デジモンワールドX
×糞ゲー ○糞仕様ゲー

発売日:2005年1月06日
お値段:6800円(税別)
公式サイト

※このページで紹介しているデジモンワールドXは「PS2版」のものです。
 他のハードの場合「キー配置」や「ロード時間」などに違いがあることを理解した上でお読み下さい。


前置き・紹介:デジモンワールドXについて
シナリオ・世界観編:このゲームのストーリーなどについて
操作・バトル編:アクション操作やバトルについて
ホーム・サーバ編:冒険の拠点について
公式サイト編:公式サイトについて
総評:まとめ



第0章「デジモンワールドどこへいく」 前書き・紹介編

 デジモンワールドXは、「デジモンワールドシリーズ」の4作目に当たる。
ゲーム内容がXデジモンにスポットを当てているからか、日本版では「X」となっているが、
元々はアメリカ用に作られたゲームで、そっちでは「デジモンワールド"4"」として売られていた。

 …のだが、今回も例によって「育成」の要素は皆無だ。
最初は育成RPGだったのに、ダンジョンRPG、ただのRPGと見事に脱線を続ける「デジモンワールド」シリーズだが、
今作にいたってはアクションRPGと、その脱線っぷりも物凄い。


 さて、このデジモンワールドXは上でも少し触れたように「洋ゲー」だ。
デジモンで洋ゲーというと、「バトルクロニクル」で既に心に大ダメージを負っていた俺は、どうも食指が伸びなかった。
デジモンファンだからといって、別に全てのデジゲーを買う必要は無いと気付いていたので、そのままスルーしていた。
その後、つまり現在でもデジワーXが売れに売れたという話は聞かないし、恐らく俺同様スルーした人も多いんじゃないかと思う。

 Xがバトクロと同じなのは「洋ゲー」だという点だけでなく、「PS2」「GC」「X-BOX」と懲りずに多機種で同時発売されこともだ。
しかし開発会社は変わったようで、今回はえーっとなになに「ベック」って会社か…ベック!?
洋ゲーだからてっきりバトクロのAMAZE ENTERTAINMENTみたいに海外メーカーが作ってたのかと、これを書いてる今の今まで思ってたぞ。
 …かつてはデジモンワールドを作ったメーカーが、こんなのを作ったのか…・。


 しかしまあ、悲しくなるからあまり言いたかないが、2008年現在のデジモンは死んだも同然だ。
もう何度と無くサイトのあちこちに書いたので詳しくは書かないが、状況は絶望的で、公式が何らかの新商品を出してくれる希望も無い。
(セイバーズのCDが8月に出た?ンなモン「新商品」の範疇に入らん)

 なので、不足したデジモン分を補給するために、2008年の7月に3250円で売ってるのを見かけ、ホイホイと買ってきたわけだ。
個人的にはスルーしていたものの、レビューサイトなんかでは意外と高評価だったりするし、
有名どころではチキたろうさんや涼雲さんをはじめ、他にも色んな人によって攻略サイトも作られていたし、きっと面白いゲームなのだろう。
 …と、さくっと1週だけプレイして、一応エンディングまで見た。


 うん、決してつまらなくはない。
少なくとも、決して「クソゲー」と呼ばれるほどの駄作ではない。
ファン補正を抜けばゴミゲーばかりのデジモンゲームの中では、一般層にも遊べそうな出来だ。

 だが悲しい事に、このゲームもデジゲーお約束の「面白い要素は沢山あるのに他の点がダメすぎて微妙」というパターン。
このページの最初に書いてある通り、糞ゲーではないが糞仕様ゲーなのだった。


 前置きはそんぐらいにして、デジモンワールドXの簡単な説明に。


 まず↑にも貼ってあるパッケージ。
今作の主人公…というかプレイヤーキャラとなるアグモン、ブイモン、ギルモン、そしてドルモンの4体が描かれている。
デジアド、02、テイマーズ、そしてゼヴォリューションからの主役系デジモンというチョイスだが、
フロンティアの主役のはずのフレイモンが見事にハブられた件については今回は触れないでおく。

 それ以前に目に付くのが、どいつもこいつも「武器」を持っているという点だ。
(本来備わっている設定のモノとは別に)「デジモンが武器を持つ」というのは
デジモンワールド3で既に通った道だが、その姿が明確に描写されたのは今回が初めてだ。

 なんでよりによってこんな爬虫類集団に武器を持たせようとしたのか、企画の段階で何かがおかしい。
5本の指があるブイモンはまだマシだが、3本指のアグモンやギルモンなんかは武器を持つだけで精一杯っぽいぞ。
 
 大体、「武器を持つ」というのは「弱い者が力を得るため」に行う事であって、
「進化」という強化方法を既に身につけているデジモンがやることではない
それでもゲーム的には「武器」という概念を優先したもんだから、今作での「進化」は、デジゲー史上最上級におざなりな扱いになることに…。
武器に付いての詳細はまた後で触れるけど、デジモンでやるべき内容じゃないゲームだってのが分かってもらえればいい。
 

 とりあえず、パカリとケースを開けてみる。

 これがデジワーXのディスクだが…何かを思い出すぞ。

 これか!
…なんだ、開発会社は違うが洋デジゲーはこういうデザインで統一してるのか?
ディスクはまぁどうでもいいが、左にある説明書の表紙を少し拡大して写そう。

 ただでさえ狭いスペースにアグとウォーグレイとブラックと3体もアグ系がいて非常にバランスが悪かったり、
主役の最終形態なのにラスボスか何かのごとく描写されているアルファモンや、
「誰?」と大半の人に思われること必至の「クラヴィスエンジェモン」などなど、妙なセンスの表紙だ。
(クラヴィスエンジェは今回初登場の割に設定やキャラを掘り下げられることもなかったが、想定の範囲内)

 余談だが、俺はデジワーXを買う以前から「ブラックウォーグレイXってドリル装備なんだぜ」と聞いて、
ブラックXがどんなカッチョイイドリルを装備しているのかと期待していたが…う~ん……?



第一章「内外に潜む侵略者」 シナリオ・世界観編

 ゲームのシステム的な内容の前に、一気にシナリオの紹介を済ませてしまおう。

 …とその前に一つ。

 アメリカ版ならば当然テキスト内容は全部が英語だろうから全く問題ないが、
それを移植している今作、つまり日本語版のテキストにかんじがつかわれていない
それは別に珍しいことでもないが、テキストの内容自体が「全てが平仮名」で表現されるには違和感のあるものだし、
とくにくうはくなどももうけられていないからなんともよみにくい。
子供向けなのは分かるけど、読み仮名を添えるなど工夫して、せめて小学校で覚える漢字ぐらいは使って欲しいもんだ。


 一応、このゲームの話は「ペンデュラムX」や「ゼヴォリューション」と繋がっているはずなのだけども、
「主人公が違う」「敵が違う」「状況が違う」など食い違いばかりで、「人間が出てこない」以外にはせいぜいドルモンの存在ぐらいしか共通点が無い。

 もはやベツモノと割り切っちまった方が分かりやすい。
「ゼヴォリューションのロードナイトモンが統治していたエリアの話」という設定もあるらしいから、
少なくともゼヴォリューションと同じ世界のはず……だが、ゲームをやればそれはとても信じられない。

 今作にはゼヴォのMADでしかないOPムービー(ニコニコ動画)があるが、
何度も言うように、ゼヴォの内容と今作の内容が食い違いすぎているので、両者の内容を知っていると失笑モノだ。
単に動画として見れば編集は良い感じだし、音楽も相まって壮大でカッコいいけども…。

 MADなんだからゲームと矛盾するところは削ればばいいものを、
ゲームに出ないデクスドルグレモンやシルフィーモンを写してしまっていたり、情けない仕事ぶり。
 ムービーの途中、「滅びゆくデジタルワールド」「ロイヤルナイツの粛清」などとテロップが入るが、
前者は良いとして、後者の方は敵のロイヤルナイツがロードナイトだけな今作で言われても…なぁ?
そのロードナイトモンすら、登場しても会話イベントすらない「中ボスの一人」程度の扱いだし。



 で、シナリオは4体から選んだ1体のデジモンを主人公として、
その主人公がD.S.G.(デジモンセキュリティガード)に入隊するところから始まる。
主人公は期待の新人扱いらしいが、たかが成長期に期待しているあたり、よほど情勢はヤバいようだ。

 さて、このD.S.G.はオファニモンが司令官を務める組織であり、
「Xウィルス」という謎の存在からデジタルワールドを守るのが目的らしい。
「Xプログラム」じゃなくて「Xウィルス」とワードが食い違ってる時点でなんかもうアレだが、次行こう。

 DSGの本部は「ホーム・サーバ」と呼ばれ、プレイヤーの拠点となる。
シリーズ的に言えば、「はじまりの街」や「デジタルシティ」と同じようなもんだね。

 まず驚くのがDSGメンバーのほとんどを占める「デジルフ」という存在。
あまりにも当然のようにいるので、てっきり以前から存在するキャラなのかと考えてしまったが、
正真正銘のデジワーXで初登場、いやデジワーXのみに登場したキャラクターだ。


 「デジモン+エルフ」というトホホなネーミングのとおり、妖精のような姿をしている。

 彼らは調査隊だったり、単なる村人扱い、ショップ店員、イベントフラグ要員……と役割は様々だが、
外見が2タイプしか無いくせに大量に存在し、カラーバリエーションや個別で名前のような区別も無いので非常にややこしい。

 デザインこそ、日本のデザイナー(クレジットを見る限り、こいでたく氏)が手がけているから可愛らしくはあるが、
言葉を喋るくせに外見の区別が不能かつ大量に存在、オマケに「結局デジルフって何?」という説明が一切なされないため、
正直俺に亜hデジルフが不気味な存在にしか映らなかった(別にそういう怖い描写はないんだけど)。

 デジルフ以外には、主人公として最初に選択できる「アグモン」「ブイモン」「ギルモン」「ドルモン」が
ただの村人として何人か登場する(堂々とポリゴン使いまわしをアピールすんなよ…)他、
メタルエテモンやプリンスマメモンがいるぐらいで、非常にデジモンの割合が少ない。
この世界はXウィルスでなくデジルフに侵略されているのでは…。
 
 ホーム・サーバのショップなどの詳細についてはゲーム面の項で後述するとして、シナリオの話に戻る。


 最初の司令は、
「デス・バレー」に向かった調査隊と連絡が途絶えたとかで、その調査隊を助けることが任務となる。
その調査隊長は、なんと僕らのレオモンだ。
助けに行く前に既に死んでしまってそうで非常に不安だが、一応助けにいかねばなるまい。

 途中、ヌメモン型の檻(……)に捕まっている調査隊メンバー(デジルフ)を助けることになるのだが、
その助け方というのが「MPワザかブラスト系の武器で檻を壊せ」と言うなんとも乱暴なものだ。
それはまぁいいけど、ホーム・サーバへの帰還はどうさせてるんだ?転送ができるんなら最初からそれで助けてやれ。
 また、この調査隊救出はミニゲーム扱いで、全ての隊員を助けるまで何度でもチャレンジできる。緊張感ないな。

 しかし一方、いきなり中ボスがブロッサモンやマンモンだったりと、最初のエリアのくせに敵がすげぇやる気。
このゲームはプレイするにあたって成長レベルの概念を捨てなくてはならないのだが、
それでも、いきなりザコ敵がオーガモンなどの成熟期だったり、中ボスがいきなり完全体だったりと困惑を隠せない。


 途中、紫色の蝶だか鳥だか分からんチビザコが大量に沸いてきたり、なんかエヴァ初号機っぽい敵が出てきたり、
当然のように「デジモンではない敵」がいきなり登場してくるのはなんとかしてほしいところだ。

 この「デジモンでない敵」が今作の諸悪の根源「メカローグ」という存在で、「Xウィルス」そのものというべきか具現化した姿というべきか、
具体的な説明が無いので良く分からんが、とりあえず悪いヤツらしいので殺しまくることになる。

 デジモン的に分かり易く例えれば、たぶんこいつらはデ・リーパーのようなもので、
ラスボスである「メカローグX」の他、コウモリのような「メカローグ01」、サソリの「メカローグ02」、狼の「メカローグ03」
エヴァ初号機「メカローグ04」、ライオンっぽい「メカローグ05」と、全くやる気も分かりやすくもないネーミングが光る。

 ちなみに、X以外のメカローグは中ボスとして登場するものもいるが、最終的にはどれもザコ敵として湧いてくる。
オマケに、このザコローグ達よりは同時に出てくる他のザコデジモンの方が手ごわかったりして、全然威厳が無いぞ。


 色々あって、最初のエリアのボス戦となる。
まさか最初のエリアのくせにボスがアポカリモンだというのは衝撃的。
タッグテイマーズでも最初のボスがディアボロモンだったりしたことがあったが、
アレはウォーゲームのウォグレとメタガルと戦った後の死に損ないだったからまだしも、こっちは普通にアポカリモンだ。

 さすが超巨体を誇るアポカリモンだけあって、身体そのものがステージとなっている。
触手を使って嫌がらせしてくるし、人型である本体も俊敏な攻撃を仕掛けてくる強敵だ。
…とは言え、あのアポカリモンがたかが成長期に、しかも最初のエリアで倒されることになる辺り、あまり釈然としないなぁ…。

 
 アポカリモンを倒してオファニモンに報告すると、「待ってました」と言わんばかりに緊急警報がホーム・サーバに鳴り響く。
なんでも、Xウィルスがホーム・サーバに直接攻撃を仕掛けてきたらしい。
展開早ぇーっ!こういうのって普通、「敵の本拠地に乗り込むぞ!」とかの雰囲気の前にやるもんじゃね?

 以前からXウィルスを抑えていたというオファニモンの「デヴァイン・オーラ」も、このままでは耐え切れず大ピンチ。
「サブコマンダーであるセラフィモンさえいれば何とかなりそうなのに」とデジルフは嘆くが、今はそんなことも言ってられない。
「他のコンソールを使って私を援護してほしい」と、オファニモンにコンソール起動のためにIDを託される。

 ターミナルは大混乱!…と思いきや、ショップはどれも普通に経営していたりして緊張感は微塵も無い。
周りにうろつくデジモンたちは「怖い」だの「死にたくない」だのウジウジ君ばっかりで、プレイヤーを助けようともしてくれない。
こんなグズどものために世界を守らなきゃならんのか、ヒーローの悲しいところだなぁ。


 そして、コンソールの配置がおかしい。
コンソールは全部で5つある(この時点で機能的に頭が悪いような)とのことで、
一つ目はセントラル・エリアの奥深く、2つ目はジャンクショップ近く、そしてそこから現れる先に3・4・5個目のコンソールが揃っている。
後半は考えるのが面倒になったんだろうなってのが良く分かる。

 やらなきゃシナリオが進まんので、仕方なく5つのコンソールを起動させる。
さあこれで何が起こるんだ?ホーム・サーバの危機をどうやって救う?

 そう思っていると…なんと、セラフィモンが復活したのだ!
彼の助けでXウィルスをなんとか撃破することはでき、ホーム・サーバは救われたのだった。いやぁよかったよかった。
…ってちょっと待てよ!最初からセラフィモン働かせときゃいいじゃねーか!
なんであんな「ちょっと邪魔なので封印してました」みたいなコトになってんだよ!


 結局、何故セラフィモンがオファニモンに封印されていたのか分からないまま、
主人公は次のXウィルスの反応が見られるという「ドライ・ランド」に派遣されることになる。
やはり成長期相手に「優秀なD.S.Gメンバー~」というのはどうかと思うが、アポカリモンを倒したのだから優秀に間違いない。


 …さて、このペースで続きも書いていきたいところだが、
申し訳ないことにプレイしたのがもう数ヶ月も前だというコトもあり、話をほとんど忘れてしまった
まぁ、どうせシナリオ的な見所もなかったし、そこは実際にプレイしてもらった時のお楽しみということで、ボスだけまとめる。

 「ドライランド」では中ボスとしてスカルグレイモン、アノマロカリモンが登場し、ボスがベリアルヴァンデモン、
続く「ベノムジャングル」では中ボスがトノサマゲコモン、メカローグ4、ディアボロモン、ボスはルーチェモンサタンモード、
最後の「マシン・ピット」ではメカローグ5、ロードナイトモンが中ボスで、そして最後にはラスボスであるメカローグXと戦うことになる。

 最初のボスがアポカリモンとは何事かと思ったけど、続くボスがベリアルやサタンだったりする辺り、アニメを参考にしてるのね。
(メカローグとかぶるからかデ・リーパーがハブられてるのがアレだし、ロードナイトとサタンは逆にすべきな気もする)
 中ボスのチョイスについては、もう常人の理解を超えているので、俺ごときにはツッコミすらままならない。


 メカローグXを倒せば、なんかとりあえず世界に平和が戻って良かったねって感じに終わるけど、
「平和になった世界」というのが全然描写されないので達成感というモノが無い。
何故かと言うと、このゲームが「周回プレイ」を前提に作られているからだ。
改めてシナリオをやり直すか、クリア後の世界に居残るかは選べるが、「平和になった世界」は具体的には描写されず終わる。
なんだかなあ。


あっけないですね


シナリオ終了後にセラフィモンと話すとこのような台詞を言う



 さて、今作のラスボスである「メカローグX」は第一、第二、第三形態と3つの姿を持つ。
第一形態はあの「クレニアムモン」に赤い機械の羽が生えただけと言っても良い妙なデザインで、
セラフィモンの台詞と照らし合わせて考えると「ロイヤルナイツ=メカローグ」という考えもできそうなもんだが、
この設定は今日まで全く生かされていない…というかもう黒歴史っぽいし、今後活かされることもないだろう。
 ちなみに、第二形態はホヤのような姿で、第三形態は少しデクスモンっぽい気がしないでもないデカブツだ。


左から第一、第二、第三形態
※ちなみに画像は転載みたいなモンなので、問題があれば即行マッハで消します



 開発は日本の会社であるベックだというのに、公式絵なんてモンは当然のように存在しない。
…って、それは同じくベックで作られたカオスロードやラグナモン達も同じだし、今更だな。
みんな、設定画のラフぐらいは会社に眠ってるのかなぁ?

 折角なんで、ついでにパッケージの裏も載せておく。
左上のスクリーンショットに載ってるのはメカローグXだが…って、パッケージ裏に載せてていいのかよ!
 この写真じゃよく見えないけど右下のがメカローグ04。
丁度そこに「デジモン同士でバトル!」との煽りが入ってるが、メカローグってデジモンじゃねぇし…



第二章「彼らは自由を捨て、武器を手に入れた」 なんでアクションRPGなんだ編


 デジワーXの辛いところとして、「キーコンフィグが無いこと」がまず挙げられる。
つまりデフォルトのキー配置が酷い

 特に、「×」で決定、「○」でキャンセルなのが最高にキツい。
元々が海外向けだからか?いずれにせよ、この日本でこんな不慣れな配置がやりやすいわけがない。

 変に丁寧なことに、ショップなどのキー操作が必要な場面で
「×:決定」「○:キャンセル」と書いてくれてるのはいいけど、そりゃつまり「分かりにくい」のがスタッフも分かってるのだろうし、
それならいっそ「ボタン配置を見直す」という処置をとれば皆笑顔になれたと思います。

 「アクションゲーム」のキー配置は重要なのだから、そういう意味でもキーコンフィグぐらい用意しててほしかった。
…それにしても、なんでキーコンフィグは欲しいゲームに限ってついてなくて、十分やりやすいゲームにはついてんだろうな。


 そんなわけで、説明書を読まないで始めるタイプの人は、
タイトル画面でスタートボタンを押して「ゲームをはじめる」にカーソルをあわせて○ボタンを押しても
また「Press STRT button」の状態に戻され続けるという第一関門にひっかかる。

 「慣れればいい」つっても、今まで生きて培ってきた
「○=決定」「×=キャンセル」という認識をこのゲームのために覆すのは辛い。
 結果、ただでさえ慌てる戦闘中は間違って技を発動したりアイテムを使ってしまうし、
そうでない買い物中でさえ、間違ってアイテムを売ってしまったりことあるごとに店から出てしまったりと大混乱だ。
 

 タイトル画面からは「ゲーム開始」以外にも「オプション」があり、
ここでフィールド上でのカメラ位置(「遠」か「近」しかないけど…)と画面の明るさを設定できる。

 …のは良いんだが、それを設定できるのはここでだけという糞仕様。
まあ画面の明るさはおいといて、カメラ位置ぐらいはプレイ中でもR2かL2を押せばいつでも変更できるぐらいが当たり前では…。
いやせめて、ゲーム中にスタートボタンで開く「ステータス画面」からオプションで設定できるぐらいにはしてくれよ。

 尚、カメラのアングルは全フィールドにおいて固定(プレイヤーの移動にしたがってゲーム側が動かす)で、
数少ない「デジモンワールド」との共通点とも言える。
この仕様はアクションゲームの場合、プレイヤーに適度な緊張感を与えてくれるので中々良いと思う。
 これは俺の個人的な印象だが、とりあえずこのゲームを一通りプレイしてみても、
カメラワークは別段悪い仕事はしていなかったので、「カメラのせいで死んだ」ということはそうないだろうと思う。



 ゲームのメイン部分である「フィールド上での戦闘」の話だが、
とりあえず↑では省略したキー配置について書いておく。
「■」はフィールド上、「□」はホーム・サーバ、及びメニュー画面等での効果。
左スティック ■□フィールド移動 カーソル移動
右スティック ■サブウィンドウ内のカーソル移動
○ボタン ■ジャンプ:ボタンの押す長さで跳ぶ高さが変わったりはしない 本当にジャンプするだけ
□キャンセル
△ボタン ■緊急回復(HPが満タンになるように、所持している回復アイテムを使用する)
□ボタン ■ガード
┗体当たり:ガード中に左スティックを同じ方向に素早く二回押す 敵を吹っ飛ばす効果がある
×ボタン ■通常攻撃:現在装備している武器で攻撃を行う 攻撃アクションは持っている武器のタイプによって変わる
┣エネルギータックル(仮):「×ボタンを押しっぱなし→はなす」でエネルギーをまとい突進攻撃 武器により2タイプ(?)ある
┗回転切り:左スティックを1回以上回転させながら×ボタン 広範囲に攻撃できる重要な武器 何故か全武器共通のアクション
□決定、話しかける
R1ボタン ■MPワザウィンドウ MPを消費する特殊なワザ「MPワザ」(もっと捻れよ)を選択するためのウィンドウを開く
L1ボタン ■アイテムウィンドウ 所持した戦闘用アイテムを使うためのウィンドウを開く
L2ボタン ■状態異常確認 敵からの攻撃などで状態異常に陥った場合、その症状を確認するためのウィンドウを開く

 ちなみに、MPワザやアイテムなどのウィンドウを開くと、常にその「ウィンドウ内の選択待機状態」となる。
その間でもガードやジャンプなどのアクションは行うことができる…が、通常攻撃はできない
それもそのはず、ウィンドウを開いている間は「通常攻撃=×ボタン=決定キー」として扱われているため、
ちゃんとMPワザやアイテムを使った後はもう一度ボタンを押してウィンドウを閉じないと、
攻撃のつもりで「決定」してしまい無駄にMP・アイテムを浪費してしまうというミスを誘発してくれるのだった。

 で、同じ失敗は繰り返すまいと「開いた窓はもう一度同じボタンを押して閉じること!」を頭におくと、
△ボタンでの緊急回復を発動させた後も「アイテムウィンドウ」が残るというトラップにひっかかる。
「△ボタン」で「ウィンドウを開いた」わけだが、慌ててもう一度△ボタンを押すとHP回復アイテムを浪費する
「いや違うんだ!俺は消したいんだ!」と慌ててキャンセルを押したつもりで「×」を押すともう一度浪費
「ああそうだった!キャンセルは○だった!」と○を押すと空しくその場でジャンプ

 毎度毎度ここまで綺麗にひっかかる人もそういないだろうが、瞬時に「L1で閉じる!」と理解するのは中々難しい。
っていうか、なんで「一瞬で全回復する」という便利な機能のはずである「緊急回復」の後にアイテムウィンドウが残るんだ?
本来ならばアイテムウィンドウを開く余裕すらないピンチに使うべきコマンドなのに、
なんでわざわざ臨戦態勢を崩されるようなコトをされにゃあならんのだ。
てか、「アイテムを必要最低限使い、全回復した」と認識できるコマンドが、
コマンド直後の「全回復している」という状態においても「アイテムを消費する」という馬鹿仕様になってるのはどーなんだ。

 L2だのスティック押し込みだの、使ってないキーはまだあるんだから、
もうちょい上手い具合にコマンドを振っておいてもらいたかったもんだ。
これも、最初っからキーコンフィグつけてくれれば済む話なのに…



 さて、そんなこんなでこのゲームのメインは、やはり「フィールド上でのアクション」だ。

 プレイヤーはデジモンを操って、襲いくるデジモンを打ち倒し、トラップや障害物を破壊しつつ、
ダンジョンを抜け、中ボスを倒し、ミッションをこなしつつも自分の強さを磨くのだ!

 シナリオは前述したとおり本当にどうしようもないし、
このゲーム自体も周回プレイを前提としたつくりにされているので、やはり最終的な目標は「強くなること」にある。

 戦いの舞台となるフィールドは、流石デジモンワールドを手がけた「ベック」のものらしく、
自然と見せかけていたるところにデジタルらしさや人為的干渉を思わせる独特の世界観だ。
PS2の本領発揮というべきか、PSの頃よりも遥かにグレードアップした鮮やかさのフィールドは一見の価値ありかもしれない。

 …が、折角様々なオブジェに囲まれた情報量の多い風景も、
ゲーム的遊び心が皆無なため、最低限のギミック以外は「しらべ」ても何か発見があるわけでもないのが残念。



 まず簡単にデジモンのステータスについて。
「レベル」「HP」「MP」「つよさ」「まもり」「かしこさ(MPワザのつよさ)」「せいしん(精神攻撃への耐性)」「すばやさ(命中・回比率)」
さらに炎、氷、雷、闇それぞれの属性への「テイコウ」、そして「Xデータ」で構成されている。

 「Xデータ」はステータスに組み込まれているものの、単に今まで集めたXデータポイントの合計で、所持金みたいなもの。
別にXデータを溜めればXデジモンに進化するというわけでもない。設定が活かせてないなあ



 今回のプレイヤーデジモンは「武器」を持っている。 
「なんでお前らはその自慢の爪や炎を吐く特殊能力を使おうとせんのだ」とツッコミは無限に湧くが、
ゲーム本編でも「何故デジモンが武器を使うのか」という点をパーフェクトスルーしているのでどうしようもない。
 …せめて、「Xウィルスの影響で身体が弱り、武器に頼らざるを得なくなった」とか、
「メカローグに対抗するにはこの武器が効果的だとされている」とか、「デジモンがわざわざ武器を持つ事」について説明が欲しかった。



 デジモンが使える武器には6つのカテゴリがある。
スラッシュ ソード(片手)、カトラス(二刀流) ※二刀流の武器は2回ヒットする
バッシュ カタナ(片手)、グレイブ(二刀流) …スラッシュ系と分ける必要はあったのだろうか?
クラッシュ アーム(二刀流)
ブラント アックス(片手)、モール(二刀流)
ショット ガン、ブラスター 唯一の射撃武器で、必ず両腕を使う
スタッブ ダガー(片手)セイバー(二刀流)

 詳しく調べたわけではないが、多分攻撃時のモーションはカテゴリやエモノの数で固定。
そこは別に構わないけど、それ以前に「武器によってのアクションが少なすぎる」のが不満。
攻撃ボタンを連打しても同じモーションの繰り返しで、連打や他のボタンと組み合わせでのコンボなんてのが存在しない。
そのせいもあり、わざわざ武器カテゴリを6種類にも分けた意味が全く感じられない

 ぶっちゃけ「刃物」か「銃」かの違いしかないしなあ。
その割に5種類も「刃物」があって、さらにそれを細分化してるのもなんだか無駄というか、よく分からない。

 一応コンボとしてか、エネルギータックルや回転切りはあるものの、これは全武器共通アクションだしなぁ。
エネルギータックルはタメに時間がかかる割に威力も大したことなく、
発動中に無敵補正すらかからない糞ワザだし(エネルギーをまとうのは攻防一体だからじゃねぇのかよ!)、
結局は「通常攻撃」と「回転切り」の2つのアクションのみで戦うことになると思う。少なくとも俺はそうだった。

 で、6種類の内の1種類、何故か空気を読まずに弾をバシュバシュと撃つこの「ショット系」だが、
使いにくいのかと思いきや滅茶苦茶使いやすいのだった。

 というか、基本的に敵が多勢に無勢な上、ただでさえ敵は近接・遠隔の様々な攻撃手段を持っているのに対し、
こちらが馬鹿正直に近接格闘だけで戦おうとして楽なわけがない

 ショット系は通常攻撃なら「遠隔射撃」、回転切りをすることで「近接格闘」の両方が行える優秀な武器だ。
これらの便利さに気付いた人はさっさとショット系ばかり使うようになったろうと思うんだが、
それほどショット系を持ち上げる声を聞かないのは気のせいか俺の調査不足か。そもそも調査してないけど。


 しかし、このバランス調整は明らかにおかしくないか?
ショット系の威力が低めに設定されてるってコトもないみたいだし、これじゃあ近接武器にメリットがなさすぎる。
少なくとも武器のカテゴリ分けは「近接」と「遠隔」の2つで良かったのは確かだ。



「必殺技は~」とかホザいてるが、このゲームに必殺技の概念は無い

 また、武器には「専用装備」というものがあり、各デジモンごとにそれぞれのみが装備できる武器が用意されている。
デジワー3のエピックアイテムみたいなもんだけど、最強武器というわけではないようだ。

 これは簡単に言えば
「シナリオ中の中ボス、ボス全員を電源を切らずに一気に倒し、その後である場所に現れる特別なヌメモンを倒すと入手」 
という色んな意味で凄い条件で手に入る。
俺はやったことはないが大体4~6時間はかかるらしく、作業つーよりもはや苦行のような…。
(それに見合う達成感や強さはあるだろうけども)

 専用武器のデザインはこちらのサイトが画像つきでまとめてくれているのでそちらを参照。
…折角「片手武器」「両手武器」の概念があるのに、わざわざオメガブレードやポジトロンを2つ持たせる神経が俺には分からん。
まぁショット系は両手にそれぞれ持たないといけない縛りがあるからポジトロンは仕方ないが、オメガブレードは…。

 専用武器だからといって「オメガブレード」のように元々持ってた武器がそれにあてはまるわけではないのだな。
クラヴィスエンジェなんか、この頃はまだ「ザ・キー」の設定が無かったようだし。



 何はともあれ武器を扱うにはカテゴリに応じた「スキル」が必要で、強い武器であるほど必要スキルも高い。
スキルはそのカテゴリに応じた武器を使い続けることで上昇していく。

 最初はどのデジモンも全スキルが「1」だけ割り振られていて、
必要スキルが1、つまり弱い武器からコツコツとカテゴリに使うスキルを上げ、やがて高まった頃にその分強い装備が可能となっていく。
…が、言うまでも無くこれは非常にめんどくさい

 スキルは最初の頃は「バグってんじゃねぇの?」と疑いたくなるほど上がらない。
…が、それでも根気よく戦い、少しずつスキルが上がってくるにつれて、段々とスキルが上がるスピードも速くなっていく。
ゲームが終盤にもなると、ちょっと戦うだけでポンポンとスキルが上がっていくようになるのは中々気分がいい。


 スキルは装備条件だけでなく、そのカテゴリの武器の威力を高める効果もあるので、
「全部のスキルを上げよう!」なんて意識しない限りは、一度選んだカテゴリをずっと使い続けていくことになる。
 つまり、敵を倒したり宝箱なんかで強い武器を折角手に入れても
それが自分の育てているカテゴリ以外であれば、スキルが足りなくて装備すらできず、宝の持ち腐れになってしまう。


 また、武器はそれぞれのカテゴリの中でも、例えばスラッシュ系なら「ロングソード」「ボーンブレード」など種類があり、
さらに「ロングソード」などの中でも「α~ε」の5段階でランク分けされるという水増しっぷりだ。

 一応、武器は「銘柄が違えば」ちゃんとデザインも違うのだが、
「文字でのランク分け」での差異はなく、上記したとおりカテゴリごとに攻撃アクションが同一のためありがたみが薄い。
…どっちかというと、武器の共通はカテゴリごとに1つでもいいからアクションやエフェクトに違いをつけるべきでは?

 正直、普通にプレイする分には「α」とかのランク分けは邪魔だったと思う。そうでなくとも十分多く感じた。
大体、「"○○ソードα"と"○○セイバーα"だと"○○セイバーα"の方が強いけど、
○○セイバーα"よりは"○○ソードβ"の方が強い!」なんてややこしすぎる。
おまけにこのゲームは字が小さくて文字も判別しにくいし、何よりネーミングが手抜きで良い印象がない。


 しかし、武器にはさらに「色つき」(性能に+補正がかかる)や
「ポケット」(ポケットの数だけチップをつけてカスタマイズできる)といった要素も加わり、正に廃人仕様となっている。
「色」や「ポケット」はランダムで追加される要素なので、確かに面白いっちゃ面白いし、
偶然そんな武器を入手できた時の感動もひとしおだが、「完全にランダム」と考えると、
武器の性能や個性を尊重しない製作側の手抜きだととれんこともない。
さらに言えば、逆に「色もポケットもない武器」の価値をドン底に叩き落とすという意味もあるし、
「やった!レアでランク高くて色つきでポケットも多い武器だ!でも装備できねぇ!!」という悲劇を産むこともある。


 さりげなく上記した通り、武器はホーム・サーバの店で買う以外にも、 
フィールド上で倒した敵が落としていったり、宝箱から入手する事もできる。
入手頻度は驚くほど高く、フィールドに出て大量に入手してきた武器を売って資金源とするぐらいはこのゲームでは普通だ。
 その割には自分にとって「使える」武器が中々入手できないのはお約束なので、
そんなスキルの合わないゴミのよーな武器はささっと気兼ねなく売ってしまえばいいのだから問題ない。

 …が、フィールドで入手した武器はその場で装備できないという伝説的糞仕様はいかんともしがたい。
これについてはホーム・サーバの施設紹介の場で詳しく書くが、
「装備」の中でも何故か「武器」の装備だけはホーム・サーバの専用の施設でしかできないのだった。


  
 武器の話をしたついでに装備の話。
装備はパワーソケット、メインスロット、サブスロットと、いらんところで名称がデジタルを気取って分かり辛くなっているが、
前からそれぞれ「武器」「防具」「防具2」のことを指す。

 武器のことはもう書いたので防具について。
防具は「アーマ・ボード」と呼ばれ、防具を売る店も「アーマ・ショップ」だし、
「アーマー」とすぐに分かるから「アーマ」と略してくれればいいのに、何故かゲーム中では「ボード」と呼称されるので中途半端に分かり辛い。

 防具には「スキル」がなく、強い防具を装備するには単にデジモンの「レベル」が条件となる。武器もそれで良かったのに…
防具もまた「α」などの文字でランク分けされているが、こちらはα~γの三段階で大人しめ。武器もそれで良かったのに…
防具は種類によっては様々な効果があり、「まもり」意外にも様々な能力を上昇させることができる。
武器同様に色つきやポケットの概念があるので、良くも悪くもギャンブル性が高い。
武器はグラフィックが用意されているのに対して、防具は全く考えられていないのがなんというか…。



 さらについでにMPワザの説明。
早い話が特殊技で、RPG的に言えば呪文だとかそういうノリの技だ。

 MPワザはデジモンごとに覚えるものが違い、属性のついたエネルギー弾を撃ったり、敵の動きを止めたり、回復できたりする。
…のだが、このMPワザにも「スキル制」が導入されていて、何度も使ってスキルを上げてやらないと、とても使えたモンではない。

 俺は武器のスキルを上げるのに精一杯で、ロクに威力の無いワザや成功すらしない妨害ワザを使う余裕はなく、
「HP・MP回復ポイントの近くで連発する」ことでスキルを楽に上げられる回復ワザ以外はロクに使わなかった。
(MPワザはスキルさえ上げちまえばとんでもなく強力な技と化けるらしいが、詳しく知らんので別の人に聞いてね!)


 というわけで、説明はしたものの未プレイヤーにはサッパリ伝わってないと思うが、
今回のデジモンはこんな感じに戦うのだった。



 とりあえず、敵と戦おう。

 敵デジモンは「最初からフィールド上にいるもの」と「近づくと急に現れるもの」に分かれている。
大体のメインは後者で、初めてのフィールドを探索する時はいつどこから何が何体来るのか常にビクビクすることになる。

 一度倒したデジモンは洞窟やダンジョンに入ったりフロア移動、つまり「ロードを挟む」ことで復活する。
時間経過で一度倒したデジモンが復活することはないが、
一度出現したデジモンは倒さない限り、画面外に追いやってもそのまま消滅せず、
「敵をスルーしてガンガン進む→多数に囲まれて足止め状態→後からさっきスルーしてたやつらが増援に!」なんてこともあるので、
レベルアップのためにも、出てきた敵はできるだけ倒せる内に倒しておいた方が安心。

 フィールドには障害物があり、これがマップ切り替えごとに何度も復活するので非常に邪魔だ。 
エネルギータックルはこの障害物を壊すのに使えと説明書には書いてあるが、
一発で綺麗さっぱり消えるのは中々無いので、回転切りの方がいくらか効率が良さそうだ。
 この障害物は壊しても何のメリットもないし、爽快感もないし、ゲームのテンポを悪くしているだけに思う。


 ダンジョンの奥や特定の場所に出現する中ボスを倒すと、「○○キー」というフラグアイテムを入手できる。
これがあれば後に中ボスと一緒にでかけるイベントやクリスマスを過ごすイベントが起きる…というわけではなく、
「中ボスを倒した」という証明になり、これがないとセーブしても無駄になる

 デジワーXは、パラメータやアイテムなんかは普通にセーブした時にちゃんと記録してくれるが、
「シナリオをどこまで進めて、中ボス、ボスはどれぐらい倒したか」という進行度を「フラグアイテムの所持」で認識する。
つまり、ちゃんとフラグアイテムを持ち帰らないと、セーブしても倒した事にならないのだった。…何でかは知らん。

 まぁフラグアイテムはフラグアイテムで他のアイテムとは別のフォルダに保管してくれるし、
よほどうっかりしてない限りは取り逃す事もないだろうからそう問題でもないはずだ。

 また、フラグアイテムは大ボスがいるダンジョンへ入るための必要アイテムになっていたりするので、
シナリオを進めたければ中ボスを倒さなくてはならないようになっている。



 肝心の戦闘バランス。
どうもこのゲームは多人数プレイ前提らしい雰囲気があって、
一人でプレイすると大体は最初のダンジョンのゴブリモンかヌメモンに囲まれてリンチされて死ぬ

 多人数プレイの場合は敵ステータスがどのように変化するのかは知らないが(恐らくそのまま)、
「多人数だと面白い」という声をチラホラと聞くので、まぁそういうことなのだろう。
俺は友達がいないわけではないけど「今更デジワーXを一緒にやってくれる友達」は残念ながらおらず、1人プレイのみだ。


 だが、キツめとは言え一人でも十分クリアは可能で、慣れればどってことないのでバランスは悪くないと言える。
慣れようと2週目だろうと「気を抜けば死ぬ」という絶妙なゲームバランスは、今作で一番褒めるべき点かもしれない。

 妙に広いフィールドとかを見ていると、やはり多人数プレイ前提っぽいのが伝わってくるが、 
一人プレイでも敵がワンサカ来ると処理オチするのに、最大の4人同時でプレイした場合は一体どうなることやら。



 HPが0になって死ぬと、即ゲームオーバーではなく、一旦ホーム・サーバに強制送還される。
当然デメリットはあり、所持していたBit(お金の事)全てと、一部のEXPを失ってしまう。

 だが、死んだ場所に「バックアップ・チップ」が残され、再びそこに戻り、
そこでMPワザ「レイズ」、もしくは「レイズディスク」を使うことで「Bit全て」と「ある程度のEXP」を回収できる。
(…そこに到達してチップを触るだけで回収できてもいいんじゃねぇかなぁ…)
 しかしチップ回収前に死んでしまうと、死んだ場所が上書きされてしまう。つまり、おめでとうございます。

 考えてみればすぐ分かる事だが「死んだ場所」ということは「死ぬ理由があった場所」であり、
恐ろしい敵がウジャウジャと湧く小部屋や、まだ敵いっこないのに入ってしまったボス部屋だったりするのでタチが悪い。
チップ回収作業は中々スリリングなミッションとなる。



 さて、敵デジモンの種類は決して多くは無い。だがどいつもこいつも個性豊かだ。
俺個人としては、序盤から出てくるくせに「常に複数で出現」「遠距離攻撃持ち」「一定時間無敵ワザ」を持つスカモンや、
大量に出現し、かなりのスピードでプレイヤーを追い詰めてくるオタマモン、
狭く暗い部屋に大量に潜み、遠距離攻撃バックステップ自己増殖と暴れ放題なインフェルモンなんかが印象深い。

 ラストダンジョンでいきなりザコとして登場するインペリアルドラモンにも驚かされたが、
デジワー3のクリア後の地下(アポカリモンやヴェノムヴァンデモンが普通に出てくる)に比べりゃどってことない。

 敵デジモンというわけではないが、エリア「マシンピット」の地下で出てくるトレイルモンは本当に怖かった。
ダンジョンの通路が一部線路になっていて、そこを通らなきゃいけないんだけど、一定のタイミングで
「ポォォ――ッ!!」とアラートのごとく汽笛を鳴らしつつ轢き殺しに来るトレイルモンは本当に怖かった…・。
 

 このゲームは全体的に閉鎖空間的なイメージから来るダークな雰囲気があって、
敵デジモンが喋らない上に本気で殺しにかかってくるので、その不気味さが倍増している。
(これは子供向けとしてはアレな感じだが、個人的にはデジワーXのかなり好きなところだ)


 一方で、中ボスや非デジモンであるメカローグ、そしてラスボスメカローグXは結構影が薄い。
 ボスは強かったり行動パターンが多かったりするつっても、
そこらへんで大量に沸いてくるザコの方がよほど手強いし、台詞とかが一切無いのがダメだ。
いきなりガオーと現れてそのまま死んでいくんじゃ記憶にも残らんわな。
設定的説明が一切されないメカローグも同じで、こいつらにいたっては実際にザコ扱いだ。

 各エリアのボスは有名どころのデジモンが揃ってるけど、
「あいつがボスをやっている」という点ばかりが印象に残って、ゲーム的にはそれほどでもない。




 色々な問題点を抱えつつも、アクション部分はそれでも結構面白かったりする。
もっと煮詰めて欲しい点が多いのも事実だが、それでも適度な緊張感を保ったままプレイできるのが良いところ。

…が、どうしても擁護できない点が別の場所に多いのもまた事実で…。



第三章「我、本当の敵を見つけたり」 ホーム・サーバまさに外道編

 
 個人的にデジワーXで最悪なのが、拠点となる「ホーム・サーバ」のゴミクズっぷりだ。
プレイヤーにとっても憩いの場であるはずのこのホーム・サーバこそが、このゲーム最大のストレッサーになっていると強く思う。

 ホーム・サーバは、「ターミナルエリア」「セントラルエリア」「ショップエリア」「コマンダールーム」の4エリアに分かれている。
ターミナル、セントラル、ショップの3つは三角形の頂点の関係で、それぞれ別の2つのエリアに行けるようになっているが、
コマンダールームへいけるのはターミナルエリアからのみ。
コマンダールームへ行くのはミッション達成時の報告ぐらいだし、ワープゲートのあるターミナルとつながってるからそう問題ない。

 問題は、その他のエリアが「わざわざ3つに分けられている」こと。
なにしろ、同じ「ホーム・サーバ」でありながら、エリア間の移動には20~30秒のロードがかかるのだ。

 フィールド上でのロードも長いといえば長いが、それはちゃんと「マップ間移動」のみに限られていたからそう気にならない。
だが、何で広大なフィールドに比べて明らかに小ぢんまりとしたこのホーム・サーバが、わざわざここまで区切られているのか、
そして何より、無駄なモノが多すぎるせいで区切る必要が出てしまった感が強いのがストレスの元となる。


ターミナルエリア

 フィールドや他のエリアへの「ワープゲート(画像の左上にある段差上)」、「ヒールサークル(右)」がある。
プレイヤー視点で正に「拠点」となる場所なのに、「このエリアでできること」が少なすぎる。せめてセーブポイント置いてくれよ!

 「ヒールサークル」は中に入ることでHPとMPを一瞬で全回復してくれるものだが、
こんなクソみたいなモン作らんでもホーム・サーバに帰ってきたら自動的に全回復すればいいと気付かなかったんだろうか?
 
 ちなみに、フィールド先の「ターミナルへのゲート」を使って帰ってきた場合は上の画像同様、
すぐにまたフィールドや他のエリアへ移動できる場所に転送されるが、
フィールド先で「ゲートディスク」というホーム・サーバへの帰還用アイテムを使うと、

 何故かこっちに用意された「緊急ゲート」からの帰還となる。
画像が見辛くて申し訳ないが、画像の右の方にある階段を下った先がちょうどゲートやサークルのある場所に出るわけだ。
 つまり、ディスク使用時は毎度毎度、無駄にこの階段を下らなくてはならないという蛇足仕様になっている。

 なんで?なんで通常時と同様にワープゲート近くに転送してくれないの?
D.S.G.のみんなはプレイヤーのこと嫌いなの?俺はD.S.G.のみんなが大嫌いだけど
しかもこの緊急ゲート、帰ってきた時は最初からゲートの前の床に転送されるので、全くゲートとして意味を成していない。
 

コマンダールーム

 無駄に広い
オファニモンやセラフィモンの他、アホみたいにゾロゾロ配置されたデジルフがいるせいだ。 
ここのデジルフ達はゲーム中のステータスなんかの説明をしてくれるが、そういうことは説明書に書いて下さい
説明書を読まない人のためにチュートリアルを用意するのは分かるが、
説明書を読まない人がゲーム中で「説明係にわざわざ危機に行く」のはないと思うぞ。

 まあ、ゲーム内容について話してくれるキャラがゲーム中にいるのは別に悪くないだろう。
中古で買って説明書が無かった時なんかにはありがたいだろうしな。
でもこのゲーム、説明の担当を分担しすぎなんだよ
なんで戦闘1つでも「攻撃」「MPワザ」とかコマンドごとに別のデジルフが担当してるんだよ

 しかもどいつもこいつもテキストは

「○○のことで、なにかしりたいことはありますか?」
┣→いや、べつにないよ→「じゃあ、またしりたいことがあったらこえをかけてください」

ああ、おねがいするよ

「わかりました。では、どれについてしりたいですか?」 ※ここまでテンプレ

選択肢を選ぶ ※キャンセルができず、何か選択して話を聞かないといけない

「○○(説明)」

「○○のことで、ほかにしりたいことはありますか?」
┣→いや(略)

ああ、おねがいするよ

(略)

 こんな感じ。
当然「そうなのか!」と唸るような小技やお得な情報は得られず、テキスト的な遊び心も皆無。
しかもいざ話しかけるまでは何について教えてくれるデジルフなのかは分からない。

 つーか、
「デジラボについて聞きたいことはありますか?」って、それは「デジラボで」「デジラボ担当者が」喋れよ!!
 


誰が誰やら


セントラルエリア

 ターミナルから奥へ進むと着く、重要な施設と全く重要じゃない施設が入り交ざった良く分からない場所。
ただ言えることは、セントラルエリアとショップエリアを分割した責任者出てこいということだけ。

セーブがかり
 ゲーム中だと「ショップ」以外は「○○がかり」と施設名でなく担当者の名前で呼ばれているのが不思議でならない。
 さておき、セーブができる唯一の場所だ。
そんな大切な所なのにわざわざターミナルとは別の場所にあるあたり、本当にプレイヤーは嫌われているのかもしれない。
ヒールサークルなんてガラクタは外部サーバにポイして、代わりにそこにセーブポイントがあればどれだけ良かったか…。

デジラボがかり
 デジモンの進化や装備のための施設。進化、及び武器の装備はここでしか行えない
進化はともかく、ここ以外では武器の装備ができないというゴミクズ仕様を考えた奴は二度とゲーム業界に関わらないで欲しい。
武器の装備変更ロードがかかるのは我慢するが、何でだからといってここ限定にするの?馬鹿なの?
もし技術的にそうせざるを得なかったとしても、そこまでしてデジモンに武器を持たせる意味はあったの?

 尚、正しく言えば、武器はあらかじめデジモンに3種類セットしておくことができる。
だから、フィールド上でその「3つ」の中からなら自由に装備を変えることはできる。
…が、フィールド先で手に入れた装備は使えないし、スキルが足りなければセットすらできないため、
「フィールド先でスキルを上げて条件を充たしてから装備しよう」と思っても、まずセットできないので意味が無い
 結局、遠征先で良い装備を手に入れても、向こうでスキルの条件を充たしても、ここまで戻ってこなければいけないのだった。



 ついでに、進化について。
デジワーXでの「進化」は、進化と呼ぶのもおこがましい「変身」と言うべき仕様になっている。
「進化」は「進化ワザ」として扱われ、デジルフに出されるクエストをこなすと報酬として覚えることができる。

 進化ワザを教えてくれるデジルフはシナリオ序盤の調査隊メンバーであり、彼らを救出することが最初の条件となる。
救出後は、「シナリオを進める」「カードをある程度揃える」などの条件を充たす事でクエストを受けることができる。
(全てのクエストが、報酬として進化ワザをもらえるわけではない)

 ゲーム中でも「デジモンチェンジ」と呼ばれ、もはや名実共に「進化」ではない。
デジワー3で通った道だから今更気にする人はそんなにいないかもしれんね。俺ももう慣れた
ただ、デジワー3と大幅に違ったのが進化の必要性がゲーム上全然感じられないこと。

 ストーリーのところでも言ったけど、普通にプレイする分には一週目は進化なんて必要ない
何故かっつーと、進化すると今まで苦労して鍛えたレベルやスキルが全て「初期値」から、つまり育て直しになるから。
いくら進化して強いデジモンになったとは言え、レベル1の状態では当然以前の状態よりもヘボヘボだ。
スキルも全部1からだから以前まで使ってきた愛用の武器もスキル不足で使えなくなるし、
わざわざ装備も新たに整えなくてはならないというめんどくささ。

 何より、一週目である場合はまずは「シナリオクリア」を目指している状態だ。
だのに、進化してしまうと一気に弱体化して、とてもそのままシナリオを続行するというのはできなくなる。
とりあえず進化前と同等の強さとなるために、また最初の方のフィールドから徐々にレベル上げをしないといけない。

 それをやるのはめんどくさいし、1週目の内に取れる進化ワザなんてたかが知れてるし、
進化は2週目以降のお楽しみにしてささっと成長期でクリアするかー!とクリアしたものの、
まーたこのシナリオをもう一度やるのかと思うと萎えに萎えて結局進化はロクに使わずに終わる

 …という俺みたいなケースがほとんどだと思うんだが、
まるで何かにとりつかれてるとしか思えないほどやりこんでる人もいたりして驚いた。


 やる気云々は個人の問題なのでおいといて、「さあ2週目をやろう!」という状況だとする。
で、2週目からは進化が重要なのかと思いきや、2週目も快適プレイのためには進化なんて全く必要ないのだった。

 2週目、つまり「ハードモード」になると敵が当然強くなるわけだが、
この「ノーマル:ハード」での強くなりっぷりが、
「初期デジモン:進化後の初期状態デジモン」の比でなく、「初期デジモン:1週目をクリアしたデジモン」ぐらい差があるからだ。
ハードの先には3週目「ベリーハード」があるし、2週目をハードでいきたいならやはり初期デジモンを貫いた方が楽ということに…。

 これじゃ進化するタイミングがとても掴めない。つーか、進化しても能力引き継げよ! 
目安になるかは知らないが、一周目をクリアしたときの俺のデジモンはレベル35だった。
で、このゲームは最大レベルが99でなく999だったりする。
つまり、たかが数週分のデータを引き継いだところで、全く限界には影響がないってこと。
 むしろハードモードでの敵の能力を見る限り、進化時に能力を引き継ぐのが前提のようなバランスにも思えるぐらいだ。

 さらに言えば、進化してもビジュアルや声(つっても被ダメージ時に「うっ」とか言う程度)に変化があるぐらいで、
デジモンごとに何か特殊能力や個性があるわけでもないのも致命的。
能力の伸び、MPワザや得意なカテゴリぐらいの差はあれど、装備なんかは全デジモン共通でスキル次第だし。必殺技ないし
ここまで進化を使い辛くさせておいて、オマケに肝心の結果もこれじゃあ有り難味がなさすぎる。
本当にビジュアル的好みのためだけにある感じだ。


 ちなみに、進化自体は別に費用も何もなく何度でも行えるし、
例えばドルモンからクラヴィスに進化してまたドルモンに戻った時、レベルやスキルはちゃんと進化直前の状態で保存されている。
色んな所で言われている「進化=育てなおし」というのは密かに御幣を産んでいるかもしれないな。
…これで装備も元の状態に戻してくれれば嬉しい仕様だったんだけどなあ。


 
 そういえば書いてなかったので、「進化できるデジモン」もここで書いておく。
完全体がワーガルルモンX、
後は究極体としてアルファモン、ウォーグレイモンX、メタルガルルモンX、インペリアルドラモンファイターモード(パラディン)、
デュークモンクリムゾンモード、スサノオモン、ブラックウォーグレイモンX、ヘラクルカブテリモンX、ベルゼブモンX、クラヴィスエンジェモン。
こんだけ
驚いた事に成熟期は存在しない。そりゃあ進化の仕様もここまでクソになるわな…。

 ゲームの都合上「二足歩行、かつ武器を持てるデジモン」しか登場できなかったというマヌケっぷりはデジゲー史上最上級。
おかげさまでみんな大好きオメガモンもさよならバイバイだ。

 つーか、初期のアグ、ブイ、ギル、ドルを足してもたった16体しかプレイヤーデジモンがいないって本当に何事だよ!?
たった16体なのに、あのアクションの作り込みの浅さだってのもヒドい。ポリゴン作るだけで力尽きたんだろうか。
一方で敵の方はプレイヤーにこれ見よがしに面白いアクションを繰り出してくるし…。
自分側のモーションがカスで敵が個性豊かというのはデジワー3も同じだけど、スタッフ同じなのかな。よりによって無能なのが。


 話は戻って施設。

バンクがかり
 アイテムやbitを預けたり引き出す事ができる。
フィールドで全滅するとbitは回収しないといけなくなるし、持てるアイテムには限度があるので割とお世話になる。
…のは良いんだが、「預けているものを見る」という選択肢は無い(「預ける」「引き出す」のみ)し、道具のソート機能なんかも無くて不便。

 何故かショップエリアにもバンクはもう1件あり、預けたモノはリンクしている。
親切のつもりかもしれないが、なら最初からセントラルとショップつなげろってんだよ!


鑑定がかり
 たまにフィールド上で、名称が分からず「??????」となっているアイテムを拾うことがある。
で、ここはそのアイテムの正体を暴いてくれるわけだが、金をとりやがる上にアイテムが良いものとは限らず、
ひどい時はショップで普通に売ってるHP回復ディスクだったりする。
…最初からこの要素いらなくね?

 
Xデータがかり 
 フィールドで集めたXデータを使って、自分の能力をアップさせたり、一部チップの効果を上げる事ができる。
パラメータアップはぼったくりとしか言いようがないほどに効率が悪いので、対象はチップに絞るべきか。
デジモンのパラメータは上げたって「進化」しちまえば無駄になるけど、チップなら流用できるのも大きい。


カードがかり
 フィールドで敵を倒すと、たまに「ブースターパック」を拾うことがある。
中にはカードが入っているものの、謎の力によりプレイヤーは自力で開封する事ができない
仕方ないのでパックを開封するため、この施設に来る必要がある
 
 中にはカードが3枚入っているのだけど、カードは全部でたった50種類自主制作か何かかこれは。
カードになっているのはゲームに登場するデジモンのみで、
カードの枚数で一度ガッカリ、そこから分かる登場デジモン総数の少なさで二度ガッカリ、
そしてカード自体のあまりのどうでもよさに三度ガッカリ
という素敵仕様になっている。

 しかも、このゲームの美点である「ポリゴンモデル」を活かして、デジワーみたいなカードなのかと思いきや、
ただのカードダスの流用じゃねーか!!

 恐ろしい事に、これ以上得られる情報は何もなく、デジモンの解説のようなものは一切ない。
ズームすらできないのに、こんな潰れた縮小画像でプレイヤーに何をどうしろと言うんだ

ベルゼブXのイラストがまだできてなかったのかベルゼブラストで代用してるあたりもみっともない。
 閲覧画面との往復にロードがやたらかかるのもまた、ストレスを増やしてくれる要因の1つだ。


 コンプリートはしていないので持ってない部分は推測だが(知ってる人は情報求む)、カードはこんな感じ。

アグモン アグモン ブイモン ブイモン ギルモン ギルモン
ドルモン ウォーグレイモンX ワーガルルモンX(?) アルファモン(?) ベルゼブモンX(代理でブラスト) パラディンモード
ファイターモード ヘラクルカブテリモンX(?) クリムゾンモード メタルガルルモンX スサノオモン アポカリモン
ベリアルヴァンデモン ルーチェモンサタンモード ゴブリモン コカトリモン ヌメモン スカモン
オーガモン ブロッサモン マンモン アルケニモン ティラノモン マミーモン
ミノタルモン ファラオモン スカルグレイモン アノマロカリモン トータモン オタマモン
ゲコモン マリンデビモン トノサマゲコモン ディアボロモン ロードナイトモン インペリアルドラモン
インフェルモン メガドラモン レアモン レオモン メタルエテモン プリンスマメモン(?)
オファニモン(?) セラフィモン(?)

 並び順はパッと見バラバラだが、
プレイヤーデジモン→各エリアボス→各エリアデジモン(ザコ→中ボス)→D.S.G.のデジモン という順序になっている。
(それでもプレイヤーデジモンの並び順には疑問が残るが…)

 そしてアグ、ブイ、ギルを何故1枚ずつ水増ししたのかは分からない。
たかが3枚増やしたところで、このボリュームの無さをごまかせるとでも思ったのだろうか?

 どうあれ、大人しくCGモデルでカードを作ってくれりゃクラヴィスエンジェモンやメカローグ達も入れられたのに…。
やる気が無いなら最初からいらん要素は作るなよ
なんでわざわざ作りこみの浅い要素を増やして志の低さをプレイヤーに見せ付けてくれるんだろう。
 
 こんなワケの分からんクソカードよりは、
フィールドに行った時に見れる敵デジモンの解説をまとめて見れるようなモノが欲しかった。

 

■ショップエリア

 名前の通り、お店が並ぶ。


店に近づくとちゃんと店名が表示される コマンダールームのアホどもも見習え


 セントラルエリアもそうだが、エリアは6角形をしていて、その外周が道となっている。
その六角形に十字を引いて、その線の先にあたる4箇所に店が並んでいるという構成。

 外周だけでなく中心部分にも十字通路がついているのは良いんだが、
そんなことより歩くスピードが遅いことや、あまりにも各エリアの配置が分かり辛いのが難点。
また、両エリアともに六角形部分に加え、「はずれ」とでも言えばいいか、伸びた細い1本道の先に、多少のスペースがある。


ディスクショップ
 HPやMPの回復や、レイズ・ゲートディスクなんかを売っている。いわゆるアイテム屋。
 
ウェポンショップ
 武器屋。
品揃えは固定されておらず(たぶんフィールドに行き来する度に)変化する。
ゲームの進行度、及び周回が進むにつれて豪華な品が並ぶようになる。
たまーに色つきやポケットつきのモノもさりげなく混ざるので油断できない。

 …それにしても、この「同じモノが何個も並ぶ」というあまりにも見辛い表示方法はなんとかならんかったのか。
これはショップに限らず自分のフォルダ(持ち物一覧)でも同じ仕様で、当然ソート機能も無い。
おかげで色つきはともかく、ポケット数が多いのはどれかなどがパッと見分かり辛い。
少しでも違いがあれば別アイテム扱いにしてくれて良いけど、全く同じアイテムまで何個も並べられても。
 ディスクなんかはちゃんと「×○○」と表示してくれるんだから統一してくれよ。

 どうでもいいけど、アイテムの売り値にここまで端数が出るゲームも珍しい気がする。


アーマショップ ・チップショップ
 ウェポンショップ同様。もう合併しちまえよめんどくさい
店のデザインに差異は無いし店員もデジルフで没個性だし、店を何個も何個も分けるメリットが俺にはサッパリわからねぇ。


ジャンクショップ
 エリアのはずれにある店。他の店と違い、メタルエテモンが経営する。
Bitを寄付する事で店に開発費ができて、便利なアイテムを売ってくれる。
まあそれはいいが、「現在は既にいくら金額を寄付したか」を全く教えてくれないので不親切。

 例えば、「今12万bit寄付してくれれば新しいアイテムが作れるぜ」という状態で、
とりあえず手持ちの金を3~4万Bit渡したとする。
その分はちゃんと「寄付」にカウントされているが、「残りいくらでノルマが達成されるか」は自分で覚えておかないとダメで、
それ以上の額もそのまま着服される
流石に、その着服された分は次の段階にカウントしてもらえてるとは思うけど…。


 また、説明書にすら書いてもらえてないが、ホーム・サーバにはプリンスマメモンがいて、
フィールド上でたまに拾うキーチェーン(初代デジモンのギア)をくれてやることで、数に応じてアイテムがもらえる。

 …なんでわざわざこんなちいさなメダル役に育成ギア本体を抜擢したんだろう?
まさかこんなことぐらいで「昔からのファンへのファンサービスです」とでも?
カラーバリエーションも青一色で、ホント「拾うだけのアイテム」だ。


 その他、「進化ワザ」のところで触れた「クエストをくれるデジルフ」がいるものの、
こいつらの居場所がてんでバラバラで、誰がどれなのかかなり分かり辛い。
こんなモン、一人のデジルフを「進化ワザ担当」、いやゲーム的には「クエストがかり」みたいな役にして、
そいつからのみクエストを受けるようにしときゃあ良かったものを…。



 マジで、ここまでプレイヤーに非協力的な拠点は初めてだ。
無駄に広いし店の配置は分かり辛いしデザインも似たような場所ばっかり。
中にいるデジルフは大量にいて気持ち悪いし、数少ないデジモンも揃って役立たずのくせに上から目線で腹が立つ。
最初に助けたレオモンはその後シナリオで特に見せ場も無く隠居に入るし、オファニもセラフィも自宅警備に勤しむだけだ。

 エリア間移動のクソ長いロードもうんざりだが、他にも褒めるべき点が何一つない。もうやだこんなサーバ



第四章「こんなゲーム知らないぞ」 詐欺だらけの公式サイト編

 ゲームは、開発者達の思惑のまま発売されるとは限らない。
容量、バランス調整、納期…様々な理由で、「仕方なく何かが削られる」ということもある。
…でも、開発段階で消えた要素を公式サイトで売りにするのはよくないよね。

 ここからは公式サイトを開きつつ読んでもらえば分かり易いだろう。

まずは「ゲーム紹介」のページから抜粋。

--
今度のデジモンはアクションRPG!自分でデジモンを直接操作して、
冒険できるのだ。もちろん、進化&育成というデジモンに欠かせない
要素もバッチリ。進化のさせ方と育成の仕方で、自分だけのデジモン
手に入れられるのだ。また友達と一緒に遊べたりコレクション要素が充実
していたりと魅力満載。2005年の年頭に放映のオリジナル長編フルCGアニメ
『DIGITAL MONSTER X-EVOLUTION』とも連動した、
デジモンシリーズの集大成的な壮大なストーリーを味わおう!
--

 文字に色がついてる部分は公式サイトのそれと同じだけど、このページに載せると意味が変わってくるな。
ああ、それにしてもデキがアレだと分かったゲームの紹介文は読んでて辛いものだ。

 一体今作のどこに育成要素がある?あんたらはあれを「育成」と呼べるのか!?
…と叫びたいが、俺は「進化&育成」という表記も気にかかる。
「進化」って育成の一環じゃね?わざわざ切り離して考える要素ではない。
 「とりあえず進化させればデジモンだろう」っていう、悪い意味でアニメ版みたいなノリだ。
アニメはそれで構わないが、ゲームでそれをやられちゃ、そりゃあマトモな育成機能がつくわけないわな。

 どうせ育成要素が無いんなら、いっそ「育成」って言葉を使わなければ誤解も生まないのに、
このキャラクターブランド、デジワー2やアノードカソードのアレにすら「育成」って言葉を使うんだから正気を疑う。
ファンが望んでるのは「デジモンを育てる要素」であって「"育成"という建前」じゃねーんだよ


 ところでコレクション要素が充実って…一体どれのことだ?
折角デザインが違うのに図鑑や何かでまとめてみることすらままならない武器か?
たった50枚な上にカードダスの流用な上にロクに閲覧もままならないカードか?
キーチェーンを○○個集めてプリンスマメに渡すだけのことか…?


 デジモンシリーズの集大成的な壮大なストーリーってのもなぁ…。
そりゃアポカリ、ベリアル、サタンと歴代アニメのラスボスは大体揃ってるけど、これで集大成って呼んでいいものやら。
 壮大なストーリーだったかどうかは知らんが、
敵のデジモンやメカローグは一言も喋ってくれないから、「味気ない」としか言いようがない。


①今度は自分だけのデジモンをプレイヤーが直接操作できる!

 やたら「デジモンを直接操作できる」ことをアピールしているが、
アクションが単調な上に武器がないと攻撃もできず飛べる設定があっても走るのみで必殺技すら撃てないデジモンを操作できて何が楽しいんだ。
「シリーズ初の試み」と言われても、そりゃあ正統派育成RPGで始まったこのシリーズで、
育成対象を直接操作なんてされちゃシリーズ初の試みにもなるわな。
「料理ゲームだけど材料からの視点が斬新!」とか言いだすようなもんだ。

 その下のやたら仰いでらっしゃる紹介文も、プレイを経た今では悲しくなるばかり…。 


②友達とデータを持ち寄って、4人での同時プレイを楽しめる!

 マルチタップやメモリーカードを持ち寄って多人数プレイは実際にできることだが、 
「セーブデータのない人のために、セーブができない特殊キャラを使える傭兵システムも搭載だ」
って、そんなモンねぇよ!!

 どうやらこの傭兵システムが、開発段階で消えていった要素の1つらしい。
コンピュータ操作でも良いから、お供を呼べるシステムがあれば楽しかっただろうなあ。


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③ 長編フルCGアニメ『DIGITAL MONSTER X-EVOLUTION』の世界で冒険できる!

「主人公デジモンの進化形態の1つ!?その力強い感じから、完全体や究極体などの進化の上位と思われる」

 オメガモンを指してどこまでアホなテキスト書いてるんだ
すぐ下の文章で「ロイヤルナイツによる~」って敵であることを書いてるのに…。

 
「ちなみに本ゲームは、デジモン粛清計画を、CGアニメとは別の角度から描いた内容なのだ。」
と、このゲームとゼヴォの関連性を示す一文があるが、角度どころか描く世界すら違った気がする

 シナリオを比べると矛盾点というか、比較要素がなさすぎてまず比較にすらならない。
CGは凄いけど話自体は尺不足な上に微妙って点では両者ともよく似てるかもしれない。


④進化のさせ方や育成方法により、自分だけのデジモンにできる

 「自分だけの~」って言い回しはゲームや玩具なんかでの決まり文句だからとやかく言わんが、
すぐ下の「育成・進化・究極体」というのは一体何だ。
確かに進化先12種類の内11種類が究極体という狂気の沙汰を形容するには正しい言葉だが。
 

「デジモンと言えば進化

 凄い。この一文は本当に凄い。これだけでいかにデジタルモンスターを分かってないかがよく分かる。
「進化」は「育成」の後から来るものであって、決して「育成」より先に出てくるもんじゃないだろうに。
デジモンアニメとのタイアップゲームならともかく、
デジモンワールドシリーズで、それもベックからこんな台詞を吐かれたってのは本当に失望した。
このライターがベックの社員とは限らないが、ゲーム自体はこの一文を体言してたしなぁ。


⑤多数のフィールドやダンジョンで敵として立ちはだかる数々のデジモンたち!

総勢40種類以上のデジモンたちが登場だ」

 止めろ!恥ずかしいからそれ以上書くな!!

…しかし、40種類もいたっけか?
カードには全部の敵デジモンがいたはずだが、プレイヤーデジモンを抜くと33枚しかないし、
さらにそっからレオ、メタルエテ、プリンスマメ、セラフィ、オファニを抜くと28枚しかねーぞ。
メカローグ1~5、さらにメカローグXを段階ごとに分けて加えても合計36種類…アレ?
…もしかして、プレイヤーデジモンも含めての「40種類以上」なのか。


⑥過去のキーチェーン携帯機がアイテムとして登場 集めるといいことがあるかも。

 やっぱコレクション要素これだったのか!


⑦カードダスのカードを集めて装備すれば、自分のデジモンがパワーアップ

 装備できません

 何?カードを集めてパワーアップアイテムを入手?
カードを集めたらそれを条件にデジルフからクエストを受けられるだけだぞ。結果的にアイテムはもらえるけど。


 続いて「世界観」のページへ。

 ゼヴォ以来「イグドラシル=デジモンワールドの神」みたいな設定ができあがったけど、
あんなオーバーロードガイアの二番煎じのガラクタがまさかここまで定着するとはな。
 ちなみにこのゲームにイグドラシルは出ない


恐怖のデジモン殲滅計画! ロイヤルナイツの野望を阻止せよ!!

 仮にメカローグXがクレニアムモンだったとしても、敵のナイツはたった2体しかいないのに…。

 それにしても、ロイヤルナイツ創始者であるパラディンモードがプレイヤー側にいるのは
本当に何も考えてないからこそできたチョイスなんだろうなあ。ここまでくるとある意味感心する。


 ゼヴォもデジワーXもそうだけど、元になっているペンデュラムXの
「デジモンが増えすぎてデジタルハザードが起こった」という一番面白い設定を完全に無視してるのは残念だ。
「安易にデジモン増やしすぎましたごめんなさい」という開発側のメタな課題でもあったのに、
単に「Xウィルス(プログラム)っつーヤバいのが出たぜ」ってだけのありきたりかつしょーもない設定だけが残されて、
結局物語の結末はどうするのかと思いきや「敵はやっつけたからもう安心です」ってアホか!


プレーヤーキャラクター紹介

 さも歴代アニメ版と同一人物が登場しているかのような表記はやめてください。



 「ニュース」の欄にも書かれているが、
デジワーX同封のハガキに500円切手を貼って送ると、ゼヴォの要点だけかいつまんだスペシャルディスク(笑)がもらえたようだ。
金額をもっと上げるか抽選にするかでもして、本編をそのまま収録したDVDをプレゼントした方がよほど喜ばれたと思うが…。

 ちなみにゼヴォの放映は2005年の1月3日で、同年5日に発売したデジワーXとかなり近い(そりゃそうだが)。
DVDは同年の11月25日と割と早くに出たし、500円払って変なMADもらうよりは大人しく一般販売を待った方が良かったのだな。

 それにしてもゼヴォは視聴率取れたのだろうか…ロクに宣伝もしていなかった上に正月特番とはな。
俺は当時存在を知りつつも、映らなかったか興味が無かったかで見てなかったので、後から見た。



 で、これは他のデジゲーの公式サイトにもありがちなことだけど、
ゲーム発売前に公式サイトの更新を放棄するのはいい加減やめてくれよ。
なんで公式の頑張りがファンの確保やブランドの向上に繋がるのだと分かってくれないんだよ…。

 



最終章 総評

 そういえばすっかり触れていなかったけど、BGMは安定していて良い感じ。
開発会社が同じだからか担当者も同じ人なのか、デジワー2や3と似た雰囲気の曲が多めで耳に馴染む。

 サウンド面はデジモンの鳴き声にはもっとバリエーションが欲しかったものの、その他のSEや環境音は悪くない感じ。
カーソル移動や決定・キャンセル時の音がデジワーと一緒なのも良し。


 決して悪いゲームではないし、少なくとも「つまらない」ことはない。
ツッコんだほとんどは「"デジモン"のゲームとしておかしいから」という理由であって、ゲーム的に悪い訳ではない。
…けど、やっぱり「デジモン」を題材にしたゲームとしては、色々と間違いすぎだ。
せめて、もっとシンプルで遊び易い環境にしてくれていたら、一気にゲーム的評価も上がったと思う。
具体的に言えばホームサーバとかホームサーバとかホームサーバとか。



 兎に角、進化の仕様やボリュームさえ整えてくれたら続編が出ても良いぐらいだと思うが、
開発のベックがデジモンソフトをデジストにシフトしてしまったあたり、やっぱ売れなかったんだろうか。
今ならDSやPSPでデジワーXに似たようなシステムのゲームを出してくれれば熱い気がするぞ。

 確かに、ハマる人や攻略サイトが多いのも頷ける。
アクション部分やシナリオの作り込みは浅いが、「やりこみ要素」はデジゲーの中でも一位二位を争うほどだろう。
俺もちゃんと発売当時にプレイしていたら、もっとハマって楽しんでただろうな、と思う。

 それにしても、攻略本は出して欲しかった。
このゲームのストレスのほとんどは「何をどうすればいいか分からない」という情報不足から来るものなので、
Vジャンプブックスでファミ通の攻略本でも何でもいいから、何かしら本が欲しかったなあ。
武器のデザインやメカローグなど、デザインが気になるものは多いし、資料としてもまとめて欲しかった。



 個人的に望む改善点をまとめれば、

・キーコンフィグ
・使用可能デジモンの総数
・「人型」だけでなく「四足歩行」「飛行型」などのデジモンも使えるように
・「武器」の概念をなくし、「強化プログラム」程度にとどめ、デザイン的縛りを失くす(自由なアクションのため)
・アクション要素の強化(弱攻撃、強攻撃など)
・デジモンごとに「必殺技」

・シナリオボリューム
・テキストデータ

・進化ワザの仕様変更(クエストでなく、デジワー3のようにある程度のレベルで覚えるなど)
・進化後スキルの引継ぎ

・ホームサーバの配置を改善
・ロード時間短縮

 これぐらいやってくれても問題ないと思うし、かなりの良作が期待できる。


 でも、仮に続編を出すのだとしても、その際には「デジモンワールド」の看板は外してほしい。
面白かろうがクソだろうが、これ以上「育成じゃないデジモンワールドシリーズ」が増えるのは良い気がしない。
ついでに言えば、「"育成"をマトモに出せない内に他のジャンルに手を出すなよ」とも言いたい。
デジワー、デジワー2、デジワー3、デジワーXと、シリーズを重ねるにつれて
元の姿を失っていくデジモンや、離れていくファン達の姿をこれ以上見せられるのもごめんだ。

 …ただ、俺がこのページで良かった点を褒めようが、悪かった点を指摘しようが、
今更何を言おうと全てはもう遅かった感があるのが悲しい。


 ゼヴォやXが「デジタルハザードに打ち勝った世界」ならば、
さしずめ俺たちのいるこの世界は「デジタルハザードに負けた世界」なのかもしれない。