デジモンコラム 人気デジモンを再登場させると話がつまらなくなる法則 Tweet 公開日:2015/10/08 アグモンとベタモン、どちらが人気かと言われれば間違いなくアグモンだ。 2体の出身は同じく「Ver.1の成長期」だが、 アグモンにはアニメ「デジモンアドベンチャーの主役」という大きなアドバンテージがあり、人気以前に知名度が段違いだ。 (ベタモンも同作「デジモンアドベンチャー」に出演しているが、主役であるかどうかの差は、あまりに大きい) 主役抜擢に伴い、アグモンはグレイモン系の直系進化ルートも究極体まで一気に確立され、 デジモンアドベンチャーが終わっても(他のレギュラーと一緒に)続編の02へ続投され、 メタルグレイモン青として敵にまわったり、悩むブラックウォーグレイモンとの交流が描かれたりと、 デジモンシリーズを代表するだけあって、最も優遇された主役デジモンだと言える。 アニメの主役であった経歴は今も色褪せるコトなく、 アニメの歴代キャラが揃うような展開があれば、アニメに限らずゲームなどにも必ずと言っていいほど再登場している。 では、そんな人気キャラがいるのなら、いっそアグモンをずっと主人公にしてしまえばいいのでは? 勿論よくない。 デジモンは、ドラえもんやアンパンマンのように「最初に主人公と定められた同じキャラクターがずっと活躍する」タイプではない。 同じバンダイで言えば仮面ライダーやガンダムのように、「作品ごとに新しい主人公が現れ、世代交代していく」タイプだ。 アグモンは「アニメ化の際に主役に選ばれた」というだけで、 「デジタルモンスターというキャラクターブランドにおいて、最初から主役になるコトを定められていたキャラクター」ではない。 確かにアグモンは小さい恐竜のデザインで将来性があり、男の子ウケも良さそうな逸材だ。主人公に選ばれたのも頷ける。 だが、当時の時点で「ベタモンの方が好き!」というファンが当然いる。 特定のデジモンを主人公にし続ける、言い換えれば「優遇し続ける」のは、他のデジモンのファンを踏みにじり続けるというコトにもなる。 そしてより一般的な「主人公が交代していく理由」として、「多数のファンの方が途中で飽きてしまうから」がある。 いくら好評を博した人気キャラも、見慣れると感動も以前よりは徐々に薄れ、別の新鮮味がほしくなってしまうのが人情だ。 ましてやデジモンのストーリーは設定的にも根幹が「闘いモノ」なので、 定められた尺の中で「キャラクターの成長」と「決着がついた世界」を見せてもらうコトになる。つまり、延々と同じ話を続けるのは難しい。 いつまでもキャラクターが成長せず、決着がつかない、あるいは平和がすぐ壊れるような話を見せられ続けても、それはそれで別の問題だ。 そんなコトは作り手側の方々も分かりきっているので、実際にアニメのデジモンは毎回主役デジモンが違っている。 それぞれ人気に差はあれど、それぞれ違った良さがあるのだから、やはり「主役デジモンは交代させた方が良い」のは間違いない。 増してや現在は、シリーズ作品において「歴代主人公が共演する展開」が定番というか、当たり前なっている。 デジモンアニメでも、「クロスウォーズ」の終盤では歴代アニメの主役デジモンである、 アグモン、ブイモン、ギルモン、アグニモン、アグモン(セイバーズ)、シャウトモン、ガムドラモンが勢揃いした。 ここで集まる主役たちがもし、 アグモン(無印)、アグモン(02)、アグモン(テイマ)、アグモン(フロ)、アグモン(セイバ)、アグモン(クロウォ)、アグモン(時かけ) とかそんなのだったとしたら、それはそれは画面が黄色く、つまらないコトだろう。
さて、「アグモンが人気」と言ったが、実はこれ、正確な認識ではない。 具体的には、「デジモンアドベンチャーのアグモンが人気」というのが正しい。 つまり、八神太一と一緒に冒険し、グレイモン~ウォーグレイモンへと進化する、坂本千夏の声で喋るあのアグモンが人気者なのだ。 (「アニメ以前から好きだ」「アニメと関係ないところで好きになった」というファンも勿論いるだろうが、 アグモンの人気はアニメブーストが9割以上を占めているのは疑いようもない事実なので、少数派の方々は別の場でその愛を叫んでもらいたい) アニメが始まるより前、当時のアグモンは決して「ベタモンに対して圧倒的に人気」ではなかったし、 レオ隊長の元で鍛錬に励むアグモンはモブに過ぎず、オーガモンと一緒にワルシードラモン先生のオーロラで殺されるアグモンなど笑いモノでしかない。 つまり極端な例えだが、ただアグモンが存在さえすれば、そのアグモン全てが人気者になるというワケではない。 現在でもあらゆる作品にアグモンが登場するのは「デジアドアグモンの功績」にあやかってのモノであり、 作品にアグモンが登場してファンが喜ぶ、あるいはそれが当然だと思うのも「デジアドアグモンに想いを重ねているから」というのが大きい。 何が言いたいのかと言うと、 「デジアドアグモン」という伝説の存在がいるので、別のアグモンが再登場しても、伝説を越えるのは困難だというコト。 これにより、「毎回主人公を"別人の"アグモンにすれば、アグモン人気を維持したまま安定した主人公を提供できる」という幻想は打ち砕かれる。 1年もかけてパートナーとの交流が描かれて成長していったキャラクターに、 「あやかりてぇ~」とすり寄ってきただけの意識の低い後追いがそうそう勝てるはずもない。 例としてアグモンを挙げはしたが、これは勿論「デジモンアドベンチャー」「アグモン」に限った話ではない。 どこかしらで目覚ましい活躍をしたデジモンと同じ種族であれば、後続がそれに勝る人気を得るのはとても難しい。 つまり、人気に便乗するはずが、「劣化キャラ」になってしまう可能性がとても高いのだ。 今回のタイトル「人気デジモンを再登場させると話がつまらなくなる法則」は、 主にアニメ人気を過信した故の、アニメ以外のデジモン作品につきまとってしまう問題点だ。 アニメの世界は主役が「オールアグモン軍団」になるコトを避けられたが、避けられなかった世界がある。 デジモンゲームの老舗である「デジモンワールドシリーズ」の世界だ。 初代、2、3、X、リ:デジタイズ(デコード)、ネクストオーダーと、なんと6作品、全ての初期デジモンにアグモンがいる。 デジワーはアニメより早かったので、アナログの少年は「こっちのが先だぞ!」と威張ってもいいが、こうも全員がアグモンではきまりが悪い。 そしてこいつらのアグモンは、当然「太一のアグモン」ではない。 まぁ、「ボクは太一のアグモンじゃないよ」とわざわざ断っているワケではないが、アニメとは関係の無い一般アグモンたちだ。 (アノード・カソードやブレイブテイマーなど、ちゃんと太一のアグモンの力を借りている作品もある) しかもデジモンワールドシリーズは別にパートナーデジモンの掘り下げがあるようなゲームでもないので、 キャラ付けすら放棄して、本当にただ「人気に便乗してアグモンを連れている」形になる。 勿論、アグモンを与えられて「アニメと同じアグモンだ!嬉しい!」と喜ぶ人は少なくないだろう。 アグモンのような人気キャラには知名度の高さ故の「初期キャラとしての使い勝手の良さ」があるのも大きい。 デジモンについてあまり詳しくない人でも、 最初にアグモンを渡されれば「よし!グレイモンを目指そう!」「うわ、ヌメモンになった!」など、ある程度ねらいを付けてゲームを遊ぶコトができる。 ただ、デジモンアニメシリーズは太一とアグモン以外も、「特定の人間とパートナーデジモン」の交流を描いた作品だ。 シンプルに「自分もアグモンが欲しい!」「パタモンかわいい!」と思う人がいれば「自分には自分だけの別のパートナーがほしい!」と考える人だっている。 アニメで散々パートナーっぷりを見せつけられたアグモンより、まだ未知の可能性を秘めたベタモンを自分のパートナーにしたい人もいるというコトだ。 (02のマイケル?あいつは所詮ゲストキャラだし…) 大体、デジモンは元々は育成ギアだったのに、何故、何から何までアニメを軸にして考える必要があるのか。 実際にゲームを遊ぶと、初期デジモンなんてプレイヤーのさじ加減ですぐに原形をとどめなくなるモンだが、 それでも「最初のデジモン」は、キービジュアルやパッケージに載るコトも多く、その作品で最初に注目され、最も活躍すべき最重要キャラだ。 ファンの二次創作、いやそれ以前に公式でコミカライズの時なんかにも「初期デジモン」は注目され、高確率でそのままパートナーになる。 そんな注目を浴びる栄光の座を、「過去作と同じ、あるいは劣化にしかならないキャラ」に浪費されるのは、とても勿体ない。 いや、「勿体ない」だなんて悠長な話ではなく、 一部のデジモンに人気が集中し、他のデジモンの商品価値が育たないのはブランドの寿命をも縮めてしまう、デジモン的にも絶対に避けるべき事態だ。 (NGワード:手遅れ) ってな~んだ、デジワーシリーズだって初期デジモンはアグモン以外にも選べるじゃん! …と思いきや、ガブモンだのパタモンだの、アグモンと同じくアニメで人気を博した主役デジモンばかり。それじゃ同じだ。 しかもせいぜい2択や3択。デジワーのシステムなら、最初のデジタマの数ぐらいは選択肢があってほしいモノだ。 アニメ派と否アニメ派、どちらにも理があるのなら、最初から各方面に答えられるような初期デジモンをご用意すればいい。 ゲームなら、初期デジモンは「初心者向けの人気キャラ(例:アグモン)」の他に、 まだ主役として脚光を浴びていない「マイナーキャラ(例:ベタモン)」「ゲーム用の新キャラ」なんかを混ぜてくれたりすれば良い。 (そもそも、初代デジワーの時点で最初に選べるのが「アグモンとベタモン」ではなく、 どちらもアニメの主人公として確定していた「アグモンとガブモン」にされてしまったのが、この点は今でも不満だ) 「最初のモンスターを選ぶ文化」というのはポケモン先輩が土壌を作ってくれているのだから、 ポケモンよりも多種多様なモンスターがいるデジモンなら、こういう所でファンに親切にしておくのに越したコトはない。 スタートデジモンの仕様に限って言えば、ベアモン、コテモン、コエモンという3体の主役デジモンが新規に用意され、 さらにそれぞれに仲間としてアグモンやレナモンなど、2体の主役デジモンが渡されるデジモンワールド3の仕様は至れり尽くせりだった。 最初から人気デジモンを2体ももらえる上に、ちゃんとゲームの看板となる新主役デジモンも存在するのだからエラい。
というかゲーム全体を見ても、他に初期デジモンが新規だったのはブレイブテイマーのモノドラモン(一応、登場はカードの方が早い)や、 デジモンストーリーサンバースト&ムーンライトのコロナモンとルナモンぐらいで、いずれも大した人気を得られたとは言い難い。 デジモンに限らず、メダロットなんかもこの「過去の人気キャラを(別人だけど)主役として再起用」をやっているが、これは正直ウンザリする。 「過去の人気キャラをメインにし続けるコトで新しく興味を持ってくれる新規ファン」と 「過去の人気キャラをメインにし続けるコトで愛想を尽かしていく古参ファン」、 実際の所どちらが多いのかは、それこそパラレルワールドでも覗かないと分からない。 「懐古ファンの意見を鵜呑みにし続けるとブランドは死ぬ」なんてのは有名な話だが、 過去キャラの人気にあやからなきゃいけない時点で死にかけてるようなモンなので、確実に買ってくれるファンに耳を傾けた方が良い気もする。 しかし、現在までついてくるような古参ファンなら大抵は多少ヒドいコトされてもついてくるぐらいに訓練されているので、 そう思えば、とりあえず新規ファンの獲得に奔走してくれた方が結果的にいいのかもしれない。 難しい話だが、俺は「ずっと追いかけている側」なので、そっちの方から意見を言いたい。 人気キャラは確かに、「出すのが当たり前」なのは間違いない。 捻くれたディープなファンなら「メジャーどころよりもマイナーな方に重点を置いてもらいたい」気持ちがあるだろうが、 「まず出すべきメジャーな部分」を分かってもいないようなスタッフなら、ファン心をくすぐるような面白いチョイスは期待できない。 (コトもあろうにオメガモンを出さなかったゲームとしては デジモンワールドXやデジモンチャンピオンシップがあるが、どちらもプレイアブルデジモンの選出には疑問が多かった) かつての人気キャラを自分のプレイ範囲内で再現したいファンは、ライト層にもディープな層にもいる。 離れていったファンにアピールするためにも、「今回も人気のこいつらが出るぞ!」と宣伝の際に大きく扱うのも大事なコトだと思う。 だが決して、それを主人公キャラにする必要はない。 確かに、「世代交代」というのはとても難しく、新しい主役を受け入れてもらうように作るのはとても大変なコトなのだろう。 しかし、世間の様々なシリーズ作品が「前作の主人公を超えるキャラクターを作ってやる!」と新しい主人公像を求め続けている中、 「過去作の流用でいいか」なんて妥協じみた流れで作られた主人公が、ニューヒーローになれるワケがない。 いや、なれるかもしれないが、そんな良いキャラに仕上がるのなら、他のキャラに出番を譲ってやった方がシリーズのためになる。 ていうか、デジモンもメダロットもそうだけど、「人間のキャラは変わってるのにパートナーだけ過去のキャラ」って図式がよく分からない。 大抵のファンは「人間とパートナーのセット」が好きだろうし、片方だけそのまま出されても、コレジャナイ感や軽いネトラレ感を味わうだけな気がする。 その点、「サトシとピカチュウ」のコンビこそが人気の理由だと確信し、10歳の少年に18年以上旅を続けさせているアニメ版ポケモンは流石だ。 (あっちはあっちでデジモンやメダロットの比じゃないぐらいに古参から「同じ主役飽きた!!」と言われていそうだが) 「過去の人気キャラ」は新旧ファン問わずに受け入れられやすいのは確かだろうが、 逆に昔からいるファンには食傷気味で、新しいファンには思い出補正が全く効かないとも言える。 「昔ちょっと見てたけど、◯◯が出ると聞いて興味わいた」なんて出戻り層に対して、 「再登場の別人」というのは「なんだ、あの本人じゃないのか」とあっさりソッポを向かれるパターンも少なくない。 その点、主役やメインキャラが新キャラクターの場合、「その作品で初登場」なため、 新規ファンと古参ファンが同じスタート地点から見られる共通の話題となり、ファン同士の距離を縮める効果もある。 また、「◯◯と言えばこのキャラ!」という専売特許のイメージがうまれるので、作品が記憶にも残りやすくなる。 個人的には、過去に人気を博したキャラをどうしても出したいのなら、「主人公の仲間や先輩ポジション」あたりで出すのがベターだと思う。 その人気キャラが本人の客演か別人かは知らないが、「主人公を手助けしてくれる」というポジションであれば、 そのキャラクターがかつて人気であったコトが「頼もしさ」に繋がるし、主人公は主人公で自由に動ける。 …なーんて言った矢先にこう繋げるのもアレだが、 実際のところデジモンゲームは主人公よりも、仲間ポジションの重複っぷりの方がずっとヒドい。 主人公は作品の看板なので、過去の人気にあやかるコトは決して間違いではないという「正統性」があるが、 それに加えて仲間まで過去作の人気にあやかるようでは、「じゃあもう過去の作品をもっかい売れよ」と呆れてしまうコトもしばしば。 そんな没個性な仲間たちが集う作品は、 「デジモンセイバーズアナザーミッション」「デジモンワールドリ:デジタイズ(デコード、エンコード)」「デジモンワールドネクストオーダー」などが該当する。 アナザーミッションはセイバーズのレギュラーキャラに加えて、 知香とも別のピヨモンを連れる探偵テイマーの小三郎や、山木室長の男声で喋るレナモンを連れる由麻が登場。 リデジの仲間デジモンはガオモン、ピヨモン、エンジェウーモン、レディーデビモン、ブイモンなどで、 ネクストオーダーは現時点で分かっているだけでもギルモンとプロットモンが登場。 どいつもこいつも驚くほどにアニメ系ばっかりで、ここまで徹底されると 「アニメでメインじゃなかったデジモンを全く信用していない」ようにしか見えず、もはや思考停止にしか見えない。 そりゃまぁ、アニメキャラは人気かもしれないけど、まだ人気じゃないキャラを人気者にしていくのが公式さんの仕事なんですよ? ネクストオーダーの初期デジモンもカウントすると、ピヨモンは実に5人ものパートナーを持つ大人気デジモンなのが判明する。 しかし、後発である知香、小三郎、アキホ、シキのピヨモン4体が束になってかかっても、空のピヨモンにキャラ的に勝つコトはできない。 せいぜい、男人格である知香のピヨモン以外は明確なキャラ分けもされていないので、やはり安易に被せても劣化キャラを増やすだけだ。 ニコのガオモンなんて「サーシェンカ」と名前をつけた割に性格はほぼトーマのガオモンと同じだったりして、差別化を図る気があるのかないのか分からない。 そんなデジモン達がゲーム中で進化しても進化先は無難にガルダモンやガオガモンだったりして、全然面白みも感じられない。 何がいけないのかというと、「必要性もなく人気デジモンをまた使う」のが悪いのだ。 まず単純に、キャラが立っていないというコトは、別に他のデジモンでも成り立つというコトだ。 例えば、テイマーとして全然ダメで、話にも全然絡んでこない「ザコくん」というテイマーがいたとする。 このテイマーのパートナーがゲレモンだとしたら、特に悪いと思われるコトもないだろう。 ゲレモンは元々よわっちいデジモンなので設定にあっているし、ゲレモンなんていうヌメの色違いは大した活躍もないので、 「へぇ、ゲレモンがパートナーとは珍しい」程度に終わり、活躍がないので別に良くも思わないだろうが、悪い印象は出てこない。 しかし、このザコくんのパートナーがウォーグレイモンだったとしたら? 折角パートナーがウォーグレイモンという強い人気デジモンなのに、やたらと弱いし、話にも絡んでこない。 「なんでウォーグレイモンを使った?」「なんでウォーグレイモンなのに活躍させなかった?」と、ゲレモンに比べて圧倒的に悪い印象がつく。 これと同じようなコトを、デジモンのゲームは繰り返している。 人気デジモンを使うというコトは、かつての人気にふさわしい活躍が求められる。 それなのに、「ただ使いました」程度の再起用では、ただただファンを騙しているだけに終わる。 ゲーム的に使用デジモンがコロコロ変わる主人公に対して、仲間のデジモンは別の時間軸を生きて、種族が不動であるコトが多い。 つまり、「何故そいつがわざわざそのパートナーを連れているか」という理由付けは、主人公よりも仲間の方が圧倒的に重要になるのだ。 そりゃまぁ、理由の原点は「そのキャラが人気だったから、あやかってまた使おうとした」ってコトなのだろうが、 理由がそれだけで終わってしまっては、本当にただの劣化にしかならない。 数ある人気デジモンの中から、あえて、またこの人気デジモンを使おうとする。 一体それは何故なのかというちゃんとした答えぐらい用意してもらえないと、ゲーム中で「良いキャラだ」と映るコトはないだろう。 では、元々セイバーズでトーマがパートナーにしていたガオモンを再びパートナーにしているニコライ・ペトロフくんに注目しよう。 彼は、見事にガオモンをパートナーにする必要がないテイマーなので丁度いい。
ゲーム中でニコから「俺は犬が好きでさ~」の一言でもあれば、「ああ、だからガオモンなんだ」と納得できた。ありませんでした。 「本人の趣味だから」というのはファン視点からしてもある意味一番納得できる理由なのだが、これではなかったようだ。 また、ニコは劇中に出てくる企業「GIGO」と関係のある立場だったが、そういう面でも別にガオモンである説明はなかった。 本人に理由がないのならば、他に何か別の理由があったのだろうか。 主人公・タイガはリ:デジタイズの初期デジモンはアグモンで固定という糞仕様なのでアグモンをパートナーにするワケだが、 このアグモンというのは別にセイバーズ版ではないので、「アグとガオでセイバーズコンビ再来!」にもなっていない。 個人的に割と好きな理由「単に配色が似てるからパートナー!」というのは、リデジの場合はむしろ「アキホ&ピヨモン」の方に適応されているようで、 ニコとガオモンは大して色合いも近くない。配色だけで決めていいなら、ニコのパートナーにはディアトリモンを推したい。
実際そういうコトなんだと思う。だからつまんねぇんだよ。 同じガオモンテイマーでも、迷走の甲斐あって最終的にズィードガルルモンになってしまった「ネクスト」のユウの方がキャラが立っている。 ガオモンテイマーの始祖であるトーマは劇中でパートナーを「ミラージュガオガモンバーストモード」にまで導いているが、 ニコは戦力的にも全く役に立たないし、サーシャも結局はただの「ミラージュガオガモン」どまり。本当にただの劣化じゃねぇか。 どうせダメなキャラなら、ガオモンの原種といいつつガオモンより明らかに繁栄していないガジモンがパートナーな方が面白かったのに。 しかもサーシャの性格はさっき触れたとおりにほとんどトーマのガオモンと同じ。 ユウのガオモンは差別化が図られて「口は悪いが面倒見の良い兄貴分」といったベクトルだったのに、サーシャはキャラ面でも面白みがない。 そんなサーシェンカもガオモンであるコトには違いないので、「人気デジモンらしさ」というのが求められる。 よって、「ガオモンのくせになんでこんななの?」となり、ファンの心に残らない、ヘタすれば不快感を煽る結果に終わってしまうのだ。 嗚呼、いっそ本当にディアトリモンだったら俺は大絶賛だったのに! (←実際、こういうちょっとしたコトでチョロく肯定してくれるファンも少なくない) 最近の作品で、唯一初期デジモンや仲間が主役系に限らないサイバースルゥースの存在が、とても頼もしく感じられる。 別にサイスルのパートナーデジモンたちは大してキャラが立っていたワケでもないが、「種族が被っていない」というのはそれだけで武器になる。 フェイの連れていた女性声で喋るタイガーヴェスパモンなんて、出番は1回戦って少し話して終わりだったのに、「唯一無二の存在」の風格がある。 「人気キャラをただ再び出しても劣化版にしかならない」というのは伝わってもらったとして、 「なら、もっと別の出し方をすればいいのでは?」というのが考えられる。 デジモンには「進化」要素があるのだから、進化ルートをいじれば差別化が図れるだろうか? これは一見いけそうだが、大して差別化にならない。 デジモン作品はゲームや漫画であっても腹立たしいコトに「大体がアニメ版準拠で、都合よく退化する」ので、 デジモンにおいて重要視されるのは基本形態となる「成長期」と、最終形態となる「完全体」や「究極体」だ。 というわけで、 ピヨモン → アクィラモン → ガルダモン とかいうワケの分からない進化をする知香のピヨモンはダメなパターン。 最終的にガルダモンになってしまうせいで、アクィラモンを経由したのは「ただの迷走」ぐらいの印象にしかならない。 (見た目的に アクィラ→ガルダ は本家の バードラ→ガルダ よりもしっくりくる流れではあるが) ならば最終形態が違うタイプはどうだろう。 ネクスト組のツルギのアグモン(ビクトリーグレイモン)や、さっきも出てきたガオモン(ズィードガルルモン)がこれに当たる。 このタイプの差別化も、ないよりはマシではあるが、大して印象はよくならない。 如何せん、「基本形態」というのは「キャラクターにおいての基点」なので、ここが変化しないと大きく印象が変わるコトはない。 結局、スタート地点である成長期を変えないコトには、進化だけで印象を変えるのは難しいと見ている。 そもそも、途中だろうが最終だろうが、「進化形態が一部違う」なんてのはわざわざ別キャラでやるコトではなく、 スカルグレイモンやメギドラモン、ルインモードのように「人気キャラご本人が話を面白くするためにやる」方がいい。 「進化ルートが少し違う!」なんてドヤ顔でやられるよりも、最初から別キャラの方が圧倒的に「差別化」は図れるのだ。 ただ重ね重ね言うが、進化ルートによる差別化はないよりはずっとマシだ。 糞マジメにアグモンがグレイモンになり、ウォーグレイモンになるというリ:デジタイズシリーズのつまらなさときたら! デジモンにおける「進化」は 「まだ見ぬ未知への姿に変わる」のが面白さのキモなのだから、既に見知った進化形態で感動的なシーンなんて、そうそう作れるモノではない。 こんな風に、進化ルートのイメージが定着している人気デジモンを再利用してしまうと、 「もはや何の面白みもないが、ヘタに変えると違和感が出るので直系進化ルートを使わざるを得ない」なんてパターンに陥るのがオチだ。 本当に面白い話を書くつもりなら、メジャーデジモンは避けるか、何か別の魅せ方を模索しなくてはならない。 進化ルートによる差別化はオススメしませんよというコトで、今度は 変化が分かりやすく効果的だと注目していただきたい、「立ち位置が大きく変わる」というパターン。 例えば同じベタモンでも、「主人公のパートナーデジモン」という立場と、「世界を滅ぼそうとする魔王の秘密兵器」という立場なら、 とりまく環境が大きく違うため、好みの良し悪しなどは分かれたとしても、どちらかがどちらかの「劣化版」にはならないはず。 アグモンに劣化キャラが多いのは、ひたすら同じような「主人公ポジションに置かれていたから」だと言える。 実例としては、 オメガモン(デジモンアドベンチャー:主人公最終形態 ⇔ Vテイマー:敵テイマーの操るデジモン) マミーモン(デジモンアドベンチャー02:敵 ゼヴォリューション:レジスタンスの一員) なんかが、どちらの登場機会でも人気を博している理想的な再登場の好例だ。 他にも当てはまるかは分からないのでとりあえずデジモンに限って言うが、「性格を変える」というのはあまり好印象にならないように思う。 むしろ、「キャラクターの根幹」は同じであった方が良いようだ。 例えば上のオメガモンは、陣営こそ違えどどちらも「パートナーのために戦う正義のデジモン」であり、 (Vテイマーのオメガモンは、パートナー・ヒデトのためにあえて敵を演じていた。戦いを通じて和解し、仲間になった) マミーモンは声優が同じな上に「気さくで親しみやすい雰囲気」を引き継いでいる。 正義のデジモンたるオメガモンが敵にまわるコトで衝撃的な展開になり、また「向こうにも何か考えがあるのでは?」とキャラクターや作劇に引き込まれる。 いいヤツだったのに02の最期であんなコトになってしまったマミーモンが、世界を護るため仲間と共に闘う姿は、過去を知るファンの目には嬉しく映る。 …そんな感じの「過去作の印象を踏襲した再登場」が、ギャップ萌えとでも言うべきか、ファン心に訴えかけるモノがあり、再登場キャラには向いているのだと思う。 オメガモンは登場機会が多い故に、「どう再登場すれば良いか」を考える上でうってつけのキャラだ。 良かった例としてはVテイマーも捨てがたいが、ここは「サイバースルゥース」に登場した、ノキアのパートナーであるオメガモンを挙げたい。 このオメガモンは、声が坂本&山口ペア、つまり「デジモンアドベンチャー」まんまであり、ノキアは主人公の友達なので、味方ポジションだ。 発売前にこの情報だけ見た時は正直「うわあ…こりゃ劣化無印オメガが来るな。主人公じゃないだけマシか」…などと思っていたのだが、 実際にプレイしてみると、太一・ヤマトと違ってパートナーが女の子だからこそできる、ノキアとのばかっぷるぶりや、 臨機応変にアグ・ガブに退化してアホなキャラになったり、オメガモンの姿のままでもシュールな笑い所を提供したり、 それでいてパートナーや世界のコトはしっかり考えていて、時としてロイヤルナイツとしてカッコよく奮闘するオメガモンは、 個人的にデジモン史上でも、相当上位のキャラクターと言えるぐらいに素晴らしかった。 「デジモンは単体で"燃え"と"萌え"の両方をこなせるべき」だと考えているので、正にその理想の形だった。いやほんと、スイマセンでした。
逆に悪かった例としては、「ゼヴォリューション」に登場する粛清のオメガモンが浮かんでしまう。 このオメガモン、声がレーシングやバトルクロニクルと同じく田中秀幸氏なのは「新しいオメガモン像」として好きなのだけど、 ロイヤルナイツの統率者であるイグドラシルに従い、デジタルワールドのデジモンを次々と惨殺していく悪役として登場するのだ。 (ただ、「敵対するオメガモン」自体はVテイマーで既にやっていたので、インパクトよりシュミの悪さが目立った気がする) 勿論、ただ殺戮が趣味なのではなく、理由は「イグドラシルの命令」であり、そのイグドラシルも世界のためを考えて動いているはずなのだが、 「本当にこれでいいのか?」という苦悩する同僚のデュークモンや、「イグドラシルは絶対だ!」と最後まで忠誠を誓い続けるマグナモンに対して、 オメガモンは途中であっさりと主人公サイドに寝返る、責任感も主体性もない蝙蝠担当なのがまた悪い意味で衝撃的。 最後はデュークモンと一緒に「アルファモンのおかげで平和なったわー」的な談笑をしてたが、何かあったらこいつはまた裏切るんじゃないか。 ゼヴォリューションは制作事情に色々あったようで、脚本にも所々大きな穴があるために本来やりたかった展開は知る由もないのだが、 俺個人としては「命の尊さを説いた作品なのに、殺傷の罪を償いもせず運よく立ち回れた指示待ちデジモン」という最悪の印象となった。 ラストはアルファモンではなくてオメガモンが罪を償う形で自らの命を犠牲にした方が、シメとしてもしっくりきたのではと思う。 (あの最後のオールデリートの流れは、てっきり死んで責任を取るものだと思ったのに…) これのオメガモン2体を比べてみると分かるのが、圧倒的にノキアのオメガモンの方が「公式設定も守っている」コト。 オメガモンの公式設定には、ウォーグレイモン・メタルガルルモンが、 善を望む人々の強い意志によって融合し誕生した“ロイヤルナイツ”の一員である聖騎士型デジモンとある。 ノキアのオメガモンは、ウォーグレイモンとメタルガルルモンがパートナーの想いに応えて誕生し、世界を護るために戦っている。完璧だ。 一方ゼヴォリューション(今更だが、ゼヴォの元になっているデジモンクロニクルもほぼ同じキャラ付け)では、 最初から「オメガモン」という1体のデジモンとして君臨しているし、人の為ではなく、イグドラシルのために動く存在だ。 デジモンの公式設定がヒドいというのは別のコラムなんかでも書いてはいるが、設定として存在する以上、使ってくれるに越したコトはない。 そして公式設定を守っているというコトは、そのキャラクターである必要性があるという証拠。 実際、ヒデトやノキアのパートナーは「オメガモンでないと成立しない」ように、ちゃんと描かれている。だから良いキャラであり、面白かった。 振り返ってみると、クロニクルやゼヴォのオメガモンにはオメガモンである必要がない。 これらの作品では、頼もしい味方ポジションにウォーグレイモンやメタルガルルモンが、オメガモンとは別に存在していた。 なら、「実は恐るべき敵オメガモンは、仲間だと思っていたウォーグレイモンとメタルガルルモンが融合し、ドルモン達を欺いた姿であった」 …なんて展開があったなら、とりあえず「オメガモンである必要」がある展開にはできただろうに。 (個人的に、ゼヴォのウォーグレイモンとメタルガルルモンはとても好きなキャラ。 こいつらは声が同じだけの別人であれど、「かつての主人公たちが、頼もしい味方でいてくれる」という、オメガモンとは対照的に良い再登場だった) 強豪揃いのロイヤルナイツなら、別にオメガモンでなくともデュナスモンやロードナイトモンでも粛清担当はできたはずだ。 しかし何故、あえてその汚れ役にオメガモンを選んだのか? 答えは簡単、オメガモンが人気だから。 クロニクルもそうだが、「あのオメガモンが敵に!」という衝撃展開がやりたかったのだろう。 いやでもだからそれはVテイマーがとっくの先にもうやってるつってんだろ!! ゼヴォリューションは登場デジモンのほぼ全てが「過去のアニメと同じキャスティング」というファンサービスに溢れた作品だ。 そんな中、オメガモンの声優が違っているのは「このオメガモンは、過去のオメガモンとは別人です」という強調の意があるように見える。 (ウォーグレイモン・メタルガルルモンが同時に存在するからというのもあるだろうけど) しかしファンからすれば、どうしてもそれまでに見ていたウォーゲームやVテイマーの「正義のオメガモン像」が記憶に残っている。 公式も、オメガモンが人気であるコトを知っていて、オメガモンならいい仕事をしてくれると見込んでオメガモンを再登場させている。 つまり、キャラクターとしては別人であっても、結局は同じ"オメガモン"に殺戮をさせていたのと同じコトだ。 流石にやりすぎだ。ウケ狙いに走りすぎて、最終的には「ファンに納得してもらわなければならない」コトを忘れている。 もし「オメガモンが殺したデジモンは、人間界へ侵攻する悪のデジモンだった」なんて裏事情があれば印象も違ってきたが、大したフォローはなかった。 そしてゼヴォオメガモンに関して一番イヤなのが、ポンポンデジモンを殺していたくせに、終盤アッサリ味方になる点だ。 いっそ最期まで清々しいほどの悪役でいてくれたなら、「こういう真っ黒なオメガモンもアリかな」と割り切れたかもしれない。 ゼヴォは独特の世界観や美麗なCGでけっこうファンもいる作品だが、俺はオメガモンの扱いは本当に嫌だった。 再登場デジモンが話をつまらなくする理由の一つ、 「あいつがこんなコトすれば面白いんじゃね?」とでも言いたげな一発ネタのような再登場が悪目立ちするからという点における先駆者だろう。 これ以降はオメガモンを使うにしても、ゼヴォに懲りてフツーに正義サイドに使ってほしいと願ったモノだが、、 その後もセイバーズやデコードで、劣化ゼヴォとでも言うべき"空気"の敵オメガモンが再登場したのは苦痛で仕方なかった。 ゼヴォのオメガモンはあまりにも極端な例だが、 「過去のデジモン像とは違ったキャラ付けを狙う」のは、悪いコトだとは思わない。 ただ、それが人気デジモンであればあるほど、かつてのそれと違った味付けにする大変さは、グンと跳ね上がる。 かといって、「じゃあヘタなコトせずにそのまま出せばいいか」という 無難なキャラクターの再登場は「劣化版の登場」に繋がりやすく、「それなら最初から別のキャラを出してくれた方がいい」となる。 デジモンが抱え続けてきている問題に「キャラクターが多すぎる」というのがあり、 さらに「人気デジモンに登場が偏っている」という実情が加わり、 「もっと色んな奴に出番を与えてほしい」というファンの意見は、深刻さを増していく一方だ。 何故デジモンの出番が偏ってしまうのか。 それの理由の一つが、今更言うコトでもない「アニメデジモンへの人気の集中」がある。 それが何故起きてしまうか、何故いけないのかは、ここまで読めば大体分かるだろうから、飛ばす。 それとは別に、出番の偏りを激化させる理由の一つに「グループの再登場」がある。 1体のデジモンが再登場するより、グループのデジモン10体が再登場してくる方がイスの奪われ方はそれだけヒドいという寸法だ。 しかも、グループで出てくるというコトは、「話にも組織として再登場」するワケであり、ファンにもたらされる食傷感は単体よりも遥かに凄まじい。 この件で問題になるのは、言うまでもなくやっぱり案の定「七大魔王」と「ロイヤルナイツ」だ。 まず七大魔王。 7体の強大な魔王デジモンの集まりで、魔王である故に基本的に敵キャラとしての登場がメインとなる。 デジモンストーリー、セイバーズアナザーミッション、リ:デジタイズデコード、サイバースルゥースDLCなどのゲームに敵として登場している。 (アニメにはバルバモン以外の6体はアニメに出演しているが、「七大魔王」として登場したコトはない) 一見、四天王的な感じで使い勝手がよさそうな敵に思えるが、7体は多い。結果、全体的にキャラが薄くなりがち。 「全員究極体クラス」という強豪設定は「徐々に敵が強くなっていく」のが普通であるストーリー展開とも相性が悪く、 ゲーム全体を通して七大魔王が敵のアナザーミッションをプレイすると、序盤に倒す魔王と終盤で倒す魔王に随分と印象の差が開いてしまう。 そしてこいつら、敵役としては絶望的につまらない。 何がつまらないって、プレイヤーが既にメンバーを全員知ってるからだ。 ゲームで強敵と戦ってワクワクする時と言えば、「知らないキャラクターが出てくるコト」はとても重要だ。 自分の知らない、得体のしれないキャラクターが登場し、「こいつはどういう奴なんだ?」「何をしてくるんだ?」という緊張感が、 さながらゲームをプレイしながらも、プレイヤーが本当に敵と戦っているかのような体験ができるというものだ。 …が、七大魔王はゲームに総登場する前に、カードで勢揃いしてしまった。 「残る七大魔王はゲームで明らかに!」というオイシイ展開を一度もできなかったかわいそうなグループなのだ。 しかもこいつら、「何か企んでたバルバモンが途中退場し、サタンモードがボスとして出てくる」というマンネリ展開を飽きもせず繰り返す。 そもそも「サタンモードがラスボス」と言うのは七大魔王が揃う前に「デジモンフロンティア」でやってるし、 「バルバモンが志半ばで倒れる」という展開も、デジモンネクスト他、何度も何度もしつこくやっている。爺さん、もう諦めろよ。 しかも七大魔王には本来その上の存在である超魔王・オグドモンという存在があるにも関わらず、オグドモンは毎回出てこない。 未知の体験ができるからゲームは面白いのに、ゲームの方がプレイヤーより知識がないのは、あまりにも悲しい。 そしてこいつら、魔王だけあって全体的に紫や黒っぽくいかにも悪そうな奴らが多いのはいいとしても、 全員がウィルス種なので、ワクチン種が有利でデータ種が不利という図式を加速させ、ゲームバランスの崩壊すら招く。 ただでさえデータ種は不遇な扱いが多いのに…。いくら魔王だからって、なんてヒドい奴らだ。 ナイツのデュークモンやロードナイトモンの逆として、「ワクチン種なのに超悪い魔王」なんてのがいた方が、設定的にも面白かったのでは? (ワクチン種の魔王と言えばオグドモンが一応そうなのだが、結局誤植だったのかどうなのか未だにハッキリしない) そんなこんなで見た目は良くてもゲーム的には全然面白くもない七大魔王は、前述したように何度も敵として出てきている。 プレイヤーからしてみれば、前に倒したからもはや脅威でも何でもないグループをまた潰さなくてはならないので、加速度的につまらなくなる。 メンバーが固定だからヘタにいじることもできないし、今更オグドモンが出てきた程度でこいつらが「面白い敵」になり得るコトはないだろう。 (サイバースルゥースのDLCイベントでは七大魔王と戦うコトになるが、 これらの「他の世界(ゲーム)で既に七大魔王が敗れているコト」について、メタな視点で触れている。 ちなみに、サイスルのシナリオはデジモンゲーム中でも屈指の面白さだが、サイスルの魔王編はデジモンゲーム中でも断トツにつまらなかった) というかこいつら、当初の設定では「強い魔王7体を指して誰かが勝手に名付けた総称」であり、グループとして共に活動はしないし、別に悪でもない。 なんで単純に悪の秘密結社じゃなくてそんな世界三大美女みたいな分類をしたのか当時はよく分からなかったが、今なら分かる。 敵にしても面白くないからだ。今では結局、ただの悪役軍団として扱われるのが当たり前になったのが残念でならない。 なお、「別に悪ではない七大魔王」を描いたのは、ゲームだと「リ:デジタイズデコード」ぐらい。 デコードにおける魔王の間柄は「同じマンションに住む旧知の知人」レベルで、ベルゼブモンやバルバモンなど、敵として登場する魔王もいるが、 リヴァイアモンなどは「あー、あいつらまた暴れてるのか」とかそんなノリで、主人公に手助けさえしてくれる。 他の作品のように安直なワルモノ7人衆として敵に回られるよりは面白いが、 「七大魔王を七大魔王として描く理由」もあまり感じられず、やっぱり七大魔王という設定が作劇に向いていないのだと再確認した。 話は変わって、デジタルワールドの守護者、いや、問題児集団であるロイヤルナイツ。 何と言ってもこちらは「メンバーが全員で13人」もいるという、アイドルグループか何かのような数字が悪夢だ。 こんな大人数、単発ゲームどころか1年モノのアニメでもキャラクターとして描ききるのは至難の業じゃないか。 (魔王もそうだが、「基本的にみんな究極体」なので、「序盤からの登場」や「成長劇」に活かし難いのもまた扱い辛さに拍車をかける) ロイヤルナイツのメンバーは、「テイマーズまでのアニメ主役+α」という構成。 ならば当然(設定的にも)善玉サイドになるはずなのだが、 ファンにとって初めて「ロイヤルナイツ」の名が大々的に使われた作品「デジモンフロンティア」だと、 劇中における「ロイヤルナイツ」とは「悪の強敵コンビ・デュナスモン&ロードナイトモン」のユニット名でしかなく、 メンバーであるはずのオメガやマグナは未登場で、あとはなんか武器屋やってたデュークモンがモブで登場しただけ。 何故テイマーズのデュークモンや劇場版のオメガモンは無所属で、フロのデュナスとロードナイトはロイヤルナイツを名乗ったのか。
その後、「デジモンクロニクル」展開時に、ロイヤルナイツの統率者「イグドラシル」の存在が明らかになった。 こいつはデジタルワールドを司る「ホストコンピュータ」であり、世界のためにせっせと働く管理人さんのような存在だ。 しかしイグドラシル、初仕事のクロニクルでいきなり「世界にデジモン増えすぎたから殺して整理してね」の命令をナイツに伝達。 まぁ管理者側からしたら色んな事情があるだろうし、デジモンが増えすぎというのはファンからしても痛切に分かるのだけれど、 「世界の為に犠牲を出すのは仕方ないよね!」って理論は、主人公に否定されてブッ潰されるお約束パターンすぎる。 当然、クロニクル(及びシナリオの根幹が同じであるゼヴォ)では、アルファモンによってイグドラシルは懲らしめられる結果となった。 この時点でイグドラシル=糞の印象が根付いてしまったが、よせばいいものをイグドラシルの存在は定番化。 その後もセイバーズ、ネクスト、デコード、サイバースルゥースなどに登場し、事情の差はあれど基本的に「誰かを殺して世界を救おうキャンペーン」を実施。 もはや「イグドラシル=ゴミクズガラクタ低スペック冷蔵庫」なのは、公式にとって当然な前提の標準設定なのではないかと疑わしいレベルだ。 (部下のロイヤルナイツすら存在せず、バルバモンにそそのかされてあっさり悪に染まったネクスト版が一番の無能だろうか?) イグドラシル、つまり組織のトップが屑となると、「それに従う部下も屑」…というコトになってしまう。 ゼヴォのデュークモンのように悩む者もいたが、こうも露骨に悪役な奴、葛藤するヒマあればさっさとコンセント抜いて壊せよ。 ただでさえロイヤルナイツはデジタルワールド中でも屈指の戦力を持つはずの精鋭部隊なのに、 イグドラシルの指令はいつも「がんばって世界を救おう!」ではなく、 弱いデジモンや人間を攻撃して事なきを得ようとするダッサい方向に向かっているのもまた印象がよろしくない。 それ以降の作品においても、 イグドラシルが屑なので心酔できないのに加えて、ロイヤルナイツは全員揃うと13人という冗談みたいな多さなコトもあり、 「イグドラシル賛成派」と「無能アイスボックス否定派」の勢力に分かれて争う、という展開になるコトが多い。 ただ、こういう対立争いは「どちらにも正義がある」と納得できる描き方をしてくれないと、反対勢力が全員バカに見えてしまう。 まぁ、「デジモン存続のためには人間を…」という状況に立たされたセイバやサイスルは向こうの事情を想えば同情もできるが、 初っ端のクロニクルが「世界を守るために住民を殺そう!」だったのは、流石にヒドすぎた。
別に諸悪の根源ではないので、イグドラシルとはまた別の何らかの敵を倒したり、問題を解決しなくてはならないコト。 ロイヤルナイツが出てくると大体いつも「本来戦わなくてもいい奴らとの戦いに尺を奪われる」という、イライラ展開を強いられる。 別に主人公サイドもデジモンと仲が良いのだから当然デジタルワールドも守りたいワケで、 最初から「お互いのために頑張ろうぜ」と言ってくれりゃいいのに、やっぱイグドラシルがバカだから部下もバカなのは仕方ないと諦めるしかないのだろうか。 (敵対するロイヤルナイツは「他の世界を滅ぼしてでもデジタルワールドを守りたい」という大義名分の割に、 デジモン同士で大して仲が良さそうでもなかったり、デジモンの命すら軽視したりとキャラがブレていて、感情移入できないパターンが多い) トドメに、ロイヤルナイツで一番ヒドいのは、13体が揃ったのは2015年になってようやくであり、 それまで何度も何度も何度も何度も何度も何度も「揃ってもいないロイヤルナイツが(当時できる分の)集合展開を繰り返した所」にある。 しかもその都度、オメガモンやデュークモンは先述したような「劣化キャラ」として再登場するし、 メンバーが増えて再びグループごと再登場する度に胸焼けが酷くなるわどこかしらで「劣化キャラ」が増えていくわと、悪夢のような展開だった。 多くの犠牲を払い、13体揃ったナイツが初めてシナリオに絡んだ作品が「サイバースルゥース」となるが、 俺はこのサイスルで、以前から抱いていた「ロイヤルナイツが出てくると話がつまらなくなる」という疑いが確信に変わった。 いや、正確に言えば「ロイヤルナイツは13体も出す必要がない」というコトだ。 13体のフルメンバーが揃った結果で分かったのが「全員揃う必要がなかったコト」だなんて、薄々感づいてはいたが、ショックだった。 デザイン的にも「ドラゴン要素がある人型」が半数を占めていて、単純にキャラが被っているのも厳しい。 そりゃなべけんもニコニコのサイスル特番で「ロイヤルナイツはもう揃えなくてもいいんじゃないかと思ってた」とかこぼすわ。 サイスルにおけるロイヤルナイツは、 ノキアのオメガモンは本当に良かったし、見事にオイシイ所を持ってくアルファモンも、色々あって新しいアルファモン像を作り上げた良いキャラだった。 しかし、サイスルで他に良かったロイヤルナイツと言えば、 敵として色々暗躍し、思わずホロリとさせられる最期を見せてくれたロードナイトモンぐらいで、残る10体は有象無象も良い所だった。 中でもエグザモンとドゥフトモンの肩透かし具合は残念で、流石にこいつらはもうちょいなんとかできたんじゃねーかな…。 サイスルにロイヤルナイツが登場するのはちょうど物語が折り返し地点に入る辺りからだが、 「初めてロイヤルナイツが揃う作品なんだからもっとナイツゲームとして気合入れてくれよ!」という思いもあれば、 「どうせロイヤルナイツが揃ったってつまんねーんだから前半のノリをもっと続けてくれよ!」という思いもあった。 結局のところ、「サイスルにはロイヤルナイツが全員登場」し、「サイスルのシナリオは最後まで面白かった」が、 「"ロイヤルナイツ"という13体のイグドラシル配下」自体には、必要性を感じられなかった。 「折り返し地点と言わず最初からガッツリロイヤルナイツの話とすれば良かった」のか、改めて考えてみると、あまりそうは思わない。 ハックモンがジエスモンに成長する過程ぐらいはもっと序盤からしっかり描いてほしかったと思うが、 「全編、どこを切ってもロイヤルナイツ!」という金太郎アメのような聖騎士物語の作品は、そう簡単にできるものであり、面白くなるものだろうか? セイバーズや漫画版クロスウォーズ、サイバースルゥースといった作品は、前半~中盤で「それぞれの世界観」を描き、途中からナイツ編に入る構成だった。 ロイヤルナイツとは世界の危機に現れる組織なので、 クロニクルやゼヴォのように「最初から世界が大ピンチ」という展開でない限りは、それが当たり前になる。 まぁ、クロニクルやゼヴォの世界を大ピンチにしてたのは追い詰められたイグドラシルとロイヤルナイツだけど。 如何せんロイヤルナイツは進化的にも完結しているデジモンばかりだし、 良くも悪くも大人気デジモンであるオメガモンやデュークモンが出てくると「あいつらが出てきた!」と印象に残る。 そんな奴らが「世界の危機に駆けつける」せいで、ナイツが出てくると、話の雰囲気が大体似たり寄ったりになるという弊害がある。 そんな「大体いつもの」な雰囲気になるロイヤルナイツを交えた終盤の話が面白いかと言われれば、あまり面白くないのだ。 これは後述する漫画版クロスウォーズもそうだが、ロイヤルナイツが出てくると、 話の中心が「今まで活躍してきた主人公」達から「ロイヤルナイツ」にシフトしてしまうためだと思う。 勿論終盤になっても、アニキやクロスハート、電脳探偵の皆さんは主人公として頑張る、頑張りはするが、 「自分たちの戦い」ではなく、「ロイヤルナイツの戦いに巻き込まれた」という印象になってしまう。 (その点、主人公のドルモン自身がロイヤルナイツになるゼヴォリューションは良かったと言えるが、肝心のお話の方が…) しかも、ロイヤルナイツが出てくると高確率で、世界に存在する他のデジモン達が空気の無能扱いになる。 それまでは主人公たちに力を貸してくれていた仲間デジモン達の枠を奪って、ロイヤルナイツが活躍し始めるせいだろう。 そりゃまぁ、世界を救うためなのがロイヤルナイツかもしれないが、皆の世界は皆で守るのが王道でしょうぜ。 ロイヤルナイツも、デジタルワールドにおいてはほんの一握りのデジモンたちに過ぎないのだから、あまり背負いこみ過ぎないでほしい。 ロイヤルナイツの扱いに関しては、異色作として漫画版「クロスウォーズ」がある。 なんとこの作品のロイヤルナイツ、最初から全員味方なのだ。全員味方が異色作ってのもどうなんだ。 この世界のイグドラシルはただの情報端末として専念してくれているようで大人しく(大人しすぎてバグラモンに利用されちゃいました)、 ロイヤルナイツの皆さんは世界を護るためにクロスハートに力を貸してくれる、なんとも頼もしい存在だ。 しかし、登場したナイツは当時判明していた11体の内、半分ほどだけ。 「尺があればみんな活躍させたかった」と中島先生は嘆いていたが、11体も究極体級の味方がいては強すぎて緊張感がないので、削られて良かった気がする。 クロスハートと合流しなかったナイツ達も、消息不明のオメガモン以外は「別の地で戦っている」という処理で、世界観の広げ方が上手い。 この作品もロイヤルナイツが登場するのは後半に差し掛かる3巻からで、 1人目に、デジモン漫画の金字塔「Vテイマー01」のゼロに限りなく近い別人であるアルフォースブイドラモンが登場するというサプライズキャノン。 セイバーズにて智将なのに「力こそ正義!」とか言いつつ1話で即退場した輝かしい醜態を晒したドゥフトモンがちゃんと聡明なキャラをやってたりと、 過去作や本来の設定を意識したロイヤルナイツが集合するという、中島先生の勉強熱心さに感心する展開となっていた。 …が、個人的にはこのクロスウォーズのロイヤルナイツ編も他の作品と同じく、 「タイキ達のクロスウォーズ」が「ロイヤルナイツのクロスウォーズ」にされてしまった感があり、正直前半の方が好みだった。 「ロイヤルナイツが出てくる展開」のお手本のような素晴らしさはあったが、この時点で既に自分がナイツに飽きていたのが残念だった。 サイスルは「ナイツ全員登場」のノルマを達成しなくてはならなかったので苦労していたが、活躍キャラを絞るコトでなんとか被害を少なくしていた。 セイバーズも同様で、目立って活躍したナイツと言えばスレイプモンとクレニアムモン、あとはパンが好きそうな声のデュークモンぐらい。 当時は「空気のナイツが多過ぎる!」と不満だったし、実際空気扱いに終わったナイツが多かったのは意図したものではないと思うが、 結果的にナイツの活躍が「メインキャラの活躍に干渉しない程度」にまで削られていたのは、良かったのだなあと思う。 ここまで来るとどうしても、「世界を救うための組織なんて必要なかった」という結論に達してしまう。実際、マジいらねぇわ。 「世界を救う」という目的はシナリオの中でも最上級に重要な役目なのに、主人公からそれを奪うための組織なんて必要なワケねーだろ。 いや、実際のところはナイツが出てきても世界を救うのはいつも主人公だ。世界を救う組織が世界を救えないんなら本当に必要ねーだろ! これなら「世界を安定させる」という目的で存在する三大天使や四聖獣の方が、ずっと価値がある。 まぁ、お話の都合でやられ役になる運命から避けられない組織でもあるが…。 とりあえずもうナイツの皆さんは敵として出てこられてもイライラするだけなので、せめて味方側に専念してほしい。 が、主人公には既に頼れる仲間が存在するので、少なくとも13体もの究極体クラスが必要になる場面はあり得ないだろう。 そして、全員揃う必要がないというコトは即ち、組織としての存在価値がないと言い換えられてしまう。 ロイヤルナイツ創生の頃はオメガモン、マグナモン、デュークモンと歴代主人公だけが属していったのは、 「世界を救った英雄たちの殿堂入り」的な意味合いもあったのだと思うが、今となってはそれも過去の話だ。 ナイツに関して一番悪いのは、初期設定じゃ3体だったのに、円卓の騎士にのっかって13体にまで増やしたコトで間違いないだろう。 (初期はオメガ、マグナ、デュークの3体だけがロイヤルナイツだったらしい。 ちなみに、海外版ペンデュラムXを元にした漫画「D-CYBER」には、オメガX、マグナX、デュークXの3体のみがロイヤルナイツとして登場している) いずれ、13体のロイヤルナイツ全員に改めて重きを置いた作品が現れるかもしれない。 だが、今までの度重なるナイツの胸焼け感を甦らせ、他の恵まれないデジモン達のチャンスを踏みにじってでも、またナイツを贔屓する価値はあるだろうか? ロイヤルナイツに関しては、ライターの手腕とかそういうのを抜きにして、「面白い話を作れない設定のカタマリ」だと思う。 いい加減、ロイヤルナイツに頼らないで済むように努力しなくてはならないのだと思う。 今思うと、自分がテイマーズでの活躍を終えるや否や、世界の平和は後任に任せ、 のんびりと武器屋を営んでいたあのデュークモンは、ロイヤルナイツの、いや、かつて活躍した人気デジモンの理想の形だったのかもしれない。 (余談だが、個人的に「ロイヤルナイツ」が絡んで一番面白かったのは、フロンティアの終盤だった。 正義どころかモロに悪のデジモンだったし、負けるはずがないみんなの魂が集ってるカイゼルとマグナがひたすらボコられ続ける糞展開として語り草だが、 デュナスモンとロードナイトモンは当時未知のデジモンだったし、デザインもキャラもカッコいいし、2体の友情にも惹かれるモノがあった。 まぁこれは、ロイヤルナイツがどうこうではなく、単純にナイツの2体が好きだったというだけの話) デジモンのグループと言えば、未だにマトモな活躍がもらえない 「オリンポス十二神」「三銃士」「バンチョーデジモン」などがあるが、こいつらは使い方によってはいい仕事をする可能性はあると思う。 出番がなさすぎて鮮度がまだあるのと、期待値が低すぎてもしダメでもガッカリしなさそうだから。 それは多少言い過ぎだが、もう魔王やナイツには飽き飽きしているし、せめて別の組織に光が当たってくれるならずっとマシだ。 デジモンのグループは「ダークマスターズ」とか「クーロン商会」とか「バルバモン配下三将軍」とか「デスジェネラル」みたいな、 「その作品のみで結成される独自グループ」って方が作品に彩りも加わって魅力的だから、どうせ組織推しを続けるならそっち方面でお願いしたいけど。 何故人気デジモンが再登場するとつまらなくなるか、その理由は ・安易に過去作の人気にあやかるような劣化キャラが多いから ・一部のデジモンに出番が偏りすぎてマンネリを産むから ・そのデジモンである必要がないようなキャラだから ・他のデジモンの枠を奪ってまで出すようなキャラじゃないから ・デジモン自体が人気でも、話に出して面白くなるようなキャラじゃないから …と言った感じなのが分かった。 それっぽく理由を連ねてはいるが、ぶっちゃけ「単につまんないから」の一言で片づけて住むレベルのモノが過半数をしめている。 何故デジモンはアニメに対してゲームのシナリオやキャラの知名度が低いのか? ほとんど話がつまんないからというのは決して無関係ではない。 料理人の腕が良くても調理が難しい難題は、魔王やナイツと言った組織の「根本的に設定がダメ」なタイプだけで、 他は別に、脚本家さんやライターさんが頑張ってくれれば、たとえ同じデジモンを使っても面白い話は作れるのだと思う。 そこで「折角面白い話を作れるのなら、まだ目立ってないヤツにもチャンスをあげてほしい!」というのが、このページで一番言いたいコトでした。 ゲームの次回作であるネクストオーダーは現時点の情報を見るにダメそうなのがなんとも辛いが、 そこらに関して気にしてない人はそのまま楽しめばいいし、 気にしてた人はせめてこのページを見て「ああ、そういうコトだったのか」と少しでも納得してもらえればいいと思う。 発売前の予想を良い意味で大きく裏切ってくれたサイスルなんてのも出てきてくれたコトだし、あまり悲観ばかりするのも良くはない。 …いやでもネクストオーダー、またまたムダに町長としてジジモンを続投させる必要はねーだろ…。 ネクストオーダーの初期デジモンたちの「お前らはデジモンアドベンチャーtri.のゲーム化なのか?」と言いたくなるようなメンツには眩暈がする。 向こうも商売なのだから、少しでも売れるために過去の栄光にすがりたいのは分かるが、 もはや全盛期などとっくに過ぎ去ってしまっているのに、 いつまでも「デジモンアドベンチャーを見てた人向け」みたいな展開を続けられるのは、もう慣れたけど、終わらせてくれるなら今すぐにでも終わらせてほしい。 如何せん、デジモンは迷走してからの方がずっと歴史が長いという何故生きてるのか不思議なシリーズなので、 「過去から学ぼう!」と参考に出来るモノがなさげだし、ずっと携わってきたベテランスタッフなんてのもいないので、 これからも試行錯誤を続けていくしかないのかもしれない。 これを書いている自分だって、「俺ならこうしてほしい!」という意見を述べているだけで、 とてもとても「皆はこれを望んでるんだ!こうすりゃ売れる!」なんて金言は吐けないので、 「ちなみに自分はこうでした!」と感想を晒しつつ、結局は今までもこれまでも公式さんには「がんばれ」としか言いようがない。 でも本当に、デジモンにはまだまだ磨けば光る原石が眠っていると思う。 磨けば光るかもしれないのはマイナーデジモンに限らず、メジャーデジモンだってそうだ。 2015年の今になって、サイスルでオメガモンの扱いにここまで舌を巻くコトになるとは思ってもみなかった。 「どうせ使うならまだ目立ってないデジモンに光を当ててやってほしい」という溜飲が下がるコトは永遠にないだろうが、 いたずらにマイナーデジモンばかりを使えば面白くなるかと言われれば、もちろんそんなコトはない。 作り手が本当に必要だと思ってそのデジモンを選ぶのなら、今更登場回数が偏っているコトぐらい気にしないので、良いキャラを生み出してほしいと思う。
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