デジモンコラム
幻のデジモン『リザモン』の正体に迫る


 公開日:25/12/22

 2025年現在放送中のアニメ「デジモンビートブレイク」の第12話にて、
主役デジモンのゲッコーモンが、満を持して成熟期アルマリザモンへと進化を果たした。
(主役が第12話でようやく進化という記録は、テイマーズ8話のグラウモンを大幅更新)

 名前や姿からも想像できるように「アルマジロトカゲ」をモチーフとしたデジモンだが、
その名前は「〇〇リザモン」という形であり、いわゆる「リザモン系」に属するコトになる。

 デジモンにおいて「〇〇ドラモン」という竜族は初期から存在している一大勢力で、
エアドラモンやシードラモンと言った定番枠の他、ブイドラモンやパイルドラモンといった主役級も多く輩出している。

 それに比べると、同じ爬虫類系でもいささか「リザモン系」は影が薄いというか、
そもそも「系統」と呼べるほど繁栄しているとは言い難い規模のグループではある。

 しかしそんなリザモン系にも、こうしてめでたく「主役デジモン」が登場したぞというコトで、
今回はリザモン系の歴史を振り返りつつ、かつて登場したという『幻の存在』について解き明かしていきたい。


◇おばけをみちゃったヒトカゲくん

 リザモン系のはじまりは、1999年1月28日発売のプレイステーション用ソフト「デジモンワールド」にまで遡る。
ここで登場したフレアリザモンダークリザモンという2体が、その原点となっている。

 見ての通りこの2体は色違いキャラであり、
フレアリザモンは火炎竜型、ダークリザモンは邪竜型に分類され、どちらも成熟期のデジモンだ。
同時に登場したので「どちらが原種なのか」という点はハッキリしていないが、
まあ「炎」と「闇の炎」なら普通の炎が先に来るだろうから、フレアリザモンありきの種族だろう。

 この2体はフィールド上に出現する「ザコ敵」扱いのキャラで、街に勧誘するコトはできない。
せっかく新規デザインなのに敵限定なのは勿体ないが、デジワーにはちょくちょくそういうキャラもいた。
敵としては大して強くないのもあって、正直あまり印象に残る方でもなく、
せいぜいオーバーデル墓地前のやたら迫ってくるダークリザモンが怖い、くらいのもんじゃないだろうか。


公式絵に比べるとゲーム中モデルでは子供っぽく、あまり成熟期の貫禄はない。


 デジモンワールドでの役回り同様に、
その後もゲームやアニメでもチョイ役としての出番は続くものの、当時からどうにも影は薄め。
「全身が炎に包まれた竜」とだけ言われれば聞こえはいいが、
デザインがかなりシンプルな点や、竜デジモンは既にわんさかいたのが逆風となってしまったのだろうか。

 たとえば「デジモンワールド2」でもこの2体はプレイアブル枠で登場したが、
どちらも所持技が「味方1体に炎・闇属性を付与」とかいうカス性能で、どうしようもない感じだった。
(属性を付与しても効果が感じられない上に、平気で付与した次の瞬間に効果が切れたり…)

 そんなデジワー2ではフレアリザモンはトリケラモンかヴァーミリモンに、
ダークリザモンはエクスティラノモンに進化するという落としどころは中々イイ感じだったものの、
どういうワケかいずれも完全体で進化が止まるという、嫌がらせじみた扱いでもあった。


 「育成ギアに拾われなかった」というのも、初期のデジモンにとってはけっこうなマイナス要素で、
当時を生きたファンなら「ゲーム発デジモン」への差別的なまでの風当たりの強さを肌で感じられたと思う。

 一応、フレアリザモンは2005年に発売された「デジモンアクセルアルティメットゲノム」でようやく育成ギアへ登場し、
さらに2020年の「デジモンペンデュラムZ」にて、ついにペンデュラムで16ドットのギアデビューも達成している。
(…が、この頃にはもう「育成ギア登場=ステイタス」になるような時代でもなく、
 「余り物から拾ってもらった」的な空気感もあり、あまり加点要素にはならなかった感)



 その一方で、ダークリザモンは未だに育成枠としての採用すらされていない。
この点から、やはり公式としても「フレアリザモンの方が原種」扱いなのが窺える。

 しかし、この差によってフレアの方がダークより優遇されているかと言えば、個人的にはそうも思わない。
むしろ、ダークリザモンの方がいい出番をもらえているような気もする。

 例えばPSソフト「デジタルカードバトル」と、その続編的作品「デジタルカードアリーナ」。
この作品ではデジモンワールドに登場したデジモンのほとんどを「カード」として使うコトができる。
 
 カードは「属性」や「世代」「特殊能力」などによって個性豊かに彩られており、
その強さや使い勝手の良さは、元の種族の人気や境遇に引っ張られず、意外なデジモンが強力だったりする。

 フレアリザモンも、進化コストが非常に安い赤属性のお手軽アタッカーとして登場しているが、
ダークリザモンは変則的ながら謎にバランスのとれた能力値で、黒属性レベルⅣのエースとなり得る逸材だ。

・黒属性の割に進化Pは安くP補充も可能
・HPが妙に高く安定感がある
・防がれやすい〇攻撃ではなく△攻撃が強いのがユニーク
・×は威力こそ低いが敵の〇攻撃を0にできて優秀
・黒は援護能力もリスキーなものが多い中、こいつは双方の殴り合いを強制させるもので、
 敵の×攻撃による特殊効果を封じたり、先行なら単に殴り得になったりと、とにかく使い勝手がいい。


 「なんでダークリザモンがこんな優秀なんだよ」と思わなくもないが、
トイアグモンLやモドキベタモンが異常に強かったりするゲームなので、やはり色違いデジモンの楽園だ。

 特にカードアリーナは超名作な上にやり込み要素も抜群なので、
長時間プレイしている内に自分の中で「ダークリザモン=頼もしい」という認識が根付いていた。

 ダークリザモンと言えば、アニメ「デジモンゴーストゲーム」第20話の活躍も記憶に新しいかもしれない。
2021年2月に放送されたこの回では、ダークリザモンとセーバードラモンのコンビが敵として登場。
黒い炎に包まれたボディのデジモン同士で絵面もいいし、敵対にも
「偶然人間界に送られてしまったので、デジタルワールドに帰りたい」という真っ当な事情があり、
その手がかりを持つヒロ達に攻撃こそしたが、理性的で決してただの悪役ではないのも好印象。

 ガンマモンが様々な進化形態を駆使する戦闘シーンにも見応えがあり、
救いのあるラストも相まって「いいエピソードをもらえたなぁ」となる一幕だ。
(なお、終盤の第65話にてセーバードラモンとは再会を果たすが……)


◇こぼれ落ちる砂のように 誰も時間(とき)止められない

 長らく2体のみだったリザモン系に待望の3体目が登場したのは、なんと2020年。
かつての初代デジモンワールドの発売から、実に20年以上の時が経過している。

 この時「デジモンペンデュラムZ」で新登場したのが、爬虫類型の成長期、スナリザモンだ。

 名前の通り砂のトカゲで、「頭部が硬いメットに覆われている」「砂で構成された流動的なボディ」を持ち、
先輩であるフレアリザモンやダークリザモンへのリスペクトも感じられるデザイン。

 進化系譜としては、同時に初登場した「バブンガモン」や「ゴグマモン」へと繋がるラインを持つ他、
既存デジモンであるゴーレモンとの繋がりも強く、汎用性の高そうな期待の新人だ。


 ほどなくしてアニメの「デジモンアドベンチャー:」や「ゴーストゲーム」にも登場したが、
成長期というコトもあってか、出番はまぁまぁのチョイ役どまり。
しかし2024年、デジモンカードを題材とした「デジモンリベレイター」にて、メイン格の1体に抜擢された。

 人間ではなくデータ生命体である少女「クローズ」のパートナーであり、
新たな進化系としてランドラモン、プロガノモン、ピラミディモン、そしてマグネティックドラモンが登場。

 ペンデュラムZでは、せっかくゴグマモンまで進化しても、
その先がエンシェントボルケーモンとかいうオッサンだったのには正直ガッカリしてしまったが、
今作ではピラミディモンという新たなオッサンを経由しつつ、ついに竜属性を持つ最終形態を貰えたのが嬉しい。

 「希少なリザモン系だったのにすっかりドラモン系に染まっちまって…」という気持ちもなくはないが、
スナリザモンがただの脇役に収まらず、メイン格の1体としての待遇がもらえたのはめでたく思う。

 そしてリベレイターでは、スナリザモンの他にもエリザモンという新たなトカゲ娘がエントリー。
「エリマキトカゲ」と「エリザベスカラー」をかけた高度なネーミングで、
さらに「エリザベート・バートリー」要素も含んでいると思わしきデジモンだ。アミちゃんの声で喋りそう。

 主人公・照人のライバル的存在「オーウェン・ドレッドノート」のパートナーであり、
ディメトロモン、ラミアモン、メデューサモンと恐竜・蛇系の進化を辿る。
見た目的にも性格的にもメスg…女性的な側面が強く、リザモン界のアイドルとして輝く存在になるかと思われたが、
最後の最後でスティラコモンとかいうドスコイファイターになる高度なトラップを仕掛けてきた。


◇赤黒の双頭竜

 フレアリザモン、ダークリザモン、スナリザモン、エリザモンの4体に、
冒頭で紹介したアルマリザモンを合わせた全5体が、現状の「リザモン系」の数だ。
まぁ多くないだろうとは思っていたが、片手で数えられてしまう規模感だったのが分かる。

 しかし、実はこのメンバー以外にも、
そのものズバリ『リザモン』という名のデジモンがいるらしい情報を小耳に挟んでいた。
まるでドラモン系における「ドラモン」のような伝説的存在が、リザモン系にもいたのだろうか。

 その実態を探るため、
我々はデジモンアドベンチャー放送当時の玩具「デジモンアナライザー」の調査を開始した。



 ……かったのだが、俺のアナライザー、ブッ壊れてました
思えばこれ、かれこれ10年以上前に中古で買った奴だし、電池入れっぱなしなせいでボックスがもう錆び錆びでやんの。

 今やけっこうなプレ値ついてるし買い直すのもなぁ、修理しようにも色々となぁ…などと悩んだ末に、
「なんかこう…インターネットに上手く転がってないかな」と方向転換し、ガッチと検索。

 すると見事、YouTubeにてデジモンアナライザーのコンプリートを目指す実況プレイを投稿している方を発見
投稿者さんにコンタクトをとったところ、快く引用の許可をいただけました。.Rさん、ありがとう!

 パート1から動画を追い続け、上記の動画の6分5秒頃から、ついに自分の探し求めていた存在が姿を現した。
さぁ目に焼き付けよ! これが、『リザモン』だぁぁーーーーっ!!



 …ハイ、というワケで『リザモン』の正体とは、
デジモンアナライザーではフレアでもダークでもないただの『リザモン』名義だったというオチでした。

 これは別に間違いだとか混同だとかではなく、
当時はまだ2体がひとつの「リザモン」だった頃にアナライザーが開発されていた、みたいな背景があるのだろう。

 開発時期の関係でそういったズレが起きてしまうのは珍しいコトでもないし、
実際、デジモンアナライザーにはペンデュラム5の頃までのデジモンが収録されているが、
ウォーグレイモンが構想段階のデザインを元にしてドットが打たれたりしている。


元々はマント的な羽が生えていたが、変形玩具との兼ね合いでブレイブシールドになった。


 アナライザーには図鑑としての機能があって、
育成ギア組のデジモンなら必殺技や16ドット、生息エリアといった情報が見れたりする。
しかしデジワーでザコ敵を任されただけのリザモンはほぼ「NO DATA」で済まされていて、
残念ながらこいつの正体がフレアリザモンなのか、ダークリザモンなのかを窺い知る術は残されていない。
…まぁ黒くないしフレアだろうけども。

 フレアリザモンとダークリザモンが今一つに GREAT XROSしている一方で、
アナライザーでもデジワー組のシマユニモンなんかは個別で収録されていたりするので、
もう少しタイミングに余裕があれば、ちゃんとフレアとダークは分かれていたのかもしれない。
(ちなみにアナライザーの後継的なアイテムである「ディーターミナル」には、)
 フレアリザモンとダークリザモンがそれぞれ別のヴァイスドットで収録されている)

 

◇トカゲのしっぽ

 そんなワケで、今回は「リザモン系」についてのコラムでした。

 自分がアナライザーに『リザモン』がいると知ったのは実はかなり最近のコトで、
いずれコラムで扱っておきたいな~と思いつつも先延ばしにしていたところ、
アニメ最新作でついにリザモン系が主役に咲いたとなれば、今が便乗チャンス!と思い1日で作成。

 今回のために、もはや持っていたのも忘れていた自前のアナライザーを引っ張り出してみれば、
容赦なく機能停止していた上に電池ブタのネジをなくしちゃったのはまぁまぁショックだったけど、
欲しかった内容を動画にしてくれている人がいて、使用許可ももらえたのは大変ありがたかったです。

 正直、自分はアナライザーをそれほどやり込んでいなかったので、
件のプレイ動画はソシャゲのガチャ動画を見守るような感じで楽しめたし、
今見たら以前に感じていたよりも中々良い玩具なんじゃないか?と認識を改められたので、
もし自分がまたアナライザーをプレイする機会があれば、レビューなんかもやり直したいところ。


 さて、リザモン界希望の新星・アルマリザモンは果たして今後どのように活躍していくのか、
そしてようやく4体になった「リザモン系」は今後どのくらい繁栄していくのか、皆も要チェックってナ!



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