デジウィンドウ
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2006年8月31日発売
価格:5775円(税込)
公式サイト※消滅済
デジウィンドウは、国内発売された商品ではデジモンアナライザー、ディーターミナルに続く図鑑系の玩具だ。
このサイトでは初代デジタルモンスター等を「育成ギア」と呼称しているので、それに対して図鑑系玩具は便宜上「図鑑ギア」と呼ぶ。 図鑑ギアは「育成ギア」や「デジヴァイス」とは違い、100や200を越えるデジモンを同時収録する「情報量の多さ」がウリとなっていて、 ゲーム的には「ミニゲーム」や「通信」機能に特化した玩具となっている。 例えば「デジモンアナライザー」は、同時展開していた「デジヴァイス」とデジモンデータの交換ができる。 「ディーターミナル」は「D-LINK」全盛期のグッズなので、初代デジモンやペンデュラムのサンドバッグ役を務めたり、 「D-3」にデジメンタルを送ったり、「WSのソフト」と連動したり~と、様々な通信要素を持っていた。 図鑑ギアの数ある通信機能の中でも、特に重宝されたのは「通信対戦が可能」という点。 何しろ、「育成要素」を全く欠いているので、図鑑ギア側のデジモンの死などを全く気にせずサンドバッグにできる。 つまり図鑑ギアさえあれば、もうデジモンを2つ買って片方を生贄に捧げるなどの愚行が必要無くなったワケだ。 図鑑ギアは比較的高額な商品ではあるが、そのサンドバッグとしての有用性は確かで、 図鑑ギアを持っているヤツはデジモン仲間同士ではちょっとしたヒーローになれたものだ。俺当時持ってなかったけど。 「で、単体でもゲームとして面白いの?」と聞かれると、別に面白くない。少なくとも定価分のプレイバリューはない。 こんなの買うぐらいならその金で他の育成ギアやデジヴァイスを買った方がずっと良い。 デジモンアドベンチャー、そして02と初期のアニメに合わせて発売された図鑑ギアだが、 テイマーズ以降は暫く発売されなかった辺り、「売るのが難しい商品」であったと推測できる。 「デジウィンドウ」は、アニメ「デジモンセイバーズ」放映中に発売された玩具。 02の頃に発売されたディーターミナル以来、実に4年ほどが経って久々に登場した図鑑ギアだ。 デジウィンドウはセイバーズの劇中にて、トーマがパソコンというか電子辞書のように使っていた。 役割としてはかつてのデジモンアナライザーやディーターミナルと同じものだったが、 その登場頻度は低く、アイテムとしてのアピールも弱いので視聴者でも「そんなのあったっけ?」と首を傾げるレベル。 正直本編を見て欲しくなるコトはないというか、そもそも商品化されてると思わないような扱いだった。 内容に関しては後回しにして、まずはデザイン、や本体の仕様の話から。 |
図鑑ギアは値段が張るだけあって、本体サイズは大きめ。
デジモンアナライザーやディーターミナルと並べて観ると、大体アナライザーと同じぐらいの大きさだ。 デジウィンドウ自体のデザインは中々カッコイイ。 シルバーとブラックを基調にした配色がカッコよく、特にシルバー部分の質感は良い。 赤外線送受信部や、画面周りやキーなどに用いられた蛍光グリーンもいいアクセントになっている。 しかし、玩具としてはあまり細かい所に気が効いていない。 この頃の商品は液晶が窪んでいなくて剥き出しで傷つきやすい(本体を閉じられるのでこの問題は一応軽減できる)。 同時展開していたデジヴァイスicがヴァイス系でありながらついに液晶に背景台紙を実装したのに、こちらにはないのも残念。 |
側面と、いっぱいに開いた状態での背面。 画面の横にあるのは、赤外線受信部。
画面の背面には「DATS」のマーク。 底面は真っ黒で、下にはネジ式の電池ブタ。ちなみに電池は単四を2本使用する。 この先でも書く場所がなかったのでここで書いておくと、データはオートセーブで、電池交換の際にはデータを任意でロードできる。 後、設定として「サウンドのオン・オフ」に加えて、「画面コントラストの調整」ができる。 |
キーボード部分のアップ。
アナライザーの時も思ったが、パソコンっぽい見た目なのにボタン数が少ないのはなんだかマヌケだ。 ボタン数を増やすのにもコストはかかるし、ダミーボタンばかりで紛らわしくするのもアレだからこうなったのだろうが…。 見た目はまぁいいとしても、このキー郡はゲームとしても遊び辛いのが厄介だ。 左にあるのが十字キーで右のボタンがエンター(決定)。 真ん中のブロックは1~9の数字キーがあり、それぞれに「ア~ラ」の文字が降られている。 最下段の中央は0(「ワ」に対応)、その左が数字カナの変換キー、右がキャンセルキーとなっている。 数字の時はまんま電卓のような入力ができるが、カナ入力は例えば「オ」を押したい時には、「ア」を5回押すコトになる。 それはまぁいいとしても、「゛」や「゜」の濁点・半濁点や、「っ」などの小文字を直接打ち込むキーが存在しないのがとても面倒。 「ガ」を打ちたければ「カ」キーを6回、「ポ」を打ちたければ「ハ」キーを実に15回も叩かなければならない。 いつの時代のゲームだよ。 エンターキー付近か、十字キーの右上辺りにでも「゙ ゚ 小」キーを設けてくれれば大分マシになったのに…。 このギアはミニゲームやパスワード入力など、文字入力が必要になる場面が多いので、入力の面倒臭さは決して見過ごせない。 オマケにこれらのボタンは反応も悪いし、キーの文字塗装がすぐに剥げていく。 そも、後述する「ミニゲーム」では連打系のゲームが多いというのに、 下手にノートパソコンのような形状なせいで本体は持ち辛く、その分キーも押し辛い。 そして反応が悪いせいで不便な文字入力にさらに不快さを強いられるし、そうこうしている内に汗をかいて、キーの文字が剥げていくのだ。 まるで全ての仕様が力を合わせて、よりプレイし辛い環境に連れ出してくれているかのような仕様。僕の計算をもってしても理解不能だ。 やっとゲーム内容の話に入る。 デジウィンドウは大きく分けて、「ミニゲーム」「図鑑」「通信」と3つの遊びができる玩具だ。 ≪ミニゲーム≫ デジウィンドウのメイン部分となる遊び。その流れは 所持デジモンからDATSメンバーズを登録し、「ミッションモード」をオンにして「STANDBY」状態にする ↓ 数秒後、警告音やアラートと共に「デジモンハッケン」の文字が画面に現れる(ミッション発令) ↓ 5つのエリアの内、3~4箇所のどこかを選ぶ ↓ 更にその選んだエリアの中から、デジモンが現れている「現場」を4箇所のどこかを選ぶ ↓ 敵デジモンと遭遇し、ミニゲーム ↓ 勝てば捕獲 負ければ捕獲失敗し、ミッションは終了 ↓ 次のDATSメンバーに交代(ミッションに失敗した場合、スタンバイは自動的に解除される) …という感じ。 セイバーズ劇中の「デジモン発見→DATS隊員出撃→デジモンを倒す」の流れを踏んではいる。 全部で10種類のミニゲームをこなして、ひたすらデジモンを集めていくという、きわめてシンプルな内容。 では10種類のミニゲームを紹介しよう。 ■ウンチにあたるな! しょっぱなからトホホなゲーム名だが、デジモンとウンチは切っても切れない関係なので仕方無い。 一定時間の間、上から降り注いでくる無数のウンチから左右に逃げるゲームで、当たり判定がシビアだったりして中々難しい。 さらに、ランクが上がってくると画面の半分を覆う巨大ウンチ<が現れたりするなど、10種類の中ではちゃんと「ゲーム」してる部類のゲームだ。 何やら説明書には「★ギリギリで避けるのが最高のテクニックだ!」とか書いてるが、別にポイント加点などはない。
■ドクロをうて! 3×3で配置されたアイコンの中から、ドクロだけを正確に狙い撃つ3回勝負のミニゲーム。 低ランクの内は黒いドクロとは明らかに色も形も違う白いデジタマがダミーなので見分けるのもラクだが、 ランクが上がるとボタモンやポヨモンなどの黒い幼年期が「的」として借り出されてくるので、難しくなってくる。 デジタマや幼年期を誤射すると「パチュン」と砕け散るのがエグい。 勿論一発でも誤射すればアウトだ。 ちなみに自分の選んだDATSメンバーズは全く登場しない。 ■ダッシュで飛び越せ! 「↑」キーでのジャンプと、エンターキーでのダッシュを併用して、 道中に転がるウンチを避けつつ時間内にゴールを目指すゲーム。ウンチ以外の障害物を用意してくれてもいいんですよ。 ランクが上がるとウンチの配置や数がいやらしくなってくるので、 ジャンプとダッシュをガンガン使う必要が出てくるが、どうもこのミニゲームは特にキーレスポンスが悪く感じられてやり辛い。 尚、自分のデジモンが16×16ドットで駒として登場するが、個別にダメージドットが用意されていないため 障害物であるウンチに触れると一時的にパソコンになるという、なんともシュールなダメージモーションが見られる。 ■バクダンを解除せよ! 遭遇したデジモンにナニモンが爆弾をしかけていくという謎シチュエーションから始まる。 そのまま見殺しにしても別に良いんじゃないかと思うが、世間体もあるしゲームなので助けなければならない。 爆弾の解除は「426→→185」など、表示されるコマンドを正確に入力するコトで行う。 入力ミスしても即ドカンとはならないが、間違えた分だけ制限時間が減っていくので素直に入力した方が良い。 残念ながら失敗に終わると爆弾が爆発し、哀れ、遭遇したデジモンはパソコンと化す。パソコンとは一体。 尚、このゲームも自分のデジモンは全く登場しない。 ■計算しろ! 文字通り。とはいえ、この商品は対象年齢7歳以上なので問題のレベルはそれなり。 低ランクな問題はそれこそ「1+1」や「4-3」など馬鹿にされてるとしか思えないレベルであり、 最高ランクの問題でもせいぜい「7×8」だの「73-37」だとかその程度で、いいトシした大きいお友達が楽しむものではない。 問題は掛け算までで、割り算は出てこないあたり、小学校2年生ぐらいが想定していたメインターゲットなのだろう。 そしてこのゲームも自分のデジモンは全く登場しない。 ■デジモン名を完成させよ! 「ダー○○ラモン」などのように一部字が伏せられた問題の穴埋めをする。 一応デジウィンドウに登場するデジモンの名前しか出てこないが、デジモンの知識が無い人はふるい落とされる。 問題も悪い意味で糞真面目で面白みは無いし、やっぱりこのゲームも自分のデジモンは全く登場しない。 ■通ったのはだれ? 右から左へと歩く、いやスライドしていくデジモンの名前を答える4択問題。 これまたデジモン知識が無い人を切り捨てているし、ただでさえ何モンだか分からないアレなドットが増えているというのに…。 答えがカオスモンの問題の時、選択肢が「オメガモン、オメカモン、カオスモン、オーガモン」だったのは自虐ネタなのだろうか。 遭遇した、つまり出題してきたデジモンと問題に出てきたデジモンになんら関係がない点には少しイラッとさせられる。 例によってこのゲームも自分のデジモンは全く登場しない。 ■多く食べろ! 画面が上下に分割され、上に敵デジモン、下に自分のデジモンが並ぶ。 そして左方向にニク、プロテインがランダムで並べられていて、 ニクならエンターキー、プロテインなら←キーを連打して、制限時間内により多く食べられた方の勝ち。 しかしエンターと←の両方を同時に押せばニクもプロテインも関係なく食えるのはゲームとして破綻していてどうかと思う。 エサを食うアクションドットは用意されていないため、見た目的にもひたすら地味で面白みが無い。そして上のズル技に頼るまでもなく敵はザコい。 ■パワーを上げろ! 3×4に配置されたマスの内、黒く塗り潰されている場所に対応しているキーを全部押せばクリア。 ランクによって黒いマスの数が3~5に変動するが、ただでさえ制限時間に余裕があり、 マスの入力に順番などの条件もなく、お手付きをしてもなんのデメリットもなく、ゲームとして成立していない。 クソゲー揃いのデジウィンドウの中でも一際輝くクソミニゲームだ。 ■勝ったら攻撃!負けたら避けろ! ジャンケンで勝てば↑を押して攻撃、負ければ↓を押して避けるゲーム。 ジャンケンは自分の操作でなく勝手に行われるため、プレイヤーはその結果に応じたコマンドに専念するコトになる。 幼年期でも平気で究極体を一撃必殺できるのはアレだが、反射神経を使う分、これでもまだゲームとしては面白い方。 また、制限時間は設けられていないので、ひたすらこっちが回避に徹すればいつまでも終わらない。 だがこれは、後述する「とある理由」で重宝するのだった。 これらのミニゲームをこなしてデジモンを収集するのがこの玩具の主な目的となるワケだが、 ミニゲームの単調さもさるコトながらギア自体の表示関連も不親切で、どうもモチベーションが上がらない。 例えばデジモンを捕まえた時、「新しく捕まえた」「もう持ってるヤツだった」などの補足を入れてくれるはずもなく、 既に持ってるヤツだろうがなんだろうが、毎度毎度数秒のアニメーションを見せられてテンポが悪い。 捕まえたデジモンは所持している「全体数」が分かるだけで、 登場デジモンにナンバーは振られてないし、リストのようなモノもないため、何を持っていないのかの確認も困難だ。 そのせいで「デジモンを集めよう!」とならないし、「これだけデジモンを揃えたぞ!」という達成感も得難い。 そして何がつまらないって、隊員となるデジモンに全く魅力がないコト。 選んだ隊員でバトルするワケではなく、飽くまで「ミニゲーム」な上に、どのデジモン使ってもゲームは同じ。 選んだデジモンはただの駒でしかないどころか、ミニゲームの種類によっては登場すらしない。 ドットの動きも乏しく、よく動くのは図鑑やスタンバイ中のみであり、ゲーム中では「通常」「攻撃」のたった2枚。 しかもそれは「24×24ドット」の話であり、一部デジモンに用意されている16×16ドットにいたっては基本絵の一枚のみで全くの不動。 本当に、「キャラクターを使っている」という気持ちにすらなれない。 ディーターミナルなんかは、それほどデジモンごとに個性があったわけではないが、世代や一部のデジモンごとに能力が分けられ、 尚且つ一軍として使い続けたデジモンは少しずつ能力が上がったりして愛着が湧くようになっていたし、 何よりディーターミナルはちゃんとデジモン対デジモンの「バトル」をしていたからそれで良かったものの…。 ただでさえ存在意義の薄いDATSメンバーズだが、登録できるデジモンと登録できないデジモンがいる仕様が追い打ちをかける。 登録できないデジモンはいわゆる「敵限定」であり、捕まえれば図鑑にこそ登録されるが、 「DATSメンバーズ」としては登録できず、本当にただ記録されるだけの扱いなのだった。 例によって、敵限定デジモンに限って魅力的なのが多かったりするのもまた辛い。 デジモンが出現するエリアは、 「バーガーショップ」「デジシティータワー」「デザートドーム」「フォレストコロシアム」「ダークキャッスル」の5つに分かれている。 「出てくるデジモンが違う」だけのエリアだが、実はここで自分のデジモンによって変化が現れてくれる。 …ただ世代によって入れるエリアが違うというだけ。 …本当にただそれだけで、 一度エリアに入ってしまえば後は登場するデジモンはただのローテーションで固定であり、 「こいつはこちらが究極体じゃないと出てこない」や「こいつはこちらが○○モンの時のみ出現」などといったモンは一切無い。 説明書では、アグモン博士が「デジウィンドウに隠された秘密」の一つとして 「エリアは全5箇所、ミッションは全10種類!強いデジモンを連れて行けば良いという訳ではない! デジモンの成長段階に応じたミッションが待ち受けているんだギャ!」 …と大ぼらを吹いているが、全裸に白衣博士気取りななていうアホの子の言うコトを、ハナから信用してはいけないな。 さらに、シルフィーモンがダークキャッスルに出現したり、 コカブテリモンやカブテリモンがフォレストコロシアムでなくデザートドームに出現したりと、 デジモンの属性と配置場所のイメージもちぐはぐで、本当に何も考えてないのだなあと呆れさせられる。 悲しいコトに、デジウィンドウ単体でできる遊びらしい遊びは、この粗末なミニゲームだけ。 単純にゲームとしても底が浅いし、ミニゲームそのものが遭遇するデジモンによって固定されているのも単調だ。 「計算しろ!」や「デジモン名を完成させよ!」などのクイズ問題すらデジモンによって毎度固定とあってはつまらない。 ≪図鑑≫ デジモンアナライザーは約150体、続くディーターミナルでは344体ものデジモンのデータを収録していた。 それらから4年が経ってから発売されたデジウィンドウ、そのボリュームとはどれほどの規模にまで膨らんでいるのか。 ……お前たった196体ってフザけてんのか!? 流石、パッケージや公式サイトに「150体以上のデジモンが登場!!」と寝言を書いているだけはある。 当時デジモンの数は700~800にまで至っていたというのにこれはひどい。 (一応「196体」に加えて後9体の隠しデジモンが登場する。…が、加えた所で…) ちなみにお値段は、アナライザーが6980円で、ディーターミナルも同額。 そう考えるとデジウィンドウは5775円で一回り安くなっているが、内容の差は値段以上に大きい。 図鑑ページ(デジウィンドウ内では「FILEリスト」と表記)は ・DATSファイル:DATSメンバーズとして使用可能なデジモン ・エネミーファイル:敵限定デジモン ・シークレットデータ:携帯電話との連動で入手できるシークレットデジモン の3つに分けられ、DATSファイルとエネミーファイルはさらに世代ごとにページが分けられている(「全部表示」もある)。 さて、デジウィンドウでは各デジモンについてどれほどのデータがまとめられているのか。 「名前」「ドット」「世代」「属性」「デジソウル」 以上。 …まぁ、今までの図鑑ギアも大したモンじゃなかったので期待はしていなかったが、せめてディーターミナルのように必殺技名ぐらいはほしい。 個人的に不満なのが、図鑑で見られるのは24×24ドットのみで、16×16ドットが見れないコト。 16×16ドットは収録デジモンの半分?ぐらいにしか用意されていないので、わざわざ表示スペースを作るのも面倒だったのだろうか。 実際まぁ、16ドットがあるデジモンとないデジモンが図鑑でハッキリ可視化されると手抜きオーラも強まるだろう。 実際手抜きなんだからせっかくある分には全部載せてくれた方が良かったけど。 24ドットの方はこの画面では色々と動きをみせてくれるのがデジウィンドウの数少ない良い所だが、 操作を全く行わずに画面を眺めていると約15秒後に図鑑メニューどころか通常画面に戻される。 せめて30秒ぐらいは落ち着いて見せてくれよ…。 そんなこんなで図鑑モードもあまり心の支えになるようなモードでもないので、DATS隊員としての使命感は弱まる一方だ。 パッケージに「まずは150体デジモンを集めよう」とあるので作業にたえて頑張っても、 150体集めたところで「君はDATSノーマル隊員だ」とようやく一般兵扱いにしてもらえるだけ。 申し訳程度に画面でアグモンやガオモンが踊って祝福してくれるが、隠し要素解放などのご褒美は何もない。 ていうか150/196を集めてようやくノーマル隊員って、DATSのランク基準は一体どうなっているんだ。 ミニゲームの成績を見たりするレコード画面はあるのに、「現在は○○隊員だ」と隊員ランクを確認できるコマンドもない。 現在193体を集めた俺は今、何隊員なんだろう。こんなゲームにマジになっちゃった時点でバカ隊員だろうか。 ≪通信≫ デジウィンドウ単体での遊びが悉く酷いので、後は「通信」で外の世界に助けを求めるしかない。勿論助からない。 かつてのデジモンアナライザーやディーターミナルが様々なギアと連動できていたのに対し、 デジウィンドウが通信に対応しているのはデジヴァイスicのみ。 そのデジヴァイスicとできるコトも充実しているとは言えず、「対戦」と「データ受信」しかない。 ……対戦あんのかよ!デジウィンドウ内でじデジモン戦わせてくれよ!! データ受信は、デジヴァイスicで育成中のデジモンデータをデジウィンドウに登録できる連動だ。 (デジヴァイスicのデジモンには全て対応しているが、デジヴァイスバーストの一部のデジモンのみ未対応の模様) これと同じような機能はデジモンアナライザーの頃からあったが、 育成ギアでわざわざ育成するより、図鑑ギアの方でちゃっちゃとゲットした方が早いので、正直あまりアリガタミがない。 やはりデータ受信よりは「対戦」の方がメインになるだろう。 しかし残念ながらこちらの方がもっといらない、というか、使い道の無い機能なのだった。 なんでかと言えば、デジヴァイスicには1人用対戦のコロシアムモードが実装されている。 つまり、別にデジウィンドウに頼らずともバトル数・勝率は独力で稼げるのだ。 一応、デジウィンドウとバトルすればic側には「隠しショップ」や「隠しコロシアム」が出現するボーナスがあるが、 別にic側はこれが無いと支障が出るわけでもないし、少なくとも、このためだけに「5775円」の価値をデジウィンドウに見出すコトはできない。 対戦してもデジウィンドウ側には特にメリットもないので、相乗効果で良くなるコトもない。 最新機種のくせに歴代図鑑ギアの中でもパッとしないデジウィンドウだが、 通信相手のデジヴァイスicはちゃんと昔のギアより進化していたために、デジウィンドウのダメさ加減が浮き彫りになってしまった。 しかし、実はウィンドウの通信相手はデジヴァイスicともう一つあった。それは「携帯電話」。 なんだか時代の進歩を感じてスゴそうだが、実際はバンダイチャンネルが配信していたデジモンのアプリと連動していただけだ。 まずは、アプリ「アグモンアイススライド」「ガオモンナイスキャッチ」「ララモンエアライド」 「ガオモンハードパンチ」「ララモンパネルアタック」「アグモンスカイゲット」との連動から。 (公式サイト跡地 http://digimon.net/mobile/dw.html) これらのアプリは全てが無料というワケではなく、ちゃんと金を取られるものもある。 クリアするコトでデジウィンドウ用のパスワードが表示されるワケだが、一ゲームあたり1~2個しかパスワードが手に入らないケチぶりだ。 どうせ今更こんなアプリを落とす人もデジウィンドウを買う人もいないだろうから、 (アプリに至っては配信も終わってしまったコトだし)、そのパスワードは書いてしまおう。 デジウィンドウがパスワード入力によって手に入れられるデジモンは全部で6体。 以下にはそのデジモンと、入力する24文字のパスワードを記しておく。◯は入力時に「スペース」として撃ち込む必要がある部分だ。
パスワードはそのデジモンの説明になっているのだが、 メタルグレイモンの「ゴツイヒダリウデ」ってのは、もうちょっと言葉を選んでやれなかったのだろうか? 「キカイノ~」とか「キョウリョクナ~」とか、選択肢は色々あったろうに。 …ていうか、パスワードに空白が多すぎないか? 特にユキダルモン、お前文字入れる部分とスペース入れる部分がほぼ同じじゃねぇか!! パスワードの文字数は24文字と決まっているのに、誰一人パスワードの文字数がキッチリしてないのが気になる。 枠をもっと短くしてある程度は文字数を揃えるとか、素直にランダムな文字列で良かったんじゃ…。 上記のアプリとは別に、「デジモンポケットウォーズ」というデジモンだかポケモンだか分からないアプリとも連動していた。 (内容についてはこのページを参照) こちらはクリアしてもただパスワードが出るワケではなく、 ちゃんと条件を満たした後に、デジウィンドウへデジモンをアップロードするためのコマンドが追加される。 俺もこのアプリは315円払って購入したが、一度クリアすると気前よくデジウィンドウ用「シークレットデジモン」を9体分一度にもらえるのでちょっと太っ腹な感じだ。
上のドットは左からサンタアグモン、ブシアグモン、アタマデカチモン、ヨッ!ヨッ!モン、 アルゴモン究極体、エルドラディモン、シャイングレイモンバーストモード、デュークモンクリムゾンモード。 本当ならこれらに加えドゥフトモンももらえるはずなのだが、どういうわけか俺は入手できず、調べてもよく分からなかった。 アタマデカチモンとヨッ!ヨッモンはVジャンプ史上のコンテスト入賞デジモンだが、こんな所で出されてもあまり羨ましくない。 まぁ、入賞者は当時幼稚園か小学生そこらの年齢だったからそう気にしないだろうし、公式グッズに出られるだけでも周りに自慢できるか。 この「シークレットデジモン」は、他のデジモンとはデジウィンドウ内で少し扱いが違う。 図鑑の数には加算されず、デジウィンドウ内にシークレットデジモンは1体しか存在できない仕様となっている。 「シークレット枠」が一つしかなく、転送の度にデジモンが入れ替わる形になるワケだ。 …なんでそんな仕様に? ≪まとめ≫ 結局の所、デジウィンドウにあるのは単調なミニゲームと、ドット鑑賞ぐらいしかない。 強いて言えば「セイバーズファンのファンアイテム」としての側面が一番大きいのだろうか。 幸か不幸か、発売前に公開された公式サイトの時点で絶対面白くないのが分かりきっていたので、大して被害者は出なかっただろう。 強いて言えば、こんな商品を扱わされた小売店は気の毒だ。 俺が購入したのは一部では有名なオンラインショップ「ベルハウス」で、俺が見た時は在庫300個とかになってたのが印象深い。 やがて、そのおびただしい量の在庫達が消え「売り切れ」となるところまでは見届けた。本当に「売れた」のかは知らないが。 セイバーズ期は「久々のデジモンアニメ復活」というコトで、初代デジモンアドベンチャーを意識していた部分があり、 恐らくこのデジウィンドウも、デジモンアナライザーを意識しまくった商品なのは間違いないと思う。 しかし劇中の販促も商品の出来もダメとあってはどうしようもない。 いらん世話だが、これを買ってもらったチビっ子はちゃんと楽しめたのかが気になってしまう。 もちろん素直に楽しめた子供もいるだろうが、デジヴァイスic買ってもらった方がよかったと思うよ! ちなみに自分が何故この見えている地雷を買ったかといえば、完全に16×16ドットが目当てだった。 ヴァイスドットやデジヴァイスicにも使われる「24×24ドット」の登場で、16ドットの扱いは段々と弱くなっていった。 しかし、偶然デジウィンドウの公式サイトを覗いてみれば、16×16ドットが大量の新規分と共に復活していたと知り、 薄々興味を持っていたところ、500円で投げ売られているのを見つけ、購入に至ったワケだ。 商品の方はアレだったが、それでも大量の新規16×16ドットを見られたのは本当に嬉しかった。 流石プロだと思わず感心してしまうようなドットや、もう忘れられてるとばかり思ってたデジモン達のドットが見れたのは感慨深い。 デジウィンドウに登場する全ての16ドットはこちらにまとめているが、ここでは一部をピックアップしよう。
ちなみにデジウィンドウでの新規ドットには、 「デジウィンドウにて書き直されたもの」や「後発のデジモンツインで更に書き直されたもの」もある。 → 前者はブラキモンやズドモンがそれにあたり、ズドモンは以前よりもしっかりズドモンだと分かるようになった。後者は、セイバーズのアグモン・ガオモン系譜の成熟期~究極体全てがそうであり、 恐らくデジウィンドウで打たれたドットでは、育成系のギアに出してアクションをさせるには不適切だったからだろう。
また、デジウィンドウでの新規16×16ドットは、同時に展開されたicの24ドットを縮小したようなものもある。 →
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その他、上のシャイングレイのように足の間隔がやたら狭まっていたりして、お世辞にもバランスが良いとは言えない。 これらの16×16ドットは、何度も言っているようにデジウィンドウ内ではミニゲーム中にしか見るコトができない。 で、俺はそれをどうやって打ったのかというと、ミニゲーム中にしか見られないそれを「がんばって見て写す」しかなかった。 「写真撮ればよくね?」と思うだろうが、当時は今ほどケータイのカメラも良くなかったし、 そもそも画面にあまり映らないので、そうやすやすと撮影はできなかった。 今更マネをしたがる人はいないだろうが、折角だしどうやったかも話しておこう。 少しでも浪費した体力と時間をネタに昇華したいのもあるし…。 ミニゲームは10種類あるが、自分のデジモンの16×16ドットが見られるのはその内たった4種類。 これにあたるのは「ウンチにあたるな!」「ダッシュで飛び越せ!」「多く食べろ!」「勝ったら攻撃!負けたらよけろ!」の4種類。 逆に、敵の16×16ドットが見れるのは「ダッシュで飛び越せ!」「爆弾を解除せよ!」「多く食べろ!」「勝ったら攻撃!負けたらよけろ!」の4つ。 重複分を整理すると、計6種類のミニゲームで16×16ドットを見ることができるわけだ。 「ドットを見るコトができる時間、環境」という観点から、これら6種類のミニゲームを紹介しよう。 ■ウンチに当たるな!(味方ドットのみ) それなりの時間ドットを見るコトができるが、ミニゲーム自体のキー操作が忙しく、 尚且つウンチに触れればその場でゲームが終了してしまうのがネック。 ■ダッシュで飛び越せ!(敵味方両方) 味方に関しては、「ウンチに当たるな!」と大差ない。 障害物に当たっても即死ではないが、ただでさえキー操作で両手がふさがってしまい、肝心の模写作業ができない。 さらに障害物に当たればドットがパソコンと化すため、制限時間の都合もありかなりしんどい。 敵デジモンのドットはゲームクリア時にのみ見ることができ、ゴール地点に待っている。 その敵デジモンは画面左からスクロールして表示されるのだが、その「表示始め」を含めてもせいぜい2.5秒程度しか見られず、 全身がしっかりと画面内に収まって見られる時間は僅か一秒程度の鬼畜仕様。 俺みたいにわざわざドットを打とうする人じゃなくとも、折角のドットが映るのが一瞬過ぎるのはどうかと思う。
■爆弾を解除せよ!(敵限定) ミニゲームのクリアを諦めれば、それなりの時間ドットを見ることができる。 コマンド入力がクリア条件となる一方で、クリアを諦めれば特に操作をする必要もなくなるので、結構楽だ。 ただ、一回で模写し終えるのは難しいので、最低でも3回前後は繰り返すコトになるだろう。 ■多く食べろ!(敵味方両 上に同じく、クリアさえ諦めればかなりの時間ドットに集中できる。 ただ残念なコトに、ミニゲーム中に画面を上下に区切っている線と、敵の一番下段のドットが被っており、 敵ドットの足元がどうなっているのか確認しようがない。 なので、このミニゲーム担当であるトーカンモンやチャツラモンなんかは、 「倉」においてあるドットも再下段は俺の予想で打っているので、多少のミスが生じてしまっているかもしれない。 ■勝ったら攻撃!負けたらよけろ!(敵味方両用) ジャンケンの結果に応じてコマンドを入力するゲームだが、こっちが回避行動を徹すれば勝負がつかず、制限時間も無いのでドットが見放題。 おかげさまで、このミニゲーム担当だったカオスモンやハイアンドロモンなんかは実に簡単に模写するコトができた。 DATSメンバーズに登録できる味方デジモンはこのミニゲームで模写するのが一番手っ取り早い。 まさにデジウィンドウのドットを模写しようとするバカ、つまり俺のためにあるようなミニゲームだ。
辛い戦いだったが、ドットのためにミニゲームを繰り返している間は、実に豊かな心でデジウィンドウをプレイできた気がする。 今となっては「500円で買えたのは実にお買い得だった。2000円分ぐらいは楽しんだ」と良い思い出になっているとすら思う。 まぁ、2000円だったら買わなかったけど。 レビュートップ サイトトップ |