デジモンアクセル
新機能!D(デジモンの)N(名を穢す)A(アホ)システム!!

発売:ジャスティス・エビルゲノム 2005年03月26日
ネイチャーゲノム 2005年07月30日
アルティメットゲノム 2005年11月19日
価格:2625円(税込)
公式サイト


 ついにデジモン史上紛れも無く最も糞だということが決定しているギア、デジモンアクセルのお話だよ!長いぞ!



 「デジモンアクセル」はペンデュラムXの次に当たる、育成ギアの新シリーズだ。
「アクセル」という名前は「acceleration(加速)」から来ていて、後述する今回のトレーニングや「ブラストエボリューション」、
そしてペンデュラムXで停止していた「デジモンを再出発させよう」という意気込みが籠められたのだろう。名前負けだったな


 ゲーム的には最高だったが「Xデジモン」という腐った概念を作ったX路線は早々と撤回され
ペンデュラムXでリセットされたばかりの世界観は、今作のアクセルで再びリセットされることになった。

 ただ、ここでモンスターのデザインラインを従来のそれに戻したのは英断だった。
片意地を貼ってXデジモンのようなカンチガイ路線を続けていれば、デジモンは10周年を迎える前よりも早く無残に死んでいただろう。


 「モンスターを増やしすぎたこと」にも反省したのか、アクセルは「X」のような世界観レベルでの新シリーズではなく、
プログレスのように、単に「一部の新デジモンが混ざって登場する」新シリーズだった。
おかげでXのようにデジモンの世界観が破壊されることはなかったし、新シリーズとしては中々堅実な路線だったと思う。


 …が、肝心の玩具の出来がお粗末すぎたため、俺をはじめとした一部のデジモンファンからの評価はドン底だ。
いくら雰囲気が従来のものに近く戻っても、ゲームとしてダメなら全てがダメなのは言うまでもない。

 ついでに言うと、その「戻った」というモンスターデザインも、Xほどではないがどことなく違和感は拭えず、
設定が妙にブッ飛んでたり、致命的に必殺技がダサいデジモンが大量発生することとなった。
その結果、ゲーム自体のデキの悪さと相まって、アクセル及びアクセルデジモンの評価は現在でも芳しいモノではない。


 …さて、やっとアクセルのゲーム内容についてだが、まずは本体の話から。
「プログレス」までは、ダイキャスト(だと思う)を使用された本体は高級感溢れるものだったが、
「ペンデュラムX」以降はそれが廃止され、今作からアクセル、ミニ、デジヴァイスic、ツイン…と、続くどれもがただのABS製となってしまった。

 しかしその中でも未だに一際輝く本体の安っぽさを誇るのがアクセルだ。
ただでさえ本体がでかいし分厚いのに、細かいディテールや色分けも全くと言っていいほど無いからだ。
今でこそ珍しくないが、育成ギアでありながら本体が縦長になったのも今回が初めてだ。

 さらに比較。左上が元祖とミニ、左がアクセル、右がペンデュラムX。

 ミニのページで「ミニの本体は安っぽい」と書いたが、アクセルの比ではない。 
全バージョンを合わせるとカラバリが8種出たが、どれも本体はただの単色で工夫が全く見られないのもマイナスだ。
デザイン自体がここまで手抜きなのだから、せめてクリアカラーバージョンの一つも出してほしい。


 アクセルの安っぽさが最大限に発揮されるのは背面で、思わずこれが2625円もすることを忘れてしまう。

 
 本体が前と後で色が違うことに気付いた人がいるかもしれない。
どういうことかというと、アクセルの前面には「クリアプレート」が取り付けられるようになっていて、
本体とプレートの合間に「アクセルシート」と呼ばれる紙を挟む事で、様々なデザインに変化させらるわけだ。
初代デジモンのフレーム換えみたいなもんだね。

 アクセルシートは本体を買えば1枚付いてくる他、当時出ていたカードダスの「デジタライズブースター」を買えば、
ルール説明用紙の代わりに付属してきたりして、これは中々嬉しかった。
問題はデジタライズブースターが出る頃にはデジモンカードを扱う店が既に激減していたことだが。

 ちなみに、上の画像でクワガーモンが挟んでいるのが最初からジャスティスゲノムに付属のモノで、
右のオメガモンの奴がはブースターのオマケだ。…意図的かは知らんが、付属シートがえらくショボい。


 また、お金を払わずとも公式サイトでもシートを入手することができた。
アクセルの登場デジモンにはそれぞれ「DNAコード」が設定されていて、ステータス画面で見ることができる。
これを公式ページにて入力すると、そのデジモンがプリントされたシートが貰えるという、一見良さげなサービスだ。
 …しかし、デジモンによっては対応してなかったり、
もらえたところで「無地の白をバックに中央にポツンとデジモンが置かれただけ」という手抜き極まりない紙クズがもらえただけだ。

 さらには、「シートにプリントされたデジモン、やけに潰れてるなぁ」と思いながら見ていたが、プロパティで画像のファイル名見てみれば
「290×290」で進化表に使われている公式絵を、「121×121」に縮小表示して流用しているじゃないか!?
 ど…どこまでケチくさいんだ。むしろこうする方が面倒じゃないのか?

つーかこんなチンケなシートぐらい1枚にまとめてデジモンごとに揃えろよ!仮にも「公式サイト」だろ!?


 実際に見て確かめたいという人は、とりあえずここに入って
フリモンのDNAコード「95213」やバンチョーレオモンの「37744」などで試してみてくれればいい。どうだ、わざわざ印刷して使いたいか?

 印刷といえば、公式サイトはプリンタ関連の世話まで焼くつもりはなかったらしく、
「画像はやったんだ、後はそっちで勝手にやれよ」という放任っぷりだ。これ、対象年齢7歳以上なんですけど。
それに、やっとシートを印刷できたと思いきや、大きさが違ったらどうするんだ。これ、対象年齢7歳以上なんですけど。

 あまりにもバカらしすぎて俺は実際に印刷まではしてないんだが、
実際にプリントした時、変に圧縮されてて画質が気の毒になってるデジモンの絵はどうなるのだろうね?


 何はともあれ、正常な思考をしている人なら公式サイトからシートを貰おうなんてもう考えないだろう。
「君だけのオリジナルシートが作れるぞ!」とか言っておきながら、フレームだけ描いて後の部分は透過したような
シートの素材すら用意してくれないのだから、本当に気が利かないんだなあと心底呆れ果ててしまう。

 技術がある人なら別にどうってことなく素材ファイルを作れるが、
飽くまで子供向けの商品だってことを忘れないで欲しい。いや、今これを読んでる人じゃなくてスタッフが。 

 俺も上でさりげなくオリジナルシートを晒していたが、どう作ったかもう覚えてない。かなり無理やり作った記憶はあるが…。
  


 確かにこの「シート」と言う発想は間違っていなかった。
所詮「紙」であるために低コストであり、販売するにも支障をきたすこともない。
ユーザーとしても、折角自分が遊ぶ事になる玩具には、好みの外装をつけてやれたら悪い話ではないだろう。

 だが、このおざなりすぎる本体デザインを(色んな意味で)カバーできるほどのものではなかった。
確かに、シートに覆われる「前面」のデザインは、それこそのっぺらぼうでも構わないだろうが、側面も背面もだしなぁ…。

 特に、俺が持ってる「ジャスティスゲノム」は本体色が「白」であるため、安っぽさが尋常ではない。
黒や赤など、明度の低い色で作られている他のゲノムならまだいくらかマシだが、それでも2625円分の価値はとても感じられない。 



プレートとシートを外すとこんな感じ 下部分にあるのは電池蓋(ちなみに使用するのはCR2032を一つ)
角に8つある穴はそれぞれ4個ずつ「プレート接続用の穴」と「ネジ穴」だが、工夫次第で統一できたんじゃ・・?


 さて、俺が携帯機のレビューでは何かと気にする「液晶」だが、アクセルの場合、ちゃんと画面は窪んで設計されている。
うん、このおかげで確かに画面は傷つきにくくなっている。うん、それはいいんだ、それは。
だが思い出して欲しい。アクセルは本体前面を「クリアプレート」で覆うということを。
確かに画面は傷つかない。窪んでいるし、プレートも画面を守ってくれるのだから液晶の傷つきにくさでは他の追随を許さないほどだ。

 …ここまで言えばオチは分かるだろう。 そう、プレートが傷つくから結局画面は見辛くなるんだよ!!
本末転倒というかなんというか、マヌケすぎて本当に悲しくなってくる
しかもこのプレート、素材に気を使っていないのか、単に透明だからか、すぐにいっぱい傷がつくぞ。

 画面を守りたければプレートを着けることになるが、結果画面は見辛くなる。
画面を綺麗に見たければプレートを外す事になるが、結果液晶が直接傷つく事になる。なんてこったい
 この問題を解決するには「クリアプレートに透明保護シートを張る」と言うマヌケ行為に及ぶか、
それこそ本当に大事に扱うか、いっそ傷なんて気にしないかのどれかしかない(ちなみに「買わない」のが一番賢い)。
 まあ、普通に扱ってればそうそう傷つくコトは無いからそれほど気にすべき点ではないかもしれない。
だがプレートは単品では売ってないから、画面よりこっちの方が心配な気がする。


 それよか、問題は液晶に背景が無いことだ。 
一応「育成系」に分類されるはずのアクセルには、代々育成系のシリーズで守られてきた「背景台紙の存在」が破られているのだ。
 尚、育成系で背景が無いのは後にも先にもアクセルだけであり、
セイバーズ版「ヴァイス系玩具」であるデジヴァイスicには背景が付いたし、内容的には育成系だし、いよいよアクセルの立場は無い。

 大体、背景が無い液晶というのは悲惨なものだ。
なんで今のご時勢に、初代ゲームボーイみたいな画質の中で動くデジモンを育てねばならんのか。
ていうか、「液晶に背景入れる」なんてなんで今までやってきたことを突然止めるんだ!?
むしろ本体の前面に好きなシートを入れられるのでなく、背景台紙のシートをカスタマイズできるぐらいで良かったんだぞ!?


 本体と液晶こそ(「こそ」も何も、デザイン的には大部分だが)アレだけども、他は特にこれといった問題は無い。
しかし、褒めるところも無い

 本体右にある3つのボタンは、配置こそ変わっているが御馴染みの「A・B・Cボタン」だ。
左側にある黒い部分は「グリップ」であり、トレーニングやバトル時のコマンド入力に使われる。
さらに本体上部にはペンデュラムX以降のシリーズと通信をするためのコネクタ(端子は3つ)があり、
左上にあるでっぱった箇所は新機能「DNAスキャン」を行うために用いるための端子だ。



 本体の時点で全く褒める箇所が無かった辺り既に不安だが、ゲーム内容の話に移る。
なんだかテンションが上がらず下がる一方だが、この後も上がる事は無いと先に言っておく。

 なにしろ、ただでさえ、

ヴァイスドットであり、アクションも面白みの無いものばかり
技ドットが全員共通
・バトル時のコマンドは連打式だが、各デジモンごとに最大ヒットとなる点が異なる
ジョグレス限定デジモンの存在
特定の通信をした時のみ得られる特典
・前作ペンデュラムXで導入されて好評だった「育成ストップ機能」早速廃止

と、歴代シリーズの悪い所を全て受け継いだかのような凄まじさだ。
ていうか、良い所に限って全部消えてしまった気すらする。プログレスの「ステータス」も復活せず・・。
 

 これだけでも酷いというのに、他の面でそのマイナス面を拭えるようなプラス要素は全くなく、
せいぜい「今までの劣化」か「今まで当然のようにやってきたこと」でしかないのもある意味カンペキだ。


 一応「省電力機能」と「セーブ機能」はペンデュラムXから受け継いでくれたので少し安心。
省電力機能の方は説明するまでもないだろうが、
「セーブ機能」というのは、デジモンが進化する度に「デジモン及びアイテムの状態」を保存してくれるのだ。
 進化の度にデータは更新されるが、死んだ時にはノーカンなので、
誤って死なせてしまった時もリセットを押してデータをロードすれば生前の状態に戻れるぞ。
つっても、「進化した直後」の状態だから、進化後に稼いだ勝率やアイテムなんかは消えてしまうがな。


 「なんちゃらサウンドチップ搭載」とのことで、音は従来のデジモンより良くなっているらしいが、
基本的に俺はサウンドオフ一択の人なんで特にありがたみを感じることはなかった。


 今回はヴァイスドット故に、元祖やペンデュラムのように画面上下にメニューが付いているタイプではなく、
プログレスやペンデュラムXのように、Aボタンを押せばメニュー画面に移るタイプだ。
メニューの内容を簡単に記すと

■デジモン
┣デジモン:いわゆるパラメータ画面
┗DNA:摂取できるDNA、摂取しているDNAの状態を見ることができる
■テイマー:テイマー情報を見ることができる
■アイテム
┣ショクジ:ニクやプロテインなどのエサを与える
┣DNA:DNAを摂取させる
┗ウェポン:所持しているウェポンを見ることができる
■トレーニング
┣トレーニング:普通のトレーニング 筋力アップのために行う
┗クエスト:バトルトレーニング コンピュータ相手に対戦することができる
■ケア
┣トイレ:ウンチを流す事ができる デジモンが睡眠中でも流すことができるようになった
┗デンキ:電気のオン・オフを切り替えることができる
■コネクト
┣バトル:アクセル同士やペンデュラムX、ミニ、デジヴァイスicなどと対戦ができる
┣トレード:アクセル同士で、アイテムやDNAの交換ができる
┗ジョグレス:アクセル同士で、一部のジョグレス可能なデジモン同士で合体進化ができる
■サウンド:サウンドのオン・オフを切り替えることができる

 言うまでもないが、Aボタンを押すごとに「■」のコマンドが切り替わっていくわけだ。
何気にサウンド切り替えがA+Cボタン同時押しなどのボタン操作でなく、「コマンド」となったのは初めてだ。
A+Cボタン同時押しというのは結構やり辛いものだったので、この変更は個人的にありがたい。

 ちなみに、後述する「DNAスキャン」は本体横のアクセルグリップを押すことで選択できる。
DNAスキャンは何度も行うことになるコマンドなので、「すぐに行えるように」とちゃんと配慮されている。


 エサは特にこれといった変更は無い、と思いきや、
プロテインも食べるごとに満腹度が上がるようになり、無制限に食べられなくなった
プロテインは今作でも、沢山食べることで「DP」を回復することができるのだが、
せいぜい10個前後も食べれば満腹になってしまうため、全然DP回復としての役割を果たせないのだった。
ケガ率は相変わらず上がるくせに。

 エサの種類は、流石前シリーズがアイテムが突然増えた「ペンデュラムX」だったこともあってか、
「ニク-M」や「プロテイン+」など多彩になっている。というよりは引き継いでいる。
しかし「メタルアップ」や「アクアオーブ」などといった、ペンデュラムXにて進化に影響していたアイテムはなくなっている。

 ウンチや消灯も特に変わっちゃいないが、コマンドが 「ケア」→「トイレ」「デンキ」 と2段階になったのがめんどくさい。
そろそろ「4個以上溜めると育成ミスとなる」ぐらいはしても良いと思うんだが、結局現在まで変わることは無かったな。


 続いて、トレーニング、バトルの話。 
今回のコマンド入力方法は、本体左の「アクセルグリップ」という部分を連打することによって行われる。
それはまぁいいのだが、本当に機能性も何も考えていないデザインのおかげで、非常に連打し辛い。
もっとも、別に忙しい連打を強いられるわけではないのだが、「連打」という行動特有の快感や達成感が全く無いぞ。



公式どおりの持ち方をすると、どうも薬指、小指の居場所が無くて気持ち悪い
ところで左に「デジコアの回転数がアップし攻撃力が上がる」とあるが、デジモンは心臓が回ると強くなるような生物なのだろうか?
ちなみにこの「回転」が「アクセル」というネーミングの一因になっているようだ


 「連打」によってゲージを高め、その数値によって攻撃判定が行われるが、ゲージを満タンにするのは別に難しくはない。 
だが、ゲージは連打を続けないとすぐに下がってしまうため、「一定の場所をキープするため」に連打することになる。

 ただ、成長期の頃は0~1000という狭い範囲だけで済むが、成長につれて0~2000、0~3000と範囲が広がっていき、
最終的に究極体にまでなると0~4000という範囲にまでなり、難易度は上がっていく。


 アクセルの攻撃はプログレス、ペンXと同じく「シングル」「ダブル」「トリプル」「ハイパー」の4段階攻撃だが、
最大攻撃である5連ハイパーヒット「テラヒット」を出すには、ミニのように「入力回数が多ければ多いほど良い」のではなく、
各デジモンごとにベストな回数が決まっている、という非常にめんどくさい、というか分かり辛い仕様になっている。

 この仕様って他のゲームなんかでも度々使われるけど、
個人的には「徒競走で頑張って一位になるより、少し手を抜いて二位三位になったほうが評価される」みたいで好きじゃないんだけどなぁ・・。

 そんな感じでコマンド入力法が異なるぐらいで、トレーニング自体はそう変わらないのもいつもどおりだ。


 バトルも基本は変わらず、お互いに10のHPを与えられてのバトルとなる。
HPが増えたため、ペンデュラムXのような一撃必殺がなくなってしまい、多少テンポが悪くなった(「Xが早すぎた」とも言う)。
とは言え、条件さえ満たせば最速なら2回の攻撃でカタは付くようになっているのでそこまでは悪くない。

コマンド入力以外に「ブラストエボリューション」「ウェポン」の2つの要素が加わった。 

 「ブラストエボリューション」は別に今回が初登場ではなく、ペンデュラムX3から搭載されたシステムで、
「一定の条件を満たしていれば戦闘中のみ進化し、パワーアップする」といういかにも蛇足なのがよく分かるシステムだ。

 X3の頃のブラスト進化は、「ブラスト進化でしか見ることのできないデジモン」が大量に登場し、
「登場デジモンのボリュームの多さをアピールする」どころか「なんでこいつらを育成可能にしないんだバカ」とヒンシュクを買い、
見事に裏目に出てなんともアレだったが、アクセルの場合は別にそんなことはない。
そんなことはない、ということは「育成が可能である世代が上のデジモンに進化する」のかと言われれば、そうでもない。

 ではどういうことか。
なんと、各デジモンがそれぞれX進化するのだった。
いや、厳密には「X進化」ではないし、公式サイトでもそういった記述があったわけでもない。
X体が存在しないデジモンもなんかブラスト進化するし、最初から既にXの奴もいるし、詳細は不明だ。
X進化形態を持つデジモンは多々参戦しているが、そのどれもが「X進化形態」とは似ても似つかないドットになるし、正に謎だ。



こんにちわ ブラスト進化したオメガモンです^^
誰だてめー!?(※カオスモンです)


 しかし

・(一応)パワーアップする
・見た目にも変化が現れ、種類によっては無駄にデザインが複雑になったり、ショボくなったりする

 ということなので、間違いなくある意味でX進化だ

 見た目はトホホだが、ブラスト進化したデジモンは格段に強くなる。
ブラスト進化すると攻撃モーションが増え、デジモンによってはハイパーヒットの変わりに「極太ビーム」か「突撃」のどちらかを使うようになる。
携帯機で「技を発射する」のでなく「自ら突撃して攻撃する」描写が見られるのは今回が初めてだな。特筆することかは知らんが。

 ちなみに、上のドットは実はオメガモンXではなくてカオスモン
どういうワケかは知らないが、アクセルのオメガモンはブラスト進化するとカオスモンになるのだ。


 ブラストエボリューションは毎回発動するわけではなく、ちゃんと条件がある。
「完全体以上」で「DPが30以上」あり、尚且つ「特定の場所でゲージを止めた時」のみ進化する。

しかし、この「特定の場所」というのがテラヒットのそれとは同一ではないので、「テラヒット」「ブラスト進化」を同時に出すことはできない。
つまりブラスト進化した時は、最大攻撃であるはずのテラヒット時に最大限デジモンがパワーを出し切っているわけではなく
折角パワーアップ進化することができたブラスト進化状態ではテラヒット時ほど全力の攻撃ができているわけではないのだ。
よくもまぁここまでモヤモヤとする仕様にできたもんだ。
素直に、例えば完全体なら「2700~3000時にはブラスト進化」「2700~2799の時には更にテラヒット」とかにしときゃ良いのに・・。

 しかもこのブラスト進化、条件に「DPが30以上」とあることから予想できると思うが、発動の度にDPを消費する
会心の一撃を出したと思ったらMPが減っていたような気分で、非常に気分が悪いぞ。
 ブラスト進化は確かに強力だが、むしろ強力すぎてオーバーキルとなるのも日常茶飯事で、
わざわざ高いコストを払ってブラスト進化せずとも、素直にテラヒットのみを使って勝っていく方が省エネなのだった。

 さらに言うと、アクセルのコマンド入力は常に数値が上下変動する忙しい仕様なのだが、
ただでさえ「ここで止める!」という微調整が難しいので、場合によってはしたくもないブラスト進化を強要されることになる。

 なんでわざわざ作った機能の印象を悪くするような仕様にするんだよ!


 そしてもう一つの要素「ウェポン」。
これはデジモンをパワーアップさせるアイテムであり、「兵器」というだけあり、攻撃力を高めるものだ。
しかし、単純にデジモンの攻撃力を上げるのではなく、どれも「相手が○○属性の時のみ攻撃力が上がる」というものなのだ。

 例えば、選んだ武器と相手の属性が違っていれば、折角ウェポンを使っても何の意味も無い
おまけに武器は使い捨てで、「9個までのストック」「スキャンによる供給」ができると分かっていても、
使用意欲をゲッソリとなくされる
 使い捨てだって言うのに、一部の店頭で一時期だけ配布される限定ウェポンなんてのもあったりしたぞ。

 よくもまぁここまで何も考えてない仕様ばかり作れるもんだと感心してしまう。
流石、一度電源を消せば次に付けた時にセーブが消えているのが当然のソフトに限定モンスターを作ってしまう会社だ。やる事が違う。



こんにちは!アノード・カソード限定のブイドラモンでーす^^
ボクを入手しないと隠しヴァリアブル3つが取れない上に「全キャラコンプ」が条件の隠しダンジョンもでませーん(爆
そんでもって現在イベントは行われていないのでボクの入手は不可能でーっす(笑)


 ・・つっても、限定ウェポンも裏技で量産が可能なので別に気にする必要は無かったぞ。いいのかよ
限定ウェポンを入手するには他のアイテムと違い、スキャンした後現れるデジモンを倒さなければならないのだが、
まさかその敵デジモンも、相手が店頭でなく自宅から裏技によって限定モノに手を出そうとしているとは予想だにしなかっただろう。  

 このウェポン、種類によって対応する相手属性は異なるのに「上昇するダメージは1」なのが共通していて、実に地味だ。
「それじゃ、限定ウェポンはどう凄いんだ?」と普通の人なら気にするだろうが、なんと限定ウェポンは対応属性が多いぞ!
すげぇや!これならちゃんと普段から相手の属性把握して武器使い分けてる人が可哀相じゃねぇか!!

そんな感じで全然有り難味が感じられないウェポンだが、
ウェポンを一つでも所持しているとバトル時に毎度毎度「武器を使いますか?」という確認画面が出てきて非常にうっとうしい。
流石、ゲームのテンポを崩すのはバンダイのお家芸だな!

 もう一度言う。
なんでわざわざ作った機能の印象を悪くするような仕様にするんだよ!


 ちなみに、ウェポンは「ジャスティスとエビル」、「ネイチャーとアルティメット」の合計で37種類があるが、
それぞれのバージョンでは19、18種類ずつしか登場しない。
つまり、名前やウェポンのドットこそ変わっているが、効果が同じものがあって、
例えば「ジャスティス・エビル」だとリュウに対し攻撃力を上げるウェポンとして「ドラモンキラー」があるが、
「ネイチャー・アルティメット」だとドラモンキラーの代わりに「ペンデュラムブレイド」が登場する。

 ウェポンは他にも「グレイソード」や「ベレンヘーナ」など、デジモンが使っている武器をそのまま登場させているものが多い。
(武器が登場するからといって、その武器の持ち主のデジモンがアクセルに出ているわけではないのだが)
中には「ローヤルマイスター(タイガーヴェスパモン)」や「デモンアーム(ミノタルモン)」といったマイナーなものまであるぞ。

 さらに、ウェポンを使うと攻撃力アップの効果が望めるだけでなく、技のドットも変わる
なんと技ドットはウェポンごとに用意されているのだが、
そんだけ技ドットのバリエーションを内臓してるなら素直にデジモンごとに技ドットを割り振ってくれよ

 最低でも18種類+通常攻撃で19種類もの技ドットがあるのなら、
初代どころかペンデュラムX、ツイン並に技ドットが充実しているというのに、何で使わないんだ



 

 「新機能」というわけではないが、ペンデュラムXから引き続き「クエストモード」がある。
・・ん?クエスト?「コロシアム」じゃなくて?
・・あら、マジでクエストだ。他のページでは「アクセルにはコロシアムが~」って何度か書いちゃった気がするぞ。直さなきゃ。

 というわけで、プログレスのバトルトレーニングの発展型として、今作にもいわゆる「一人バトルモード」が存在する。
クエストモードは一切コストをかけずにバトル数、勝率が稼げるほか、場合によってはアイテムがもらえたりする。 
プログレスの頃は負けてもバトル数、勝率に影響は出なかったが、X以降はちゃんと負けは負けでカウントされるようになった。

 ・・とは言っても、サイコロを使ってスゴロクのように進み、マスによってはアイテム入手だったり敵出現だったりしたXとは違い、
アクセルのはマス数も決まっているし、一度に進むのも1マスのみで、ひたすら敵と戦うだけなのであまり「クエスト」感は無い。
マスによって出てくる敵も固定だし、ランダム効果マスも無いしなぁ・・。

 つまり、Xから進化どころか退化しているわけだが、クエストが「強さのランクにより4段階に分けられている」のは良いところ。
一番弱い「エリア1」ならば最初は幼年期が相手なので、成長期デジモンも安心して勝率稼ぎに励めるぞ。
一方、最強レベルである「エリア4」だと究極体が当たり前、さらには隠しデジモンも敵として登場するなどやりこみ要素はある。
このへんは後のデジヴァイスicにも引き継がれていく・・っつーかペンXが既に通った道だけどね。

 だが、後にミニやツインでこの「一人バトルモード」はオミットされてしまうことを考えると、
ちゃんとそういった機能を搭載してくれてるだけでもマシだと思うだろう。
・・いや、2625円もするんだからこれぐらいしてくれるのが当然なんだけど。


 さて、「ここまで」見ればアクセルが何故叩かれるのか、まだ分からない人がほとんどだろう。
「背景が無い」というのも今までヴァイス系がそうだったわけだし、人によっては気にしないだろう。
「技ドットが共通」というのも、やはりヴァイス系がそうだったし、プログレスでも通った道だから免疫のできてる人もいるはずだ。
登場デジモンは豊富だし、何気に「寿命」もちゃんとあったりして、ミニやツインより優れているようにも思える。

 そう、ここまでがこんなでも、後残った部分がせめて「普通」というか「今まで同様」なら、何も問題は無かった・・。 


 アクセル最大の問題、それは「育成面」にあったのだ。


 まずはデジモンアクセルの新機能「DNAシステム」について話さねばなるまい。
既にこのページの副題でズタボロに言っているように、本当にロクでもないシロモノなのだ。

 わざわざ俺が言うまでもないが、「DNA」と言えば「デオキシリボ核酸」のことで、一般的には「遺伝子」のことを指す言葉だ。
アクセルの発売前情報や、店頭で配られていた小冊子(1枚目の画像の右)なんかでは、
「君の手や金属などからDNAをスキャンしろ!」とあったので、
「手はともかく、金属にDNAなんて関係なくないか・・?」と薄々怪しく思っていたのだが、その後事実が判明した。
 
 つまり、この「DNA」というのはデオキシリボ核酸(Deoxyribo Nucleic Acid)ではなく、
デジモンナチュラルアビリティー(Digimon Natural Ability)という完全なベツモノを指していたのだった。

なんだそれ。

 「遺伝子」と全く無関係のモノを指すのなら、最初からそういう「ベツモノ」だと言えばいいじゃないか。
なんで、わざわざ遺伝子と全く関係の無いモノを「DNA」と略し表記し、設定する必要がある?
それこそ、後に出てくる「デジソウル」みたいなデジモン独自の造語を作れば良かったのに、
単にカッコつけようとして無理に「DNA」なんて気取った言い方しちゃって・・これ、すっごく恥ずかしいぞ?

 大体、デジモンナチュラルアビリティー(Digimon Natural Ability)って何だよ?
和訳すると「デジモンの持つ自然の能力」とかそんな感じの意味合いになると思うが、
これって「デジモンから取れるもの」じゃなくて「デジモンに与えるもの」なのになんで「デジモン~」って名称になるんだ?
まぁ、こんだけトホホなセンスの造語に深い意味があるはずないから考察はする必要ないな。
会社も同じだし、なんとなく「General Unilateral Neuro-link Dispersive Autonomic Maneuver」を思い出すが、こっちはまだ色々とマシだな・・。

 ていうか、デジモンってデジタル生命体だから本来の「DNA」とも全くの無関係だよね。


 内容に触れるまでもなく既にトホホなシステム「DNA」だが、これは上記したとおり本体左上の端子を使って摂取される。
摂取の対象になるのは人間の肌や金属、つまりは「電気を通すもの」だ。
「DNAスキャン」をすると、スキャンした対象によって「DNA」と呼ばれる進化に関するアイテムや、その他アイテムや武器等が取れる。
「DNA以外も取れるのにDNAスキャンっておかしくね?」とは書いている俺も思うが、公式がそう言ってるから仕方ない。

 また、「DDP(デジモンデータプレート)」と言う商品も1枚149円(税込)で売られていた。
これには種類があり、それぞれ1枚ごとに常に同じアイテムが取れるというものだった。
進化アイテムや武器を補充できるのなら、このDDPには大いに需要がありそうなものだ。
 だが、すぐにDDPは買う必要が全く無いという事実が判明する。

 それを説明する前に、この「DNAスキャン」というモノが何なのか簡単に説明する。
この「DNAスキャン」というものはどうやって入手アイテムを判定しているのか?
それは実に簡単な仕組みなのだった。
 端子は六角形の頂点のように配置された6つの金属ボタンと、その中心にプラ製ボタンが一つ配置されていて、
この「プラ製ボタン」が「押されているかどうか」
そして、周りの「6つの金属ボタンのどれに金属を通す対象が当たっているか」で入手アイテムが判定されるのだった。

 つまり、別の言い方をすれば
「このアイテムを出すにはこの物質でなくてはならない!」なんてことはなく、
端子の条件さえごまかせれば、別になんでもいいということだ。
パスワードさえあってれば雑誌でも新聞でもスラッシュ可能+アイテムゲットなディーアークを思い出す。

 なので、実はDDPなんて1枚も買わなくても、アクセルに最初から付属している1枚のDDPと、
絶縁するためのセロハンテープと電気を通すためのアルミホイルさえあれば、全アイテム入手可能なのだ。いいのかよ

 方法も実にカンタン。
まずは、DDPの端子接続部分にアルミホイルを敷き詰めておく。
そしてアクセルの端子側に、絶縁したいボタンのところにだけセロテを貼る。
んでもって、後は普通にDNAスキャン。以上

 ・・いくら実態が「デジモンナチュラルアビリティー(笑)だったとはいえ、
「DNAスキャン」なんて偉そうな名前を使っておいて、実態がこれかと思うとこっちが恥ずかしくなってくるぞ。



うわぁ・・


 ・・とまぁ、偉そうに言ったけどこの「DDP不用の裏技」は俺が見つけたモンじゃないし、むしろ俺はお世話になった側だったりする。
それにこの件は既にまとめられてるので、俺が話すのはここまでにしておく。

 どうあれDDPを買っちゃった人はご愁傷様だ。
そも、これだけのために「DDP」なんて商品を出しちゃう方がどうかしてるな。どうかしてるのは知ってたけど
 確かに低価格ではあるし、新規(かもしれない)イラストも載ってるし、グッズの一環として持っとけばいいのかもしれない。
「一人3枚以上集めれば対戦もできるぞ」とか書いているが寝言は無視しておこう。
 まず本体がそんなに売れてるわけでもないんだし、今でも本体、DDP共に売れ残ってたりするし、
こんなネットゲームの課金アイテムみたいなセコい二次商売止めときなよ・・
と思っていたら、デジヴァイスicの時に全く同じことを繰り返すんだから、もうやだこの会社


 話が前後してて申し訳ないが、ここからが本題、「育成」についてだ。
 
 なんと今回、「時間進化」が廃止されたのだ。これは本当に許されざる仕様変更だ。
何?言葉の意味が良く分からない?デジワーがデジワー2になったのと同じってことだよ。 進化と時間が無関係になるのだ。

 結果から言うと、本当に最悪だった・・。 


 アクセルの進化は基本的に、上記した「DNA」を用いて行われる。
この「DNA」というのが、今回の進化の鍵を握る・・つーか鍵も扉も結果も全てDNAなんだけど。

 DNAは、それこそ後のデジソウルとなんら変わり無いモノなのだが、改めて説明すると、
「リュウ」「ケモノ」「ミズ」「ムシクサキ」「セイ」「アンコク」「キカイヘンイ」の8つの種類があり、
幼年期Ⅱ以降の各デジモンに「DNA属性」が一つ設定され、
更にそれに加えて2つの種類のDNAが「摂取可能なDNA」として設定されている。
そして、何れかのDNA摂取数が20にまで至った瞬間に、他のDNAの摂取具合で進化判定が行われ、進化するのだ。

 例えば、ジャスティスゲノムの幼年期Ⅱ「フリモン」から成長期「レオルモン」に進化させたい場合。
今までのデジモンのように「世話だけして後は時間を待つ」というスタイルでいてもいつまでも進化しない
(なんだか、デジワーのバグであった「デジタケを食って、進化しなくなるタネモン」を思い出すな)

 レオルモンに進化させるには「ケモノ」のDNAが20個必要であり、後は「リュウ」「ムシクサキ」がそれぞれ0~5個必要だ。
この「0~5個」というのは早い話が「0」、つまりあげなくて良いと考えればいい。なんとも無駄な条件だ。

 どれだけフリモンの頃に丁寧に育成していようが、多数のウンチに囲まれ空腹と衰弱に襲われていようが、
ただケモノのDNAを20個摂取することさえできれば、めでたくレオルモンにその場で進化するのだった。

 これの何が楽しいんだ馬鹿野郎。
 
 「育成ゲーム」を名乗るのがまったくもっておこがましい。
こんなの作業ゲーだ。いや、カテゴリ的にはクソゲーなんだが。


 DNAスキャンは、「いつでも」「無制限」に行える。デジモンが寝てる間でもだ。 
デジモンがDNAを摂取するのには「DP」を消費するため、進化させるには途中でDPをなんらかの方法で補充する必要が出てくるが、
そもDNAがこうも無尽蔵に補充できてはいけないし、その時点でDPの意味なんて何もないだろう。
DNAはウェポンや育成アイテムと違ってスキャンでホイホイ出てくるから、DDP不要の裏技に頼るまでもないぞ・・。

 更に酷いのが、「DNAスキャン」と「育成」が全く関係しないこと。
アクセルだって、従来のデジモンのように、ただエサを食わせ、トレーニングをして、バトルさせて、ウンチ流して、寝かせることはできる。
そうやって、ただ今までのように育成する分にはDNAなんてものは別に必要ではないのだ。

 というか、「摂取しても全く効果が無い」のだ。
確かにDNAは「進化には」必要不可欠なアイテムだ。だが、進化以外の面では全く何の役にも立たないのだ。

 このDNA、いくら与えたところで腹も膨れないし筋力も上がらない。むしろDPは減っていく
これがDNAスキャン、及び投与作業を一段とつまんないものに仕上げてくれる原因だ。
せめて何らかのプラス効果ぐらいあっても良かったんじゃねーの?仮にもナチュラルアビリティ(笑)なんだろ?

 ちなみにDNAは、「進化」の道が既に塞がれた究極体でも何故か摂取できる
その答えは「特に意味は無く、完全体以下のレベル同様の仕様がそのまま流用されているから」というとんでもないものだった。
 究極体には「DNAを20摂取した属性は極めたことになり、その属性の敵に対して攻撃力アップ」ぐらいあって良かったんじゃ?
そしたら「摂取可能DNAは3種類まで」というワケの分からない仕様にも「バランス取り」という役割が生まれたのに・・。

 
 だが進化させるには、どうしても我慢してDNAをスキャンし、摂取させる必要が出てくる。
「DNAスキャン」は「DNAスキャン」であって、「育成」ではない別の何かだ。

 「育成」と全く関係ないのにデジモンの育成でも大事な部分「進化」に直結しているのだからタチが悪い。
「手段と目的が直結していないもの」ってのは人間は極端に嫌がるもので、当然、やる気が出ない

 幼年期Ⅱから成長期にさせるにしても、今まではボチボチとお世話をしていればそれだけで進化してくれていたのに、
今回はわざわざ同じDNAを20個も集めて、それを全部食わせないといけないのだ。
「めんどくさい」以外の何物でもない

 例えば、「マメにお世話をしていればDNAが補給されるシステム」だったなら、
「真面目に育てること」が結果的にデジモンを素早く進化させることに繋がるわけで、世話にもやる気が出るだろう。
 こんな感じで「お世話のマジメ度」に比例して早い進化、そして逆に世話をサボるごとに遅い進化を可能としていたら、
「育成」の重要性や、あえて「進化タイミング」というものを廃した意味も出てくるというものだろう。

 だが結局、「真面目に育成する必要はなく、ただスキャンをすれば好きな時に好きな進化が可能」という斬新すぎて涙が出てくる育成システムが誕生した。

 流石に完全体ぐらいにまでなれば「育成ミス」や「バトル回数」も進化条件に絡んでくるだろうと思ったが、別にそんなことはなかったぜ!
(一応育成ミスは関係しているらしいが、具体的にどう進化条件と関わっているのかは分からない)
 完全体、究極体の一部は進化条件にDNA摂取だけでなく勝率が絡むようになるが、それは単に「○○%以上」というだけだ。
つまり、たった1戦でも、それが成長期が相手でも、その一度の勝利で規定の数値を越えていればいいのだ。
折角クエストモードがついていて、バトルの環境は十分に整っているというのにこの有様。

 もう一度言う。

 これの何が楽しいんだ馬鹿野郎。


 例えば、グレイモンから進化できる3種の完全体「メタルグレイモン」「ヴォルクドラモン」「ダゴモン」の進化条件を挙げる。

メタグレ:リュウ20 セイ6~10 ケモノ6~10
ヴォルク:リュウ20 セイ0~5 ケモノ0~5
ダゴモン:メタグレ、ヴォルクドラのどちらの条件も満たさずに何れかのDNAが20に至った時進化

 うん、改めて見てもすっげぇつまんねぇな。
完全体への進化なので勝率は条件に絡むようだが、育成ミスやトレーニング回数、満腹回数などはどれも関係ない
進化に必要なのは特別な生活環境でもなんでもなく、ただの薬物投与なのだ
DNA摂取は特別なコマンドがあるわけでなく「アイテム」コマンドの「ショクジ」の下にあるから、いよいよドーピングっぽい

 大体、DNAの条件にしても「0~20」という範囲があるのなら、その間に存在する「0、1、2、3~」と言った全ての数字になんらかの意味があるべきだ。
「0~20」とは言うが、実際に条件となっているは「0~5」「6~10」「11~15」そして「20」の4つしかないぞ。
「0~5」だとか「6~10」だとかの条件範囲は、全体が「20」だと考えると「1」「2」「3」で割り切れるんだから、もうそれでいいじゃん。

 言っておくが、例えば条件が「6~10」のDNAは、6個あげても10個あげても結果は全く同じ
多く与えたからといって進化後に強くなるなどの特典があるわけでもなく、全くの無意味だ。
DNAスキャンなんて鼻をほじるよりも下らん作業を好き好んでより多くするはずもないのに、
なんでこうも条件範囲を広げる?進化先もたった3つしかないから条件の重複の心配も無いじゃん。

 進化条件となる必要DNA数をデジモンごとに細かく設定するぐらいして良かっただろう。てか何でしてねーんだ
「メインを20、後2つは19必要」と言った高難易度のデジモンがいればいいのに、現実のアクセルはご覧のとおり没個性社会だ。

 「進化条件」だって立派なデジモンの「特徴」になり得るのに、こういうところで手を抜くからいけない。
最弱成熟期から努力の末進化する最強完全体もんざえモン系とか、睡眠妨害100回のメギドラモンとか、条件にもインパクトが欲しい。
 増してや今回は新シリーズであり、新デジモンも多数登場してるんだ。
「こいつはこういう奴なんだ!」っていう第一印象でのアピールをあらゆる面ですべきなのに・・。


 更に言うと、アイテムが「3つ」までしかストックできないのに対しDNAは「9つ」までストックできるのだが、
上記したとおり、進化に必要なDNAの数は最低でも「20」だ。
つまり、9で割れない

 「DNAを取れるだけ取ってから、後で一気に食わせよう」としても、最低でも「9×2+2=20」。つまり3回に分けなくてはならない。
「十の位を作らないため」にアイテムのストック限度が9なのは理解できるが、それに対応する必要DNA数が20なのは全く理解できない。
何?スッキリした数字に揃えたかった?全デジモンが進化に必要な数が20で揃ってちゃスッキリも糞もねぇよ!

 
 つくづく褒める所が無いDNAシステムだが、悪いところはまだある。
「実際に進化に必要なDNA」と「対象となるデジモンのイメージ」が一致しないことだ。

 例えば、バンチョーレオモン。
バンチョーレオモンへの進化に必要そうなDNAを3つ、イメージだけで考えてみる。

 レオモンなのだから当然「ケモノ」は必要だろうし、これは恐らくメインとなるはず、ってのは分かる。
設定を見ればやたら正義正義と五月蝿いから「セイ」も関係するんじゃないかな、ってのも大体分かる。

 実際、ここまでは正解なのだ。
しかし残る一つは何だろう?「リュウ」「トリ」「ミズ」あたりはまず無さそうだし、「キカイアンコク」なんてもってのほかだ。
まさか、口に枝を加えてるから「ムシクサ」?番長って元々は不良だし「アンコク」なのか・・?など、中々悩んでしまう。
そも、全てのデジモンに3つも属性があるわけじゃないんだから最初からアクセルの進化条件に無理があるのだと気付く。

 ちなみに正解はまさかの「キカイヘンイ」(!)
こんなん分かるかボケェ!!って感じだが、実はDNAを3つにまで絞るのは実にカンタンだ。
何故なら、上記した通り、進化前となるデジモンが摂取できるDNAは3種類のみであり、既に3つに絞られているからだ。

 例で用いた進化条件の詳細は「ケモノ20」「キカイヘンイ11~15」「セイ6~10」となり、進化前はローダーレオモンだ。
ローダーレオはアグモン系譜のメタルグレイモンのように、属する進化系譜の中で一人だけ機械ボディなため浮いた存在なのだが、
ローダーレオモン自身が機械ボディなので、当然のように「キカイヘンイ」DNAを持ち合わせている、というわけだ。

 少し納得してしまいそうだが、「何かおかしくないか?」と気付ければあなたはそこそこ鋭い。 進化条件というのは「対象の存在になるために必要」な条件だ。
だのに、この場合アクセルは「対象に関わらず、自分の属性を優先している」ことになる。

 「ローダーレオモンは機械属性なんだからキカイヘンイを持ってて当然」とは言ったが、
どっちかと言えば、機械のボディを持つ「ローダーレオモンなるために」キカイヘンイが必要となるはずだ。
となると、今までの条件に当てはめていくと、ローダーレオモンの進化前である生身のライオンの「ライアモン」がキカイヘンイを持ってしまうことになる。

 ・・と思いきや、ライアモンはキカイヘンイ属性を持っていないのだった
ライアモンが持っている属性は「ケモノ」「セイ」「ミズ」であって、キカイのキの字も無い。
で、ローダーレオモンに進化するには「ケモノ20」「セイ11~15」「ミズ0~5」が条件。意味が分からない

 つまり、進化条件になるはずのイメージが、全てが逆になっているのだ。
「君は医者になりたいようだが、その才能は無い。だが君は歌が上手いから音楽を勉強すれば医者になれるだろう」と言ってるようなもんだ。
もう一度言う。意味が分からない

 そも、各デジモンが摂取できるDNAの種類を3つに制限する意味があったのか?
確かに、「リュウ」「ケモノ」「ミズ」「ムシクサキ」「セイ」「アンコク」「キカイヘンイ」の8つのDNAの中から
3つだけを選び、尚且つDNAの量も正しかった時のみ進化ができるのでは難しいかもしれない。
つっても、今の子って大体攻略サイト見るし、
「自力で条件を解明してみるぜ!」ってやっきになるほど大した進化条件じゃないし。

 むしろ、条件となるDNAの種類すら伏せられていたが、俺が上でやったみたいに「このデジモンに必要なのは~」って悩むこともできた。
だって、最初から3つに絞られてたんじゃ、自力でやることなんて「これはこんぐらいか」しかやることなくて全く面白くないぞ。
ていうか、バンチョーレオの条件でいう「キカイヘンイ」のDNAなんて、全く必要そうじゃないのにこんな作業を強いられても、困る。

 ツッコむタイミングを逃していたが、なんでライアモンがミズのDNA持ってんだよ。
イメージの方向が違う云々の前に、ゲームの設定が適当すぎるじゃないか。


 つまり、既にあらゆる面でアクセルの進化条件は進化条件として成り立っていない
つーか、「与えるアイテムの量にだけ悩む」なんて、これ育成ゲームどころかゲームでもないよ。


 今更だが、アクセルはテイマー、つまり持ち主の情報を入力することができる。
カタカナ6文字までの名前と誕生日だけを記録できるだけでどうアクセルに愛着を持てというのかは分からないが、
さらに「テイマーレベル」というモノがあるのだ。
 俺はてっきり(このパターン多いね)「レベルが上がらないと育成可能な世代に制限が掛かる」みたいなモンだと思っていたが、
例によって別にそんなことはなく、
ただバトルに多く勝つことでレベルが上がると、「DNAスキャン時に一度に取れるDNAの量が増える」というだけのことだった。

 わぁすごいや!頑張れば頑張った分だけいらん作業の時間を短縮できr・・ってバカ!


 結局DNAとは

・名前の時点で意味不明
・たった「8種類」という、その100倍以上の数を誇るデジモンを区別するには力不足すぎるカテゴリ分け
・サブDNAはデジモンのイメージと合致していない
・アクセルの進化条件の要
・「育成」とは特に関係ない
・スキャンはただの作業
・摂取もただの作業
・進化条件のイメージとも合致しない
・進化以外には全く役に立たない

というモノであり、その結果アクセルは

・登場デジモンが、たった「8種類」という少なすぎて中途半端なカテゴリ分けをされるようになった
・進化条件に面白みが無くなった
・「時間進化」の概念が消滅した
・「育成ゲーム」ではなくなった

 のだった。

 うん、もしもDNAが人間なら細切れにして血祭りに上げているレベルだ。
「アクセル」と言うゲームにはまだ褒める要素がいくらかあるだろうが、少なくとも「DNA」に褒める要素は全く無い

 やはり一番酷いのは、「デジモンを進化させること」と「DNA」に関連性が何も見出せないことだろう。
アクセルでだってデジモンは、DNA関係なし、にエサ食ったり、トレーニングしたり、バトルしたり、ウンチしたり、寝たりするのに、
それらのいかにも「成長」に繋がりそうな要素はほぼ全てフイにされ、ただの薬物乱用にしか見えないDNAが進化の鍵を握るなんて・・。


 デジワー2やデジストなんかは「これはRPGです」と最初から断りを入れている分マシだが、
デジモン育成系携帯機の新シリーズです」と発売されたこれをワクワクしながら定価で買った俺はどうすればいいんだ。



 「もう止めて!アクセルの育成ゲームとしてのライフはとっくに0よ!」と止めたいところだが、
ここで追い討ちをかけるように、スキャンで得られるもう一つのもの、「アイテム」がひっかかってくる。
わざとやってるとしか思えないほどに、入手できるアイテムにもヒドい効果のモノがあるのだ。

 ペンデュラムXの頃から登場してきた「ニク-M」「ニク-L」や「プロテイン+」は良いし、全く問題ない。
実際、これぐらいに刺激が少なく、育成面では有用なアイテムというのはあればあるほど嬉しいものだ。
他にも「STR-MAX」などのアイテムもあるが、ここらへんで終わってれば良かったのにねぇ・・。


 さて、ここからが泣き所。
デジワーでいう便利君のようなバランスブレイカーが当然のように存在している。

 まずは「DP-MAX」。これはアクセルから新登場のアイテムで、名前の通りDPを一気に最大にまで回復する
 アクセルの「DP」はペンデュラムやプログレスのそれとは違い、「トレーニング・バトル」などとは関係せず、
「DNAの摂取」「育成ミスの放置」「バトルに負ける」などで減少していく。とはいえ、大体は「DNA摂取」が理由で減る事になる。
 そう、「DNAスキャン」は一切コストが掛からないが、「摂取」の度にデジモンはDPを消費してしまう。
通常は、例えDPが最大値まであっても成熟期以上へ一気に進化するには途中でDPが尽きてしまう。
だから、本来は一晩寝かせて、DPの回復を待つ、つまり「進化に時間をかける」必要があったのだ。
 しかしこのアイテムの存在により、そんな都合は億千光年の彼方へ消える
いわゆる「チート」だの「ずっと俺のターン!」だの、そういったレベルの問題だ。
 何しろ、このアイテムさえあれば、文字通り進化し放題。いわゆる「ずっと俺のターン!」だ。

 そしてDP-MAXに続く問題児その2が「レベルリバース」。
これは「デジモンを現在のレベルより一段階前のデジモンにランダムで退化させる」というものだ。
これも今回が初登場ではなく、ペンデュラムX(VER.3)が初登場となるアイテムなのだが、
やはりペンデュラムXでは入手に条件のあるアイテムだったし、クエストモードのラスト間際でやっと手に入れられるレアアイテムだった。

 これら2つは「進化」そして「育成」の価値を踏み躙ることになる危険なアイテムだ。
何しろ、この2つさえあれば一日でゲーム中の全デジモン制覇も当然のようにできるのだ。
(ロイヤルナイツはデジモンミニが、カオスモン、アルティメットカオスモンは本体が2つ必要となるが)

 アクセルは元祖のヌメモン系やXのクワガーモンのように
「他の条件に合致しなかった場合進化」というハズレ系が存在しているので、
適当に摂取できるDNA1種のみを20個摂取してそれに進化させ、そのまま究極体まで突っ走ることもできる。
ていうかハズレ系を究極体まで用意するそのワケの分からない親切心は何なんだ?
ああ、単に条件考えるのがめんどくさかったんだな?そうなんだな?

 で、そのハズレ究極体まで突っ走ったあと、レベルリバースを食わす。
すると、本来は進化条件を満たさないと進化できないはずの完全体も含め、全ての完全体の中からどれかにランダムで進化できるのだ。
うわぁ・・。


 そして、これらのアイテムはペンデュラムXのようなレアアイテム扱いではなく、簡単、そして無制限に手に入る。
「裏技使うなよ」と思うかもしれないが、これらのアイテムも普通にDDPに収録されてるんだぞ?
むしろDDPで持っていたらまわりくどい裏技なんて必要なくなって、余計にタチが悪い。

 一応、DP-MAXやレベルリバースも「エサ扱い」であり、満腹状態ではデジモンが受け付けないのだが、
「腹が空くまで待つ」コトなんて難易度以前の問題だから、別に何の歯止めにもなってないぞ。

 なんでゲームにボリュームを与えるはずのアイテムでプレイを単調にして、
わざわざ金を払って買った関連商品のおかげでゲームバランスを崩されにゃならんのだ


 ペンデュラムXとはワケが違うってことを開発側が理解していないのだからどうしようもない。
ラストダンジョンで取れる最強装備を続編では最初に王様からもらえるようにしました」ってのと同じじゃないか。

 
 「なら使わなきゃいいじゃん」っていう声もあるが、そんなのは意見にならない。
「こういうモノ」は最初からあっちゃいけないもので、ある、そして使われるのが前提で評価するのがスジってもんだ。

 それに、使いたくない派、つまり「真面目にやりたい派」の方が、こういう馬鹿アイテムの存在が疎ましいはずだ。
「最初の村でレベル99にしてくれる人がいる」ってゲームで、真面目にザコを倒してレベルを上げる気にはなれないだろう。
「正々堂々とやりたい」のなら、「正々堂々とした環境が欲しい」はずだ。


 それに、俺だって「使えばすぐに飽きる」というのは分かった上でアイテムを使い、アクセルはプレイした。
これは逆に言えば、「すぐに飽きても構わない程度のモノでしかない」って意味でもある。
別に、DP-MAXとレベルリバースが無かったところでアクセルの進化システムは面白くならなかったし、
それなら「時間を掛けるのも勿体無い」とアイテム乱用に走ったのが俺であり、他多数の人でもあると思う。
 実際、「早く進化することは可能だけど他は普通のデジモンです」というデジモンツインは大体は普通にプレイしたしな。


 だがそれを踏まえても、こんなアイテムを平気で導入したスタッフはどうかしてるとしか思えない。

 確かにおかげで進化は凄い楽ではある。
「この究極体にしたいなー」って時にはそれこそすぐにできてある意味では助かるのは事実だ。
でも、その分買った人が「すぐ飽きる」ってことを1ミリでも理解してくれてるんだろうか?
「少しでも長くゲームを楽しんで欲しい」っていう気持ちが少しでもあれば、こんなバカなアイテムをこんな簡単に出させやしないぞ。
増してや、こんな仕様にすることで一人、また一人と信頼を失っていくのも分かってるんだろうか?

 例えば、「RPGのレベル上げ」なんて作業は、大体の人がそうそう好き好んではやらないと思う。
でも、そのレベル上げをがんばるからこそ、得られる達成感や思い出ってモノもあるってもんだ。
そして、開発側が「そのレベル上げすら面白くしてやろう」って努力してくれるのがファンの求める姿ってものだろう。

 デジモンだってそれは同じ。
むしろ、「育成ゲーム」なんだから、レベル上げ、つまり「育成」すら楽しいのが当然じゃないと。
デジモン、育成ゲームの面白さとは何か。
レベル上げ、つまり育成の面白さ。
まるで「ホンモノの生き物」とまでは言えないけど、ドックの中で生きる仮の命を可愛がり育てる楽しさ、
そして手間隙かけた分立派に強く育ったデジモンを見て、初めて「育成ゲームとしての面白さ」が感じられるものじゃないのか?

 ・・「その結果考え付いたのがDNAシステム」なんて言わないでほしいもんだが・・・・。



 今更だが、アクセルが通信で対応しているのは、「ペンデュラムX」「デジモンミニ」「デジヴァイスic」の3つだ。
ペンデュラムXとデジヴァイスicはそれぞれ単体でバトル数が稼げるのでさほど意味がないが、
そういった機能を持たないデジモンミニのサンドバッグとして、アクセルはその真価を発揮する

 DNAシステムによりアクセルが誇る「サンドバッグ(成長期)の作りやすさ」と、
進化する度に進化時の「デジモンタイプ」がセーブデータとして保存されるおかげで、
たとえケガ等で死んだとしてもすぐにリセットで元のデジモンを呼び戻せることもあり、まさに理想のサンドバッグだ。

 もしサンドバッグとしても役に立ってなければ本格的にアレだったが、一芸さえ光ればなんとかなるものだな。なってないけど
これ、2625円もするんだぜ(笑)


 さて、レビューが終始アクセル叩きになってしまいアレなんで、
折角良くも悪くも新シリーズでデジモンも沢山増えたのだから、その新キャラについても多少触れておくことにするぞ。
ていうか、「バージョンごとの違い」や「登場デジモン」に関して触れてなかったから、それとの兼ね合いもあるな。


 まずデジモンアクセル第一弾。
これは前述したとおり「ジャスティスゲノム」と「エビルゲノム」で、
店頭で配られてたミニブックによると「正義」対「暗黒」らしい(・・エビルじゃなくてダークネスで良くね?)。

 そして、各ゲノム名に従って、
ジャスティスならバンチョーレオモンやウォーグレイモン、ホウオウモンといった正義側のデジモン、
対するエビルゲノムにはダークドラモンをはじめ、グランドラクモンやムゲンドラモンなどいかにも悪らしいデジモンが集まっている。

 ちなみにアクセルは、それぞれ看板デジモンと同じイラストの載ったDDPが1枚付属している。
DDPの効果はバンチョーレオだと「ケモノ」のDNA一つ入手、ダークドラだと「リュウ」のDNA一つ入手と、所詮オマケだな!

 「ジャスティス」「エビル」の段階ではカラーバリエーションは存在せず、ジャスティスは白、エビルは黒の一色しかない。
つまり、「カラーバリエーション=看板デジモンの数」だと覚えると分かり易い。

 新登場デジモンについては公式サイトの進化表にて各デジモンごとに設定が作られているのでそちらを読んで欲しい。
(一応進化表のリンクを張っておく ジャスティス エビル
・・と言うのも、このデジモンアクセル、「設定」こそあれど「世界観」や「ストーリー」は何も作られていないのだ。
中学生の考える黒歴史ノートまんまじゃねぇか!!・・と思わずツッコんでしまうが、大体あってるのでタチが悪い。

 とりあえず、ジャスティスゲノムの看板デジモンであり今でもメジャーとなっているバンチョーレオモンの設定を引用してみよう。


 バンチョーレオモン 究極体:獣人型 属 性:ワクチン

 自分の信じる「正義」にのみ忠実に生きる獣人型デジモン。
熾烈な強豪との戦いに心を「折られる」ことなく勝利しつづけたデジモンのみ「バンチョー」の称号を獲得できると言われており、
デジタルワールド観測史上、この称号を持つデジモンは5体しか確認されていない。
自身の「正義」のみが仕える主であり、その「正義」の障害となるものであれば、
ロイヤルナイツや大天使といった存在ですら「悪」として認識し、排除すべき敵となる。
肩から羽織っている「GAKU-RAN(ガク-ラン)」は、敵の物理攻撃を89.9%無効化する防御機能が備わっている。
 必殺技は自慢の短刀「男魂」から繰り出す「獅子羅王漸(ししらおうざん)」と
極限まで研ぎ澄ました気合を拳にのせて放つ「フラッシュバンチョーパンチ」。
 

カンベンしてくれ。

 細かいところを指摘していけばそれだけで「評」の項目が一つできあがってしまいそうなので省略するが、
正直、この設定を5年ぐらい前のデジモンファンに見せたら「へぇ。で、これって君の考えたオリデジ?」って鼻で笑われながら言われるぞ。

 さりげなく三大天使を「4」と間違えてるのも、公式サイトのテキストとしてはやっちゃいけない域に達している。
(間違えたのは多分、デジモンの「三大天使」の元ネタが「四大天使」だからだろう。どっちにしろスタッフの癖にデジモン的勉強不足だ)

 アクセルでは、ジャスティスゲノムに限らず毎バージョンごとにある程度の新キャラを迎えるが、
コカブテリモンだのライアモンといった、明らかに他のデジモンで代用が利く奴ばかり、というか
バンチョーレオやダークドラと言った「本来バンダイが出したかったであろう新デジモン」にわざわざ進化系譜まで新造したせいで、
無駄な低レベルデジモンが大量に溢れかえるという無様な結果に陥ってしまった。
(コカブテリモンに関しては、フロンティア時代のフレイモンやストラビモンのような
 「ハイブリット体成長期」のブリッツ版を出しそびれたのがこの時初めて出てきたらしい、という話を聞いた)

 これ、マジでキャラクタービジネスとしてはやってはいけないことだって分かって・・ないからやるんだよなぁ。
大体、ただでさえ同時登場可能数に制限がかかるというのに、なんでそこでまた総数を水増ししようとするのか理解できん。
デジモンを一体増やすたびに「デジモン全員登場」の夢が遠のいて、自分の首を絞めてることにいい加減気付いてくれ。
 そりゃ、モチーフが被っていたりデザインが似通っていたりしても「全く同一のモノ」ではない以上、
「俺はこっちの方が好きだ」って人が出てくるのは分かるが、その人もあまり喜ばない方がいい。どうせそいつは出番もらえないんだから・・

 うーむ、流石ガンダムや仮面ライダーをバカの一つ覚えで増やす会社だ、なんともあるぜ。
・・そのガンダムや仮面ライダーなんかはちゃんとグッズも出てるからいいんだけど、デジモンは・・・ねぇ・・・?



 例えば新登場のコカブテリモン系譜。
コカブテリモン→ブレイドクワガーモン→メタリフェクワガーモン→タイラントラブテリオン という系譜だ。
(ラブテリオンの意味が分からない人はジャスティスゲノムの進化表をよく見ること)

 カブテリモンとクワガーモンが入り混じっているのは新規枠にそれほど数がまわせなかったからだろうか?
どっちにしろ、こんな中途半端な系譜を作るのならカブテリやクワガー以外に虫デジモンの系譜を作った方が良かったと思うが。

 「コカブテリモン」はどうみても仮面ライダーブレイドなわけだが、よくよく見るとあんま似てないな。
ライダーっぽいデジモンは既にスティングやジュエルビーで間に合ってるし、大体テントモンと被りすぎでどうしようもない。


 成熟期「ブレイドクワガーモン」は最初見た時「ついに渡部けんじさんも気が狂(略)」と狼狽したものだが、
よくよく調べてみるとこいつほとんど「アームドセイバー」じゃねぇか!また仮面ライダーか!!
何も成熟期にこんなデザインつけたらんでも。進化前がブレイドなんだからギャレンクワガーモンでも出しときゃいいのに。
しかしこいつはマシーン型(平気で「マシン型」と表記する公式サイトって・・)らしいから、何かコクワモンと関係するかもしれない。

 完全体の「メタリフェクワガーモン」はなんか地味すぎてどうでもいい。

 最終形態である「タイラントラブテリオン」は、設定を見る限り昆虫型では最強らしい。
個人的にはユカタンビワハゴロモのように竜っぽく擬態したデザインが非常に好みなのだが、例によって人気以前に知名度が無い。
必殺技の「シャイン・オブ・ビー」とか「ビーサイクロン」って、お前一応カブトムシなら「ビー」じゃなくて「ビートル」を扱えよ!
ウィルス種だし、無理に「カブテリモン」を名乗らず、スコピオモンの進化系あたりに落ち着いていたほうが良かったのではないかなあ?

 ところでこの虫ども、ジャスティスゲノムのくせに全員ウィルスなんだが、良いのだろうか。


 地味にもう一体いるジャスティスでの新登場デジモンが「ヴォルクドラモン」だ。
火山デジモンということで見事にボルケーモンと被っているのだが、どっちも忘れられてるから問題ない。
設定的にはそこそこ凄いらしいが、データ種なこともあり、せいぜいフレアリザ辺りの進化デジモンにしか思えんな。
いや、俺的にはこういう地味なデジモンがいっぱいいる方が良いと思うけど。


 結局、新デジモンは大体ロクでもないわけだが、となると他の登場デジモンに目を向けたくなる。
アクセルシリーズは良く言えば多彩、悪く言えば適当なデジモンチョイスが炸裂している。
 進化系譜もそれほどまでは練られておらず、良くも悪くも自由な進化や前代未聞の進化を拝むことができる。

 後、さりげなく、アーマー体のぺガスモンやガルダモンXが混じっていたりする。
「アーマー体?成熟期扱いで良いじゃん」「なんでXがいるかって?だって使わなきゃ損じゃん」といった気持ちがひしひしと伝わってくるな。

 ところで「なんでジャスティスにキメラモンが?」と思っていたらエビルゲノムの方にムゲンドラモンがいたりして、
「ははぁ、これはアノードカソードのオマージュでミレニアモンを出す気だな」と期待していたら
その2体でのジョグレスどころか後のバージョンにもミレニアモンの姿は見られずに肩透かしをくらったぞ。



 
 一方エビルの新デジモン。

 コマンドラ系譜は「歩兵」「エリート」「戦車」「最終兵器」と役割が非常にスッキリしていて分かり易い。
問題は成長期~完全体のそれぞれ見た目がアグ、ストライクドラ、タンクと被って仕方が無い事と、出番が無い事
 ミリタリー色の強いデジモンってのは少ないから、上手く使えば人気も出ると思うんだけどなぁ・・。
一緒に、忘れ去られたアサルトモンやすっかり影の薄くなったタンクモン、ブリンプモンなんかも登場させれば映えそうなものだが。


 そしてドラクモン系譜。ポジション的にはジャスティスのコカブテリモン系譜と対になるが、設定的関係は無い。
ドラクモン→サングルゥモン→マタドゥルモン→グランドラクモン と進化するこの系譜は、
ケラモン系譜やロップモン系譜、インプモン系譜などと似たような感じだが、出番と知名度で圧倒的に劣る。

 まず成長期「ドラクモン」。
「ドラク」というのはドラキュラ、つまり吸血鬼のことらしく・・ってヴァンデモンと被ってるんだが、良いのか?
「四聖獣の顔に落書きをした」とどんなリアクションを取ればいいのかサッパリ分からない設定がある。

 進化すると、成熟期「サングルゥモン」でいきなり犬になる。動物の種類が変わるのは別に良いだろうが、何故あえて「犬」・・?
設定を読めばこいつも何やら「本当は古い種族」だのなんだの言われているが、そういうのはもういいよ・・。何かと矛盾点出てくるし。
余談だがサングルゥモンは、「サーングルモン」だの「サングゥルモン」などと、人によく名前を間違えられている印象が強い。

 更に進化して「マタドゥルモン」となると何故か舞踏家になる。
どうもデジモンは「成熟期で獣型、完全体で人型に」っていうパターンが多いな。
必殺技は「蝶絶喇叭蹴(ちょうぜつらっぱしゅう)」だが、デジモンの必殺技で漢字なのはロクなのが無いな

 究極体「グランドラクモン」は見事にガルフモンの二番煎じだ。
名前的に成長期のドラクと究極体のグランドラクだけ繋げられると、サングルゥとマタドゥルの立場が無い気がする。
でも実際にサングルゥとマタドゥルを外してれば「インプ→ベルゼブ」の二番煎じにもなっていたし、これで良かったんだろう。
 個人的にはガルフモンもグランドラクモンも好きなのだが、
「デジモンストーリー」で早くもドラク系譜が登場して喜んでいたらグランドラクだけ存在せずマタドゥル止まりで腹が立ったぞ。
地味にグランドラクモンの設定に「七大魔王より強い」みたいなことが書いてあるが、気にしないで良い


 エビルの方はジャスティスより新デジが1体少ないわけだが、
スナイモンやサンダーバーモン、ヒポグリフォモン等忘れられてたデジモンが多数いるから
新鮮さという意味ではメジャーどころばかりのジャスティスとあまり大差は無いかもしれん。
「ヴォルクドラモンはボルケーモンと被ってる」と言ったばかりなのに、エビルにボルケーモンが登場したりしててビビるぞ。
 ズドモンが登場し、尚且つマリンエンジェへ進化可能なようだが、いい加減プレシオとどっちなのかハッキリしてくれ

 にしても、「エビル」ゲノムなのにエンジェウーだのマリンエンジェだのセラフィだのと、やたら天使系が多いんだが・・。



 尚、アクセルは各ゲノムごとに「ロイヤルナイツ」が1体ずつ、隠しキャラとして存在し、
これはデジモンミニとの通信によりポイントを貯める事で進化が可能となる。めんどくさいね

 ジャスティスだと「オメガモン」、エビルだと「デュークモン」が登場するが、お前らもう飽きたよ!
大体お前らペンデュラムXで出たばっかりじゃないか!それも各バージョンのラスボスとしても!
それに、ペンデュラムXだと技ドットも個別だったりして折角恵まれた環境だったのに、
液晶に背景すら存在しないアクセル(笑)にまで出てもらっても、多分ファンからしてもあまり嬉しくないぞ。



 さて、ストーリーが無い以上は、各デジモンの設定を読むことで「アクセルの世界設定」を想像するしかないのだが、
どうやら第一弾「ジャスティス&エビル」の段階では、
特に世界に危機に瀕したわけでもないのに突如湧いて出た番長デジモンを消すためにダークドラモンが開発された。
一方他のデジモン達は割と普通に暮らしてました
ということらしい。
せめて「ジャスティス軍とエビル軍に分かれて戦争をしているぞ」と、大体の舞台背景ぐらい設定してくれても良いと思うんだが。
ダークドラモンを作ったという新勢力「D-ブリガード」も、コマンドラモン系譜の設定中のみで登場という余りにも悲しい組織だ。

 どうやらその機械化旅団「D-ブリガード」の持つタンクドラモン軍団の中で1体だけタンクドラモンが倒されてしまい、
そのタンクドラモンが強化改造されてダークドラモンに進化した、と食頑のオマケカード並のシナリオは読み取る事ができる。
 そしてこのダークドラモン、コードネーム「BAN-TYO」を倒すため・・・・・。
・・あのさ、この設定書いた人、マジでこの「BAN-TYO」って表記が少しでもカッコイイとでも思うの?
素直な英語で「The bully(番長)」とでも表記した方がよほどサマにはなると思うんだけど・・。

 何はともあれ、そのバンチョーレオモンを倒すために作られたダークドラモンは番長と死闘を繰り広げる・・
のかと思いきや、番長の設定を見る限りはダークドラモンとの接点は何一つ無いっつーか眼中に無いぞ。
そも、タンクドラモンを撃墜したのがバンチョーレオなのか他の誰なのかすらも説明が無いし、
D-ブリガードがバンチョーレオを危険視する意味すら説明不足で全く分からないじゃないか。
まぁ、デジモンファンとしては色んな意味でバンチョーを危険視すべきだと思うけど

 まずバンチョーの設定上にある「全5体のバンチョーの名を持つデジモン」が組織化しているならともかく、
どうも現状ではただの一匹狼っぽいバンチョーレオ相手に全力投球してるD-ブリガードがみっともなくて仕方ないぞ。


 で、その番長とダークドラはその後どうなったのかというと、「カオスモン」に融合しましたとさ・・って全く意味分かんねぇよ!! 
このカオスモンというデジモンはいわゆるアクセルの隠しキャラで、進化条件もバンチョーとダークドラのジョグレスだ。
ペンデュラムのオメガモンのごとく公式サイトでは未だに隠しキャラ扱いなのが問題だ。
無論、現在ではカオスモンはカード化もしてたしデジヴァイスicやバトルターミナルにも登場したのにアクセルのサイトでは伏せられたままだぞ。

 しかし、本当にページが作られていないペンデュラムのオメガモンとは違い、
アクセルのカオスモンはページこそ作られていたが結局公開されずじまいに終わっていたという、
お前はゲームのバグでフラグが立たなくなったイベントかよ!とツッコみたくなる境遇だ。
・・で、そのページはあったはずなのだが何故か見つからないので残念ながらリンクを張ることができない。

 しかしデジヴァイスicの方ではちゃんとカオスモンが紹介されているので、
カオスモンの姿や設定を見るためにこっちの方をみてもらうとしよう。
 
 「カオス」のスペルが間違ってる(カオス=混沌は正しくは「Chaos)のはまあ見逃しておくとして、設定に注目だ。

 通常、ジョグレス時には、2体のデジモン同士のデジコアが完全に融合し、新たなデジモンに生まれ変わるが、
カオスモンは、ジョグレス前のデジモンのデジコアをそれぞれ保持し、非常に不完全な状態でその姿を維持している。
カオスモンとは、「存在し得ない」デジモンのコードネームであり、デジタルワールドの"セントラルドグマ(中心原理)"では
絶対にありえない特異(バグ)である。極めて不安定な存在のため、寿命が非常に短く、
デジタルワールドの管理システムが放つバグを排除するプログラムが走るために寿命が短くなってしまうと推測される。
 このカオスモンはバンチョーレオモンとダークドラモンがジョグレスして生まれたものと見られており、
両腕にそれぞれのデジモンの面影を見ることができる。必殺技は、「バンチョーアーム」に装備された「BAN-TYOブレイド」から
繰り出される無敵の一刀両断『覇王両断剣』と「ダークドラアーム」に装備された「ギガスティックキャノン」から
自身のデジタル細胞を打ち出す『ダークプロミネンス』

 ・・前から思ってたけど、最近のデジモンの設定って内容云々の前に日本語が下手で見難いな。
とりあえず、この文章によればカオスモンについて大体のことが分かったのは・・

デザイン的にはオメガモンの三番煎じであること(二番はスサノオ)
・無理にオメガモンと武器類をあわせようとして、ダークドラモンの武器が槍から大砲にされてしまったこと
・どうやらスタッフは「BAN-TYO」と言う表記がやたら気に入ってるらしいということ
・結局どうしてバンチョーレオとダークドラが合体したのか、その経緯、理由については何も分からないこと

 ダメだこりゃ。

 それにしても、存在すること自体がヤバイというカオスモンが出てきたというのに、
ロイヤルなナイツの方々はアクセルの設定でも単なるコピペの自己紹介に専念なさっている
特にカオスモンの存在を嗅ぎ付けて行動を起こしているわけでもなさそうで、相変わらずダメな組織だ



 結局、バンチョーとダークドラ以外はこのシリーズではどういうポジションなのか何も分からないまま第二弾が登場する。
第二弾は「ネイチャーゲノム」であり、第一弾がジャスティスとエビルの2つ同時発売だったのが1つに減ってしまったあたり、 
もう既に色々とダメだったんだろうなという事情が窺えてしまう。

 しかし恐ろしい事に、ネイチャーゲノムは内容は同じくせにカラーリング、パッケージは4種類という暴挙に出た。
そのネイチャーゲノムでは、新登場のメルクリモン、ネプトゥーンモン、スピノモン、ヴァロドゥルモンの4体が看板となった。
ちなみにこの4体は今となってはどいつも空気だ。
かろうじてメルクリモンはセイバーズに出ることができたようだが、とてもファンができるほどの活躍はできなかったみたいだな。


 これは良いことだが、ジャスティス・エビルであった「系譜ごとひっさげ新登場」はネイチャーゲノムからは大人しくなり、
幼年期~究極体の系譜が揃ったのは「ファルコモン系譜」だけとなった。

 とりあえずネイチャーの進化表もここに張っておこう。

 ファルコモンと言えば、後のアニメ「セイバーズ」にて主役デジモンの1体となったが、
アクセル版がキモすぎたせいか、デザインはほぼ完全に異なり、ただの鳥でなく「忍者風の鳥」となった。
どうやらセイバーズ版ファルコモンは「アクセル版の亜種」と言う位置づけらしいが、こっちが本家の方が良いと思うぞ。
尚、アクセル版とセイバーズ版では成熟期、究極体が異なり、尚且つ名前こそ同じファルコモン、ヤタガラモンもデザインは異なっている。
なんでこういう時に限って別デジモンとして扱わないのかが非常に不思議だ。
ちなみにアクセル版のファルコ系譜は、公式絵よりもドットが本当にヒドく、特にディアトリとヤタガラは失笑モノだ。
ディアトリモン・・ファルコ系譜では一番好きなんだがあらゆる面で恵まれてねぇなぁ・・。



 さて、ネイチャーゲノムはそのファルコモン系譜を覗けば、看板となる他の3体ぐらいしか新デジモンはいなかったりする。
メルクリモンとネプトゥーンモンは「オリンポス十二神」の新デジモンで、久々に重要なデジモンが出たという感じだ。
てか、デジワー3が発売されてから3年もの間、たった一人で「十二神」と名乗っていたマルスモンが哀れすぎるぞ。
なにはともあれ、仲間と会えてよかったねマルスモン。

 スピノモンは見た目も設定もただの恐竜型究極体という、特徴の無さが特徴となる、言ってしまえばすぐ忘れられるタイプのデジモンだ。
スピノサウルスがモチーフなのは分かるが、見た目的にはどうもギガントスピノサウルスっぽい。
しかしアクセル中でのドットではパラサウロロフスみたいにやけに後頭部が伸びてるのはどういうことだ。
「公式デザインに似せるため」仕方ないが、「デザインと関係ないのに余計なことしてカッコ悪くする」のはマジでカンベンしてくれ。
 どうあれ、究極体でありながら実在した恐竜の名前が使われてるってのは珍しい、つーかこいつだけ。
せいぜいトリケラやブラキが完全体ってだけで、恐竜型の究極体自体が非常に珍しいからな。
こういう「ただの生物がモチーフ」であるデジモンは、進化系譜の補完妄想などにも一役買う重要なポジションだと思う。
デザイン的にもトータモンやステゴモンのデザインと共通点が多く「恐竜型デジモンの救世主」となり得る存在だ。
 問題は、既にスピノモンとほとんど似通った設定の「ディノレクスモン」がペンデュラムXで登場していた事だろう。
一応スピノモンの設定に「ディノレクスと同等の強さ~」とあるが、ディノレクスがどのぐらい強いのか皆知らないしなぁ・・。

 残るヴァロドゥルモンは、見た目はただのホウオウモンとスーツェーモンの掛け合わせだが、設定が凄まじい。
これは自分で読んでもらった方が面白いと思うから自分で読んでくれ
普通の人間ならば「ええぇぇ―――!!?」と思うこと間違いない厨設定だ。
 しかし、こんな設定でも公式である事に違いはない
つまり、劇中描写などを踏まえないで単純に「設定のみでの考察」をした場合、このヴァロドゥルモンを最強候補にせざるを得ないわけだ。
でも個人的には、何かと「オメガモン最強論」をもちかけてくるキチガ・・いや、ウォーゲームのファンの方が未だに多いのを見ると、
「まあ設定ではこいつが最強なんですけどね」とカウンターに使えるので非常に便利な存在だ。


 さて、そんなこんなで看板デジモン=新登場の4体だが、ある共通点があるわけだが、分かるかな?
そう、ついにストーリー性が全くなくなったってことだよ!!
なんだよ!デジモンの設定で断片的にアクセルの舞台背景をつづっていくんじゃなかったのかよ!?
その割にはネイチャーでも隠しキャラとしてカオスモンがいたりして不可解極まりないぞ。


 スイムモンは忘れてたのでこのまま忘れておく


 ロイヤルナイツ枠ではアルフォースブイドラモンが登場しているが、
お前はとりあえずドットをちゃんと公式絵に似せたものにして出直して来い
そういやこいつ、限定版の「ペンデュラムX2.5」に登場してたらしいが、その時はドットどうなってたんだろう。



※さりげなくVテイマーの設定をナイツに都合の良いように書き換えられました


 さて、そんなこんなでもうシナリオも糞も無いんだなと誰もが確信したところで、
早くもアクセルの最終作である第三弾「アルティメットゲノム」の登場と言うわけだ。

・・プログレス、ペンX、そしてアクセルと、なんでこう律儀に第三弾で死ぬんだろうね?


 今でもネット通販で絶賛売れ残り中ネイチャーゲノムを見る限り、
どうもネイチャーの売れ行きは芳しくなかった(当たり前だ!)ようで、
アルティメットは新ロイヤルナイツの1体「スレイプモン」と、「ベルゼブモン」が看板となる2バージョンが・・
って、ついに看板にすら新デジを投入できなくなったのか、情けない。
こんなことなら、ジャスティスのタイラントとかエビルのグランドラク辺りにでも看板権をやりゃあ良かったのに・・。
後先考えずに一気にどちゃっと新キャラを出すからこんな無様な結果になるんだ。反省しろよ。してくれよ
 
 ジャスティス、エビル、ネイチャーはそれぞれ正義、悪、自然とテーマと登場デジモンがちゃんと対応した内容だった。
・・が、アルティメットゲノム、あんた一体何なのさ

 アルティメット=究極・・?このメンツで?
ん?さりげなくハイブリットビーストのボルグモンが究極体として参戦してるじゃないか。本当は完全体扱いなのに
だから「究極体=アルティメット」って意味なのか?海外だと「究極体=Mega class」だけど。

 ベルゼブは無視するとして、注目するのはやはり新登場のスレイプモン、つまりクダモン系譜だ。
管狐(くだぎつね)→鎌鼬(かまいたち)→麒麟(きりん)→スレイプニールってこりゃまたデジワー3主役並の進化だな・・。
しかし、やっと出た「麒麟」が完全体扱いか・・。
うーん、「ホウオウモン」「チィリンモン」「レイキモン(仮)」「オウリュウモン」の4体で「四霊獣」となるのは不可能となったか・・。
いや元々出る予定も何もなかっただろうし、オロチモンに比べたらまだマシな扱いだろうな。

 スレイプニールは8本足の馬の姿を神獣、ということでモチーフからしてランク高そうだが、
これをあえてロイヤルナイツにしたのはセンスが良いんだか悪いんだか。
神話系は詳しくないのでwikipedia頼りの知識ばかりで申し訳ないが、スレイプニールは「オーディン」の愛馬だったらしいから
どっちかっつーと「オーディモン」を出すべきだったんじゃないか?こんな感じで。
ていうか「スレイプニールの子孫がグラニ」とあるけど、特にスレイプモンとデュークのグラニは設定関係・・・無いのか。
折角ロイヤルナイツ繋がりなのに、こういうところはもうちょっとなんとかしときなよ・・。
 
 それにしてもスレイプをはじめとしたロイヤルナイツの設定は
「○○デジゾイドで防御力凄い!スピードも凄い!当然のように攻撃力も凄い!」と読んでて溜め息が出るものばかりでアレだな。
まあゼヴォやセイバーズを見る限りロイヤルナイツはおつむが弱点だってのは大体分かったけど。

 新登場でないデジモンの設定は大体過去の文章や文献からのコピペで済まされる中、
メギドラモンだけ「実はカオスデュークモンと同一の存在」と気の触れた内容がさりげなく混ぜられているが、無視しよう


 進化表を見ればすぐに分かるが、アルティメットゲノムはデジモンミニとの連動によりドルモン系譜のデジタマが生まれる。
・・のはいいんだが、そのおかげでドドモン、ドリモンの2体の幼年期が出てきてその分成熟期と完全体が1体ずつ削れてるのはどうかと。
それ以前に、ミニを持ってない人からしたら6体分損してるな。

 進化系譜はドル~ドルグレまで続いて究極体は・・え?アルファ?またドルゴラ黒歴史扱いかよ。
というよりは、これは単に「ゼヴォリューション」の再現だろうな。つまり問題はゼヴォリューションにある

 ・・ゼヴォリューションの再現?今更?

「ゼヴォリューション」放映日:2005年1月3日
アルティメットゲノム発売日:2005年11月19日

 10ヶ月も空いたら結構な間の気がする。
 ゼヴォリューションの再現なのは分かったとしても、
ヴァイスドット的にはラプター、グレイド、ドルゴラの方がカッコイイというのに
ドルガ、ドルグレ、アルファって見事なまでにハズレ揃いじゃないか。いやこれは俺の個人的意見だけど。


 アルティメットゲノムはシリーズ最終作だからか、一部特別なアイテムが登場するなど豪華(?)な仕様になっている。
1時間、DP無消費で強制ブラスト進化する「エテミンD」や、進化・退化しない限り寿命で死ななくなる(元からじゃ・・?)「セントアクア」、
お腹・筋力・DPが完全回復しオマケにテイマーランクまで上がる「カレッジメント」など、はっちゃけまくっている。
でもこれらのアイテムはDDPも無く、クエストモードで手に入れるしかないっぽいからそう問題でもないだろう。

 さらにアルティメットゲノムは、アイテムを使うことにより特定のデジモンに一時的に変身することができる。

レオキャップ:バンチョーレオモンに翌日起きるまで変身
ギガランス:ダークドラモンに翌日起きるまで変身
リバーパスト:ヴァロドゥルモンに翌日起きるまで変身

 さりげなくダークドラの「ギガスティックランス」がショボく略されている件は軽く流しておこう。

 なるほど、アイテムを与えてからその日に寝て、次の日に起きるまでの間、この3種の育成が可能というわけだ。
素直に進化条件がアイテム投与であるだけの普通の究極体扱いにしろよ!

 そりゃ戦闘中のみ進化のペンデュラムX3よりはマシなのかもしんないけど、
一時的に育成が可能ってことはわざわざその分ドットも入れてるんだろ?
ていうか3体とも他のゲノムからの使いまわしなんだからそれこそ普通に扱えよ。バカ!バカ!


 さて、上の3体はアクセル恒例の隠しキャラとは別で、アルティメット限定の特別枠に収まっている。
(そりゃ、一時的にしか育てられない上に使いまわしなキャラがその分枠を占めてたら怒るわな)

 で、隠しキャラは何なのかと言うと、その内一体はまたお前かカオスモン
そしてもう一体はアルティメットカオスモンだ。

 このアルティメットカオスモン、例によってページのリンクが公式に張られていないのだが、
ググれば一発で出てくる」という色々と凄いデジモンだ。

 アルティメットカオスモンは、カオスモンが更にヴァロドゥルモンとスレイプモンを取り込んだというデジモンだが、
何の考えも無しにゲノムの看板デジを取り込んじゃったせいで、集まった4体に何の共通点も無いぞ。
 
 バンチョーとダークドラはともかく、ヴァロドゥルなんて設定が凄いだけの鳥だし、スレイプなんてロイヤルナイツじゃないか。
そんな正義側であるスレイプに対してヴァロドゥルが悪ってわけでもないし、本当に意味が分からない取り合わせだ。
それにしても、ワクチン3体に対して1体だけウィルスのダークドラモンはさぞ居心地が悪いことだろう。

 公式絵が小さいので分かり辛いが、下の方には「十」の字のポーズをとったカオスモンがいる。
(色的にも、スパロボWで知った「オーガン」のアンクアタック、グランドクルスアタックを思い出す)
そのカオスモンからズィードミレニアモンの二番煎じのようにエネルギー化した番長とダークドラが伸び、
その上には・・・・・本当にコレ、ヴァロドゥルとスレイプの融合でできてるのか?
つーか、ヴァロドゥルの羽っぽいものは見受けられるが、スレイプらしき部分がどこにもないじゃないか。
 どうせなら、特に組織に属していないタイラント、グランドラク、スピノ辺りも融合したことにして、
ロイヤルナイツであるスレイプは吐き出してナイツとしての任務に戻してやってくれりゃいいのに・・。
 
 それにしてもこのアルティメットカオスモンの設定、
「存在が不安定なんです」という主張の一点張りで肝心の強さについて全く触れてないから全然強そうじゃないぞ。
成長期以下は近づくことすらできない」と、とてもシリーズ中最強の存在が持つとは思えないほど謙虚な設定があるが、
成長期以下のデジモンが近づけないなんてのは、べジーモンだってそうだぞ(もっともこっちは「悪臭によって」だが。

 結局、いかにも扱い辛そうなこいつは、ゲームは勿論カードにも出たんだか怪しいほどの黒歴史デジモンとされることになった。
だから黒歴史にすること前提でキャラ増やすの止めろつってんだよ!


 にしても、わざわざアルファモンを出すなどしてロイヤルナイツ率を上げたかったらしいのはまぁいいんだが、
未だにディースキャナ以外で出番が無いデュナスとロードナイトとか、何気に忘れられたマグナモンが可哀相だぞ・・。
ボルグモンなんて出してるヒマあるんなら、もっと徹底しろよ・・。

 結局「クレニアムモン」もアクセルへの登場は間に合わなかったし、色々と中途半端だ。
ロイヤルナイツが中途半端に絡むとロクなことにならないのは相変わらずだ。


 結局、アクセルにて初登場したデジモンはある意味Xデジモン以上に問題のある連中となった。
俺は「アクセル組」と簡単に区別しているが、アクセル組は
バンチョーレオやダークドラのように、その後アニメやゲームにも登場し、知名度が上がっていく一部と、
バンチョー系譜やダークドラ系譜、そしてその他全員のように、アクセルごと黒歴史にされた大部分で構成される。

 なにしろ、バンチョーやダークドラはミニやデジヴァイスicにも登場したりして、
必死に「アクセルのデジモンじゃありませんよ」とアピールしてるからな。過去は消えないんだけどね

 しかしその2体の融合形態であるはずのカオスモンはアニメにも出なかったし、
デジヴァイスicにこそ登場できたが何より人気が無いのでもうどうしようもない
主役級2体を合体させてオメガモンのマネをしようともう人気は出ないって事はスサノオモンが教えてくれてたのに・・。



 結局、アクセルというシリーズにて登場したデジモンは何のために出てきたのか分からないのだ。
出てきた以上、その後も「デジタルモンスター」の一因として顔を出してくれればいいものを、
カードを除けば、アクセルで飼い殺されたデジモンの数は少なくないのだ。

 なんで出番をやるつもりもないのに新キャラを出そうなんて考えるんだよ



 最後にまとめだが、買わなくていいよこれ。 
かくいう俺もジャスティスゲノムしか持ってないし。

 グッズは所持しているものが多ければ多いほど「ファンとしての熱心さ」をアピールするというが、
アクセルは持っていれば持っているだけいかに自分が「デジモン」に踊らされマトモな価値観を失っているかが露呈するだけのモノだ。

 最初に1個買った時点で「2個目を買う価値はない」と一瞬で判断できたのがせめてもの救いだ。
最初からジャスティス・エビルの2つを買っちまったと言う人は…ご愁傷様。高い買い物だったね。


 確かに、アクセルで初めて育成が可能になったデジモンは多いけど、今回の仕様ではとても「育成」とは呼べないし、
アクィラモンやスナイモンなどの「ヴァイスドットはあったけどまだ育成機に出てなかった奴」は
「今でもまだ育成は可能になっていない」と考えておいた方が良い。
少なくとも、「育成」を求めてアクセルを買ったって「金返せこん畜生」となるのがオチなので、やめておけ。
「好きなデジモンがいるなら買えばいいんじゃね?」という考え方もアクセルには通用しない

 こんな感じにアクセルは今でも多々売れ残ってるけど、
タダでもない限りは、叩き売られてるからといって買いに走る事も無い。
500円で買っても良い買い物とは思えないし、福袋の中に入っていたらハズレを引いた気になるレベルだ。

 ここまで言われると逆に欲しくなってきてしまう人もいるかもしれないが、
素直に人の意見を受け入れるってのも大事なことだぞ。
まぁ、他人がバカやるのは勝手だから止めない。



 ペンデュラムXで大ゴケしたデジモンが、公式サイトにあるように「沈黙をやぶり」、
「Xデジモン」で見事に狂った路線をなんとか持ち直そうというコンセプトで登場したのが今作、アクセルだ。
その意欲だけは買いたい。
「やっぱダメでした」と過去の過ちを認め、元の路線に少しでも戻ろうという努力の後はところどころに見えるのだ。
しかし、結果がこれでは…。

 公式サイトの「デジモン始動!!」という表記や「アクセル」というネーミングに籠められた想いは、
デジモンファンからの期待に答えることはできなかったどころか、全く違う方向に向いていたのだ。
いくら動きがあったとしても、逆走じゃ前に進めねーんだよ!!

 恐らく、アクセルの時点でデジモンを見限った人の数はかなり多いだろう。
そりゃ、散々裏切られた挙句に「コレ」じゃ怒るわな普通

 …正直、当時の時点で「こりゃ完全にデジモン終わったわ」と思ったモンだけど、意外としぶといもんだね。
とはいえ、またもや今回みたいな殺人的変化球が来たら、その時こそ本当にデジモンの死を覚悟せねばなるまい…