デジモンコラム
「デジモンアドベンチャーtri.第4章」見てきた






 今回も例によって朝イチ…はチケットがとれなかったので、朝ニで見てまいりました。
そして例によってネタバレバリバリで感想いきます。


 今までは「まーまーよかった」って評価ばかりが続いていたtri.ですが、
今回、個人的には「中々よかった」です。具体的には、75点ぐらいいっちゃってもいいんじゃないかってぐらい。
でも一緒に見たメンツは「今までよりは良かったかな」ぐらいのテンションだったので、そんぐらいかもしれません。


 まずデジモン20周年のロゴから始まり、ティラノモンが銀幕デビューを果たしました。
そして前回までと同様に、平田さんに読み上げてもらうでもなく、
映像をつけるでもない業務的な前回のあらすじが入ります。たぶん最後までコレなので、もう慣れた方がいいですね。


 さて、今作は上映直前にVジャンプ誌上で「姫川とバクモンのラバスト出るよ!」と公式ネタバレが投下されており、
そんな訳で姫川さんと西島先生は太一たちより「先代の選ばれし子供たち」だった事実が明らかとなり、
まだ子供の頃の彼女たちと、そのパートナーデジモンたちがダークマスターズに追い詰められている過去のシーンから始まります。

 驚くべきは彼女たち5人のパートナーデジモンの人選であり、
メガドラモン、トリケラモン、ヒポグリフォモン、オロチモン、ロ ー ダ ー レ オ モ ンと、
なんというか、なんとも表現しがたい絶妙な所を突いてきました。
観客の7割ぐらいの人が「あの工事現場にいそうなポンデライオンは何モンだろう?」と思ったのではないでしょうか。

 彼らは既にズタボロにやられているので活躍シーンはなかったものの、
まさかこんな訳のわからないチョイスのデジモンを見せられるとは思わなかったので、良い意味で「やられたなぁ」って気分です。

 絶体絶命のピンチの中、5体の内4体のデジモンはなんやかんやで四聖獣デジモンへと進化します。
先代のパートナーが四聖獣になったって設定、ちゃんと知ってたんですね! とてもヤマトが宇宙飛行士になる理由を知らなかった作品だとは思えない。
実際の所、今回からデジモンの知識をもつ方がスタッフとして加入されているようで、所々でその片鱗が見受けられます。

 4体は四聖獣に進化したものの、姫川さんはなんかこうアレだったのでそのパートナーのメガドラモンだけ進化できず、
四聖獣からのエネルギーを受けて、「おっ、ファンロンモンになるのかな?」と思ったらシャインスパークをキメて、なんか、死にました。
ここらへん、デジモンクルセイダーのOP映像感がスゴいので、脳内でスクリーンに赤字幕をつけたくなります。

 この一連の流れは音としての台詞は一切なく、姫川さんたちの台詞も字幕のみ。
画面も色あせていて、古めかしい映画のように演出されていたのが中々オシャレでいいですね。


 一方、現代。 
前回あっさりと記憶を失ったパートナーと再会した選ばれし子供たちは、
今回あっさりと元通りの絆を育んでいきます。
ただ今回の主役となる空&ピヨモンだけは別で、色々あって中々上手く打ち解けらず、この2人だけは険悪なムードが続きます。

 1章のウジウジ太一、2章の自己中ミミと先延ばし丈、そして3章のテンパりタケルを見てきた視聴者の方々はなんとなく分かるかと思いますが、
この「デジモンアドベンチャーtri.」という作品、主役となったキャラが途端にダメになります。

 実際の所、空とピヨモンの関係は良く言えば完成されている、悪く言えば面白みのない安定感が特徴でしたが、
今回こうしてデジモン側の記憶が一旦リセットされ、そこに空の不注意や不慮の事故、あと急なヒステリックによって、
「仲の悪い空とピヨモン」という新鮮な描写が見られたのは良かったと思います。
ただなんというか…その仲違いのさせ方が強引で、ついでにいうと和解、さらに言えば究極体進化へのロック解除もテキトーなので、
別に今回、空とピヨモンの株が上がるコトがなかったのが、4章最大の欠点だったと思います。
 
 ついでに言うと、あからさまに空とピヨモンだけ新しい関係が上手くいっておらず、そのコトで空が浮かない顔をしているのに、
「空が何故不機嫌なのか分からない」という太一とヤマトには正直ビックリしたし、
他の子供たちもそこに全然気がまわらないのは不自然すぎてどうかと思いました。ミミちゃんの自己中の紋章が感染したのでしょうか。

 ただ、どさくさで後からデジタルワールドに紛れ込んできた芽心だけは空とピヨモンのコトを心配し、 
田舎育ち故のたくましさを発揮して空を驚かせたり、暴れるメイクーモンを優しくなだめたりと株が上がりっぱなしです。
…ていうかコレ、空の持ち味だった良いところ、全部とられてない?


 幼年期だったコロモンたちもメシ食って寝てたら成長期に進化できたあたりで、
「デジモンカイザーの姿をした若いゲンナイの姿をした平田声の誰か」が、ムゲンドラモンを操り子供たちに襲い掛かります。
成長期でムゲンドラモンに勝てるワケないだろ!

 しかし今回もかつてのデジモンアドベンチャー同様に、ムゲンドラモンは殺傷力ゼロで、
ただ大迫力で追い詰めてくるだけで、別に誰も致命傷を受けたり、ピンチになったりしないという体たらく。
せっかくムゲンキャノンを撃っても全員にゲートで逃げられるし、
反撃してきた成長期たちを振り払ってもちょっとぐえーって言うだけだし、空をメガハンドで崖に叩きつけても無傷だし、
プロットモンのパピーハウリングで機能停止して暫く動けなくなるしと、アナログマンに対するネガキャンがスゴイです。

 tri.は今まで「敵は誰なのか?」「敵が何がしたいのか分からない」のが心をモヤモヤさせる一因でしたが、
今回現れたゲソナイさんはしっかりと言葉を話した上で子供たちと敵対してくれるのでありがたいです。
前にヤマトが太一に壁ドンしてしまった反省からか、ゲソナイさんはしっかり女の子に壁ドンしてくれたし、
不気味に空をペロペロしたりして、良くも悪くも子供向けアニメではできないコトをやってくれます。

 いやあ、それにしても平田さんが参加してくれるとデジアド的にも色んな役をこなせてもらえるからありがたいな!
なんか同じ声のレオモンがメイクーに殺されてた気がするけど、もはやどうでもいいような扱い。
芽心だけは気にしてるだろうけど、コトもあろうに選ばれし子供たちもパートナーももう気にしてないし。いいのかよ。


 ムゲンキャノンで仲良く吹っ飛ばされた子供たちはパートナーとの組み合わせもバラバラで散り散りとなってしまいますが、 
「ああ、このバラバラ感が実にデジアドっぽいぞ」と個人的には好感触。
デジアドって、レギュラーが実質16人とメチャクチャ多いのに、どのキャラも立っていて、
なおかつパートナーに限らずどの組み合わせで絡ませても面白いのが魅力だと思っていたので、「らしさ」を感じられて嬉しいです。

 ただ、このバラバラ展開はそれほど困難や意味もなくすぐ合流して解決されてしまったのが残念。 
道中で「お前のパートナーはこんなヤツだったんだぞ」と間接的にパートナーのコトを知っていくのは良かったんですが、
どうせなら、「太一がガブモンをガルルモンに進化させる」とかそのぐらいの展開は見たかったかな。

 ところで前回から気になってたけど、デジタルワールドに行くまで準備期間があったのに、
なんで子供たちが揃いも揃って学校の制服、しかもワイシャツの軽装で乗り込んできたんだろう。
何やら意味はあるらしいけど、全員が揃った制服であるコトのメリットなんて「作画がラク」ぐらいしか思いつかないし、
それなら「学校から直接殴りこんだので着替える時間がなかった」みたいな運びだったら今も疑問にならないのに。
 なまじ劇中で「自分たちはデジタルワールド経験者」「今回はちゃんと準備もある」的なコトを言ってるのに、
光子郎がパソコンを持ってるのと、空が一回分で終わるのお弁当を持ってきたぐらいで、トイレットペーパーすらないじゃないか!


 第二の刺客として現れたメタルシードラモンは太一とヤマトたちを水中で苦しめるものの、
うっかりアグモンとガブモンを覚醒させてしまいメタガルに氷漬けにされたあと、案の定ドラモンキラーでキラーされました。
(こいつら、案の定やっぱりまったく喋りません。まぁただの傀儡人形っぽいし?)

 ついでにムゲンドラモンも人間(空)すら始末できないロースペックぶりを発揮している内にピヨモンが空にデレてしまい、
ホウオウモンに進化され、ついでに進化したセラフィモンとヘラクルカブテリモンの3人にボロクソにやられました。
戦況が「絶望的」か「余裕」かで極端すぎるだろ!


 そんなわけでパートナーとのヨリも戻せて敵も倒せて大勝利!
…かと思いきや選ばれし子供8人とパートナー8人全員が芽心とメイクーモンを放置していたため、
メイクーモンがお目当てのオッサンの接近を許してしまい、オイオイどうしてくれんだよって感じで次回に続きます。
完全にラストで子供たちが失態をやらかしてるのに、
すぐさま入るEDテーマの「keeo on~tri.Version~」は特にイントロがやたらポッピーピポパポなので、温度差がすごいです。ギャグかな?



 大まかな流れや主役である空についてだけ見るとけっこうアレな感じに見えてしまいますが、
今回は「舞台がデジタルワールドに移ったコトによる緊張感の復活」をはじめとして、
尺が長めに割かれた戦闘シーンも作画が中々だったり必殺技名を叫ぶようになったりと大幅な改善が見られるし、
背景美術や音響効果が今までより格段に豪華になっていて、雰囲気のある作品になっていて良かったです。
 作画の質が全体的に底上げされてたし、今回は「うわキッツ!」となるカットがありませんでした。EDのパタモン以外は。

 デジモン史上初の、マトモに戦闘で活躍してヘブンズライダーキックをキメるセラフィモンを見られたし、
ムゲンドラのビームしっぽ攻撃、どっかで見たコトあるような――と思ったらクロウォのハイムゲンドラモンリスペクトだったりと、
普段見られないようなものを見られたり、内容的にも演出的にも戦闘シーンは本当に見違えました。
空を背中に乗せたまま戦ってたホウオウモンが激しい動きで空を振るい飛ばしたのに終始無言なのはどうなのって思ったけど…。
(空自体は丈先輩が超人パワーで拾ってくれた)

 ストーリーとしても、姫川の過去やその目的が明かされ、ハックモンの立ち位置などもハッキリし、話が進んだのを実感できます。
まさかのバクモンからメガドラモンルートか…これはスクリーンでゴッドドラモン大活躍の可能性あるで!
ただ、今回完全に02組にノータッチなのと、諸悪の根源がまぁ~~~~~たアイツらしいのはちょっと…。今後でなんとかなるのかな。


 あとやっぱ、相変わらず「単体作品としては見られないので新規層には勧められない」のは変わらないし、

今回は特にメインの空とピヨモンが全然ドラマチックじゃなかったので、イマイチ盛り上がりに欠けたところはあります。

 ウォーグレイモンとメタルガルルモンは場面転換によってワープ進化が演出されていたのに、
ピヨモンが進化し始めたと思ったらまずバードラモンになり、そのままガルダモンになり、
おっ、ここでひとまずムゲンドラモンと戦って苦戦してくれるのかなと思ったら間髪入れずにホウオウモンになり
さらにパタモンがエンジェモンになり、エンジェモンがホーリーエンジェモンになり、ホーリーエンジェモンがセラフィモンになり、
テントモンがカブテリモンになり、カブテリモンがアトラーカブテリモンになり、アトラーカブテリモンがヘラクルカブテリモンになり、
あとどのタイミングか忘れたけどプロットモンがテイルモンになり……って、なっげぇんだよ!!!!!

 ただでさえtri.のバンクはイマイチなのに、終盤の戦闘シーンで一気にテンポが悪くなってしまったのがとても勿体なかったです。
戦闘終了後に「パルモンも(ロゼモンになって)活躍できたのに~」みたいなコトをミミちゃんが言ってましたが、大人しくしてろ!


 アグモンのハングリー精神は今回はちゃんと癒し系キャラの言動として機能していたし、
光子郎の烏龍茶ネタはもはやスタッフの生きがいだと思って諦めたのでもう良いんですが、
1章から未だに「進化に関わる要素がほとんどダメ」って欠点が改善されてないのがtri.一番の問題点かもしれません。
前回のメイクーモン戦があまりにもヒドかったから今回舐めプをやめてくれたのは良かったけど、今度はバンク地獄に苛まれるとは…。
ていうか、ウォグレとメタガルがワープ進化なんだから他の奴らもそうしろや!
ディア逆やセイバーズのバンクみたいに「進化が繋がる演出」があれば大分違うんだろうけど、本当にただ並べただけじゃなぁ。


 こう書き出してみると「なんでこれで75点出せるんだよ」って感じになっちゃいましたけど、なんつーかまぁ、良かったです。
ほぼ全てがちゃんと意味のあるシーンで構成されていて、退屈だったり苦痛な部分がなかったのが大きいかもしれません。バンク以外は。
ぶっちゃけると、俺が昔から空とピヨモンにさほど興味がないので、「一番の難点が気になってない」のもあるかと思います。

 今回の個人的な見所はやはりローダーレオモンと、
流されるアグモンと、ほぼ同じポーズで海底に落ちていく太一とヤマトです。


 映画の最後にはもちろん次章のキービジュアルが映りましたが、ホーリードラモンの今後から目が離せません。
…ところで次の章、公開される「月」の発表がなかったけど制作状況は大丈夫なんですかね?



コラムトップに戻る
サイトトップに戻る