デジモンコラム
「デジモンアドベンチャーtri.第1章」見てきた



 前にあんなコラムを書いてしまった手前、
ちゃんと映画を見て、感想まで書いておくのがスジだろうというコトで、今回のコラムです。 

 シナリオを細かく考察したりガンガンネタバレはしませんが、
「ここがよかった」「ここはイヤだった」などぼちぼちと述べていくので、ネタバレが嫌な人はさっさと戻って、自分で見ましょう。



 とりあえず、ざっくりとした感想を言うと「まーまーよかった」って感じでした。
あまり映像作品に点数はつけたくないですが、あえて点数を付けるなら、10点満点中6~7点ぐらいのまーまーっぷりです。

 ただ、前のコラムも読んでもらえれば分かってもらえるかと思いますが、
かなりハードルを低くしていたというか、最初から良くも悪くも全く期待せずに見ました。

 ただでさえ絵柄がガラッと変わり、声優の半数が交代し、
オリジナルから15年もの年月が経ったせいで、スタッフだけでなく、それを受け止めるファンサイドも色々と変化しすぎている。 
そんな難しい状況で、「きっと面白い!期待して見ます!」なんて心もちで
デジモンの作品を見るほどのbrave heartは持ち合わせていなかったので、俺は不用心な期待はできませんでした。
 なので、より正確に言うと「期待しないで見たけど、けっこう良かったよ」って感想です。

 このテの後付け続きモノ作品にありがちな、
「ファンの神経を逆撫でしやがるようなクソみたいな矛盾」はなかった(…と思う)ので、それだけでも安心できました。
現時点ではパラレル要素がどのぐらいあるのか不明なので、
ゲートの開き具合はどんなモンだったのかとか、進化の可能状況なんかはよく分かんないので「保留」って所もちょいちょいありますが。


 他の人の感想を見てみると、「俺達のデジモンが帰ってきた!」と絶賛したくなる人の気持ちも、
「やっぱダメだな」と貶したくなる人の気持ちも、どっちとも分からなくはないです。そのぐらい「まーまー」でした。

 「そんな雲を掴むような話じゃ…!」と太一さんに怒られそうなフワフワした書き方はやめにして、
上映前に論点になっていた点などから内容についてかるく触れていきます。


02って黒歴史なの?

 だから公式サイトでもベリアルヴァンデモン倒した後の話だつってんじゃねーかよ。アーマゲモンはどうしたって?さぁ…。
ただ02勢、具体的には大輔たち4人の02新規組はちょっとよく分かんない状況だったので、よく分かんないです。


声優

 やはり気になってしまう「交代して新しくなった選ばれし子供たちのキャスト」は、
いざ見てみると期待以上、ぜんぜん文句を付ける気にならない素晴らしさでとりあえず安心しました。 

 特に、オリジナルの雰囲気をほぼ完全に受け継いでいる新ヤマトの細谷さんと、
まさに「少し成長した光子郎」と耳が認識せざるを得ない新光子郎の田村さんは本当にスゲェです。

 そして、「メインキャラでありながらオリジナルと声質が全く違う」という過酷な状況におかれた新太一の花江さんは、 
声質が全然違うからこそ、オリジナル太一の喋り方を上手く再現している」のが伝わって、やっぱ売れっ子は大したモンだなぁと驚かされました。
まぁ流石に変化が大きいので慣れるまでは違和感バリバリですが、俺は見終わる頃には「これはこれで」と心を切り替えられました。

 声優が続投であるデジモンサイドは良い意味で当時の雰囲気マジそのままなので、イイカンジに心の拠り所になってくれます。


シナリオ

 デジモンアドベンチャー本編を見ていないと魅力が1/10になるのは言うまでもないです。
作品自体「あのキャラがあんなコトに!」みたいなオリジナルありきなので、できればデジアドを知ってる人と見るべき内容。

 所詮は「第1章」なので謎を残しまくって不完全燃焼に終わるワケですが、
話自体は結構ボリューミーで、ちゃんとキャラの絡みがあり、日常・戦闘シーンが豊富にあったりと良い感じでした。
適度な状況説明や新たな拠点の準備などもあり、良い意味でゲームっぽいワクワク感を覚えました。

 全体的な空気はシリアス。ギャグがないコトはないけど正直あんまり上手くないので、空気が緩和されません。
そして案の定やっぱり、「恋愛」絡みの展開は初代や02の時より比重が増えています。しょうがないね。
ついでに「ん?ここは女性ファンへのサービスかな?」みたいなシーンも度々あります。仕方ないね。
(話の流れを無視してムリヤリそーいう雰囲気にしてるワケでもないので、ヘンに邪推しなければ良いだけだと思いますが)


キャラクター

 なかなか上手くオリジナルのキャラクターの雰囲気を再現していました。
まぁ元々、「こいつらは絶対ブレない!」ってほどに描写が厳格だったアニメでもないし?

 ただ「変わらないキャラ」と「変わるキャラ」を意図的に分けて描写されているため、変わる担当は良くも悪くも目立ちます。
成長イベントが過去作で終了済みなおかげか、ヤマトの安定感はマジでCOOLですが、
逆に空は若干「え?お前まだそんな考えだったの?」って感じだったり、
今回の成長担当になった迷える太一さんが、終盤は「流石にちょっとウジりすぎじゃない?」と気になるかも。


デジモン

 「恋愛劇がメインで、デジモンの活躍は少ないんじゃないか」との危惧がありましたが、思ってたより結構ガッツリ戦います。
パートナーデジモンたちは相変わらず愛しのベストパートナー的なマスコットですが、
「子供向けテレビアニメ」の枷が外れたコトで、戦いとなれば「周囲に危害を及ぼす脅威」としての描写が強まっています。
ちょうど、最初のデジモンアドベンチャーの映画みたいなノリ。
そしてサイバースルゥースといい、最近のデジモン作品はお台場を痛めつけるコトがトレンドなのでしょうか。

 登場デジモンは大きく扱われていたアルファモンだけでなく、最近出てきたアイツもアニメデビューを果たしました。
…アイツが出てくるってコトは、アルファモンと合わせて、やっぱそっち方面の話になるのかなぁ…個人的にはちょっと……。

 (若干ネタバレですが、劇中で戦うクワガーモンはグレイモン曰く「過去作で戦った個体」と同一らしい口ぶりなので、
 「再会」というサブタイトルは「クワガーモンとの再会説」が俺の周りでは濃厚になっています)



作画

 残念ながら、正直微妙
特に人間が不安定で、影でメリハリが効いてるシーンはカッコいいのに、シーンによってはのっぺりしたモブ顔に成り果てます。
もともと作画が安定してたワケじゃないデジモンアニメでも、劇場版ともなれば急に作画のレベルが上がっていたモンですが、うーん。

 一方デジモンは戦闘シーンでは結構動いてくれるものの、「丁寧さを犠牲にして動きをとる」感じで、
全体的にはあまり、「さすが劇場版!」と感動するほどではありませんでした。今の時代ならフツーにテレビで放映されてそうなレベル。
色の塗りミスなんかもチラホラ気になるので、もうちょっと頑張っていただきたい所。

 
演出

 これまた正直イマイチ。所々少し分かり辛いシーンがあったりします。
特に後半で明らかに尺稼ぎというかギャグなのかコレって感じの切り替え演出もあったりして、力尽きたのかな?

 そしてデジモンアニメファンなら注目するであろう進化バンクの演出がクソダサいのが、個人的に一番の致命傷。
 露骨にオモチャを宣伝するデジヴァイス画面から始まり、
オリジナルでは闇の中に光を放っていた所を、よく分からないガラガラのエントランスみたいな場面の中をボヤボヤと光らせ
形成されたタマゴに包まれたデジモンが無数の「0」と「1」と「2」の文字が流れるシルエットになりながら形を変え、
本編の作画よりも安っぽさが目立つトゥーンシェードのCGで進化後の姿を現し、
キメポーズ代わりにダサいポーズをとりゲーム中の待機モーションのようにゆらゆら揺れ続けるという、なんともシマらない進化。

 しかし「デジヴァイスが光ってデジモンがカラで包まれるまでの共通演出」を何度も何度も見せられるのは、
ある意味では進化バンク地獄だったオリジナルのデジモンアドベンチャーの雰囲気をよく再現している。かも。


音楽

 主題歌や挿入歌がオリジナルのアレンジ版だったのは事前に知ってましたが、
かつて初代の劇中で流れていたBGMもアレンジされて流してくれたのは嬉しいサプライズでした。
特に、ヴァンデモン編あたりでよくかかっていた「♪デレテレテレレテテッテ・テッテッ!」のアレ(伝わらねぇ)のアレンジ版が流れたシーンは
「おっ、ちゃんとデジモンアドベンチャーしてるなあ」とイイカンジでした。

 初代からフロンティアまでの音楽を手掛けていた有澤孝紀さんは残念ながら亡くなっていたのですが、
こうしてアレンジ版で思い出深い曲をまた聞かせてもらえたのは、良いファンサービスだなと思います。

 でも、デジアドの劇中では一番重要な曲になる「brave heart」のアレンジがイマイチだったので、あまり引き締まらなかった感じ。

 
まとめ

 面倒で読み飛ばしてきた人のためにもまとめると、
絵は違うし作画も微妙だけど声優さんの熱演もあって結構ちゃんとデジモンアドベンチャーやってたので続きは気になる
って感じでした(感想には個人差があります)。

 元々そこまでデジアドの熱狂的ファンでもない俺の感想なので、
無印が大好きな人なら、ぼちぼち安心して楽しめるのではと思います。
(最初の方にも書いたとおり、いざ見た後で「絵が違う!」「声が違う!」とかワケの分からない怒り方をしない人に限りますが)
まぁ、「好きだからこそ」と俺じゃ気にしなかったような点にモヤモヤさせられる逆パターンもあり得ますが。


 早くも3月に第2章の公開も発表済みで、初日で劇場で足を運んでみたところ良い盛り上がり方をしていたので、
ちょくちょく気になる所があるのは否めなくとも、これから一体どう展開していくのか、穏やかな気持ちで続きを楽しみに待ちたいと思います。


 ところで、如何せん上映館が少なく、その救済処置として円盤販売や動画サイトでの有料配信があったりするワケですが、
(この作品、逆に「OVAを作るついでに劇場でも上映する」タイプらしいので映画上映はメインではないとか)
聞いた話によると、映画だとラストで流れていた「2章の予告キービジュアル」はそこでしか見られないそうなので、できれば劇場での鑑賞をオススメします。
単純に大画面で見た方が満足感あるし、「2015年の今のご時勢に、現存しているデジモンファン」と一気に多くエンカウントできる貴重な機会だし。

(尚、2章のキービジュアルには結構な新展開を予感させるデジモンの姿がありました
 個人的には以前からサイトで言及していて、正に「選んではいけない未来」を体現する不穏なアイツの姿がありました)



 劇場と言えば、驚いたのがtriの本編が終わってスタッフロールが流れ始めたぞという所で、そそくさと帰る人がいたコトです。
いやまぁ、スタッフの名前を見るや否やアレルギーでもあるのかチャッチャカ逃げ帰る人は大体どんな映画を見てもいるモンですが、
「スタッフロールの後にはまだ何かしら映像が残っている」なんてのはもはや常識だし、
今回のデジモンアドベンチャーtri.のような、「それなりにディープなファンしか見なさそうな映画」で、
こんな悪い意味でオタク精神のカケラもない客を見かけるとは思いもしませんでした。興味のない同伴の方に急かされたのかなぁ。

 いつ帰ろうが人の勝手だって? 人が映画見てる時にウロチョロすんじゃねぇようっとうしい


 さて、面倒なので2章3章と新作の度に今回のようなコラムを書くコトはしませんが、
triが6章まで全てが終わったその時には、改めてtri.という作品を振り返るつもりです。2年ぐらい先になるのかな?


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