当然新規もいる)で自由にパーティを組むのが楽しく、
どんなにザコいモンスターでも、ちゃんとやりこめば強くすることができたのがまた良かった。
ハードは当時ポケモン効果で大流行していたゲームボーイなので、友達と集まってワイワイプレイするにも適したソフトだった。
実際、今このページを読んでいる人にも、このソフトを楽しんでいた人は多いはずだ。


 何故、今こんな話をするのかって?
さっきの説明がデジモンワールド2にも大体そのまま使えるからだ。

 早い話が、モロパクリ
モンスターズの発売日は1998年9月25日で、一方デジワー2の発売日は2000年7月27日。京ばりに「ビンゴ!」と叫べる。

 折角売れていたゲームの続編で、何の理由もナシに路線変更するとは思い難い。
その理由としてまず一番に考えられるのが、開発期間の短さ
現実のデジワー2は、前作デジモンワールドの発売から1年半しか経っていない段階で発売に至ったが、
この短期間で前作と同じシステムかつボリュームが倍以上の「真・デジモンワールド2」を作るのは到底ムリだ。
「デジワー」の作りこみは今の目で見ても凝っていたし、そんなデジモン達を動かす世界観を作るのにも、相当の手間が必要になる。

 ファン側としては「そんなら時間をかけてじっくり作って下さいよォォ――!」となるが、
当時はデジモンブームの真っ最中。本流となる「デジモンワールドシリーズ」の新作発売は急がれていたのだろう。

 『時間はない』『シリーズ新作はつくる』
両方やらなくっちゃあならないってのが「メーカー」のつらいところだな。
覚悟はいいか? オレはできてなかった。

 真意は分からないが、そんなこんなでデジモンワールド2はダンジョンRPGという形式で発売されてしまった。
デジワー2の数ある問題点の中でも、「正統続編のくせにジャンルが違いすぎる」という一点は特に絶不評だった。

 デジワー2より少し早くに発売されていたPSソフト「デジタルカードバトル」は、
主人公がデジモンワールドと同じデザインの別人だったりして、「初代のパラレルワールド」と言える世界観のゲームだったが、
こちらはちゃんと「カードゲームであり、デジワーの正統続編ではない」のがすぐ分かるタイトルだった。

 そんな正しい前例があった中、このコレジャナイゲーが「2」と正式にナンバリングされてしまったのは、
発売サイドの「前作ファンを釣れたらどうでもいいぜ」という意識の表れに他ならない。

 「実際はこういうゲームです」と内容を表したタイトルであれば、デジワー2がこうまで恨みを買うこともなかったはず。
パクリならパクリらしく「デジタルモンスターズ~アキラのワンダースワンワールド~」とでも名乗るべきだったのだ。

 デジワーも、カードバトルも、そしてデジワー2も、開発会社は全て同じ「ベック」だというのに、どうしてこんなコトに…。
「ああ、せめて1と同じ会社が作ってくれたらなあ」…なんていう、妄想すら許してくれない


 まぁ、出てしまったモノは仕方がない
今更になって前作と比較して、「デジワー2は育成ゲームじゃないからダメだ!」と罵倒してもイミはないだろう。
そんなワケでこのレビューでは、「結局のところ、デジワー2は一つのゲームとしてはどうなのか?」を徹底的に追及したい。
さぁ、デジワー2本編のように、長い戦いが始まるぞッッ!


≪導入編≫

 これが2のパッケージ。これだけでデジワー2がいかに前作から路線が変わったかを伺える。

 まずデジモンのチョイス。
ウォーグレイモン、ワーガルルモン、ガルダモン、ブイドラモン、ブイモン……。
見事に主役系ばっかりだ。何でかって?アニメに合わせたんだろ

 そして今作の主人公。
デザインラインが変わっているのは勿論、何よりゴーグルがついてる。何でかって?アニメに合わせたんだろ

 アニメ効果でデジモンファンが増えたのは事実だし、その層をゲームに惹きつけるためこんなパッケージにした意図は分かる。
だからそれはいいとしても、問題は、肝心の中身が古参にもアニメファンにも優しくない究極ウンチ地獄絵図だったコトだ。

 こうしてパッケージ裏に映った戦闘画面やフィールドを見るだけでも、内容が前作から変わり果ててるのが分かる。
ゲーム雑誌などの事前情報もあればそれは確信できただろうし、事前に異常を察して回避したプレイヤーも相当いるのだろう。
が、多数の無垢な子供達が引っかかったのもまた事実であり、痛ましい話だ。(他でもない自分たちがその被害者世代だし)

 「育てる!戦う!冒険する!」のコピーが載っているが、別のゲームの宣伝文句を書いちゃあダメじゃないか
こんな「前作の内容を意識したフレーズ」を持ってきたあたり、本当に「釣る」気だったらしい。

 「戦う」と「冒険する」はまだしも、ただのレベリングを「育てる」と形容するのはデジモン的には許されざる悪行だ。
このコピーを無理やりデジワー2の内容に当てはめるとすれば、
(忍耐力を)育てる!(眠気や根気と)戦う!(仕方なく惰性で)冒険する!…といったところか。

 電源を入れるとおなじみPSロゴの後、
ウォーグレイモンとメタルガルルモンの公式絵を使った一枚絵が数秒表示される。コレ必要なの?

 無駄絵が消えると、バンダイロゴの後にOPムービーが始まる。
(上のリンクは海外版 タイトルロゴ以外にムービーの違いはないが、日本版はニコニコ動画を参照 ※要アカウント)
ムービーの内容は冷静に考えるとワケが分からんが、CGのレベル、BGM、演出と、中々カッコよくてお気に入りだ。
デジビートルからデジモンを出現させたり、3対3のバトル形式だったりゲーム内容もちゃんと再現している。


 タイトル画面で放置しておくと再びOPムービーが流れ、
それが2回目以降の偶数回だと、OPのウォーグレイモンがブラックウォーグレイモンに変わる
やったね!丁度アニメでも出てた檜山グレイモンだよ!このゲーム内ではブラックウォーグレイモンは出てこないのに!
しかもよく見ると公式デザインのブラックウォーグレイモンとは配色が違ったりして、色んな意味でよく分からない。

 タイトル画面。前作もだったが、絵面的に地味だ。ウォグレとメタガルの謎カットはこっちに使えば良かったのでは?


 本編に入る前に、一応サワリとして世界観についてのストーリーを説明書から引用。
 
-STORY-
デジモンたちが平和に暮らしているディレクトリ大陸。
しかし最近、凶暴化したデジモンが街を襲うようになっていた。
デジタル・シティで暮らしている主人公が、
地域の治安を守るガードチームに入隊したのは、そんな時だった… 


 ほう、舞台は前作の「ファイル島」から移り変わり、
皆の期待どおり今回はディレクトリ大r……ん?ディレクトリ大陸!? フォルダ大陸は!?

 これこそ正に何故なのか分からないが、このゲームにフォルダ大陸は一切出てこない
どうせペンデュラムのデジモンを大量に追加するんだから、大人しくフォルダ大陸で良かったじゃんか!?
そしてまさかこれ以降も、フォルダ大陸は滅多にゲームの舞台に選ばれない幻の大地と化すとはなぁ…。


 デジワー2世界観の一番の特徴は、多数の人間が普通に存在していて、特別な存在ではないという所だろう。
生活ぶりが一切描写されないのであまり説得力というか実感は湧かないが、多数の人間が古くから暮らしているらしい。
そしてこの世界でにおいてのテイマーは、ガード・チームに属する「ガード・テイマー」と呼称される。

 敵となる「凶暴化したデジモン」は「ビースト」と呼ばれ、通常は「ワーム・ホール」というダンジョンに潜んでいる。
(ストーリーによるとたまに街を襲いに来るらしいが、残念ながら主人公はそんなビーストとは一度もお目にかかれない
ガードテイマーは「デジビートル」という戦車に乗り込んでワームホールを探索し、そこで最大3対3のデジモンバトルを行う。
 

 何にせよ、これだけではイマイチ前作とのつながりが見えてこない。
システム的には完全にベツモノだが、デジワー2はシナリオ的にはどんな風に「続編」なのか? 詳しくは「シナリオ編」で。


≪操作編≫

 今の内に言っておくと、このゲームのロードの長さはトラウマレベル
大体いつも5~6秒程かかり、しかもマップのキャラや店の配置がクソすぎて、何度も不要なロードを繰り返させられる
「途中でディスクを取り出して自分の首をカッ裂くレベル」には辛うじて達しないが、相当な苦痛を伴う。
 しかもロード画面はただの暗転で、スタッフがロード対策に凝らした情熱を表すかのように何も無い。


 ロード問題はひとまず置いといても、デジワー2は凄い。
一歩歩いただけで、もうクソゲーだと分かる

 なんでポリゴンのくせに縦横移動しかできない上にマス目の所でしか止まれねぇんだよ!!

 ポリゴンで一番でかい利点は、一つモデリングを作れば色んな角度から見せられるところだろ!?
モーションまで作ったなら、後はカメラをいじればキャラクターは縦横無尽に歩き回れるだろ!?
なんでドットより手間のかかる3Dを作っておいて、わざわざ二次元の世界に閉じ込めるんだよ!!

 それに伴ってか、このゲームのフィールドはひたすら四角く、単調極まりない
街が四角けりゃダンジョンも四角!四角っぷりに死角がないぜ!この調子だとスタッフの頭も四角いぜ!
なんでわざわざポリゴンで作っときながら、キャラの動きをこうまで制限する必要がどこに…。
そういえば、モンスターズはGBソフトだけあってフィールドは基本四角いが…まさか…いや、そんな…。


 しかも移動は、デフォルトが「走り」でなく「歩き」と来た。

 主人公含め、このゲームの全キャラクターは足の具合が悪いらしく、移動がそりゃあもう、遅い。 
主人公は×ボタンを同時に押すことでようやく「走る」ことができるが、
まるで悪霊にでも憑かれたかのような動きで「カカカカカッ!」と足音を響かせる割にわざとやってんのかってぐらいに遅い。 

 前作はちゃんと基本が「走る」だし、敵を避けたり、アイテム「健康サンダル」を使うために「歩く」ことにも意味があった。
そう、何がムカつくかってデジワー2において「歩く」ことには何のメリットもないんだよ!!

 そのくせ、イベントシーンなど「自分で操作ができないシーン」では、キャラクターの移動は全て「歩き」になっている!
「知人が襲撃を受けたと聞いて駆けつける」シーンでも、「正体がバレそうになって逃走を計る敵のスパイ」も、皆がゆったりと、歩く!!

ただでさえチンタラしている上に、ジグザグ移動しかできないからイベントシーンの冗長感は留まるところを知らない!
キャラの動きを見ているだけで腹が立つ!コントローラーの入力をキャラクターが拒む度に絶望感がプレイヤーを襲う!!

 なんでわざわざこんな速さが足りない仕様にしたんだ?
キャラのスピードをこのゲームのロード速度に合わせたのか?

 ちゃんとテストプレイしてないんじゃないか。ていうかしてないだろ
こんなんプレイしたら、誰でも「移動が遅い」と気付くし、「このままじゃダメだ」と思うはずだ。思ったけど直さなかったの?
っていうか、本当に前作作ったところと同じ会社なの?「実は違う」と言ってくれた方が俺は幸せだぞ

 デジワー2をクソゲーと呼ぶには、ロード時間とかバトルとか前作との比較を持ってくるまでもなくこれだけで十分だ。
ゲームにおいて重要な要素である「移動」をここまで蔑ろにできるゲームが、面白く作られているはずがない!



 ○ボタンを押すと、目の前にいるキャラクターと会話。流石にここでまで問題はない…と思いきや。 

 じっと大人しくしているキャラはいいが、問題はクマみたいにその場をウロウロと動き回る奴らだ。
この世界の住民は、足が悪い上にパーソナルスペースがやたら広いようで、
少しでも移動を始めるとその移動先のマスに主人公は入れなくなる上、移動に満足するまでこちらの呼びかけに応えてくれない。

 会話時にはウィンドウが現れ、上部に角度のついた顔グラが表示される。
しかし顔グラがあるのはテイマーぐらいで、デジモンと会話してもそのほとんどに顔グラはない。
顔グラは会話中の2人分が両サイドに表示されるが、キャラの名前は会話の一部として流されてしまう上に、
発言していない側のアイコンが暗くなるなどの処置もなく、
オマケに顔グラがないキャラもハンパに混ざっているせいで今は誰が発言しているのかが分かり辛いコトが多い。

 尚、ガード・テイマーはポリゴンが一部で使い回されていて、話しかけるまで誰なのか特定できないコトも多い。
そう言えば、デジワー2の人間のポリゴンはどの程度作りこまれたモデリングなのだろう?
 ゲーム中ではアップになるコトがないので、どんなモンなのかは通常のプレイでは知り得ない)




メニュー

 △ボタンを押すとメニューが開かれる。ここに限った話ではないが、文字がやたらと小さくて見辛い。

 これがメニュー画面だが……スペース駄々余りすぎだろ!
所持金以外にも主人公の基本情報とか現在編成中のデジモンとその状態ぐらい表示しとけや!!


 未プレイの人には、まさかダンジョンに入ってもこのままだなんて信じられないだろう。
きっと俺の記憶違いだろうとゲームを起動してワーム・ホールに入ってみても、現れたのは上の画像と同じだった。


 ◇ステータス
 ・じょうたい:主人公の名前、ランク、所持金、デジビートルの状態、編成したデジモン及びその状態の表示
 ・デジビートル:デジビートルのパーツ設定の表示
 ・だいじなもの:イベントアイテムなど、消費系でないアイテムを表示

 ステータスの項目では、上の3つを選んで表示する。 最初からメニューに表示してくれりゃあ良いものばかりだ。


 ◇アイテム

普通のゲーム:アイテムを選ぶ→「使う」か「捨てる」か選ぶ
クソのゲーム:「使う」か「捨てる」か選ぶ→アイテムを選ぶ

 デジビートル用の回復アイテムや、デジモン捕獲用のプレゼントなど、
色んな用途のアイテムがあるが、全てがいっしょくたにされて表示される
アイテムの並びはカテゴリなどで勝手にソートされるのはまだ良心的だが、どうせならグループ分けもしてほしい。

 アイテム表示は 「フロッピー ×4」のような分かりやすいものでなく、

フロッピー
フロッピー
フロッピー
フロッピー

 という分かり辛いだけのクソ仕様。前作はちゃんと「○○×4」みたいな表示だったのに。
(ちなみに「モンスターズ」もアイテムはこの表示形式だったが……まさか…まさか、ね……)

 ちなみにアイテムは「デジビートル(手元)」と「サーバー(預かり所みたいなの)」があり、
デジビートルは上記のクソ表示なのに、サーバーではしっかり「○○×4」と表示される。何の嫌がらせだ。

 手持ちアイテムはリストのページ送りも糞で、例えば1ページ目では「1列目と2列目」が表示されているが、
一つ移動して2ページ目に行くと「2列目と3列目」が表示されるので、無駄に紛らわしい。


 そして全アイテムにアイコンが作られていた前作とは違い、近作のアイテムは全て文字だけの存在
消費アイテムどころかイベントアイテムですら、やっぱり文字だけの存在
アイテムを唯一修飾してくれる説明文も、簡素どころか説明不足が目立つモノが多い。

 ところで、「アイテムつかう(すてる)」というインディアンみたいなカタコトのウィンドウの横にまた枠があるが、
普通のゲームなら思わずそこに分かりやすさを重視して「選択中のアイテムのカテゴリ」を表示させるところだが、
デジワー2は選択中アイテムと同じ名前を表示させるというムダ仕様。「大事なことなので2回言いました」ってか。
 てかマジで、個別グラフィックは作れなかったにしても、せめて色分けとかカテゴリごとのリスト分けぐらいはしてほしかった…。
 

 ◇デジモン
 ・デジビートル =手持ちのデジモン
 ・サーバー   =預けているデジモン

 自分のデジモンの状態を見る。(詳しくは「デジモン編」で)


 ◇へんせい

 デジビートルにいるデジモンから、バトルに参加するチームを選ぶ。
てかこんなの「デジモン」の項目でできるようにしとけよ。


 ◇てんそう

 デジモンとアイテムを、デジビートル・サーバー間で移動させる。シティなどの施設内でしか行えないコマンド。
当然ながら、デジビートルに乗せておかないとデジモンは戦えないし、アイテムも使えない。
また、デジモンやアイテムはデジビートルのパーツによって乗せられる限度が変わる。
デジモンは転送時に「ガードチームに寄付」を選ぶと手放すコトもできる。見返りはない。

 問題は「アイテム」。
なんと、お店で買ったアイテムは、現在の手持ちアイテム枠の空きに関わらず全てサーバーに送られる

 …スタッフは何考えてんだよ!
必要だからこそアイテムを買ったのに、なんでわざわざ手間がかかる上にうっかり忘れるような場所に送るんだ!?

「車でレストランにでかけて料理を注文したが、中々来ないと思ったら料理は駐車場に届けられていた」ぐらいの糞サービスだ。

 ただでさえデジワー2はアイテムが無いとダンジョン探索ができないのに…。
どれほどのプレイヤーが何度転送を忘れ、アイテムが無いコトに気付いてから悲しみの帰還を繰り返したことだろう。

 デジワー2慣れしている訓練されたテイマーでも、この「転送」は忘れがちだ。
ていうか、忘れずともメンドくさいのに変わりはないし、まさに糞仕様としか言いようがない糞仕様だ。


セーブ・AP起動

 状況によってメニュー中のコマンドが切り替わり、
ダンジョン外ならセーブ、ダンジョン内ならAP起動(=オートパイロット起動。ダンジョンからの脱出コマンド)となる。

 ダンジョン内でセーブができないのはゲームバランスを思えば妥当とも言えるが、
クリアするのに1時間以上かかるようなダンジョンがホイホイあるのに、途中でセーブできる救済処置がないのは不親切だ。
中断できないとダルいからというのは勿論だが、純粋に時間の都合でクリアできない人も出てくる。

 気の利いたゲームならセーブ可能ポイントを用意したり、ダンジョン内セーブ用のアイテムを作ったりするだろう。
モンスターズがまさにそうだったじゃないか!ちゃんと良い所もパクれよ!

 そしてダンジョン外でも施設やワーム・ホールのマップ選択画面でしかセーブできないのは意味が分からない。
例えばシティ内でぶらついている時なんかは「セーブ」が薄く表示されていて、選ぶコトが出来ないのだ。おいおい。

 そう言えば、セーブができる画面でも、例えば何か適当なダンジョンにカーソルを合わせた状態でセーブしても、
再びゲームを始めた時には何故かカーソルがデジタル・シティなどの「直前に立ち寄った施設」に合わさっている。
つまり、「現在位置」の詳細をセーブで記憶するコトができず、マップ上のみでのセーブという仕様になったのだろうか?
というコトは、プログラム、あるいはプログラマーに問題があった可能性が高い。…もっと頑張れよ!

 尚、セーブにはメモリーカードの容量を2ブロック使うが、
作成できるセーブデータが「メモリーカード1つにつき3つまで」というのは個人的に不便だった。



 まだゲーム本編に触れていないのに、メニューだけでも不満点がこんなにある。
慣れるとその内感覚がマヒして気にならなくなるが、メニュー関連はもっと親切にしておくべきだった。
こういう「とりあえず親切にしておけば間違いはない」所をテキトーに作ってしまうのは、あまりにも勿体ない。


≪探索編≫
  
 前作では自由にフィールドを移動できたが、
今作で「冒険する!」には、「デジビートル」とかいう謎ビークルに乗らなくてはならない。
今作の特徴とも言えるデジビートルは、ワーム・ホールに挑むガード・テイマーなら誰でも持っているマシンだ。

 デジビートル

 そんなワケで、ワーム・ホールの探索はこのデジビートルのお世話になる。
相変わらずのマス目移動で死にたくなるが、斜め移動ができる分、この世界のテイマー達よりは優れている。

 デジビートルには多数のパーツによるカスタマイズ要素があるので、紹介を兼ねて説明。


ボディ
 デジビートルの素材。能力には影響しないが、装備可能なパーツに関係する。
スチール(青)、ミスリル(緑)、アダマント(赤)と3段階に強化され、その度にデジビートルの基本デザインも変わる。
 ちなみに、OPやパッケージなどでお馴染みなのは、初期のスチールタイプ。
ミスリルタイプはカードダスのイラストにもなっていたが、アダマントタイプのイラストがあるかは不明。

エンジン
 デジビートルのHPとなる。戦闘でダメージを受けるワケではなく、「トラップに対する耐久力」を指す。
デジビートルの「HP」(と下記の「EP」)が0になると、ワーム・ホールからシティへと強制送還され、
オマケに故障を起こして1000bitを修理費にとられてしまう。

バッテリー
 ワームホールを一歩ごとに1消費する、EP(エネルギーポイント)となる。
ゲーム序盤は、なんといってもEPのやりくりに苦労させられる。

メモリー
 デジビートルにデジモンを搭載できる数。

ボックス 
 デジビートルに乗せられるアイテムの数。

レッグ
 レベルが高いほど、強い酸性沼からのダメージを防ぐことができる。

アーム 
 ワーム・ホール内に散らばっている電磁ジライを除去する。

ハンド
 宝箱に仕掛けられていたトラップを解除する。

電磁センサー ■バグセンサー
 ワーム・ホール内の「電磁ジライ、電磁スポーン」や、巣を作っている「バグ」を発見する。

DM(デジモン)トランサー
 ビーストを捕まえた時、ボックスがいっぱいだとデジモンと泣く泣くお別れとなるが、
これを積んでいればボックスが満タンであってもサーバーに送るコトができる。

大砲
 5種類ある。ボディのランクが高いほど多くの大砲を同時に装備できる。

 ・シューターガン
   戦闘時にアイテムを使ったり、敵デジモンを捕まえる「プレゼント」を使うための大砲。
  ほら見ろ、「主人公が常に乗り物の中にいる」なんて変な設定にするからこんな無駄な構図ができてしまうんだ。

 ・バグコロガン
   バグを除去する「バグコロ」を撃つ。
  デジビートルに侵入してきたバグにはバグコロガンがなくてもバグコロを使えるが、巣を破壊するには必要となる。

 ・ミサイルランチャ
   電磁スポーンや大岩を破壊するミサイルを撃つ。
  弾は1回ごとに消費するのでとても非経済的。
  障害物自体のランクはヘボいのに手元に高級ミサイルしかない時なんかは特に悲惨。アームパーツあたりで頑張れないものか。

 ・レイキャノン
   ワクチン種を強化する「VCムキムキ弾」、ウィルス種を弱体化させる「VRヨワヨワ弾」といった、
  状態異常に関するアイテムを打つ大砲。発射するアイテムのネーミングセンス並に使用頻度は低い。
  
 ・デスキャノン
   専用アイテムを消費することで敵デジモンを攻撃できる大砲。
  自分のデジモンとは別行動扱いで攻撃できるので有用…とみせかけて、
  弾丸の威力がカス同然でレイキャノンより役立たずの名前負け大砲。ていうかミサイルランチャで攻撃しろよ。


視界レーダー → パワーレーダー(シナリオ途中で強化) ※
  ワームホール内を見るためのパーツ。

索敵レーダー ※
  現在のフロアをマッピングし、さらにそのマップを見るためのレーダー。

オートパイロット(AP) ※
  ワームホールから抜け出すための装置。パーツと言うより、機能の一つ。


 デジビートルは上記のパーツから構成されているが、無駄に分類しすぎだ。
アームとハンドは一つにまとめて問題ないし、大砲もどんなタマでも打てるヤツが一つあれば事足りる。

 デジビートルに関する作業は、各施設にある「メカニックルーム」で行う。
装備できるパーツやタマ、デジビートル用回復アイテムなどを揃えたショップもそこにある。
EPを回復させる「バッテリー缶」や、ワームホールでパーツが壊れた時用の「パーツ直し」は特に重要。

 上記のパーツ郡は、センサーやレーダー類と大砲、AP以外にはそれぞれ種類があり、カスタマイズすることができる。
そう聞くとなんだか楽しそうだが、どんなパーツをつけてもデザインは変わらないので、カスタマイズの楽しさのほぼ全てが殺がれている。


 せめて、スピードを上げたりして「使い勝手を自分好みに仕上げること」なんて要素があれば良かったが、
そんなプレイヤーにとって気の効いた要素がパーツに設定されているはずもない
 そしてパーツ性能は完全に「数値が高いか低いか」の差しかないため、
最強パーツを手に入れてしまえば、もうそれ以下のパーツは全部ゴミ扱いとなる

 ていうか見た目が変わらないなら「パーツを付け替える」意味は全くないんじゃ?
これなら全部「デジビートルを改造して性能アップ」で済んでしまう話だ。
パーツに個性を出すために、酸性沼にはさほど耐えられない代わりに移動が速くなるレッグパーツとか
デジモンの搭載数は少ないが中にいるとレベルが上がりやすくなるメモリーパーツとか、いくらでも工夫はできたろうに…。


 エンジン・バッテリーにいたっては「パーツ交換」のほか「パーツ改造」が存在する。
これは、パーツを交換する代わりに、今のパーツを改造して数値を上昇させるもので、
その度費用はかかってしまうが、新しいパーツを買うのに比べれば比較的安価、といった具合だ。

 安いのはいいが、同じ「パーツの性能アップ」を図る要素が2つもあるのはおかしい。
実際、このゲームでは「交換」も「改造」も揃って死に要素となってしまっている。
改造によりエンジン・バッテリーはそれぞれのパーツが「レベル1~5」に分かれることになるが、こんなのは2~3段階で十分だろう。


 他の面がクソすぎてあまり知られていないが、デジワー2は「パーツの性能差バランス」も相当ヤバい。
折角デジワー2についてアレコレ話せる機会なので書いておこう。

 最初のエンジン「ウルフEG」は、初期だとHPが800だ。
改造することで、 800→900→1000→1100→1200 と強化されていく。

 ウルフEGの次に発売されるのが「レオパルドEG」
これは最初からHPが1200あり、その後改造によって 1200→1300→1400→1500→1600 となっていく。
 この時点で「弱い方のエンジンの最大改造時=強い方のエンジンの無改造時」なのがポイント。
この時点でもうバランスがおかしいが、デジワー2は留まるところを知らない。

 ウルフEGは初期装備なので最初から持っているが、1000bitでショップでも売っている。
改造は費用がかかる上に、 1150→1450→1900→2500 と、レベルに伴い費用も上がっていく。
 結局、ウルフEGをレベル5にするには、合計8000bitもかかることに。 

 では、レオパルドEGはいくらだろうか? まず適正価格を考えてみよう。
 性能的に 最強ウルフ=最弱レオパルド なのだから、レオパルドEGは大体9000bitといったところだろう。
こうすれば同じHP1200でも、安く済んだ分「ウルフEGを改造させたこと」に意味はあるし、
レオパルドEGはその後の改造で強化できるのだから、レオパルドEGの存在価値を奪うことも無い。

 こんな感じで、 「弱いパーツを最大まで改造した費用」 ≦ 「強いパーツの値段」 
とバランスを維持していけば、一応は存在意義が完全になくなるパーツは出てこないはずだ。


 …しかし、デジワー2にそういうバランスが期待できないのは既に分かってること。
性能的な数値が 最強ウルフ=最弱レオパルド なのだから、
どーせ費用の方も数値的に一緒にされてて、レオパルドはウルフの合計費用と同じく、8000bitなんだろう。

 …と思ったら、レオパルドEGがたった2500bitって本気で頭おかしいだろ!!
これじゃあ弱いエンジンを最後まで改造する意味が完璧にどこにもねーじゃねぇか!!

 恐ろしいことに、これ以降も全て 弱い方を改造した費用 > 強いパーツの費用という奇跡のバランスで調整されている。
性能面での数値バランスは多少改善されていくが、「改造するだけ損をする構図」は最後まで直らない

 バッテリーはエンジンに比べてパーツ数自体が少ないのでまだマシだが、結局こちらも改造は損。
わざわざパーツ改造なんて要素がいらなかったことがよく分かる。


 …そして、実はパーツ交換の方も、全然活用することなく終わる
エンジンは全部で10種類あるが、大半のプレイヤーが使うことになるのは、せいぜいその内3~4種類だけ。

 まず、デジビートルがビーストとの戦闘に加わるわけではないため、
デジビートルのHP自体はそれほどゲームにおいて重要にならない
それに、デジビートルのHPを回復するアイテムが充実していて、ピンチに陥ることはそうそう無い。
つまり、HPの強化自体がそこまで必要性のある行為ではないので、パーツ全否定をさらに上から否定されることになる。

 重要なのはダンジョン内での行動力に直結するEPに関する「バッテリー」の方なので、
やろうと思えば(多少運要素は加わるが)エンジンは初期装備のウルフEGだろうとラストダンジョンを攻略も可能なぐらいだ。


 そして、「ほとんどのプレイヤーが使うことになるのはその内3~4種類だけ」と言った理由。

 ゲームの途中、デジビートルのボディを強化するアイテム「ミスリルコア」「アダマントコア」を手に入れるイベントがある。
それに伴い、「スチール」タイプから「ミスリル」「アダマント」へとデジビートルが強化されていく――というのは、上でもサラッと触れた。
 
 ボディ強化の際にエンジン交換が必要になるのでその2つと、初期装備のウルフとで3種類。
残りはクリア後にもらえる最強エンジンだが、クリア後もデジワー2をやりこむとは限らないので、3~4種類というわけだ。


 パワーアップはかなりめんどくさい。
 例えば、「デジビートルをミスリルタイプに改造してもらう」時、
その時点でつけているエンジンは「スチール専用」なので、「スチール/ミスリル両用」のエンジンを買ってこなくてはいけない。
「スチール用」「ミスリル用」を2つ用意するのでなく、「両用」のエンジンが必要なのだ。
ボディ強化→エンジン装備 という手順を踏めばいいだろうにそれができないわけだから、この世界のメカニックは相当無能なのが窺える。

 この時に買うことになる「ペガサスEG」という名前は、デジワー2プレイヤーにとって印象深いんじゃないだろうか。
何しろ、パワーアップの際に必要な2ボディ兼用エンジンは、ミスリル用とアダマント用とでそれぞれ1種類しかない

 まぁ、パワーアップイベントは丁度いいエンジン交換タイミングとも言える。
ゲーム自体が「これさえ買ってりゃ他のはいらねぇよ」と教えてくれているわけだ。
ただ、やはりそこはデジワー2。パワーアップの際にもやっぱり問題点がチラホラ出てくる。
 
 まずウザいのが、「20000bitもするくせにHPが2000しかないペガサスEG」と同時に、
「5000bitと実にリーズナブルな上にHPが1600もあるタイガーEG」が同時発売されることだ。
 肝心の、ミスリルへの改造へ必要な「ミスリルコア」を手に入れるのはこれらのエンジンが発売されて少し後のことなので、
折角タイガーEGを買ったのに無駄になってしまった、というケースもあるだろう。
そしてタイガーEGはスチール専用なので、そのままではミスリルに強化することができない。

 ボディを改造する「ミスリルコア」「アダマントコア」は話の途中で必ず入手するが、
ボディ改造自体は話の流れに直接関与しないサブイベントなので、ある程度はスルーすることもできる。
 ただ、そのまま進めていくにつれて店に並んで行く強力なパーツは、当然上位ボディ専用装備なので、
よほど妙な拘りというかやり込みを見せるつもりでもない限りは、大人しく割高エンジンを買い、強化してもらった方が楽だ。



 改造といえば、電磁センサーとバグセンサーも3段階に強化することができる。
こちらはセンサーに色々種類があるわけでなく、単に「改造」だけで済むので分かりやすい。
ただ、こちらは最高レベルまで上げても全然アテにならないという別面での問題を抱えている。


 大砲のレイキャノン、デスキャノンもレベル3まで改造が可能だが、最後までショボいままなので放置しても良い。
せめて何のタマも必要とせず攻撃・援護に使えたならまだしも、貴重なアイテム枠を潰す程の価値は無い。
せいぜい、ダンジョンで拾った弾丸をヒマ潰し感覚で使うぐらいだろう。

 その他、アイテムを使うだけのシューターガンはともかく、ミサイルランチャが改造できないのは問題だ。
仮にデジビートルが最強装備でも、タマがなければどんなにショボい遮蔽物も突破することはできないのだ。
何らかの手段で、「低レベルのトラップをコスト無しで破壊」できるようになればどれほど良かったか…。

 一方、レッグ・アーム・ハンドパーツは改造でなく「交換」に徹しているが、
デザインが変わらない以上こいつらも「改造」だけで良かっただろう。この一貫性の無さが無駄だし分かり辛いしでイライラする。


 結局、マトモなのはカスタマイズ性が一切無いレーダーとオートパイロットだけという凄まじいことになった。
上辺だけのボリュームを作ったせいで、単にゲームのとっつきやすさが失われただけに終わった好例だ。

 カスタマイズはアレだが、デジビートル用のアイテムを色々と揃えるのはそれなりに楽しい。
しかし、アイテムがデジモン用と混同される上、所持限界も同様にカウントされるのがネック。
 常識的に考えて、デジモンのHPを回復するためのディスクや
大岩破壊用のドリルミサイルなんかを同じ場所に保管しているなんてありえねぇ
し、しっかりと別扱いにして欲しかったところ。


 どうあれ、仮にデジワー2のデジビートルやカスタマイズ性がゲーム的によくできていたとしても
そもそもデジモンのゲームにビークルのカスタマイズなんて要素はいらないわけだ。

 デジワー2にいたっては「肝心のゲーム内容がお粗末すぎるのでムリヤリ付けたした要素」といった感じだし、
別に磨けば光る要素でもないから、今後も別にデジビートルが大きく取り上げてほしいとは思わない。
(ポケモンでいう「じてんしゃ」みたいな高速移動手段としてなら歓迎できそう)


ところで全パーツ装備してもパーツ欄が一つ空くのが地味にイライラするんですが


 「ワーム・ホールを探索する」というコンセプトはいいとしても、
一体どうしてこんな「乗り物で移動する」なんてアホゥな発想に至ったたんだろう?
主人公がシナリオ序盤で自分用のデジビートルをもらった際、デジビートルは「万能戦車」と絶賛されていたが、
ワームホールにおいて一番の危険要素である「ビーストデジモンに対して単独で応戦することができない
…というあまりにも重大な問題を抱えたこのスクラップが、一体どう万能だというのだろう。
本当にダンジョンを探索するためだけに存在するので、何か間違ってる感をひしひしと感じる。

 アナログの少年や太一のように、「デジモンとカッコよく活躍する自分」を妄想するテイマーは数多くいても、
カナブンみたいな戦車の中からパートナーへ指示を出す自分の姿に憧れていた奴は流石にいなかっただろう。

 大体、「危険ながらも自分の身を顧みずパートナーに指示を出すテイマーの姿」はカッコよく映るだろうが、
自分は安全なマメタンクの中にいて、デジモンだけは外に放り出して敵と戦わせる」なんて、構図的にもダメすぎる。

 モンスターズはダンジョン歩く時にもこんな変な戦車は使ってないし、
ちゃんとここもモンスターズをパクって「テイマーが後ろにデジモンをゾロゾロ釣れて歩く」ってのをやってほしかった。
(その後、パクリかどうかはさておきデジワー3やデジストではそうなった)

 折角、今回は一人で沢山のデジモンを引き連れることができるのに、
戦闘時以外はどいつもこいつもデジビートルの中に引き篭もってしまうので、
「こんだけのモンスターを連れている俺すげぇ!」と絵的に楽しむことすらできない。地味にすごく大事なところなのに。
ていうかデジワー2は、主人公と自分のデジモンが画面上に同時に存在するという場面がゲーム中で一度も無い

 それにしても残念なのが、デジビートルが「自律型のビークルではなかった」こと。
どうせなら喋ってくれて、プレイヤーのサポートをしたり話に直接絡んでくるなんてこともあれば、もっと印象は違っていたはず。
ゲーム中では「俺のデジビートルは大人しくしてたか?」とキャラの発言もあり、
設定的にデジビートルは自律型メカだったという可能性はあるが、結局ゲーム中では何も喋らないため、全然愛着が湧かない。

 ワームホール
 
 自分用のデジビートルをもらった時点で初ミッションは終えているので、
プレイヤーは既にワームホール内のデザインに絶望した後だとは思うが、この点は最後まで全く改善されないので安心。


※これでもクリア後の隠しダンジョンです

 こんなにも残念な環境なのは「ワームホール」内だけのことで、このディレクトリ大陸にも並の自然環境は整っていると信じたい。

 ワームホールはゲームの進行具合によって色々と数が出てくるが、
その名前はどれも「シリアル」「プロット」~など、どれもコンピューター関連の単語が使われている。
「デジモン」のゲームとしては粋な計らいかもしれんが、はっきり言ってすごく分かりにくい

 どこがどういったワームホールなのかの説明になってないし、
子供向けのゲームだと考えれば、もっと普通の分かりやすいネーミングでも良かっただろう。

 ワームホールは階層タイプのダンジョンで、
各フロアにある「ゲート」を見つけて通り、より深いフロアへと進んで最深階層のボスを倒すのが基本的な目的だ。
自分が移動した道を記録してくれるオートマッピング機能がついているので、これを頼りに彷徨うことになる。

 マップは「全画面に広くフロアを全体表示」「画面右に小さく自分の周囲だけ表示」「非表示」を
セレクトボタンで簡単に切り替えることができる(俺は全体表示をいつも使っている)。
マップは半透明で表示されるが、スタートボタンを押している間は濃く表示させることも可能。

 マップには簡単に「自分」「敵ビースト」「トラップ」「ゲート」が表示される。
しかし、敵ビーストの詳細は近づいている時しか分からないし、トラップもどういう種類のモノなのかまでは教えてくれない。
特にトラップは、マップに表示される以外にも自分が踏んづけてはじめて存在が分かるものもある。
長いことプレイしていれば「絶対ここにトラップがあるぞ!」と分かるようになってくる。


 ワームホール内にあるトラップなどの紹介。
トラップにもレベルがあり、レベルが高いものほど対応も厄介になる。基本的には色やデザインで見分ける。

電磁スポーン Lv.1~Lv.5
 触れるとデジビートルにダメージが出る厄介なスポンジボブ。
通路を塞いでいる奴はまだしも、通路でいきなりバチンと登場するタイプもいて心臓によろしくない。
デジビートルの「電磁センサー」で発見・回避するか、「マグネミサイル」「波動ミサイル」を叩き込んでブッ壊す。
ただぶつかっても壊れてくれないので、「洗車ごっこ」なんかしているとすぐにヘロヘロと強制送還される。

大岩 Lv.1~Lv.5
 岩とは言うが、どう見ても人工的なブロック。親の仇と言わんばかりに通路を塞ぐ。
通路でジャマな点では電磁スポーンと変わらないが、こっちは触れても何も起こらない地味なヤツ。
スポーンのように隠れ潜んでいることも無い。こっちは「ドリルミサイル」か「波動ミサイル」で壊す。

電磁地雷 Lv.1~Lv.5
 緑色のチップのような地雷。
踏むと様々な効果があり、特に被害がないこともあれば、デジビートルに一撃必殺を食らうこともある困ったちゃん。
「電磁センサー」で予め発見することができる他、「アーム」で除去できるのでパッパと潰していこう。

酸性沼 Lv.1~Lv.5
 ただの色違い床でとても「沼」には見えないが、沼らしい。
上を歩くとデジビートルにダメージが及ぶが、「レッグパーツ」を強化することで対応できる。
レッグを強化したゲーム終盤では完全無効化され、見た目通りに床の彩色程度にしか思われない可哀相なトラップ。

バグ(の巣) Lv.1~Lv.3
 床に空いている穴。上に乗ると、デジビートルにステキなお友達がご招待される。
効果は「侵入した瞬間」にまず一度発動し、その後、デジビートルが移動する度に発動。
バグは数種類いて、効果もデザインも異なる。

 ・H-バグ
  HPバグ…かと思いきや、ハッピーバグらしい。タチの悪いコンピュータウィルスみたいだ。  
 HPでなくデジビートルのEPを吸い取ってくるので、ゲーム序盤では厄介。

 ・B-バグ
  ビットバグ。デジビートルに侵入されると、所持金が減っていくというリアルに嫌なバグ。
 アキラさん、貴重品はデジビートルに渡してないで自分の財布にでも入れて持ち歩いてください。

 ・R-バグ
  リターンバグと書いてトラウマと読むこのゲーム最大最強の敵
 現在自分が連れているデジモンを、全くの無差別でランダムに数体サーバー送りにする
 「さあ!このホールももうすぐでクリアだ!」って時に一軍をヒョイヒョイと返された時にはもう涙しか出ない。
 何が酷いって、不意に侵入されると確実に1体は戦闘チームとして編成中のデジモンが吹っ飛ばされることだ。

 ・Z-バグ
  ザシキーバグ。「Z」だなんて字面的に一番強そうだが、空気として一番だった。
 侵入されるとデジビートルのデジモンボックスの空き枠に居座る、というだけ。
 ボックスに余裕のない序盤ではちょいと迷惑だが、実害はないので適当に歩き回って帰ってもらうことも可能。


 巣は「バグセンサー」で予め発見できる…はずだが、センサーの隙を突いてことあるごとに不意打ちをしかけてくる。
バグに絞りつくされるか、ある程度満足させてやるかすると帰っていくが、できればさっさと「バグコロ」で巣ごと除去してやろう。

 尚、バグの巣を踏んでもその巣は消えない。
「侵入してきたバグ相手」でも「巣そのもの」に対してでも、使った時に消費するバグコロは同じ量なので、予め巣を壊すに越したことは無い。


属性床 
 酸性沼とはまた別に、絨毯が敷かれたかのように色が変わっている床がある。
この上で戦うと、色に応じた属性のデジモンが強化される(その際、戦闘フィールドの床も色が変わる)。
ボスデジモンのいるフィールドには、ボスに有利に働く属性床が敷かれていることも多い。


宝箱 

 いかにも宝箱って感じの黄色い箱。
ただのアイテムボックスと思いきや、トラップが仕掛けられていることがある。ていうかほとんどの場合にトラップがついている。
デジビートルの「アーム」でトラップを解除することができるが、最強アームでもダメな時はダメ

  「宝箱には罠が仕掛けられている!」
  ↓
  「罠は解除できそうだ!」
  ↓
  カパッ
  ↓
  ドガーン!! 「視界レーダーが壊れた!!」
  ↓
  「宝箱は空っぽだった」

 という流れもデジワー2ではよくあること。



ビーストデジモン

 今回はシンボルエンカウント式で、これは数少ない前作との共通点だ。(同時に、数少ないモンスターズとの違い)。
 
 敵シンボルは1体のみが表示されるが、実際戦ってみると大抵は2~3体のチームを組んでいて、
(=チームのリーダーがシンボル)
また、そのチームは必ずワクチン・データ・ウィルスの「属性が同じデジモン」で組まれている。

 わざわざシンボル用にポリゴンを作っているのはいいが、
そのせいでシンボルに限りがあり、マップで会えるデジモンは極一部になったのはなんかマヌケだ。
 
 部屋にいるビーストの場合は「同じ部屋に入る」ことで、
通路を塞いでいるビーストなら「一定以内の距離に近づく」ことで、ビーストデジモンとは「ロック状態」になる。
(部屋でなく、通路をデジモンがふさいでいる場合も。この場合はある程度近づくことでロックされる)

 この状態の時、こちらが「移動」「調べる」「トラップを破壊する」など行動を起こす度にビースト側も反応してくる。
基本的には「こちらの1アクションに対してビーストも1マス近づいてくる」が、
シンボルによっては「こちらの一歩に対して二歩近づいてくる」イヤな奴もいれば、逆に「逃げていく」奴もいる。
ちなみに、このロック状態の時だけ□ボタンを押すことで相手のチームを確認できる。


 戦闘により相手を倒す、あるいは逃げると敵シンボルは消滅する。
同時に複数のビーストと接触していた場合、片方の戦闘が終わった後、続けて次の戦闘に入る。テンポが悪いせいで一層辛い。


 戦闘については次の章で書くとして、先に「プレゼント」の話。
 ロック状態で敵チームを確認時、デジビートルにシューターガンを積んでいれば敵に「プレゼント」を渡すことが出来る。
するとプレゼントの量やランクによって敵シンボルの頭上にハートマークが現れ、
そのチームと戦闘し、最後に倒したデジモンに「仲間になる可能性」ができる。
ハートマークは3段階の大きさで表示され、勿論大きいほど仲間にしやすい(また、世代が上なほどハートは大きくなり辛い)。

 プレゼントは消費アイテムで、ダンジョンで拾ったり、ショップで入手できる。
プレゼントにはランクがあり、さらにワクチン・データ・ウィルス用それぞれに分かれていて、属性が違うと与えても無視される。
(たまに、属性があっていても無視されることもある)
全種族対応のプレゼントもあるが、どうせ買うなら目当てのデジモンに合ったプレゼントを買った方が安く済む。

 「プレゼントを渡す」のもマップ上では「1アクション」とみなされ、その度ビーストも行動を起こしてくる。
ピノッキモンのように逃げていくシンボルなら安全に勧誘できるが、
普通は近づいて来るので、何の考えもなしに渡していては、こちらが十分にプレゼントし終える前に接触されてしまう。
そのフロアにいる限りは、「どいつに何をどのぐらいプレゼントした」という情報は残っているので、
ヤバいと思ったら一旦逃げて、入り口が2つある部屋なら逆側からプレゼントを再度与えるなどの工夫が必要になってくる。



 この章のまとめとして、
見た目こそ単調極まりないが、ワームホール内での探索はプレイしていると意外と面白い。
ワームホール内の汎用BGMがいかにも「探検!」って感じでワクワクできるのも大きいかもしれない。
…が、「デジモンのゲームでコレやる必要あったの?」って言われたら何も言い返せない

第4章「お前らもう喋るな」 バトル編

 ワームホール内で敵シンボルと接触すると、
「アラート音」と「携帯機デジモンのバトルサウンド」が流れ、画面が回転しつつバトル画面へと切り替わる。
この演出は結構気に入っているが、ロードが遅いおかげで既にテンポが酷く、バトル画面が表示される前からBGMだけはどんどん流れていく。

 そしてロードの末に現れる、このあまりにもあんまりなバトルフィールド
ワームホールの時点でかなり酷かったが、まさかバトル画面でまで同レベルの景色を見ることになるとは

 → 

 恐ろしいことに、ボス戦だろうがラスボス戦だろうが、この手抜きフィールドで戦うことになる。
(正確に言えば、属性床上でのバトルのみ違いが出るが、床の色が変わるだけなので…)


 バトルはターン制のコマンド式で、何度も言うが最大3対3で行われる。
相手を全滅させればこちらの勝ちで、経験値とお金がもらえる。1体で勝とうが3体で勝とうが経験値は同じ。
死ぬ(実際は「気絶」)とそのデジモンに経験値は入らず、復活させるか編成を変えるかしない限りずっと死体のままバトルに駆り出される。

 レベルが上がるとHP・MPが全快するのは親切。
「そろそろレベルが上がるな」というタイミングで、そのデジモンに消費MPの多い技をガンガン使わせ、
そうでないデジモンはガードでMP回復に専念するなどの工夫もできる。

 しかし、いくら経験値を稼ごうと「1回のバトルごとにレベルは1しか上がらない」のは残念。
普通のゲームなら大したことじゃないが、何しろデジワー2はダルいのでできるだけ戦いたくない。
(経験値自体はカウントされているので、この場合「次のレベルまで必要経験値0」という状態が続く)

 逆にこちらが全滅するとゲームオーバー。
タイトル画面まで強制送還、つまりセーブ前の状態まで戻されるので、絶対に避けるべき事態だ。
普通にプレイしていればそうそう全滅しない難易度だが、全滅時の絶望感はただごとではない。


 さて、テイマーが行うコマンドの説明。

めいれいする
 各デジモンに指示を出す。行動は「すばやさ」が早いデジモンから先。

キャノン
 デジビートルに搭載している大砲を使い、サポートを行う。
サポートはターン開始時に行われ、どのデジモンよりも早い。
このサポートコマンドを行う、行わないに関わらず、各デジモンへの指示は出せる。

にげる
 戦闘から離脱する。逃げられない場合もある(成功確率は自軍と敵のレベル差に依存?)
無駄な戦闘を避けたいゲーム後半になるにつれて使用頻度が上がるコマンドだが、
ロードを経て切り替わった「戦闘画面」でなく、「ダンジョン画面」でシンボル相手に行えるコマンドだったらどれほど楽だったか…。


 デジモンが行える行動には「たたかう」「ガード」がある。
ガードは「そのターン中ダメージを軽減する」という言われるまでもなく分かる内容だが、
MPを全体の1割ぐらい回復する効果も持つので、ヒマな奴は優先的に行うといい。

 「たたかう」は、デジモンが覚えている技を出すコマンドで、いくつか種類がある。

 ・アタック
   攻撃技。単体技と全体技がある。技によっては特殊効果つき。

 ・カウンター
   使うと「カウンター待機状態」となり、攻撃を受けた際、その相手に反撃行動をとる。
  大体のカウンター技には「カウンター成功時には威力が上昇する」など、何らかの追加効果がある。
   誰も攻撃してくれなかった場合は、ターンの最後、命令時に選んだ相手に対し「アタック」として攻撃する。
  全体攻撃を使ってくる敵がいれば確実に発動できるが、1つの攻撃に対しカウンターできるのは1体だけ。
 
 ・インタラプト
   「インタラプト待機状態」となり、敵が攻撃を行う直前に「割り込む」ことができる。
  技によっては、割り込むことで攻撃ついでに敵の技威力を下げたり、MPを奪うなどの効果が得られる。
  カウンターに比べ「任意で対象を選べる」点で優れるが、割り込みそびれたらそのターンは何もできずに終わる。

 ・アシスト
   補助技。回復したり、能力を上げ下げしたり、属性を付加したりする。

 技は全て上記の4つのどれかに分類されている。
技はたまに失敗し、その際は総じて「アタックしっぱい」と表記される。…単に「しっぱい」でいいんじゃ?


 ところで、このゲームには通常攻撃がない
通常攻撃がない仕様のRPGゲームはいくらでもあるが、デジワー2のシステムで通常攻撃が存在しないのは問題だ。

 どの技でもMPを消費して、トドメやザコへの攻撃が億劫なのは勿論だが、個人的にそれ以上にイヤなのが「説得力がない」こと。
全身凶器といって差し支えないデジモン達が、何故「殴る」の一つも満足に行えないのか


 通常攻撃が存在しないのは前作「デジモンワールド」も同じように思えるが、
デジワーは各デジモンごとに「セットできる汎用技」が存在し、これが「通常技」のポジションだ。
セット技はデジモンによっては重複するが、どの技が使えるかはデジモンごとに違っているし、
これとは別に、各デジモンごとに「必殺技」も設定されているから、各デジモンで十分な差別化ができていた。

 一方デジワー2では、各デジモンごとの「必殺技」以外は、ジョグレスを通じて親の技を遺伝するのみ。
「親の技を遺伝」ということは、「親の必殺技を遺伝する」という意味。
 そう、ゲーム中におけるこれらの技は全て「必殺技」扱いなのだ。
設定的には必殺技でありながらもゲーム中では「汎用技」として扱われるわけで、違和感が酷い。
こんなこと説明したくもないが、必殺技は必殺技だから必殺技なのであって、汎用技は必殺技ではないはずだ。

 それに、設定的にもサポート能力や回復能力を持つデジモンはいるが、「必殺技が攻撃ではないデジモン」なんてのはほとんど存在しない。
辛うじて、相手の戦意を喪失させる「バナナスリップ」や「オーシャンラブ」が存在するぐらいだし、
攻撃技であるアタック、カウンター、インタラプトはいいとして、「アシスト技」なんてどう数を揃えるつもりだ?

 …と思っていたら、アシスト技のほとんどが、
ニセドリモゲモンのような色違いデジモン達や、ゴブリモンなどのデジワー初登場のザコデジモンの持ち技とされていた。
 というか、必殺技ですらない。
例えばニセドリモゲモン本来の必殺技は「ニセドリルスピン」だが、
デジワー2では「インプラント」という「味方の技に機会属性を付加する」ゴミ技をもらっている。

 おかげさまで、他の「本家」とも言うべきデジモン達は、
本来の設定どおりの必殺技をひっさげ、「必殺技=攻撃技」として無理なく落ち着くことができたのだ。


 …いやいや、肝心の疑問が解決していない。
結局、デジモン全部の技が必殺技というわけでなく、中途半端にゲーム用の新技を作られたことに違いはない。
そもそも何故、汎用技を新規に作らず、わざわざデジモンの必殺技を汎用技として引き継がせるのか…


 まず、「親の技を遺伝する」という発想も、この場合モンスターズのパクリだ。

 モンスターズ(ドラクエ)においての「技」というのは、固有の必殺技ではなく、
むしろデジワーの「セット技」に近い、汎用性の高いものだ。
極端な話、仮にウォーグレイモンがホイミやメラゾーマを使ったところで、見た目的には特に変でもないだろう。
 
 だがデジワー2、いや、デジモンにおいてそれはどうだろうか?
同じ「デジタルモンスター」とは言え、デジモンの「必殺技」は本来各デジモンのみにしか使えない技だ。
各デジモンに備わった「体の一部」や「秘められた力」を用いて、初めて発動できる設定である技も少なくはない。
だがそれが遺伝できて、他のデジモンにも使えてしまったら…? 矛盾が生まれまくるに決まっている。

 「技を受け継がせる」という要素をパクるにしても、なんで安易に「必殺技」をその対象にしてしまったのか…。
悲しいことに、この何も考えてない仕様は、デジワー2に限らず他のデジゲーの大半にも使われてしまっている


 そしてこの仕様のせいか、ビーストデジモンは基本的にその種族の必殺技一つしか技をもってない
つまりほとんどの場合敵は毎ターン同じ行動を取ってくるので、戦闘のクソつまらなさに拍車をかけてくれる。

 通常攻撃がないなら、「必殺技が攻撃でないデジモン」が敵として登場した時は一切攻撃できないのかと思いきや、
本来の技に加え、何らかの攻撃技も持ち合わせているため、捕まえると得した気分になる。
…いや、これぐらいは最低でも全てのデジモンにあるべき姿だったんだが……。
(特殊な例として、オオクワモンやマリンエンジェモンなどは、
 本来の必殺技も攻撃技だが、それがゲーム中で強力なので優先度を下げるためか、複数の技を持っている)

  
 案の定ゲームバランスも良くはなく、ダルいくてヌルい
いくらプレイヤーは多くの敵と戦うことになるといっても、大半の敵は技を一つしか持っていないのだから当然だ。

 その上、技ごとの「使いやすさ」にも幅ができてしまっていて、
カウンターとインタラプトは比較的マシだが、アタックとアシストは死に技の宝庫

 当然のことだが、ゲームが進むにつれ「成長期」や「成熟期」のザコい技なんてどうでもよくなる。
特殊効果があればまだしも、ただの弱攻撃は当然敵が強くなるにつれて活躍の場は減ってくる。
それでも消費MPが少なければ使い道はある…はずだが、貴重な「使える技の枠」を潰してまで残す価値はない


 アタックは威力の平均化が酷い。
一番弱い技の威力が20であることに対し、最強の技でも威力がたった120にしかならない。
全体技にいたっては単体技に比べて「消費MP多め」「威力抑えめ」に調整されているため、最大でも威力が90にしかならない。
どれも威力がチンケなせいでダメージが大きくなりにくく、戦闘のテンポがますます冗長になる。
 威力差がないどころか、実際全く効果が同じである技もあり、手抜きっぷりが露骨に表れている。

 そしてアシスト。回復技は便利だが、能力変化・属性付加系の技は軒並み終わっている
「ワクチン・データ・ウィルスの相性」「炎や自然といった属性相性」が全然機能していないからだ。
チンケなサポートをしている暇があれば、敵を直接殴った方が早い


 戦闘には状態異常もあるが、これまたほとんどが死に要素。
 特に酷いのは「戦意喪失」で、これは「敵に強い技を出させなくする」というもの。
技を色々持っているプレイヤー側にしか威力を発揮しない不公平な技だが、
「強い技」という基準が曖昧で、強力な技が普通に使えるときもあれば、ザコい技が使用不能になってたりと意味不明。

 逆に、状態異常の中で「混乱」だけは非常に強力で、効果は「技のターゲットが選べなくなる」というありがちなものだが、
何故か全体攻撃を行う相手を混乱させると、治るまで必ず自軍に全体技を繰り出すようになる。
(しかし、自軍側が混乱に陥った時は「インタラプトを使えば安全に行動できる」という穴も存在する)


 技がヒドいのは、その攻撃を放つ際のモーション、及びエフェクトもそうだ。

 まず問題なのが、どの技もデジモンがその場から一歩も動かないで放つこと。
火炎やビームなどの発射系はともかく、パンチや武器攻撃といった格闘技まで同じなのは見て呆れるしかない。
「携帯機デジモンのリスペクト」とでも言う気なんだろうか。

 デジモンのモーションと技エフェクトのミスマッチも酷く、
「必殺技は本来のデジモンしか使えない」という点を上手くクリアしているわけもなく、見るに耐えないものばかりだ。

 例えば、グラウンド・ゼロ。
これはスカルグレイモンの背中に見えている、ミサイルを発射する必殺技だ。
つまりこの技を正確に成し遂げるには「スカルグレイモンが」「背中のミサイルを撃つ」のが最低条件だ。
 だが、遺伝のおかげでデジワー2では他のデジモンでもこれを使うことができる。
適当なデジモンで使ってみると、デジモンの目の前にいきなりミサイルが形成され、それが飛んでいく。
 一方、当のスカルグレイモンでグラウンド・ゼロを使っても、背中のミサイルは微動だにせず
他のデジモン同様に目の前にミサイルが形成されて飛んでいく
あたり、演出に統一感を持たせようというスタッフの心意気が伺える。

 お次はグレイソード。言うまでもなく、オメガモンの必殺技だ。 
ただの斬撃エフェクトにすりゃいいものを、グレイソードの刀身がデジモンの前に形成されてて飛んでいったのを見て、我が目を疑った。
そのせいで、当のオメガモンがグレイソードを使うと、
グレイヘッドから出したグレイソードにまたグレイソードのエフェクトが被さるという念の入ったクソ演出を見せられることになった。


 この他にも、演出的に無理があるのはいくらでもある。
そも各デジモンの技モーションは「格闘」「射撃」「サポート」の3種類しかないので、
もはやデジワー2のデジモンはどの技を使おうがマトモに技を撃ってるようには見えない
せめて本来の必殺技ぐらいマトモに撃って欲しいところだが、デジワー2は本来の必殺技が特にマトモに撃てない

 この点で一番有名なのはブイモンだろう。
アニメでもお馴染み、ブイモンの必殺技「ブイモンヘッド」はその名のとおり頭突き攻撃だ。
さあ、デジワー2でブイモンヘッドを使ってみよう。何のためらいも無くパンチを繰り出すブイモンを見て言葉を失うぞ。
だからスタッフは何考えてんだよ!!


 個人的にムカついたのが、メガドラモンのモーション。
メガドラモンの必殺技「ジェノサイドアタック」は、腕のメガハンドからミサイルを撃つ技だ。
ならば当然、射撃モーションは両腕を前に構えるべきなのに、何故か両腕を横後ろに伸ばし、口から何か撃つモーションになっている。
おかげでデジワー2のジェノサイドアタックはメガドラモンの口から発射されることになった。
 その後、メガドラモンで回復技を使って気付いたのは、サポート技だとメガハンドを前に向けた動きをする。バカなの?

 凄まじいことに、Ver.1~5のメタグレ系、つまり有機体系ミサイル軍団は一人としてマトモにミサイルを撃てない
メタルグレイモンは自分の胸のハッチが開くことを忘れて口からギガデストロイヤーを放つし、
スカルグレイモンとメガドラモンは上記の通り、腕の先だの口からだのミサイルを撃つし、
アンドロモンはデジワーから引き続きガトリングミサイルでなくスパイラルソードが必殺技扱いなので、演出以前の問題だ(悪いとは言わない)。

 トドメが、今回ポリゴンで初登場のメタルティラノモン。
こいつは右腕からギガデストロイヤーⅡ、左腕からヌークリアレーザーを撃つ設定だ。
さあ、デジワー2で彼の必殺技、ギガデストロイヤーⅡを放とう! みんなの期待通り左腕から撃ってくれるぞ!!


 こんな感じで、モーションにロクに拘りが感じられない。
しかしオメガモンは、各デジモンに必殺技が1つしかない都合でガルルキャノンはこのゲームに存在しないのに、
射撃モーションではご丁寧に砲身まで出してガルルキャノンらしき動きを取ってくれたりする。
(解析によると、ガルルキャノンはデータ的には一応存在するとか。他、ディアボロモンのパラダイスロストが没技)


 攻撃モーションも酷いが、案の定ダメージモーションも酷い。
カードバトルやアリーナもそうだが、「攻撃を当ててやった!」という爽快感がない

 攻撃側が技を撃つ → 場面転換していきなり吹っ飛ぶ敵 という昔の特撮みたいな演出で、手応えがない。

 例えばこっちがビームを撃ったとすると、こちらが撃ったビームは敵に届かず、
敵さんはまるで地雷でも踏んづけたかのように足元から発生した爆発によって吹っ飛ぶ

 「吹っ飛ぶ」とは言ったが実際には後ろに飛ばず、その場で跳ねるので「ズッコける」という表現の方が近い
しかもスッ転んだ後、「まだ生きてます」と無駄に起き上がるモーションが入るせいでますますテンポが悪い。
ガード中のデジモンは攻撃を受けてもなんとか堪えるので、ガード中でなくともHPがゼロにならない限り同じ「堪える」演出でいいのでは…。

 全体攻撃になんかはさらに酷く、
被弾もズッコケも一体ごとに描写するのだからいよいよ嫌になる。
最後の起き上がりモーションだけは3体一気にまとめてくれているが、スタッフにはもうちょっと早く正気になって欲しかった。
わざわざズッコケを一体ごとに見せるのは、ズッコケ時に被ダメージも同時に表示する都合上、それを分かりやすくするためだろうが、
そんな気遣いをしてくれるより先に少しでもHPゲージを見やすくしてくれた方がよほど嬉しい

 ダメージによりHPがゼロになった場合、起き上がろうとするも「ガクッ」と息絶える。
倒されたデジモンはバトルが終了するまでそのまま放置されるのがじわじわくる。


ちなみにこれが手抜きとウワサの「属性床によって変化したフィールド」

 
 …さて、恐らくデジワー2プレイヤーは「もっとツッコむべきところがあるだろ!」と期待しているだろう。
その通り、デジワー2のバトルにおいて、一番ヤベェのは必殺技のバーゲンセールでも、モーションの酷さでもない。

、だ…。


 デジワー2のバトルでは、技ごとにボイスが設定されている。 
「デジモンが必殺技を叫ぶ」という構図はアニメの影響だろうが、これこそデジワー2最大の失敗の候補だ。

 この酷さは知らない人に文章で説明するのは難しいので、
実際にプレイするか、せめてプレイ動画を見てもらうでもしてくれないと伝わりにくいだろう。
参考としてYoutubeのこちらの動画を拝借しておこう。(ウォールさんありがとうございます)


 まず酷いのが行動の度に無駄な声が入るせいで、いらんロードがかかること。
例えばデジモンが「アタック」行動をすると、「アタック」とテロップが出てから、2~5秒ほどロードが入る
これが毎度毎度行動の度に繰り返されるのだからマジで死にたくなるぞ。実際、「永遠の」ではないが眠りについてしまう威力だ。

 何より酷いのが、致命的に声があってないこと。 
「デジモンごとに声が設定されている」のでなく、「技ごとに声が設定されている」故に起きた、悲劇的糞仕様だ。
その声というのも「男性2人(1人、あるいは3人かも?)」「女性1人」しかなく、あまりにも選択肢がなさすぎる。
(ちなみに、タイホウ使用時にもこの女性の声が出る。これは主人公=アキラの声なのだろう)

 こんな中途半端な心意気で全技に声を当てようなんて無謀もいいところだ。
スタッフロールを見ても誰が声を当てたのか全く分からなかったので、声優でなくスタッフがてきとうに担当したのだろうか。


 仮に、必殺技が各デジモンごとに固有のものだったら、そのデジモンのイメージに合った声を当てればいいだけだが、
このゲームでは必殺技を遺伝するという糞仕様からは逃げられない。
成長期の技に女性が子供らしい声を当てたとして、その技をゴツい究極体が使っても、同様の声が流れることになる。

 いや、それでも「本来のデジモンにあった声を設定する」というのが、一番正しい選択肢だっただろう。
そうすれば最低でも、本家の放つ必殺技はさほど違和感なく繰り出せるのだからな。
…おい、ブイモンヘッドの声にオッサンを起用した奴はちょっと出てこいよ
マジで一体何考えてんだよ!?


 デジワー2の酷さを他人に伝えるには、ブイモンヘッドが一番いい例かもしれない。 
「ブイモンが」「手抜きフィールドで」「長いロードを挟みつつ」「オッサン声でブイモンヘッド!と叫んだ後」「パンチする
…という、悪夢のような光景を見れば、いかにデジワー2が足を踏み外しているかがすぐ分かる。


 「こんな声なんていらんからオフにしてくれよ」というのが正直な感想だ。
声が消えた分ロードが短くなれば儲けモンだが、別に短くならなくともこんな声はいらん。

 ちなみに、個人的なオススメ(?)ボイスはケンタルモンの「ヘァンティングキャノォン!?」や、ハヌモンの「ドはつてんっ…!」、
ズドモンの「ハンマーッ!…スパァ!」や、インペリアルドラモンの「メガ…d・s…!」などだ。
どうせマトモにカッコイイ声は全然ないから、一週回って笑えるものを探した方がまだ前向きだろう。

 ところでこの声、海外版でもそのままらしい。わお。



 デジワー2のバトルは、何の考えもなしに人気ゲームの要素をパクろうとしてダメになった好例だ。
ゲームバランスもボロボロで、一部に強い技がやたらと固まっていて、残りはどうしようもないクソ技ばかりだし、
ロードが遅いことも相まって、バトルの演出にはどれもイライラさせられる。
 今回は「育成」がなくなってしまった分、他の「ダンジョン探索」や「バトル」の部分を面白くしなくてはならなかったのに、
まるで製作者自ら「これは手抜きゲームなんだからそんなのいちいち期待すんなよ」と言ってるかのような出来だ。

 必殺技は各デジモン固有の攻撃技と統一しておいて、その違いは威力や追加効果だけでいいし、
ジョグレスによって引き継ぐのは必殺技でなく、デジワーのセット技のような汎用技にしていればよかっただけのこと。
ボイスはどうあがいて考えてもいらないので素直に消し飛ばしておくのが一番利口だ。

 フィールドデザインに関しては、担当をクビにしてマトモなスタッフを呼ぶしかないが、他はもっと頑張れたはず。
せっかく戦闘BGM(ニコニコ動画)は前作に劣らず素晴らしいものが揃っているだけに、非常に残念だ。

 俺は中ボス戦の曲(最初のレオモン戦で聞ける奴)が大好きだが、安定して人気なのは通常戦闘曲だろうか。
どっちにしろ、肝心のバトルがクソすぎて盛り上がれないという結論に落ち着いてしまうのだが…。



 …ああ、すっかり忘れてた。「対戦モード」について書くならここしかないな。

 デジワー2には、何故か対戦モードがついている。
とはいっても、デジワー2のバトルはコマンドバトルであり、
携帯機のようにプレイヤーごとに画面があればいいが、据え置き機、つまり1つの画面で対戦が成立するはずがない。

 なので対戦モードのルールは専用のモノに変わっている。
「流石のスタッフもそこまでバカじゃなかったか」と安心したいところだが、むしろこちらの予想を超えていた

 折角だから、自分のデータ同士で戦わせてみたぞ。

 対戦モードは

・本編と変わらず、最大3対3のチーム戦
・攻撃時には○ボタンを連打してブーストゲージを「技のあるところ」で止めることで敵を攻撃する
威力の違う技をたくさん持っているほど、ブーストゲージが技で埋まる
・技は威力のみが認知され、特殊効果や消費MPは無視される
アシスト技なんてなかった
・全体技は通常通りだが、単体技は目の前の敵しか狙えない
・3ターン後、より大きなダメージを与えていた側が勝利

 というルール。
バトル編だけでこの言い回しを何度使ったか分からんが、また使わせてくれ。
スタッフは何考えてんだよ!!


 全く面白くないのは勿論だが、
プレイしてみたところ、どうもゲーム中での能力が対戦モードには反映されていないのが相当ヒドい。
というのも、能力的には大差ないはずの2体が、お互いに一撃で瀕死に追い込まれたからだ。あからさまに本編とゲームバランスが違う。
それじゃあわざわざデータをロードして戦わせる意味がねぇじゃねーか!!
 勝った所で記録も特典もなく、わざわざ対戦用に技を調整する価値も全く無い、まさにクソモードだ。

 フィールドは対戦モード専用のモノですらなく、
これはデジタルシティのコロシアムで使っているのと同じなので、その点でも褒められない。
BGMは辛うじて専用のモノ…だったと思うが、どこかで流用されていた気もする。


 久しぶりにプレイしてみたが、やはり恥さらしにしかならないモードだった。
「オマケ」のつもりで入れたんだろうが、無い方がマシだ。
ディーワングランプリも似たようなモンなので、もうスルーでいいや…。


第5章「拡がりゆく格差」 デジモン編

 バトルの仕様を聞いた時点で察しがつくだろうが、デジワー2のデジモンは薄っぺらい。

 モーションパターンはかなり減ってるし、技ボイスのインパクトが凄すぎて気付かなかったが今回鳴き声すらありゃしねぇ
デジモンが前作に比べて一気に増えたのは嬉しいところだが、肝心のゲーム内容がそれどころではない。
折角デジモンが増えても、ゲーム中で見られる図鑑的なモノは一切ないのだから益々喜べない。

 ポリゴンは前作・カードバトルに登場済みのものは流用されているが、ほとんどが新規だ。
ただ新規ポリゴンび数が多いせいか担当者の味が出すぎるのかは知らないが、統一感の無さが目立つ。
ウォーグレイモンなんかは実にカッコイイものの、頭身が高すぎてメタルガルルモンと全くつりあっていない
まるでデジワー3のような頭身になっていて、その後の「カードアリーナ」では他と馴染むよう、低い頭身にわざわざ修正されたほどだ。

 個人的にデジワー2のポリゴンといえば、今にも上半身と下半身が分離しそうなダークティラノモンや、
アリーナ版を見た後だとビックリするほどブサイクなリリモンなどが印象深い。
出番に恵まれずデジワー2のみの登場となったポリゴンは結構多いので(Ver.5の連中とかね)、気になる人はチェックだ。

 さて、メニュー画面の「デジモン」で見られるのがこの画面。
一応、デジモンのビューモードも兼ねているが、
 
・(デジモンは横回転して表示されているので)そのスピードをいじれるが、回転を止めることはできない
・角度をいじれるが、「横回転」+「正面~斜め70℃程度の縦回転」しかできず、真上や煽り~真下からは見ることが出来ない
拡大・縮小できない
本当にただ回るだけで、ボタンを押しても何のモーションも見ることが出来ない

 という微妙っぷり。
デジタルカードバトルでは好きな角度から自由に見られたし、いらん回転もしないし、
ズームも当然できるし、ボタンを押せばエフェクト無しの必殺技モーションが見ることが出来たのに、何この落差


 各デジモンに備わっている要素で、
ステータス画面で見られるのは「種族」「世代」「属性」「レベル」「ステータス」「経験値」「親」「技」。

 属性はゲーム的に死んでるので気にしないでいい。
デジモンだけでなく「技」にもついているが、揃って仲良く死に要素だ。

 一応、折角だから、ここでこの糞属性についても書いておこう。
属性は「炎」「水」「自然」「機械」「闇」「なし」で分かれている。
なんでデジワーと同様の分類にしなかったんだろうな?
相性や属性といった要素は毎度毎度わざわざ変える必要はないし、増してや今回は、一応続編に当たるのに。

 デジモンごとの属性割り当ても、適当ここに極まれりって感じだ。
デビモンなんかは素直に闇属性だが、それに対するエンジェモンなどの神聖系が軒並み「属性なし」ってのはダメだろ。
神聖系に限らず、この「属性なし」って奴の数が普通じゃなく、
攻略本のデジモン一覧をパラパラと見ていたら、一部が特に凄いことになってて目を疑った。

ティラノ師匠:属性なし 
パンジャモン:属性なし

ホエーモン:属性ミズ
ホーリーエンジェモン:属性なし
マンモン:属性なし

メタルグレイモン:属性キカイ
もんざえモン:属性なし
ライドラモン:属性なし
ワーガルルモン:属性なし
インペリアルドラモン:属性なし
ウォーグレイモン:属性なし
オメガモン:属性なし
ジジモン:属性なし

スカルマンモン:属性ヤミ
セラフィモン:属性なし

 なんじゃこりゃ

試しにワクチン種だけ数えてみたら、なんと56体中32体が属性なし!
折角なので調べてみると、データ種は58体中14体、ウィルス種は63体中10体が属性なしで、合計すると177体中56体が属性なし
つまり全体の1/3が属性なしというなんともアホな事実が判明。いいのかよ。

 神聖系のみならず恐竜系にも属性がないグレイモンとかティラノモンはどう見ても炎属性だろ!
オマケに、獣系のデジモンにすら属性がないグレイモンもガルルモンもオメガモンすら無属性なのはデジワー2だけ!!
どういう判断基準のもと、自然属性があるのにジャングルモジャモンやツチダルモンを属性なしにしたのだろうか。

 ゲームに「属性」という要素を出すなら、普通は全キャラになんらかの属性を持たせるはずだ。
「無属性」というグループを作るにしても、デジワー2のこれはそういう問題じゃない。スタッフはよほど納期に追われていたのか。

 「技」の方の属性も似たようなもんで、「デジモンには属性があったが技のほうにはない」というパターンもチラホラ。
さらにインタラプトの大半が属性なしだったり、アシストの10割が属性なしだったりと凄い。
「味方に○○属性をつける」という技すら属性なしなのはもう笑うしかない。

 
  
 さて、「レベル」はRPGでお馴染みの、上昇に伴い能力が上がるというもの。今作における進化条件でもある。
レベルには上限があり、「ジョグレス」で伸ばす。
素材になる2体の、 (高い方のレベル) + (低い方のレベル÷5) で計算された数値がジョグレス後の限界レベルとなる。

 なので、ジョグレスを繰り返せば上限が伸びるというわけではない。…、ジョグレス回数依存で良かったんじゃね?
レベルは最大99まで上がるが、ゲーム的には35ぐらいで十分ラストまでいけるバランス
それに、99まで上げるのも改造無しでは精神的に不可能だ。


 ステータスはどれも同じ3ケタなのに、何故か「HP・MP」「攻防」「速」の3つで数値バランスが狂っている
例えばHP・MPが300ぐらいのデジモンは、攻防が100、速が60ぐらいのステータスになる。
これは、攻撃力に秀でたデジモンの攻撃力が自分のHPより数値的に上回れないというバランスだ。なんかカッコつかんね。
 能力は3ケタである以上、どれも最大999まで伸びるんだろうが、これもやはりマトモにプレイしている分には上限到達は無理だろう。


 経験値=レベルの上がり具合は、恐らく全デジモン共通。
手持ちの2体が同じレベルで同じ経験値だったし、深く調べる気にはならないので、そういうことにしておく。

 「親」は、そのデジモンがジョグレスで生まれたデジモンである場合のみ表示される。
しかし親に関してはここに書いてある分が全てで、能力や所持技やレベルもなく名前しか見られないので何の役にも立たない。
 

 △ボタンで技画面に切り替わるが、見難い上に不親切の塊だ。
特にアレなのが、消費MPは書いているくせに、肝心の技の威力が書いていないこと。
 例えば「インタラプト」はアタックとしても使える技、単にサポートな技と分かれているのに、
「威力」が書いていないので実際に使わないとその判断ができない
そこらへんはテキストの説明で補ってくれれば済む話だが、補ってくれなかった

 全体に効果のある技は、その説明として「ぜんたいに~」などと書かれているから、
逆に単体技では「敵一体に~」とか「味方一体に」とか書くのが当然だろうに、「敵に~」「味方に~」で終わっているので混乱する。

 技の並び替え?
できるわけないだろ



 この他、「能力適正」「進化ルート」「ジョグレスグループ」「ジョグレスポイント」などの要素があるが、前3つはゲーム中で見ることができない。

 能力適正、つまりレベルアップ時の能力の伸び具合だが、
これはデジモンごとでなく進化系譜ごとに設定されているため、個々のイメージにはあまり合わない。
(HPは伸びるが素早さが全然伸びないガルルモンなど、そういうのばっかり)
適正は攻略本でも「○」「△」「×」の3段階で書かれている程度なので、具体的にはどういうものなのかは不明。

 それはまぁいいとしても、進化関連の情報がここまで不透明で不親切なのは酷い話だ。
どいつが何に進化するのか、というヒントや記録される場所はゲーム中に一切ないから、攻略情報がないと相当辛いはず。


 このまま進化関連の話。
各デジモンにはそれぞれ「進化ルート」が決められていて、
例えば、アグモンなら アグ→グレイ→メタルグレイ→ウォーグレイ と進化先が決まっている。

 デジモンのレベルが11になれば成熟期、レベルが21になれば完全体、レベルが31になれば究極体への進化タイミング。
しかし、規定のレベルに達してから、施設内の「進化係」に頼まないと進化できないのが大問題。
 …これがどれほどゲームのテンポを狂わせてくれたか……。

 「進化」のメリットで大きいものは「戦力の上昇」だ。つまり、進化を一番欲しているのは敵と戦うダンジョンの中だ。
それに敵と戦って経験値を積み、レベルが上がって進化へと近づくことができるのもまたダンジョンでのこと。
だのに、いちいちダンジョンから出てシティに戻らないと進化できない。これがいかに腐った仕様か…。

 デジワー2の凄い所は、何か一つの糞仕様が他の糞仕様と共鳴して更なる高みへと駆け上ることだ。
 今話した「ダンジョンでは進化できない」という糞仕様は、
「戦闘のテンポが致命的」「1回の戦闘につきレベルは1しか上がらない」という糞仕様と禍々しい融合を果たす。
そのおかげで、「経験値を沢山くれる敵も、それに勝てる強い味方もいるのに、レベル1の成長期を成熟期に進化させることすら苦痛」という、
とてもクリア後のゲームで起きるとは思えないストレス現象も引き起こす。


 進化ルートについて話を戻そう。
デジモンが増えたのだから、前作以上にバリエーションに富んだ進化を期待したいが、前作よりも選択肢は狭まった
例えば前作ならアグモンはグレイモンだけでなくティラノモンやバードラモンにも進化できたが、
今回のアグモンは何をどう頑張っても成熟期はグレイモンのみ

 折角途中で進化が2~3通りに分岐したのに、最終的に結局1つにまとまってしまう場合も多い。
さらには テント → カブテリ → アトラーカブテリ → ヘラクルカブテリ といった具合に、
成長期から究極体まで完全一本道なルートすら何個も存在するのには困ったもんだ。
 せめてテント~ヘラクルのように、妥当と言うか正統な進化ルートなら一本道でもまぁいいが、そうでないのも多い。
オーガモンがエテモンにしか進化できないとかもなぁ…。ヴァンデモンとか色々いるだろうに。

 また、進化ルートは基本的に「同じ属性であること」を条件に作られている。
確かにペンデュラムやアニメ以降、「デジモンは基本的に同じ属性のデジモンに進化する」みたいな暗黙の了解ができあがっている。
そして アグモン→グレイモン のようにイメージピッタリの進化はなくてはならないものなのも分かる。
でもその進化しかできないというのはゲーム的につまらない。

 グレイモン(ワクチン) → スカルグレイモン(ウィルス) や、
 ティラノモン(データ) → ティラノ師匠(ワクチン)   のように、属性を無視した進化も存在するが、残念ながらごく僅か。

 結局、「進化の選択肢が少ない」ということも相まって、「不自然」あるいは「面白みが無い」進化ルートが目白押し。


 恐ろしいことに、完全体、あるいは成熟期で進化が止まってしまうルートまで存在する。
スカモンが成熟期どまりだったり、ガーべモンが完全体止まりなのはまぁ仕方ないっちゃ仕方ない気がしないでもないが、
ムゲンドラモンがいるのにメガドラモンもメタルティラノモンも完全体止まりって本気で頭おかしいだろ!!

  やっと念願のポリゴンデビューを果たしたというのに、Ver.5イジメは止まるところを知らず、
「デジタルモンスター」のページでも書いたが、メタルティラノ、ナノ、エクスティラノは3体揃って完全体止まりだ。

 折角なんで、進化が途中で止まってしまう哀れな奴らをリストアップしておこう。

 ・成熟期止まり
  ケンタル、サンドヤンマ、ジャングルモジャ、スカ、ヌメ

 ・完全体止まり
  ヴァーミリ、トリケラ、エクスティラノ、ガーベ、
  ギガドラ、ナノ、ベーダ、メガドラメタルティラノ

 …ところどころ、「なんでこいつが進化できないの?」ってのが混ざっている。
まさかケンタルモンが成熟期どまりだなんてな。前作でプレイヤーを困らせた罰かもしれない。

 デジワー2に限らないが、俺は「デジモンによっては途中で進化が止まる」という仕様が大嫌いだ。
「進化するのが難しい」ならプレイヤーの腕の見せ所だが、「進化できない」なんて言われちゃもうどうしようもない。終わっている。

 一方では「インセキモンがバイフーモンに進化する」みたいな超ゴリ押しルートも存在しているのに、
もう一方では中途半端に進化が止まってしまう統一感の無さ、そしてそこから伝わるやっつけの丸出し感はなんとも腹ただしい。
せめてデジワーでいう「進化アイテム」のように、ムリヤリ進化させるアイテムがあればよかったが、当然のように無い


 何かと脱線してしまってアレだが、
アグモン系譜の場合、グレイモンから完全体へ進化する際に、メタルグレイモンの他、ティラノ師匠やスカルグレイモンへの分岐がある。

 分岐となる条件は「ジョグレスポイント(JP)」。、デジモンがジョグレスした回数による数値だ。
JPが0~5ならメタルグレイモン、6~8ならティラノ師匠、9以上ならスカルグレイモンといった感じに分岐進化する。

 わざわざ施設に来させて任意で進化させる仕様のくせに、進化先は現在のJPに絶対逆らえず
JPが9以上ならメタルグレイモンやティラノ師匠へは進化できない
なんて仕様もかなりアホらしい。

 そこをなんとかするのが、一部のダンジョンでたまに落ちているレアアイテム「JPダウンチップ」
このレアアイテムを使えば、JPを1だけ下げることができる。…1だけ下がったところで何が変わるのだろう
こんな糞アイテムを作るよりいい考えがあるぞ。最初から必要JPを満たしてる分の進化は選択できるようにしとけ!

 JPは減らす方面でも酷いが増やす方面でも酷く、JPは一回のジョグレスにつき、1しか増えない
どういうことかというと、JPが10のヤツを2体合体させても11にしかならない。
わざと糞仕様にしたのかプログラマーが足し算すらできなかったのかは知らないが、どっちにしろプレイヤーはうんざりだ。

 「JPアップチップ」も一応存在するが、これもレアアイテムだからそう簡単に入手できない。
幸か不幸か、JPは進化条件以外に関しては別にいくら高くてもメリットは無い
なので、必要JPが20とゲーム中最高なオメガモン・バイフーモン・ディアボロモンへの進化を目指さない限り、
普通にプレイしてクリアする分には、JPは8ぐらいで終わるだろう。
 ちなみに、JPは進化係の所でジョグレス素材として選択している時にしか見られない
…「ステータス欄に載せるのを忘れた」と言われても信憑性があるな。


 それよか、今回のジョグレスにはもっと根本的で大きな問題がある。

 ジョグレスとは、デジモンペンデュラムから登場した新しい進化。
02で光子郎も説明してくれていたが、「ジョイント+プログレス」、つまり「合体進化」だ。
デジワー2は「フォルダ大陸」こそスルーしやがったが、この新進化は取り入れてくれたわけだ。

 ジョグレスは進化と同じ施設で行う。
ジョグレスが行えるのはアニメや携帯機同様に、成熟期以降のデジモンのみだが、
タダでデジモンを合体進化させてくれるなんてありがたい話だ。早速試してみよう。


 ……おい、なんでこのゲームはジョグレスすると退化するんだい?

 いや、理由は分かりきっている。
ジョグレスをモンスターズの「配合」のパクリ要素として当てはめたからだ。

 先にモンスターズの配合を説明しておこう。
モンスターには♂♀があり、ペアを作ることでタマゴを産ませることができる。
両親はいなくなるが、タマゴから生まれた子供は両親の能力や耐性、技などを引き継いでいて、
Lv.1から育て直しとなるが確実に強化されていて、さらに両親の組み合わせによって生まれるモンスターも変わってくる…というものだ。

 ゲームで使っていたキャラが、レベルや能力の限界に達してしまうと、なんだか使うのが嫌になってくる。
しかし、折角愛着を持って育ててきたキャラを捨てるのは忍びないし、もったいない。
そこで、自分の鍛えたキャラ同士を組み合わせ、新戦力を生み出すことができるというこのシステムは画期的だ。
これは別にモンスターズが初というわけではないが、あれば嬉しいやりこみ要素だろう。


 デジワー2においても、そのシステムを採用してくれるのは大いに結構。 
だがしかし、なんでそれを「ジョグレス名義」でやるのか?
配合をパクリたいならジョグレス以外の別の進化方法を作ればいいだけの話じゃあないのか。
ジョグレス退化に代わり、「マッチング」という新要素がデジモンストーリーにてできたのは、実に6年も後のことだった…。

 安易な必殺技遺伝といい、このゲームは本当に程度の低いパクリが目立つ。
スタッフはそんなにモンスターズが作りたかったのなら、今からでもスクエニに入ってこいよ。


 「退化する」という糞仕様も相まって、このジョグレスは「組み合わせる楽しさ」というのが皆無だ。

そりゃそうだ、本来「ジョグレス」はデジモンが合体進化するための方法であって、
2体のデジモンを無理矢理くっつけて何の繋がりもない退化デジモンを生み出すためのモンではない。


 デジワー2でジョグレスを行うと、生まれるデジモンは組み合わせる2体の内、低い方の世代からさらに一段階低い世代になる。
(例 完全体+完全体=成熟期 究極体+成熟期=成長期)

 ウォーグレイモンとメタルガルルモンを合体させてオメガモン!…なんて、デジモン的に当然のこともできない
デジワー2でこいつらを組み合わせたところで、できあがるのはインセキモン
オメガモンが作りたければ、JP20以上のメタルグレイモンを進化させる。ウォーグレイモンからですらない。

 デジワー2は「デジモンごと」でなく「進化系譜ごと」で「ジョグレスグループ」が設定されている。
つまり、この時点でファンが望むようなジョグレスは何一つとして望めなかったわけだ。
グループ分類はやけに細かい上に法則はよく分からないから、攻略情報がないとお目当てのデジモンを作るのは相当辛いぞ。

 ジョグレスグループはまだしも、「能力適正」がグループ単位で設定されているのは単なる手抜きだったんだろうなあ。


 さて、通常のデジモンとは違い、普通に下の世代からは進化できず、
「ジョグレスで誕生させないと生み出せないデジモン」というのもごく一部いるが、
そんな奴らも大体は野生で普通に出てくるあたり、何がしたかったんだかサッパリ分からない。

 その内の1体であるサンドヤンマモンは特に変で、誰からも進化できず、誰にも進化できない
技こそ「味方の技にマヒ効果を追加する」だけの微妙なモンだが、何故か能力適正は異常に良い。
何故こんなマイナーなデジモンがこんな美味しいポジションなのかはもはや誰にも分からないが、
俺はこいつに目をつけて最強サンドヤンマモン計画を企てたが…途中で面倒くさくなって投げたよ。


 一応、ジョグレス後のデジモンは親の能力や技が継承されるので段々と強くなっていくが、
その強さを実感するよりは「また育てなおすのか…」とテンションが死ぬ方が先だ。どうせ強くなってもゲームのテンポはトロいままだし。

 ああそれにしても、モンスターズの劣化パクリなんかでなく、
デジワー2にはデジワー2の内容に適した、もっとちゃんとした継承システムを用意して欲しかった。



 「バトル」の章で言った通り、今作はデジモンごとに1つの必殺技がある。
しかしデジモンが進化した時点では、その進化後の必殺技をまだ持っていない。
進化後の技を覚えるのは、進化後、レベルが上がってからだからだ。
どういうリアリティを持たせたかったのかは全く分からないが、レベルを最低でも1上げなければ技を覚えることができない。
 俺は忘れもしないぞ。
念願の初究極体だったのに、レベルが31で上限に達して究極体の技を一度も使えなかったメタルガルルモンのことを

 一応、「進化レベルに到達後すぐに進化させ、必ずレベル○○でないと技を覚えない」…てことはないのがせめてもの救いか。
だから、レベル限界に余裕がある内は大した問題ではないが、進化しないと技を覚えないのは面倒だ。
「面倒」というのは、進化のためにわざわざ施設に帰る必要が出るからだ。普通に、バトル後に進化してくれればなぁ…。


ちなみにこいつが最強サンドヤンマモン誕生計画の名残

 ジョグレス後に遺伝技を覚えるのもレベルが上がってからで、
基準はよく分からないが、技によっては1上がれば本来の必殺技と同時にすぐ覚えたり、もう2~3レベル上がってからだったりする。

 遺伝したといっても、例えば「完全体の技」を覚えるのは「完全体に進化してからのレベルアップ後」なので、
成熟期や完全体止まりのデジモンは親の期待に応えられず泣きを見ることもある。


 覚えられる技は「10個」まで。一見少ないようだが、技を実用性で選ぶなら十分な枠。
むしろ、個人的には枠が多すぎたとすら思う。
折角3体でチームを組むのだから、どいつもこいつも万能にできてしまうのは良くない。3~5個で十分だった気もする。


 ここらで、攻略にあたってのデジワー2オススメ技を紹介しておこう。
なんで「バトル」編でやらなかったのかって?…何でだろうな。 

アタック(単体)

 ・ギガデストロイヤー 消費18 威力75 メタルグレイモン(ワクチン)
    ただの攻撃だが高性能。ピッコロモンのフェアリーテイルも同性能だが、イベントのおかげでこちらの方が入手しやすい。

 ・ガイアフォース 消費40 威力120 ウォーグレイモン(ワクチン) 
   ワクチン種最強の単体攻撃。追加効果はないし声はかなりマヌケだが頼りになる。

 ・グレイソード 消費38 威力100 オメガモン(ワクチン)
   相手がカウンター、インタラプト待機中なら威力が上がる。根拠はないが多分1.5倍。
  相手をたまにマヒさせるオマケつきでかなり強力だが、オメガモンを確保するのが大変。

 ・ヒートバイパー 消費40 威力120 キメラモン(データ) 
   データ種最強の単体攻撃。レア技だが、声や演出は特筆するモンでもない。

 ・ネイルクラッシャー 消費30 威力90 サーベルレオモン(データ)
   カウンターを無効にする効果を持つので強引に攻めることができる。
  
 ・フレンドリーファイア 消費4 威力35 ツカイモン(ウィルス)
   対象は味方限定。混乱を治したり、カウンターを強制発動(ターゲットは敵)させることができる。あると何かと便利。

 ・シザーアームズ 消費12 威力40 クワガーモン(ウィルス)
   攻撃と同時に相手の防御力を下げる。「Ω」とは別に覚えておくと、ボスなど単体の敵に対してMPを節約できる。

 ・クラッシュシンフォニー 消費12 威力40 ゲコモン(ウィルス)
   たまに相手を混乱させる。
  無属性のこちらに対し、バケモンのデスチャームも闇属性である以外は同じなので、使い分けはお好みで。俺はシンフォニー派。
 
 ・クリムゾンネイル 消費18 威力70 デビドラモン(ウィルス)
   とても成熟期の技とは思えない高威力が魅力。「自分の状態異常を相手にうつす」効果までついている。
  アリーナでも妙に強かったし、スタッフにはデビドラモンが好きな人でもいるのだろうか?

 ・ソウルチョッパー 消費20 威力75 ファントモン(ウィルス)
   この技でトドメをさすと、まだ残っている敵に再度攻撃をしかけてくれる。
  便利なだけでなく、その際の「もう一度ソウルチョッパー」というボイスも見逃せない。変な所で芸が細かい。
  
 ・ディメンジョンシザー 消費40 威力110 グランクワガーモン(ウィルス)
   ウィルス種最強の単体アタック。
  何故かガイアフォースやヒートバイパーに比べて威力が10低いが、クワガー系譜が強すぎる故のバランス取りだと考えよう。


アタック(全体)

 ・タイダルウェーブ ホエーモン(ワクチン)
 ・シザーアームズΩ オオクワモン(ウィルス)
 ・ギルティブラック マリンデビモン(ウィルス) 消費36 威力40
   上からそれぞれ、敵全体の「攻撃」「防御」「素早さ」を下げる。
  特にシザーアームズΩは超強力で、サクサクとプレイするためにも是非とも覚えておきたい技。
  タイダルも覚えておけばボス戦も安心。ギルティは正直なくてもいい。
   ちなみに、相手の能力を下げる効果が有効なのは一度の戦闘で1体に対して2回までっぽい(能力を上げ直された時などはどうなるか不明)。

 ・ホーリーフレイム ホーリードラモン(ワクチン)  
 ・ソローブルー プレシオモン(データ) 
 ・カタストロフィーカノン ディアボロモン(ウィルス) 消費80 威力90 
   それぞれが各種族の最強全体技。好みでどうぞ。
  ホーリードラとプレシオに比べ、ディアボロモンは確保が難しいのが難点。
  性能とは関係ないが、ソローブルーの効果音がやけに南国的だったり、
  映画を見て何をカン違いしたのか、カタストロフィーカノンがビームじゃなくてミサイルなのが気になる。


カウンター

 ・獣王拳 消費12 威力30 レオモン(ワクチン)
   カウンター成功時には、受けたダメージを1.5倍にして相手に返すという、デジワー2の中でも思い切った技。
  ボス相手に持っておくとかなり重宝する。

 ・スマイリーウォーヘッド 消費40 威力80 プリンスマメモン(データ)
   カウンター成功時には威力が上昇するだけでなく、ターゲットが敵全体になる。
  超強力な上に、終盤は敵が全体技を持っている機会も多いため、カウンターが発動しやすく大活躍できる。
   カウンター技の集大成であるウォーヘッドが強すぎて見劣りしてしまうが、 
  マメモンのスマイリーボム(カウンター時に威力上昇)、
  メタルマメモンのエネルギーボム(カウンター時にターゲットが敵全体)も十分使いやすい。

 ・ヘドロ 消費10 威力45 レアモン(ウィルス)
   カウンター時には相手を確実に混乱させる。
  敵の全体攻撃で発動すれば、混乱した相手はひたすら自軍に全体技を撃つようになるため一気に形成が逆転する。
   レアモンはゲームの序盤でも出てくるので入手は容易。しかしこいつに苦しめられたプレイヤーも多いだろう。


インタラプト

 ・ホーンバスター 消費20 威力65 アトラーカブテリモン(ワクチン)
   技の威力を大幅に下げ、大体はダメージを一桁レベルにまで叩き落としてくれる。
  単なるアタック技としてもそこそこ使える。ゲーム序盤ならカブテリモンのメガブラスターでも十分強い。
  
 ・リバースエンジニアリング 消費12 威力0 テッカモン(ウィルス)
   ダメージはないが、ホーンバスターと同等の技弱体化が望めるほか、割り込んだ技の消費MP分、自分のMPを回復できるスゴい奴。
  消費MPも威力もでかい敵のホーリーフレイムやソローブルーに割り込んでやれば思わずニヤリ。
  技の持ち主であるテッカモンは、こんなに強力な技を持っているくせに敵である時は使ってこない紳士。


アシスト 
 
 ・プチヒール 消費6 味方1体50回復 クリアアグ(ワクチン)
 ・メガヒール 消費12 味方1体150回復 ピッド(ワクチン)
 ・フルヒール 消費18 味方1体完全回復 パンジャ(ワクチン)
 ・ヘブンズヒール 消費24 味方全体150回復 ホーリーエンジェ(ワクチン)
   戦闘には欠かせない回復技。それが全部ワクチン種に偏ってるのだからヒドい。  
  何故か回復量が上がるにつれてむしろ消費MPがお得になっていくのがありがたい。
   セラフィモンのファイナルヒール(消費80 味方全体完全回復)は効果こそ凄まじいが、
  そこまで味方がピンチに陥ることも滅多にないので、消費MPに見合う価値があるかと考えると微妙。
 
 ・スターライトエクスプロージョン 消費50 味方1体完全復活 ホウオウモン(ワクチン)
   復活技はコレかジジモンのハング・オン・デスしかない。
  ハングは消費こそ20だが、「ゾンビ状態で復活」という中途半端な効果なので、スターライトの方が安心できる。
  (ハングに関しては死ぬはずのデジモンがそのままずっと死ななかったりと不明な点が多いが…)

 ・アンティマジック 消費36 ブリキモン(データ)
   味方全体の状態異常を治す。正直あまり使う機会はないが、どうせなら持っておきたい。

 ・ネクロマジック 消費0 ソウルモン(ウィルス)
   敵味方問わず、気絶しているデジモン全体からMPを奪う。敵にトドメをさす前のヒマ潰しにも使える。

 ・トランスメスマー 消費10 プラチナスカモン(ウィルス) 
   味方1体の攻撃に混乱効果を付加する。ヘドロで事足りる気がしないでもない。


 既にデジワー2をプレイした人にとっては見飽きた技ばかりだろうが、
「使える技」を挙げるとなると大体誰がやっても同じようなラインナップになってしまうだろう。

 実用性とは特に関係なく、俺が個人的に好みで使っているものを挙げれば、
威力は低いが追加効果があるパンツァーナックルディストラクショングレネード
声が気に入ったサンダージャベリンスーパーソニックボイスなんかをよく使っている。


 今回「技は遺伝できる」、そして「そのせいでデジモンの個性が減った」とは書いたが、
最初から所持している必殺技の性能差によって、デジモンごとに格差があるのも確かだ。
そりゃ同じ場所に行くにしても、近いのと遠いのだったら近い方が楽だわな。
さらに、「強い技を持つデジモンがどのぐらいいるか」という種族ごとの格差なんてのもできてしまった。

 というか、妙にデータ種が冷遇されている
 もとよりデータ種は正義でも悪でもない立ち場のせいか、何かと軽視される傾向にあるが、
今回の場合、ワクチンには回復や強力な攻撃が、ウィルスには強力な追加効果を持つ多彩な技があるのに、
データ種にあるのは使い道のない属性付加技や能力アップダウン系の補助技ばかり
属性や相性がちゃんと機能していればまた違ったんだろうが、見事なまでに死に技ばかりを押し付けられていて気の毒だ。


 ていうか、回復技がワクチン種だけの特権っておかしいだろ!!
消費80・威力90の「最強全体技」は各種族にそれぞれ1つずつあるからキチンと分けられているがそれ以外は全然だし、
特にヒドいのが、「攻撃」「防御」「素早さ」を下げる効果を持つ強力なアタックも、普通に属性で三等分すればいいのに、
ワクチンが「攻撃」、ウィルスが「防御」「素早さ」をとったせいでデータは何もなしという事態に…。

 データ種は究極体の必殺技もイマイチパッとせず、
ホーリードラ、ディアボロに並んで最強全体技を撃てるプレシオはともかく、
威力はプレシオ以下で、特に効果があるでもない全体技が必殺技になっている奴が無駄に5体もいる。
グリフォ!ボルト!メタガル!メタシー!ロゼ!お前らもっとしっかりしろよ!!
特にボルトとメタシー!お前らの技消費MPも威力も属性すらも完全に被ってるじゃねーか!!
 最強カウンターを持つプリンスマメモンがいてくれたおかげで、辛うじてメンツが保たれている。


 「技性能」という面で見ればデータ種がやたらと劣っているが、
ワクチン種は属性のなさっぷりが顕著だし、ウィルス種は途中で進化が止まるデジモンが多いし、それぞれ問題を抱えている。
つまりこれでバランスが取れて…ねぇな。

 ワクチンの属性問題なんて実際のところ欠点にならないし、
結局は技も優遇されてて進化も安定しているワクチン種の一人勝ちだ。なんてこった。

 デジワー2は、恐らく歴代デジゲーで一番といっていいほど
「ワクチン」「データ」「ウィルス」の分類に焦点を当てたゲームなのだから、その力関係をもっと平等でちゃんとしたモノにして欲しかった。


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 …ところで、デジワー2に登場したデジモンは何体ぐらいだろうか?
まず調べてみると、デジワー2発売時点でのデジモン総数は、大体380体ぐらいらしい。
「いくらなんでも多すぎね?」と思うだろうが、これは02のせいだから仕方ない

 流石にファンも全デジモンが登場するとは思っていなかっただろうが、
「デジワー登場分+ペンデュラム」は最低限必要として、後はアニメの主役系がいるぐらいを想定していただろう。
ゲームの開発タイミング的な都合もあるし、数値にして大体250体前後が、文句無く満足できるレベルだと思う。

 で、実際にデジワー2に登場したデジモンは……178体…だと…?
ゲームオリジナルのボスデジモンを足しても、10体が増えただけの188体。
これでは250という数値にはとても及ばない。むしろ、デジワー発売時の全デジモンにすら達しない

 何故こうも数が足りないのか? 誰が出番を奪われたのか?

 まず、このゲームには幼年期が一切登場していない
「強さ」が重視されるRPGではただ弱い存在である幼年期デジモンの扱いは難しかっただろうし、
ゲーム内容から好意的に解釈すれば「幼いデジモンをワームホールに送り出すわけにはいかない」といったところだろうが、
デジタルシティやはじまりの町にまで全く登場しないのは手抜きにしか思えない。
 ペンデュラムが出た頃にまでなると、幼年期の数というのも中々馬鹿にできないもので、
初代Ver.1~5とペンデュラム1~ZEROをあわせ、これだけで実に22体もの欠員が出てしまったことになる。


 そして次。
なんと、当然全員が揃うと思っていた初代やペンデュラムからも欠員が出ていた。
まず初代では、信じられないことにメタルグレイモン(青)がいない
メタルグレイモン青といえば、02でも暗黒進化(笑)したアグモンとして登場したところじゃないか。
既にポリゴンがあるのだし、メタグレは黄色くなくとも十分人気デジモンのはず。出さない理由が一体どこに…?

 初代からの欠員は奇跡的にメタルグレイモンだけで済んだが、ペンデュラムの欠員が地味に多い。

 ジャガモン エビドラモン ハンギョモン ドクグモン レディーデビモン デーモン、
 コクワモン リボルモン メカノリモン サンダーボールモン ナイトモン ビッグマメモン サイバードラモン アシュラモン

 以上の合計14体が、なんか知らんがハブられた
ペンデュラム5の欠員が多いのは発売タイミングの都合もあるのだろうが、1から出ていたジャガモンは何故…。
ここのレディデビ、コクワ、サンダーボール以外の全員は、その後のアリーナにも登場できなかった。ひでぇ。


 アニメ枠の登場デジモンが思いのほか少なかったのも数が少ない原因だろう。アニメ枠としては、
ブイモン、フレイドラモン、ライドラモン、インペリアルドラモン、グランクワガーモン、そしてディアボロモンが登場した。

 ブイモン系譜は意味不明で、
ブイ→フレイドラ→ライドラ→インペリアルドラ と謎の進化を遂げる。
後のバトクロでも ブイ→フレイドラ→ファイターモード とワケ分からん進化を遂げていたが、
アーマー体の都合上、ブイモン系譜というのはどうも進化が安定しないポジションに落ち着いてしまったようだ。
素直にエクスブイとパイルドラ使っとけよ

 出れば同じようなことになっていたであろうホークとアルマジは出なくて正解だったかもしれない。
余談だが、デジワー2のインペはまだデザインが固まってなかったのか、瞳があったり、後ろ足に装甲がなくて生足だったりする。
アリーナやポケットデジモンワールドでは修正されているので、生足インペを拝めるのはデジワー2だけだ。

 ワーム系譜がいないのに単身登場したグランクワガーは、普通にクワガー系最終形態という妥当な枠に納まった。
それはいいんだが、何故かディアボロモンまでクワガー系最終形態に納まった
オオクワモンから分岐進化で、JP1~19がグラン、20以上がディアボロだ。
そんなこんなで、デジワー2のクワガー系譜は技が揃って強力な超優遇系譜となった。

 アニメ枠なのかどうか分からないが、四聖獣からはバイフーモンが登場。たった一人で
正直、獣系究極体はサーベルレオやメタルガルルで間に合っているので、個人的にはチンロンかシェンウーが良かったなぁ…。
 スタッフにもお荷物扱いされているのかは知らないが、何故かインセキモンからJP20以上で進化。
必殺技の「金剛」は、MPを16消費してターン中自分を無敵状態にするというものだが、
進化前たるインセキモンの「ガードロック」は、消費MPこそ20だが、金剛と同じ効果を自分を含めた味方一人に自由につけられるというもので…。


 さて、新作ゲームが出ると新モンスターが出るのはお約束だが、
ボス系を除いてデジワー2の新デジモンはプリンスマメモンだけだ。
 …若干ネタ臭いが、こいつは中々バカにできない。
ついに登場した「マメモン最終形態」であるし、必殺技「スマイリーウォーヘッド」はゲーム中でバケモノじみた強さを発揮する。
しかし普通に野生で出てきたりするので、なんか良く分からない。


 デジワーやカードバトルのPSポリゴン組は、色違い含めて全員が登場。
…と思いきや、サイケ、ムーチョ、ゴーレ、アルラウ、シャーマ、モドキベタ、ゲレ、ザッソー、フーガが未登場。
ティラノ師匠がいる割に、スカモン大王やブラキモンといったデカブツもいない。ババモンもいない。
一方、デジワーで隠しだったパンジャやギガドラなんかは普通にいるのだから基準がよく分からない。

 マーケット店主は流石に出なかったが、まさか、おもちゃの街のブリキ人形がブリキモン名義でデジモンになるとは…
今回のこいつはデータ種の完全体扱いで、クロック、タンクから進化し、ボルトモンへと進化する。
必殺技「アンティマジック」は、味方全体の状態異常を回復するそこそこ便利な技だし、結構な待遇じゃないか。
…でも俺は正直、デジワーの頃からこいつが不気味で怖い。そもそもこいつがいるおもちゃの街がBGMといい雰囲気といい苦手だった。
今回も、なんか宙に浮いてるし攻撃する時わざわざ首1回転させるしでなんだか恐ろしい。
 しかも結局ブリキモンの出番はこれが最初で最後で、いよいよ何だったんだか…。


 WSやカードの比較的マイナーなデジモンは当然のように登場しなかったが、そんな中何故かキメラモンだけが隠し扱いで登場。
…わざわざ新規でポリゴンまで作ってくれたのはいいけど、なんでミレニアモンでなく今更キメラモンを?
折角良い感じにデジワー2の発売は2000年だというのに。

 キメラモンは流石隠しキャラといったところか、
全能力が伸びやすく、必殺技「ヒートバイパー」も消費40威力120と、データ種最強の単体アタック。
そんなキメラモンの入手方法は、「ポケットデジモンワールドからつれてくる」というもの。

 ここで「ポケデジ」との連動も書いておこう。
シティの「ポケットデジモンワールド係」に話すと、ポケットステーションに入った
「ポケットデジモンワールド」のデータから、自分の育てたデジモンをつれてくることができる。
これには色々とルールがあり、

 ・ポケデジ側には何の影響もない
 ・つれてこられるのは、自分が持っているデジモン以下の世代のみ(究極体をつれてくるには、究極体を持っている必要がある)
 ・同じデジモンを一度に何体もつれてくることはできない(ポケステに複数のデジモンがいる場合、それぞれ1体ずつが限度)
 ・つれてきたデジモンを、デジワー2内で「逃がす」か「ジョグレスに使う」と、再度ポケステから同じデジモンをつれてこられる
 ・つれてきたデジモンの名前は種族名そのまま(変更できない)
 ・つれてきたデジモンのレベルは世代により固定(1、11、21、31)
 ・つれてきたデジモンのJPは、ポケステ内でのジョグレス回数に関係なく0
 ・つれてきたデジモンの能力はポケステ内のステータスから計算されるが、世代ごとに能力制限がある
 ・つれてきたデジモンは、ポケステ時に覚えていた技をそのまま覚えている(「じたばたする」、「DOSアタック」を除く)

 …という具合。
能力制限は地味に厄介で、特に完全体は使い物にならないステータスにされる。

 それでもポケデジがあると便利で、つれてきたデジモンは特に「ジョグレス素材」として優秀。
ポケデジでは例え低世代のデジモンでもお構いなしに上の世代の技を覚えたりもできるのがありがたい。
 ポケデジの技はちゃんとデジワー2と同じ名前なので選別もしやすい。
(何故かロゼモンの「ローゼスレイピア」だけは、ポケデジ内で「プリックルストーム」なんて謎の名前になってたりするが)

 ただ、「ポケデジ」と「デジワー2」では技の効果がドえらく違っているのは注意。
デジワー2ではグルルモンの「アンティドウテ(味方一人の毒治療)」がポケデジでは高威力の氷水攻撃になってたり、
ユキダルモンの「絶対零度パンチ」がプレシオモンの「ソローブルー」より強かったりして、
ポケデジ内のバランスはデジワー2と比較するまでもなくよく分からない。


 さて、隠しキャラたるキメラモン入手方だが、
ポケデジは「ファイヤー」「ウィンド」「クール&ネイチャー」と3つのバージョンが出ているが、
キメラモンはどのバージョンにも登場しているので、進化さえできれば他のデジモン同様、普通に入手できる。

 キメラはポケデジだと完全体扱いだがデジワー2だと究極体扱い。ポケステで頑張って育てていれば、デジワー2でのステータスには期待できる。
ちなみにキメラモンを送ってきても、ポケデジで覚えていなければ必殺技「ヒートバイパー」は当然ない。
逆に言えば、ポケデジではキメラモン以外のデジモンにもヒートバイパーを覚えさせることができる。

 デジワー2のキメラモンはポリゴンも中々凝っていてカッコイイが…

 大きさがあまりにも残念
ムゲンドラモンなんかと並べると、余計にヘコむことになってしまう。

 出てないんだからミレニアモンにはなるワケないと分かりつつもムゲンドラとキメラのジョグレスを試みたが…。
よりによって究極体に進化できないエクスティラノっすか…。やっぱジョグレスじゃなくて「融合」じゃないとダメってことかね。


 そしてキメラモンには、もっと別の難点がある。 
ポケステ経由の入手しかできないため、名前が変えられないし、技もポケステ内でしか調整できないことだ。
ジョグレスで解決しようにも、キメラモンへの進化ルートは存在しないので、ジョグレスすると二度とキメラモンには戻れない
つまり、レベル上限を伸ばすこともできないワケだ(キメラモンのレベル上限がどのぐらいなのかは知らないが)。
 尚、キメラモンはジョグレス素材にすると「グリフォモン扱い」になる。データ種で究極体な合成獣繋がりだろうか。

 

 そんなこんなで、不満がないといえばウソになるが、デジワー2にはそれなりの数のデジモンが登場する。
「好きなデジモンでパーティを組める」のはデジワー2の数少ない良い所なので、それを励みになんとか頑張るしかない。

 …しかし、チャンピオンシップのレビューでも書いたけど、デジモンで「3体」パーティってあまり旨みがないのがなあ。
どうせパーティを組むなら2体か4体の方が設定的にも面白いものが組めそうだが、
3体パーティとなると、「ワクチン」「データ」「ウィルス」からそれぞれ1体を選んで組むのが基本的な楽しみ方になるのだろうか。

 もはや忘れられている設定だが、メガドラ、メタティラ、メタシーで「迎撃用デジモン3体勢揃い!」…なんてのもいいな。
おお、これなら今回は偶然にもメガドラとメタティラは究極体になれないから無理に進化を止める必要もないぞ。

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