デジモンコラム
史上初!攻略本限定キャラ図鑑


 公開日:2012/10/05

 デジモンで人間キャラと言えば、アニメの「選ばれし子供達」やデジモンワールドの「アナログの少年」などが思い浮かぶだろう。
しかし実は、ゲームやアニメが始まるよりも以前から、デジモンの世界には人間キャラが登場していたのだ!

 それは「攻略本限定キャラ」。
彼らは攻略本の読者同様にゲームのプレイヤーだったり、デジモンについて詳しいガイド役だったりする。
そして、「攻略本」の枠を超えることはなく、攻略本の中でしかお目にかかれない、希少な一発キャラ軍団でもあるのだ。
(ちなみに、初めて人間キャラを扱った「作品」は、Vテイマーの2巻に収録されている漫画「C'monデジモン」)

 このページは、そんな攻略本限定キャラの中から「名前があるキャラ」をまとめた、非常にニッチな図鑑だ。
さぁ、今までそんなキャラがいることを知らなかったキミも、このページを読んでライバルに差をつけろ!

◆デジタルモンスター デジモンキングになるんだモン!(集英社)

 発売日:1997年9月8日  イラスト:やぶのてんや

 僅差ではあるが、初めて発売されたデジモン攻略本。
(他の初代Ver.1の攻略本は、いずれも9月10~20日前後に一気に4冊ほど発売されている)
 
 まだデジモンの公式デザインが固まっていない頃から作られていた本であり、
「やぶのてんや」氏による公式とは少し違うデザインのデジモンをイラストや漫画で見ることができる。
(しかし巻末には公式絵が使われたカードが付録でついているので、事情を知らないと何故デザインが違うのか混乱する)

デジくん

小学校4年生の、デジモン大好きな熱血少年!
妹のモンちゃんと、デジモンキングを目指す。
目標は、1年年上のデジモン師匠!!


 順番的に「デジモン史上初」と言っても良さそうな人間キャラ。
イラストは「Vテイマー01」でお馴染み「やぶのてんや」氏によるもので、
同氏の読み切り作品「C'monデジモン」の主人公は、このデジくんとよく似ている。

主人公 加門ケンタロウ

 尚、この本はカラーページによるイラスト・漫画などが豊富で、
漫画内でのデジくんはエアドラモンを育てていた。
初代ギアで最高難易度を誇るエアドラモンに進化させるとは、かなりのやり手だ。

モンちゃん

デジくんの妹で小学校3年生。
デジモンは、かわいいから育てている。
お兄ちゃんが大好き。


 デジモン史上初の女の子キャラ。
デジモンキャラの兄弟いる率の高さはこの頃から健在。
あえてたまごっちではなく、兄に合わせてデジモンを育てているあたり、
本当にお兄ちゃんが大好きらしい。
時折「~だモン!」という語尾を使うが、できるだけ早めに飽きてほしい。

 漫画内では育てていたデジモンがもんざえモンに進化するシーンがあるが、
…ということは、「それまでのデジモン」をどう育てていたのかは少し気になる所。
また、(恐らく成熟期同士の)バトルで兄に勝っている。侮れない。

師匠

最強デジモンを育てる達人とうわさされる、小学校5年生。
おしゃれでクールだが、デジモンバトルには熱い闘志を燃やす。
デジくんの先輩。


 デジモン史上初のクール&ヘタレキャラ。(後継者がムダに多い)
分かる人には一発でピンとくるだろうが、
こちらも「C'monデジモン」に登場した悪役キャラとかなり似ている。

クソガキ 城崎慎一郎

 漫画ではグレイモンを育てていて、その時デジくんともバトルしたが、
偶然この時育てているのがたまたまグレイモンだったのか、
完全体へもロクに進化させられない名ばかりの師匠(笑)だったのかは不明。

 余談だが、Vテイマー1巻の大会シーンには見覚えのある人がこっそり登場している。

謎のクールな銀髪テイマー…一体何者なんだ……?


◆デジタルモンスター バンダイ公認デジモンずかん(アスペクト)

 発売日:1997年9月12日 イラスト:斉藤里香

 縦長い形が特徴の攻略本。
斎藤理佳さんによる漫画やイラストが豊富であり、全ページがフルカラーなのも特徴。
ちなみに上の「デジモンキング~」とは発売日が4日しか違わないが、こちらのイラストはどれも公式絵準拠のデザイン。



樽木くん(たるゾ~)

樽木くん。とことんやりこんでしまうタイプなのだ。
【小辞典】
 マンガや対戦日記をメインに本書のいろんなところに登場する少年。
 株と競馬が趣味なんだけれど、たしか小学生のだったハズ?
【小辞典Ver.2】
 マンガやQ&Aをメインに本書のいろんなところに登場する少年。
 株と競馬を趣味にしている。
 不景気で株がうまくいかないので、このごろの気分はちょっとブルー。
 日本の将来を憂える小学生(?)



 デジモン史上初の、株を通じてデジモンを始めたキャラ。
この歳で株どころか競馬にまで手を出しているのだからなんだかよく分からない。

 株をやっているだけあって、小学生には高額なデジモンを難なく購入できる財力と、
商品が近所で売り切れていようが瞬時に入手できる独自のルートを持つ。

 茶髪、黄色い服、青いジーンズと、なんだか
デジモンワールドの主人公「アナログの少年」によく似た雰囲気だが、関係は不明。

 育成スタイルはマジメで、攻略本内の日記ではアグモン、グレイモンを育てていた。


デジモンカイザーの歴史はここから始まった


門倉くん(カドっち)

新しいもの好きの門倉くん。忘れっぽいところがあり。
【小辞典】
 マンガや対戦日記など本書のいろんなところに登場する少年。
 新しいもの好き。あだ名はカドっち
【小辞典Ver.2】
 マンガやQ&Aなど本書のいろんなところに登場する少年。
 新しいもの好きで忘れっぽく、ワールドカップ本戦の出場を決めた試合を見て
 将来サッカー選手になることを誓うが、3日で忘れる。今回は大ポカをやらかしたらしい。
 テシウスのゴザール言葉は彼がふきこんだ。あだ名はカドっち

 デジモン史上初の「パートナーの死」が描写されたキャラ。(あっけなかった)
名前は「"樽"木」と「"門"倉」のを合わせて「デジ"タルモン"スター」にかけてあるのだろう。

 ベタモンに「ロバート」と名前を付けて可愛がっていたが、対戦するコトなく死んでしまった。
たるゾ~との決戦のためすぐに2代目を育て始めたが、「忘れっぽい」とキャラ紹介にある通り、
育てるのが2度目であるベタモンに対しても「モヒカン頭のいき物」という認識しかなかった。
さらには2代目のデジモンには名前をつけるコトすら忘れてしまっていた。重症ですね。
 
 日記では、「宿題を増やされ対決用デジモンの育成が疎かになってしまった」という件がある。
本人は「まさに、誇大広告ではなく山のような量の宿題で~」と言っているが、
たるゾ~の日記では「ほかの人よりも宿題が1.5倍(当校比)」と、思いのほか大したことがない。
 小学生のくせに株をやれていたり
カドっちですら「誇大広告」なんて言葉が使えるのだから、全体的に厳しい学校なのかもしれない。

 結果、2代目ベタモンはヌメモンへと順調にダメな進化を遂げたが、その後…?

人間の屑
◆デジタルモンスターVer.2 バンダイ公認デジモンずかん(アスペクト)

 発売日:1998年2月9日 イラスト:斉藤里香

 タイトル通りにデジモンずかんのVer.2版で、基本的にはVer.1と同じつくり。
独自色があって面白い攻略本だったが、残念ながらこの2冊でシリーズは終わってしまった。


 この本は前巻同様、用語等を解説する「小辞典」が収録されていて、
その中では「デジモンキングになるんだモン!」の兄妹2人を指していると思われる箇所がある。
他社のキャラにまでツッコんでネタにするとは、このシリーズが実に遊び心に溢れていたのだと実感させてくれる。


テシウス(テッシー)

【小辞典Ver.2】
 だれ? と、思うかもしれないが、
 テッシー(あだ名)の名前でマンガやQ&Aに登場する3人目の小学生。
 見た目通り外人(国籍不明)。忍者かぶれで”将来の夢はニンジャ”と作文に書くくらいだ。
 白金髪(プラチナブロンド)と紫色の瞳、
 ととのった顔立ちで日本に来たばかりのころはモテモテ(死語)だった。
 しかし、そのアホタレっぷりにファンが日に日に減少しているらしい。
 カドっちに仕込まれた”ゴザール”言葉もそれに一役買っているとかいないとか……


 デジモン史上初の外人キャラかつNINJAキャラであり、
たるゾ~、カドっちに続く3人目の「デジモンなやつら」(攻略本中の漫画タイトルから引用)。
 よし、これで3人の名前を合わせれば「"デジタルモン"スター」まで揃ったぞ!
あとは「スタ」を担当する一人…あと一人なんだ!…出してよ!出してくれよ!!(慟哭)

現実は非情である。

 Ver.2本にはたるゾ~とカドっちも引き続き出演していて、
デジモン師匠(笑)な2人と、デジモン初心者のテッシーとして描かれている。

人間の屑Ver.2

 しかし、Ver.1の本にはあった日記コーナーがなくなってしまったため、
テッシー個人のプロフィールやプライベートはよく分からず、謎の多いキャラとなってしまった。
まぁ小学生で外人でNINJAだなんていかにも怪しい感じのキャラなので、
多少プロフィールが謎に包まれているぐらいで丁度いいのかもしれない。
性別すら名言されていないから、そのテの人にも対応できる万能キャラだと言えよう(?)。

 デジモンで忍者キャラと言えばセイバーズのイクトだが、
イクトはテッシーのリスペクトキャラだった可能性がギュプト粒子レベルで存在する…?

 尚、ガブモンを育てていたのまでは書かれているが、その後どの成熟期に進化したかは不明。
ページの構成からしてカブテリモンだと思われるが確証はなく、やっぱり謎の多いキャラだ。


あざとい





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