デジモンコラム
嗚呼素晴らしき哉デジモンの設定 【スルー編】



 今更言うコトでもないが、デジモンにつけられた「公式設定」は参考にならない
勿論全部ではなく一部の話だが、「なんかヘンじゃない?」と首を傾げるモノから、
公式相手に「ソースどこだよ」と思わず聞きたくなってしまうほどヒッデェのまで、様々な謎設定が見受けられる。

 そんな「おかしい設定」にも色々あり、俺は大まかに「登場系」「能力系」「所属系」の3つに分類している。


 まず「登場系」。
これは、そのデジモンが現れた経緯、あるいは進化ルートが限定的なパターンだ。

 例えば、ガルルモンが進化して2足歩行になったという設定の「ワーガルルモン」。

 知ってのとおり、ガルルモン以外もワーガルルモンへ進化できる。ゲームやカード、色んな所でだ。
設定を信じるなら、ガルルモン以外から進化したワーガルルモンはワーガルルモンではない。一体何モンなのだろう。
俺ら人間には区別がつかないだけで、デジタルワールド的にはしっかりワーグルルモンか何かみたいな「パチモン」として扱われているのだろうか?
「見ろよ…あいつワーグルルだぜ…」「わぁマジだ…クッサいから分かっちゃうんだよな」「あいつのテイマーは気付いてないんだろうなあwww哀れwwwww」
…みたいな感じで、我々の連れていたワーガルルモンが、他のデジモンにバカにされていた可能性が立ち上がってきてしまった。

  ちなみに、メタルグレイモンやスカルグレイモンは公式設定で進化前のデジモンが限定されていない。
  それだけに、ワーガルルモン他の「進化前が限定されているデジモン」は設定で油断していたのが窺える。



 次に「能力系
設定として備わった能力に、明らかに他のメディアで描写が追い付いておらず、設定だけが先走りしているパターンだ。
デジモンはやたらと「最強!」「神!!」「マジパネェ!!!」と凄さを前面にアピールした設定が多く、明らかに設定負けしているモノが多い。

 これで有名なのは、なんといってもメタルグレイモンだろう。
何しろメタルグレイモンの必殺技は核弾頭一発分に匹敵するらしいから、本当ならばこれはスゴい。
青、オレンジ両方のメタルグレイモンにこの設定は備わっているし、昔からのファンにとってはもはや常識レベルの超設定だ。
 …が、そんな大層な威力を持った大技で暴れまわるメタルグレイモンなんて、今まで一度たりとも見たコトがない。
まぁ並の完全体以上の威力はあるだろうが、核は言い過ぎだろう。改造して機械の体になったからって、ちょっと舞い上がりすぎだ。


 そして「所属系」。
多くは後付設定による弊害だが「○○に所属する」という設定の割にその組織に所属していない、組織と縁がないパターン。

 これはデュークモンが一番いい例だろう。
アニメ「デジモンテイマーズ」の主役デジモンとして登場したデュークモンは、
設定上では「ロイヤルナイツの一員」だったが、テイマーズ本編にロイヤルナイツなんてモノは出てこない
ロイヤルナイツという設定自体がデュークモンと一緒に出てきたのに、ここで使わないなら何のための設定だったのか疑問だ。
 
  尚、デュークモンはテイマーズの次回作「フロンティア」にもモブとして登場したが、
  相変わらずナイツではなかったようで、「ロイヤルナイツ」として登場したデュナスモン、ロードナイトモンと何の絡みもなかった。

 

 ざっくりと列挙したが、こんな感じに「おい、おかしいぞ」となる設定がデジモンには少なくない。いや、確実に多い
なんでこうも死に設定、謎設定が続出するのか、それは恐らく「デジモンへの設定の付け方」がそもそもおかしいからだ。
具体的には、「個人レベルの設定を、種族レベルの設定にしているから」というのが挙げられる。


 例えば俺が小学生の頃、兵庫のお爺ちゃんの家で飼っていたカブトムシがいて、名前は「カトちゃん」と言った。
カトちゃんを持ち上げようとしたある日、掴んでも止まり木を中々離さず、その時に2対目の左足が千切れてしまった。
 
 これは当然、「俺が飼っていたカブトムシ」の話だが、
デジモンはこれを「カブトムシの特徴として、昆虫図鑑に載せる」というコトをやらかす。
 つまりデジモン的に書かれた昆虫図鑑のカブトムシの項目は、

---
  カブトムシ

  「カトちゃん」の異名を持つ甲虫で、兵庫県に生息し、そこで小学生に飼われていた。
 過去の戦いで左の中脚を失っており、飼い主に激しい憎悪を燃やしている。
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 …といった感じになり、これが世界に生息するカブトムシの生態とされるのだ。参考になるかよ


 カブトムシは置いといて、「個人レベルの話を種族全体に当てはめようとする」せいで話がおかしくなってくるのは間違いない。
勿論、デジモンの設定全部がこのパターンではないが、探してみるとこのパターンはかなり多い。
例えば初期からでもスカルグレイモンを倒した過去を持ち、戦利品の骨を常に持っているオーガモンや、 レオモンに右目を潰されたサイクロモンがいる。
 その後もアニメやゲームで初登場・活躍したデジモンの種族に対して、
まるで「全デジタルワールドにこの種族はコイツ一人しかいない」かのようなかなり個人的な公式設定がつけられるコトは珍しくもない。


 このテの設定はキャラ付けとしては個性的だが(そりゃまぁ個人の話だし)、種族レベルにつける設定としてはやはり難がある。
 ヘタに種族そのものに「固定観念」じみた設定をつけられてしまうと、発展性がなくなり、新たな「違和感」を生み、その結果種族そのものが早死にする
個人的な設定をつけるのは種族を「人物」として扱うアニメやゲームに任せればいい。出発地点の「図鑑」でやるコトじゃあない。


 そもそも、そんな謎設定を持つデジモンが昔から現在に至るまで中途半端にいたりいなかったりする辺り、
イマイチ公式が「デジタルモンスターというキャラクターをどう持っていきたいのか」が分からないのが一番イヤになる所だ。

 「臆病な性質」とか「魚が好物」とか「山岳地帯に住んでいる」とか「○○種とは敵対している」とか、
実在の生物にありそうなレベルでも、キャラ設定は十分可能なはずだし、実際やれているデジモンも多くいる。
大切なキャラクターなのだから、そこそこ生態が分かり、ぼちぼち説得力があり、まずまず発展性のある設定を考えてほしいと切に思う。

  大体、キャラを彩る「設定」を煮詰めないで気楽にポンポン出すからこんな……というのは別の話になるので、ここではやめておこう。



 …さて、出てきてしまったモノはしょうがないので、これらの謎設定をどう解釈、処理すればいいのか?
公式はこれからもどんどん個人的な設定を盛り込んでくるであろうコトは確定的に明らか… というか現在進行形なので、
とりあえずさしあたっては、ファン側の心構え一つでなんとか「脳内補完」せざるを得まい。
 
 ここまで勿体ぶりはしたが、この解決法に関しては「自分は既にそう考えてたよ」という人が多いと思う。
その脳内補完の方法とは

◆各種族の設定は、デジタルワールド史上のその種の最初の1体(あるいは、特定の1体)に基づいたモノであり、全てがその限りではない

 …という考え方だ。
つまり「設定どおりのそんな奴もいただろうけど、他はそうとも限らないだろう」という考え方。
別に特殊でもなんでもなく、大体の人が自然と辿りつく脳内補完だとは思うが、俺はこれが一番スムーズで賢明だと思う。


 こうすればまず、「登場系」の設定に関しては完全に解消できる。
「世界で初めてのワーガルルモンはガルルモンから進化した」と言われれば、そりゃあ納得できる。同じガルルモン系なんだし。

 さらなる設定の補完として、

◆デジモンは登録制であり、「最初の1体」が出現後、そのデータを基にした「同じ種族のデジモン」が各デジタルワールドに出現する

 という考え方もあれば、より完璧に近づくだろう。

「ガルルモンが立った!ワーガルルモンの誕生です!獣系完全体、ワクチン種です!
 つーワケでデータ登録しましたので今度からは他の皆さんも進化できますし、野良ワーガルルモンも出るようになりましたよ!」

「強くなろうと体改造したら失敗で腐ってやんのwwwwメタルグレイモン青が新登場です。他の方々は改造ナシでも進化できますよ。腐るけど」

「会話プログラムから変なイルカみたいなの見つかったんで、ルカモンと名付けてデジモン扱いします。皆さんヨロシク」

「なんか小学生の落書きが実体化してるけど…まぁいいよね!デジモン扱いで!進化ルートも豊富だしナイツの資格も付いてお得ですよ!」


 などなど、他のパターンも脳内補完がガンガン捗っていきますよ!
 登場系以外でも、能力系や所属系もイケる。

「まぁ…昔はマジで核レベルだったらしいですよ?今はホラ…色々と法律とかあって面倒じゃないですか。だから我慢して下さいね」

「最強デジモンのはずなのに最強じゃなくて詐欺だって? そりゃあなた、昔の話ですよ…今時完全体じゃあ…ねぇ…?」

「ロイヤルナイツって副業禁止らしいですよ。ナイツやりたいなら、その武器屋をまず辞めないとねぇ…」

「え?公式で七大魔王扱いだったはずだって? どのみちあなたにはムリですよ、ベリアルさん(笑)」


 段々と「天の声」がウザくなってきたが、これでどんな設定が来てもモーマンタイだ!
どんだけブッとび、どんだけ活かしようがない設定が来ようとも「まぁ…そういうのもあるのかもね(笑)」と流すコトができるぜ!!!!


 …でも、まぁ、
最初から公式設定が種族の生態や特徴についてシッカリと面白く触れられていればそれに越したコトはないワケで、
今後はもう少し、やたら個人的ではなく、妙に先走らず、深みが出るよう煮詰められた面白い設定のデジモンを作ってくれるよう願っています。



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